JP2605348B2 - 粉体スラッシュ成形装置 - Google Patents

粉体スラッシュ成形装置

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JP2605348B2 JP63128744A JP12874488A JP2605348B2 JP 2605348 B2 JP2605348 B2 JP 2605348B2 JP 63128744 A JP63128744 A JP 63128744A JP 12874488 A JP12874488 A JP 12874488A JP 2605348 B2 JP2605348 B2 JP 2605348B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、粉体スラッシュ成形装置の改良に係るもの
である。粉体スラッシュ成形は、型面転写による高度な
意匠化、大型化及び歩留り向上によるコスト低減が可能
な成形手段であって、車両用内装材の表皮等の製造に用
いられている。
[従来の技術] 従来より、例えば塩化ビニル樹脂等の粉体スラッシュ
材料を用い、加熱された型面に粉体スラッシュ材料を接
触させ、型面で粉体スラッシュ材料を溶解凝着させ、一
定膜厚の溶融した可塑化ポリ塩化ビニル樹脂フィルムと
し、その後、ポリ塩化ビニル樹脂を冷却して膜状成形体
を得る粉体スラッシュ成形が実用に供されている。
このような成形に用いる一般的な粉体スラッシュ成形
装置は、加熱油および冷却油を流通させる銅パイプをそ
の裏面に貼り合せたスラッシュ型(Ni、Cu等の電鋳型)
と、銅パイプに接続して加熱油および冷却油を流通させ
る加熱装置および冷却装置と、材料を投入・回収するた
めスラッシュ型および材料箱の開口部を対向させて回転
・揺動させる揺動装置とを備えている(特開昭60−1578
18号公報、実開昭60−168915号公報、特公昭60−55756
号公報等)。
[発明が解決しようとする課題] 前記従来の粉体スラッシュ成形装置にあっては、1個
のスラッシュ型に対して各装置による処理工程を連続的
に行なうことにより1個の製品が製造される。即ち、加
熱装置によりスラッシュ型を加熱する加熱工程、揺動装
置によりスラッシュ型へ材料を供給する材料供給工程、
冷却装置によりスラッシュ型を冷却する冷却工程、形成
された成形体をスラッシュ型から分離する脱型工程を順
に行なう。このため、1個の製品を製造するのに約3〜
10分(加熱・冷却の容量により変わる)を要し、非常に
生産性が低いという問題がある。
本発明は上記実情に鑑み案出されたものであり、その
目的は生産性に優れた粉体スラッシュ成形装置を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の粉体スラッシュ成形装置は、少なくとも3個
のスラッシュ型と、該スラッシュ型を搬送するための1
本の線状に伸びるガイド部と、該ガイド部に案内され常
に該ガイド部の前後方向に位置する前方台車および後方
台車と、前記ガイド部にそってかつ前記ガイド部の前方
より後方に配置された脱型ステーション、冷却ステーシ
ョン、加熱ステーション、材料供給ステーションとから
なることを特徴とするものである。
[作用] 本発明の粉体スラッシュ成形装置では、脱型ステーシ
ョンでの工程を終了したスラッシュ型は、前方台車によ
り加熱ステーションへ搬送される。加熱後、スラッシュ
型は加熱ステーションから後方台車に受け渡されて材料
供給ステーションへ搬送され、スラッシュ型への材料の
投入・回収が行われる。その後、スラッシュ型は後方台
車により冷却ステーションへ搬送される。冷却後、スラ
ッシュ型は前方台車により脱型ステーションへ搬送さ
れ、製品脱型して1サイクルを完了する。即ち、前方台
車は脱型ステーションから加熱ステーションまでの間
を、また後方台車は冷却ステーションから材料供給ステ
ーションまでの間を移動する。所定時間間隔を置いて3
個のスラッシュ型を送り込めば、上記1サイクルの間に
前方台車と後方台車が3回同じ動作を繰り返す。これに
