JP2605531B2 - チェン用連結ピン及びチェン - Google Patents
チェン用連結ピン及びチェンInfo
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Description
結ピンと、該連結ピンを用いて連結した合成樹脂製のチ
ェンに関する。
等の金属チェンでは、リンクプレートを連結する連結ピ
ンの抜け防止策として、ピンの片端はフランジ型とし、
他端に割ピンやJピンを挿入したり、他端をカシメたり
していた。しかし、近年プラスチックチェンが下水道等
で多用されるようになってきており、そのプラスチック
チェンは従来の金属チェンに用いられた抜け防止策が適
用できなくなってきている。その解決策として、実公昭
61−12440号公報にはプラスチックチェンに適し
たチェン用連結ピンが開示されている。その概要は以下
の如くである。
洞と連なって、それより径の小さい後側空洞を形成し、
前側空洞の外側に形成される環状殻にスリットを設け
て、可とう性の舌状部を形成する。この連結ピンをリン
クプレートの穴に挿入すると、環状殻が弾性変形して縮
径し、環状殻がリンクプレートの孔を貫通したら、縮径
した環状殻が弾性により拡径して、リンクプレートと干
渉するようになり、抜け防止を行うことができるように
なるのである。
連結ピンには次のような問題点があった。すなわち、連
結ピンの前端部に肉の薄い環状殻が形成してあるので、
これはピンを挿入するときは問題ないが、連結ピンを抜
き取るときにハンマー等で打撃を与えることができず、
そのため抜取りに特別の工具を必要とするという問題点
がある。また連結ピンの軸方向に後側空洞を設けてお
り、これが連結ピンの剪断強度や曲げモーメントに対す
る強度を低下させるという問題点がある。本発明は上記
した問題点を改善して、ピンの抜取りが容易に行え、且
つ強度の大きいチェン用連結ピン及びチェンを提供する
ことを目的とする。
するためになされたものであり、すなわち合成樹脂によ
って形成され、リンクプレートに形成した孔に胴部を貫
装して複数のリンクプレートを互いに屈曲自在に連結す
るチェン用連結ピンにおいて、前記胴部の前端側より該
前端側に向って環状殻を突設し、該環状殻の後端部より
も拡径した肩部を環状殻の中間部外面に形成し、環状殻
の前端部外面を前端側に向って縮径する円錐台状に形成
し、環状殻に半径方向1又は複数のスリットを設けて環
状殻を縮径可能に形成し、前記環状殻の内部に前記胴部
より突出部を突設し、該突出部の前端面を前記環状殻の
前端面と同一平面に、もしくは前記環状殻の前端面より
も前端側に突出して形成したことを特徴とし、また、連
結ピンの剪断面を回避する位置において前記胴部の周方
向180度対向する方向より1又は複数対の凹溝を穿設
し、該凹溝の穿設方向が前記リンクプレートの長手方向
と直交する方向を保つように連結ピンの回転防止手段を
設けたことを特徴とするチェン用連結ピンであり、ま
た、合成樹脂によって形成した複数のリンクプレート
と、合成樹脂によって形成され、前記リンクプレートに
形成した孔に胴部を貫装してリンクプレートを互いに屈
曲自在に連結する連結ピンとを有するチェンにおいて、
連結ピンの前記胴部の前端側より該前端側に向って環状
殻を突設し、該環状殻の後端部よりも拡径した肩部を環
状殻の中間部外面に形成し、環状殻の前端部外面を前端
側に向って縮径する円錐台状に形成し、環状殻に半径方
向1又は複数のスリットを設けて環状殻を縮径可能に形
成し、前記環状殻の内部に前記胴部より突出部を突設
し、該突出部の前端面を前記環状殻の前端面と同一平面
に、もしくは前記環状殻の前端面よりも前端側に突出し
て形成し、連結ピンの剪断面を回避する位置において前
記胴部の周方向180度対向する方向より1又は複数対
の凹溝を穿設し、連結ピンの前記胴部の後端側にフラン
ジを設け、該フランジの外周面の少なくとも一部を平面
状に形成し、前記凹溝の穿設方向が前記リンクプレート
の長手方向と直交する方向を保つように連結ピンの挿入
方向後端側のリンクプレートの外面に前記フランジと嵌
合するボスを形成したことを特徴とするチェンである。
は本発明の一実施例を示し、連結ピン1の胴部2は、前
側(図面右側)2aを小径に、後側(左側)2bを大径
に形成されており、小径胴部2aの前端側(右端側)に
は、前端側に向って環状殻3が突設されている。環状殻
3の後端部(左端部)は小径胴部2aと同径に形成され
ており、環状殻3の中間部外面には後端部よりも拡径し
た肩部3aが形成されており、環状殻3の前端部外面は
前端側に向って縮径する円錐台状のテーパ面3bに形成
されている。環状殻3には円周方向等角度間隔に半径方
向に伸びる6個のスリット3cが設けられており、これ
によって環状殻3は縮径可能に形成されている。環状殻
3の内部には環状殻3と同芯状に突出部4が小径胴部2
aより突設されており、突出部4の前端面(右端面)は
環状殻3の前端面よりも前端側に突出しいる。
対向する方向より都合4対の凹溝2cが穿設されてい
る。但し図5及び図6に示すように、連結ピン1は入口
側外リンクプレート6と内リンクプレート7と出口側外