より、1サイクルの間に前方台車と後方台車の2台の台
車で3個のスラッシュ型を分離独立した4つのステーシ
ョンへ順次搬送する。両台車の移動等はすべてプログラ
ム制御され、両台車が干渉を生じるおそれはない。
[実施例] 以下、本発明の粉体スラッシュ成形装置の具体的実施
例を図面に基づき説明する。第1図は本実施例の粉体ス
ラッシュ成形装置の概略構成を模式的に示す側面図であ
る。
第1図に示すように、本実施例の粉体スラッシュ成形
装置は、3個のスラッシュ型S1〜S3と、ガイド部1と、
前方台車2と、後方台車3と、脱型ステーション4と、
冷却ステーション5と、加熱ステーション6と、材料供
給ステーション7とを主要構成要素としている。
3個のスラッシュ型S1〜S3は、その一面に凹状に形成
された所定形状の型面をもつ金属製の電鋳型であり、そ
の開口する一面の周囲には被挟持用のフランジ部が形成
されている。このスラッシュ型S1〜S3は、製造する製品
に応じて任意に選択した3個のものを使用する。
ガイド部1は、所定間隔を隔てて平行に配置された2
本の走行レールからなり、前方台車2および後方台車3
を支持し案内するものである。このガイド部1は、後述
する脱型ステーション4から材料供給ステーション7ま
での一列状に配置された各ステーションに沿ってその上
方位置に水平に設けられている。
前方台車2は、スラッシュ型S1〜S3をその下方で挟持
して搬送するものであり、ガイド部1の2本の走行レー
ル上に載置され、ガイド部1の前方側に配置されてい
る。前方台車2は、第2図にその側面図を示すように、
4個の走行車輪21と、変速機22と、変速機22を介して走
行車輪21を駆動する駆動モータ23と、台車本体の下方部
に設けられスラッシュ型S1〜S3を挟持するクランパ25
と、クランパ25を作動させる油圧装置26とを備えてい
る。
後方台車3は、スラッシュ型S1〜S3をその下方で挟持
して搬送するものであり、ガイド部1の2本の走行レー
ル上に載置され、ガイド部1の後方側に配置されてい
る。この後方台車3は、前方台車2と同一仕様のもので
あり、4個の走行車輪31と、変速機32と、台車駆動モー
タ33と、クランパ35と、油圧装置36とを備えている(第
2図参照)。
なお後方台車3および前記前方台車2の駆動モータ2
3、33および油圧装置26、36は、コード27、37を介して
制御部(図示せず)と電気的に接続されており、プログ
ラム制御によって作動するようになっている。
脱型ステーション4は、ガイド部1に沿ってその最前
方位置に設置され、冷却ステーション5での工程を終了
した後成形品を脱型するためのステーションであり、粉
体スラッシュ成形の最終工程を構成する。この脱型ステ
ーション4は、第1図に示すように、基台40と、基台40
に固定されスラッシュ型S1〜S3を上下方向に昇降させる
昇降リフタ43と、昇降リフタ43に設けられスラッシュ型
S1〜S3を回転させる型回転装置45とを備えている。
昇降リフタ43は、第3図にその側面図、第4図にその
正面図を示すように、幅方向に間隔を隔てて基台40に直
立して設けられた左右一対の油圧シリンダ装置431を有
する。各油圧シリンダ装置431のピストンロッド431a
は、油圧駆動部(図示せず)によって上下方向に摺動自
在であるとともにその上端部が可動基部432に固定され
ている。各可動基部432は、各ピストンロッド431aと平
行してその両側に設けられたリフタガイド433に摺動自
在に保持されている。また、一対の油圧シリンダ装置43
1の間には、その下方部に装着されたラック・ピニオン
機構(図示せず)、伝達ベルト435等を介して同期バー4
36が連結されており、これにより油圧シリンダ装置431
の動作を同期させるようになっている。
型回転装置45は、各可動基部432の内側に各々設けら
れた一対の反転駆動部451と、反転駆動部451に互に対向
して設けられスラッシュ型S1〜S3を挟持する型挟持部45
3とからなる。一対の反転駆動部451は、駆動部(図示せ
ず)によって互いに進退する方向へ移動可能であるとと
もに、型挟持部453により挟持したスラッシュ型S1〜S3
を上下反転する方向へ回転可能に設けられている。
なお、この脱型ステーション4には、所定位置で脱型
作業を行う作業者Aが配置される(第1図参照)。
冷却ステーション5は、ガイド部1の前方から後方に
向って脱型ステーション4の次に配置されており、材料
供給ステーション7での工程を終了した後溶融している
粉体材料を冷却固化させるステーションである。この冷
却ステーション5は、第1図に示すように、基台50と、
スラッシュ型S1〜S3を冷却するための温調水537を投入
した冷却水槽53と、冷却水槽53内へスラッシュ型S1〜S3
を誘導する第1リフタ55と、スラッシュ型S1〜S3を挟持
し反転させる第1型反転装置57とを備えている。
冷却水槽53は、第5図にその断面図を示すように、仕
切板531によって区画されたメインタンク533およびサブ
タンク535からなり、上部が開口したボックス状のもの
である。メインタンク533とサブタンク535は、その周囲
に配設された連結パイプ534により各々の側底部で連通
されている。連通パイプ534には、ポンプ装置(図示せ
ず)が設けられており、メインタンク533からサブタン
ク535へ仕切板531の上を越えて溢れフローパイプ538へ
流入した温調水537は、そのポンプ装置によりメインタ
ンク533へ戻されて両タンク間を循環するようになって
いる。そして、連結パイプ534のメインタンク533内に延
出した部分には、多数の孔から温調水537を噴出させメ
インタンク533内の温調水537を攪拌するノズル部534aが
設けられている。なお、連通パイプ534には、循環する
温調水537を60〜80℃の温度に維持する冷却装置(図示
せず)が設けられている。
第1リフタ55は、第6図にその側面図、第7図にその
一方側の正面図を示すように、幅方向に間隔を隔てて基
台50に直立して設けられた左右一対の油圧シリンダ装置
551を有する。各油圧シリンダ装置551のピストンロッド
551aは、上下方向に摺動自在であるとともにその上端部
が可動基部552に固定されている。各可動基部552は、各
ピストンロッド551aと平行してその両側に設けられたリ
フタガイド554に摺動自在に保持されている。また、一
対の油圧シリンダ装置551の間には、各々に装着された
ラック・ピニオン機構(図示せず)、伝達ベルト455等
を介して同期バー456が連結されており、これにより油
圧シリンダ装置551の動作を同期させるようになってい
る。
第1型反転装置57は、第1リフタ55の各可動基部552
に同軸上に設けられた一対の反転軸部571と、反転軸部5
71の内側先端に互いに対向して設けられスラッシュ型S1
〜S3を挟持するクランプ部573とからなる。一対の反転
軸部571は、可動基部552内に設けられた駆動部(図示せ
ず)により互いに進退する方向へ摺動可能であるととも
に、クランプ部573によって挟持したスラッシュ型S1〜S
3を上下反転可能に設けられている。
加熱ステーション6は、冷却ステーション5の後方側
に配置されており、脱型ステーション4から搬送されて
きたスラッシュ型S1〜S3を予め加熱するためのステーシ
ョンである。この加熱ステーション6は、第1図に示す
ように、基台60と、スラッシュ型S1〜S3を加熱するため
の流動床炉61と、流動床炉61内へスラッシュ型S1〜S3を
誘導する第2リフタ63と、スラッシュ型S1〜S3を挟持し
反転させる第2型反転装置65とを備えている。
流動床炉61は、第8図にその断面図を示すように、上
部が開口したボックス状のものである。この流動床炉61
は、所定間隔を隔てて多数の空気吹出し孔612aを形成し
た流動板612により上下に区画された上方側の加熱槽614
と下方側の空気吹込み室616とからなる。加熱槽614に
は、熱媒砂(ガラスビーズ、ジルコンサンド、アルミビ
ーズ等)(図示せず)が投入されており、この熱媒砂を
加熱槽614内に設けられた電気ヒータ618によって300〜3
50℃の温度に加熱されている。また空気吹込み室616
は、流動板612の空気吹出し孔612aから圧風して熱媒砂
を流動状態にさせる送風機(図示せず)を有する。