リンクプレート8との孔6a,7a,8aに嵌入され、
各リンクプレート6,7,8には引張力が作用し、した
がって連結ピン1には剪断力と曲げモーメントが作用す
るが、この剪断力の作用する剪断面P,Qを回避する位
置に凹溝2cは穿設されている。また大径胴部2bの後
端側(図面左端側)には大径胴部2bよりも大径のフラ
ンジ5が形成されており、該フランジ5は円形を平行線
で切除した切欠き円形に形成されている。
a,7a,8aは連結ピンの胴部2の径に適合するよう
に形成されており、すなわち図6に示すように出口側外
リンクプレートの孔8aは小径胴部2aに適合するよう
に小径に、また入口側外リンクプレートと内リンクプレ
ートの孔6a,7aは大径胴部2bに適合するように大
径に形成されている。また入口側外リンクプレート6の
外面には、連結ピンの凹溝2cの穿設方向が各リンクプ
レート6,7,8の長手方向と直交する方向を保つよう
に、円錐台の中央部を水平方向に切除して得られる2個
のボス6b,6bが形成されている。
入口側外リンクプレート6より連結ピン1を圧入する
と、各リンクプレートの孔6a,7a 8aへの挿入は
テーパー面3bによって案内され、環状殻3はスリット
3cの存在によってたわむから、連結ピン1は各リンク
プレートの孔を進入し、肩部3aが出口側外リンクプレ
ート8より外方に突出したときに、環状殻3はリンクプ
レートの孔による押圧より解放されて原形状に復帰し、
肩部3aは出口側外リンクプレート8の外面に係止し、
こうして各リンクプレート6,7,8は連結ピン1によ
って互いに屈曲自在に連結される。なお連結ピンの胴部
2をすべて同径に形成することもできるが、そのときに
は各リンクプレートの孔6a,7a,8aも同径に形成
することとなり、連結ピン1の挿入は入口側外リンクプ
レートの孔6aより圧入しなければならなくなる。そこ
で本実施例では出口側外リンクプレートの孔8aのみを
小径に形成し、且つこれに適合するように胴部2の前端
部分のみを小径に形成して、入口側外リンクプレートと
内リンクプレートの孔6a,7aへの連結ピン1の圧入
作業を軽減もしくは皆無としている。
7,8から抜き取るときは、突出部4の頭に木ハンマー
等で軽く打撃を与えれば、環状殻の肩部3aが出口側外
リンクプレート8によって強制的に縮径されて容易に抜
き取ることができる。木ハンマー等で打撃を与える際、
突出部4が存在することでここが打撃力を受けとめ、そ
の周囲にある肉の薄い環状殻を破損することが少ない。
更に突出部4を環状殻より突出させておけば、環状殻の
破損は皆無となる。また実公昭61−12440号公報
に開示されているような工具を使用する必要もなく、チ
ェンが張架されている現場でのピンの抜取り作業では、
特に作業性が優れるものとなる。
6,7,8は、ガラス繊維強化のポリアセタールを射出
成形して形成されているが、ガラス繊維入りポリアセタ
ール、同ポリエステルなどの材質を用いることもでき
る。連結ピンの射出成形の際に、射出成形する製品の肉
厚が厚いと、その部分にヒケ巣が生じたり、大きな寸法
変化が出たりするおそれがある。そこで本実施例では凹
溝2cを設けて肉厚を5〜6ミリ程度に制限し、ヒケ巣
などの発生を防止している。但し凹溝2cは剪断面P,
Qを回避する位置のみに形成されているから、連結ピン
1に作用する剪断力に十分に対抗することができる。更
に凹溝2cの穿設方向はリンクプレート6,7,8の長
手方向と直交する方向を保つように構成されているか
ら、連結ピン1に作用する曲げモーメントにも十分に対
抗することができる。したがって凹溝2cの存在によっ
て連結ピン1の強度が損なわれることはなく、ひいては
連結ピン1の径を小さくすることができる。
3cは6本であったが、スリット3cの本数は1本以上
とすることができ、例えば4本、8本等のものも実施す
ることができる。また上記実施例では突出部4は円柱状
に形成されていたが、突出部4の肉厚を減じてヒケ巣な
どの発生を抑制するために、図7に示すように突出部4
の中心に穴4aを形成し、あるいは図8に示すように突
出部4に1又は複数のスリット4bを設け、あるいは図
9に示すように突出部4を、各辺を凹ませた3角形状に
形成することもできる。
ピンの抜取り作業が容易に行え、且つ剪断強度と曲げモ
ーメントに対する強度が大きいチェン用連結ピン及びチ
ェンである。
る状態を示す斜視図
a…小径胴部 2b…大径胴部 2c…凹溝 3
…環状殻 3a…肩部 3b…テーパー面 3
c…スリット 4…突出部 4a…穴 4
b…スリット 5…フランジ 6…入口側外リンクプレート 7…内リンクプレート 8…出口側外リンクプレート 6a,7a,8a…孔 6b…ボス
P,Q…剪断面
Claims (4)
- 【請求項1】合成樹脂によって形成され、リンクプレー
トに形成した孔に胴部を貫装して複数のリンクプレート
を互いに屈曲自在に連結するチェン用連結ピンにおい
て、胴部の前端部には環状殻を形成し 、該環状殻の後端部よ
りも拡径した肩部を環状殻の中間部外面に形成し、環状
殻の前端部外面を前端側に向って縮径するテーパ面に形