なお、第2リフタ63および第2型反転装置65は、第1
リフタ55および第1型反転装置57と同一仕様のものであ
る。
材料供給ステーション7は、加熱ステーション6の後
方側に配置されており、加熱ステーション6から搬送さ
れてきたスラッシュ型S1〜S3に材料を供給するためのス
テーションである。この材料供給ステーション7は、第
1図に示すように、基台70と、スラッシュ型S1〜S3を所
定位置へ誘導する誘導リフタ71と、スラッシュ型S1〜S3
を材料箱とともに挟持して揺動させる揺動装置73と、粉
体材料を投入した3個の材料箱75と、材料箱75を載置す
るターンテーブル77と、ターンテーブル77上の所定の材
料箱75をスラッシュ型S1〜S3と合体させるシザーリフト
79とを備えている。
誘導リフタ71は、第9図にその正面図を示すように、
幅方向に間隔を隔てて基台70に直立して設けられた左右
一対の油圧シリンダ装置711を有する。各油圧シリンダ
装置711のピストンロッド711aは、上下方向に摺動自在
であるとともにその上端部が可動基部712に固定されて
いる。各可動基部712は各ピストンロッド711aと平行し
てその両側に設けられたリフタガイド714に摺動自在に
保持されている。また、各可動基部712には、互いに対
向して進退可能に装着されスラッシュ型S1〜S3を挟持す
るクランプ部715が設けられている。そして、一対の油
圧シリンダ装置711の間には、伝達ベルト717等を介して
連結された同期バー718が設けられている。
揺動装置73は、第10図にその平面図を示すように、材
料供給ステーション7の略中央に配置されスラッシュ型
S1〜S3および材料箱75の開口部を対向配置させる枠体73
1と、枠体731の左右両側に同軸的に固定された一対の揺
動軸733と、各基台70に設けられ揺動軸733を揺動させる
一対の揺動部735と、揺動部735を駆動する駆動モータ73
7とからなる。枠体731には、スラッシュ型S1〜S3のフラ
ンジ部を位置決めして固定保持する固定ピン732aおよび
材料箱75のフランジ部を位置決めして固定保持する固定
ピン732bが前後方向両側に6個づつ合計12個設けられて
いる。
材料箱75は、スラッシュ型S1〜S3の開口と略同じ大き
さの開口を一面にもつボックス状のものであり、粉体材
料を投入した3個の材料箱75が用意されている。なお、
各材料箱75には、20〜30回分の粉体材料が一度に投入さ
れている。
ターンテーブル77は、第11図にその平面図を示すよう
に、回転軸771を中心に水平面上を図中矢印a方向へ120
゜づつ回転する円盤状のものである。ターンテーブル77
には、材料箱75の底面より少し小さい大きさの長孔773
が120゜間隔毎に合計3個設けられており、1個の長孔7
73が前記枠体731の直下位置で停止するようになってい
る。また、ターンテーブル77には、枠体731の直下位置
の上流側にある長孔773上へ粉体材料を投入した材料箱7
5を搬入するための搬入装置776と、枠体731の直下位置
の下流側にある長孔773上から空になった材料箱75を搬
出するための搬出装置777が設けられている。
シザーリフト79は、ターンテーブル77の下方で前記枠
体731の直下位置に配置されている。このシザーリフト7
9は、ターンテーブル77の長孔773を貫通して材料箱75の
底部を押し上げそのフランジ部を枠体731に合体させる
リフトロッド791を有する。
なお、材料供給ステーション7の後方側には、現在使
用しないあるいは次の成形作業で使用するスラッシュ型
S4を準備するための段取ゾーン8が設けられている。こ
の段取ゾーン8のスラッシュ型S4との交換は、作業者A
の指示(電気的入力)により、後方台車3によって自動
的に行なわれるようになっている。
次に本実施例の粉体スラッシュ成形装置の作用を説明
する。第12図は、本実施例の粉体スラッシュ成形装置の
作動状態を示すタイミングチャートである。ここでは3
個のスラッシュ型S1〜S3の代表として第1番目のスラッ
シュ型S1についてその動作を説明する。
脱型ステーション4で脱型作業を終了したスラッシュ
型S1は、そのフランジ部を型回転装置45の型挟持部453
により挟持されて型面が横を向いた状態となっている。
この状態から型回転装置45により90゜回転されて型面が
下方に向けられ、そのまま昇降リフタ43により上昇さ
れ、上方に待機している前方台車2のクランパー25に受
け渡される。次いで前方台車2の台車駆動モータ23が始
動するとともに変速機22を介して走行車輪21が回転し、
これにより前方台車2はガイド部1に案内されつつ走行
してスラッシュ型S1を加熱ステーション6まで搬送す
る。前方台車2が加熱ステーション6の上方に到達する
と、第2リフタ63が上昇して第2型反転装置65によりス
ラッシュ型S1のフランジ部を挟持し、前方台車2のクラ
ンパ25からスラッシュ型S1を受け取る。スラッシュ型S1
を受け取った第2リフタ63は、第2型反転装置65により
スラッシュ型S1が上下に反転された後下降する。この下
降によりスラッシュ型S1は流動床炉61内の熱媒砂に浸漬
され、ここで約230〜250℃に加熱される。加熱後、第2
リフタ63が上昇するとともにスラッシュ型S1は第2型反
転装置65により上下に反転された後その上方まで走行し
て待機している後方台車3のクランパ35に受け渡され
る。後方台車3は、ガイド部1に案内されてスラッシュ
型S1の材料供給ステーション7へ搬送する。ここで材料
供給ステーション7の誘導リフタ71が上昇してクランプ
部715によりスラッシュ型S1を挟持する。そして、誘導
リフタ71はそのまま下降しスラッシュ型S1のフランジ部
が枠体731上に位置決めされつつ載置され固定ピン732a
により固定される。一方、スラッシュ型S1の下降と同期
して粉体材料を投入した材料箱75がシザーリフト79によ
りターンテーブル77から押し上げられ、そのフランジ部
が枠体731の下方側に位置決めされつつ固定ピン732bに
より固定される。これにより、スラッシュ型S1と材料箱
75の開口部が向い合せになった状態となる。この状態で
揺動装置73が作動して枠体731を180゜回転し揺動させ
る。この時、材料箱75の粉体材料がスラッシュ型S1に転
移して型面に付着し溶融を始める。次いでスラッシュ型
S1が上方に来るように枠体731が反転され、型面に付着
していない粉体材料は材料箱75に戻り回収される。この
時、スラッシュ型S1の型面には約1mmの溶融した粉体材
料が残る。そして、シザーリフト79のリフトロッド791
が延出してその先端面で材料箱75の底部を支持し、固定
ピン732bが解除された後材料箱75をターンテーブル77上
へ戻す。なお、材料箱75の粉体材料が所定回数供給され
た場合には、材料箱を交換するためにターンテーブル77
が120゜回転してシザーリフト79の上方に次の材料箱75
が用意される。そして、スラッシュ型S1は、誘導リフタ
71により上昇されて後方台車3のクランパ35に受け渡さ
れ、後方台車3により冷却ステーション5へ搬送され
る。後方台車3が冷却ステーション5に到達すると第1
リフタ55が上昇するとともに、スラッシュ型S1は第1型
反転装置57のクランプ部573に受け渡され、上下反転さ
れた後第1リフタ55が下降する。これにより、スラッシ
ュ型S1は冷却水槽53のメインタンク533内に進入して温
調水537に浸漬される。ここで約50〜100℃になるまで冷
却され、スラッシュ型S1の型面に付着し溶融している粉
体材料が固化される。所定時間経過後、第1リフタ55が
上昇するとともにスラッシュ型S1は第1型反転装置57に
より上下反転された後前方台車2のクランパ25に挟持さ
れ受け渡される。そして前方台車2がガイド部1に案内
されて走行し、スラッシュ型S1は脱型ステーション4の
上方位置へ搬送される。これと相前後して昇降リフタ43
が上昇し、型回転装置45の型挟持部453によりスラッシ
ュ型S1を受け取る。スラッシュ型S1は昇降リフタ43によ
り下降された後、型回転装置45により90゜回転され、ス
ラッシュ型S1の型面側が作業者A側に向けられる。次い
でスラッシュ型S1の型面で溶融固化した粉体材料(この
ときは製品)が型面から作業者Aにより剥し取られる。