成し、環状殻に半径方向1又は複数のスリットを設けて
環状殻を縮径可能に形成し、 前記環状殻の内部に前記胴部より突出部を突設し、該突
出部の前端面を前記環状殻の前端面と同一平面に、もし
くは前記環状殻の前端面よりも突出して形成したことを
特徴とするチェン用連結ピン。 - 【請求項2】合成樹脂によって形成され、リンクプレー
トに形成した孔に胴部を貫装して複数のリンクプレート
を互いに屈曲自在に連結するチェン用連結ピンにおい
て、連結ピンの剪断面を回避する位置において前記胴部
の周方向で互いに180度対向する位置に1又は複数対
の凹溝を穿設し、該凹溝の穿設方向が前記リンクプレー
トの長手方向と直交する方向を保つように連結ピンの回
転防止手段を設けたことを特徴とするチェン用連結ピ
ン。 - 【請求項3】合成樹脂によって形成した複数のリンクプ
レートと、合成樹脂によって形成され、前記リンクプレ
ートに形成した孔に胴部を貫装してリンクプレートを互
いに屈曲自在に連結する連結ピンとを有するチェンにお
いて、 連結ピンの胴部の前端部には環状殻を形成し、該環状殻
の後端部よりも拡径した肩部を環状殻の中間部外面に形
成し、環状殻の前端部外面を前端側に向って縮径するテ
ーパ面に形成し、環状殻に半径方向1又は複数のスリッ
トを設けて環状殻を縮径可能に形成し、 前記環状殻の内部に前記胴部より突出部を突設し、該突
出部の前端面を前記環状殻の前端面と同一平面に、もし
くは前記環状殻の前端面よりも突出して形成し、 連結ピンの剪断面を回避する位置において前記胴部の周
方向で互いに180度対向する位置に1又は複数対の凹
溝を穿設し、 連結ピンの前記胴部の後端側にフランジを設け、該フラ
ンジの外周面の少なくとも一部を平面状に形成し、前記
凹溝の穿設方向が前記リンクプレートの長手方向と直交
する方向を保つように連結ピンの挿入方向後端側のリン
クプレートの外面に前記フランジと嵌合するボスを形成
したことを特徴とするチェン。 - 【請求項4】連結ピンの前記胴部の前側部分を後側部分
よりも小径に形成し、該胴部の径に適合するようにリン
クプレートの前記孔の径を形成した請求項3記載のチェ
ン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3283677A JP2605531B2 (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | チェン用連結ピン及びチェン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3283677A JP2605531B2 (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | チェン用連結ピン及びチェン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0599278A JPH0599278A (ja) | 1993-04-20 |
JP2605531B2 true JP2605531B2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=17668642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3283677A Expired - Lifetime JP2605531B2 (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | チェン用連結ピン及びチェン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2605531B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2587152Y2 (ja) * | 1993-09-30 | 1998-12-14 | 株式会社椿本チエイン | 回動軸を挿通した部材の回動軸挿通孔内周面に嵌装した樹脂製スリーブの遊動防止装置 |
US5461852A (en) * | 1994-05-03 | 1995-10-31 | Hitachi Metals, Ltd. | Chain and Connecting pin thereof |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04110249U (ja) * | 1991-01-28 | 1992-09-24 | 三光合成株式会社 | 合成樹脂製チエーン |
JPH0514700U (ja) * | 1991-08-08 | 1993-02-26 | 日立金属株式会社 | チエン用連結ピン |
-
1991
- 1991-10-03 JP JP3283677A patent/JP2605531B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0599278A (ja) | 1993-04-20 |
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