これで1サイクルの工程が完了する。以上は1個のスラ
ッシュ型S1の1サイクルの工程を240秒で完了するよう
に設定した場合を示す。
第12図のタイムチャートに示すように、スラッシュ型
S2はスラッシュ型S1の80秒後にスラッシュ型S1と同じ工
程を開始し、またスラッシュ型S3はさらに80秒後に同じ
工程を開始する。この間、前方台車2は脱型ステーショ
ン4から加熱ステーション6までの間を、また後方台車
3は冷却ステーション5から料供給ステーション7まで
の間を移動して各スラッシュ型S1〜S3を搬送し、240秒
間に3回同じ動作を繰り返す。
以上のように本実施例の粉体スラッシュ成形装置は、
2台の台車2、3で3個のスラッシュ型S1〜S3を4個所
の各ステーション4〜7へ順次送り込む。これにより、
1タクトについて80秒のハイサイクルでの生産が可能と
なる。また、熱エネルギーを必要とする冷却ステーショ
ン5および加熱ステーション6が分離独立して配置され
ているため、1型成形に比べ製品1個に要するエネルギ
ーは1/3〜1/2程度に減少させることが可能となる。さら
には、人手を要する工程は脱型ステーション4のみであ
るが、1人で従来の3倍の作業量をこなすことができ、
作業が集中化してロスを著しく低減させることができ
る。また3個のスラッシュ型S1〜S3の搬送を前方台車2
および後方台車3の2台の台車で行なうようにしている
ため、最小数の台車で互いに干渉し合うことなく、かつ
効率よく行なうことができる。
[発明の効果] 本発明の粉体スラッシュ成形装置は、少なくとも3個
のスラッシュ型と、該スラッシュ型を搬送するための1
本の線状に伸びるガイド部と、該ガイド部に案内され常
に該ガイド部の前後方向に位置する前方台車および後方
台車と、前記ガイド部に沿ってかつ前記ガイド部の前方
より後方に配置された脱型ステーション、冷却ステーシ
ョン、加熱ステーション、材料供給ステーションとから
なるものである。これにより、前方台車および後方台車
により3個のスラッシュ型を各ステーションへ順に搬送
し、各ステーションでの作業工程を3個のスラッシュ型
について同時に行なうことができる。従って、スラッシ
ュ成形に必要な成形サイクル単位内で3個の成形品が得
られ、従来装置に比べ3倍に生産性を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第12図は本発明の実施例に係り、第1図は粉体
スラッシュ成形装置の概略構成を模式的に示す側面図、
第2図は前方台車の側面図、第3図は脱型ステーション
の側面図、第4図はその正面図、第5図は冷却水槽の断
面図、第6図は冷却ステーションの側面図、第7図はそ
の一方側の正面図、第8図は流動床炉の断面図、第9図
は材料供給ステーションの正面図、第10図は揺動装置の
平面図、第11図はターンテーブルの平面図、第12図は成
形工程を実施する際のタイムチャートである。 1……ガイド部、2……前方台車 3……後方台車、4……脱型ステーション 5……冷却ステーション、6……加熱ステーション 7……材料供給ステーション S1〜S3……スラッシュ型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 喜夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−239017(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも3個のスラッシュ型と、 該スラッシュ型を搬送するための1本の線状に伸びるガ
    イド部と、 該ガイド部に案内され常に該ガイド部の前後方向に位置
    する前方台車および後方台車と、 前記ガイド部に沿ってかつ前記ガイド部の前方より後方
    に配置された脱型ステーション、冷却ステーション、加
    熱ステーション、材料供給ステーションとからなること
    を特徴とする粉体スラッシュ成形装置。
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