JP2605345C - - Google Patents

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JP2605345C
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ジェイエスアール株式会社
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は輪転オフセット印刷紙塗被用共重合体ラテックスに関し、詳しくは紙
塗被用の顔料バインダーとして耐水性、インク着肉性、ドライ強度、印刷光沢、
耐ブリスター性などが物性バランスに優れた塗工紙を提供する共重合体ラテック
スに関する。 (従来の技術) 従来より、紙塗被用バインダー、不織布、人工皮革などの繊維結合用バインダ
ー、カーペットのバッキング用バインダー、塗料用の顔料バインダー、各種材料
の接着剤などのバインダーとして、天然ゴムラテックスを始めとして種々の合成
ラテックスが使用されている。これらバインダーとしては接着強度、印刷光沢、
インキ着肉性、耐水性および乾燥などの加熱による耐火ぶくれ性(耐ブリスター
性)に優れていることが要求される。例えば、紙塗被用として従来からカルボキ
シ変性ブタジエン−スチレン共重合体ラテックスが、単独あるいはカゼイン、タ ンパク質、デンプン、ポリビニルアルコールなどの天然または合成バインダーと
併用して紙の顔料塗被加工用バインダーとして広く使用されている。 このカルボキシ変性ブタジエン−スチレン共重合体ラテックスを含有した紙塗
被組成物を塗布して得られる塗工紙(コート紙)は、白色度、光沢などの性質に
優れているため様々な用途に大量に使用されている。 近年、コート紙に対する需要の伸びは著しく、最近の印刷物の急増によって、
特にオフセット印刷での高速印刷化の傾向にともない、オフセット用顔料塗被紙
および顔料バインダーには、次のような性質が要求されるようになってきている
。 その一つは、印刷時の顔料塗被紙面に対する機械的な力に抗して顔料の脱落お
よび塗被層の基紙からの剥離を防止し、美麗な印刷を可能とする性質である。こ
のためには、顔料粒子相互間ならびに顔料塗被層とその支持体である基紙との間
の接着が強固であることが必要である。このような紙表面の破壊は印刷強度が大
きくなればなるほど、また重ね塗り回数が多くなればなるほど激しくなる。従っ
て、それに耐えるコート紙が要求されるが、そのためには使用する顔料バインダ
ーは、優れた接着力(ドライ強度)を有するものでなくてはならない。 もう一つの性質は、耐水性である。オフセット印刷では、その印刷方式特有の
「湿し水」を使用するが、その湿時において印刷による機械的な力に抗する強さ
、即ち耐水性(ウェット強度ともいう)を有することが要求される。 もう一つの性質は、耐ブリスター性である。特に、輪転オフセット印刷の場合
には、印刷方式の性質上、高速印刷の後で高温かつ高速で乾燥するため「火ぶく
れ(ブリスター)」が発生し易く、このブリスターが発生すると印刷紙の商品価
値が大きく損なわれることになる。このブリスターの発生は顔料バインダーが大
きな要因であるため、使用する顔料バインダーは優れた耐ブリスター性を有する
ことが要求される。 もう一つの性質は、インク着肉性である。印刷の高速化に伴って、従来に比べ
一段と優れたインク着肉性が必要とされる。 更にもう一つの性質は、印刷光沢である。コート紙の生産コストを下げる方法
の一つとして、塗工液の全固形分を高くする方法があるが、この全固形分を高く
するために炭酸カルシウムの配合割合を大きくするとコート紙の印刷光沢が低下 するという問題が生じることから、共重合体ラテックスそのものの大幅な改質が
必要とされる。 以上、オフセット印刷におけるコート紙を一例として説明したが、上記の性質
はオフセット印刷に限らず他の印刷方式においてもコート紙に要求される性質で
ある。 このように、コート紙は耐水性、インク着肉性、ドライ強度、印刷光沢、耐ブ
リスター性などの性質が要求されるが、従来のコート紙にはこれら性質をいずれ
も高水準でバランスよく有するものはなかった。その理由は、耐水性とインク着
肉性とは相反する性質のものであり、またドライ強度と耐ブリスター性および印
刷光沢も同様に相反する性質のものであるからである。具体的にいえば、従来、
耐水性を改善する方法として、合成バインダーのゲル含量を下げる方法が知られ
ているが、ゲル含量を下げて耐水性を上げるとインク着肉性が低下する。一方、
インク着肉性を改良する方法として、合成バインダーの粒径をアップする、ある
いはガラス転移温度を高くする方法が知られているが、この方法によってインク
着肉性を改良すると耐水性が低下する。同様に、耐ブリスター性を改良する方法
として、ゲル含量を下げる方法が知られているが、この方法を実施するとドライ
強度が低下するという問題が生じる。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は、輪転オフセット印刷紙塗被用の顔料バインダーとして、耐水性、イ
ンク着肉性、ドライ強度、印刷光沢、耐ブリスター性などの性質がバランスよく
優れた共重合体ラテックスを提供することを目的とするものである。 (課題を解決するための手段) 上記目的は、特定組成の単量体混合物を乳化重合して得られ、かつ共重合体の
トルエン不溶分ならびにQ値が特定の範囲にある共重合体ラテックスによって達
成できることを知り、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は共役ジエン系単量体25〜60重量%、エチレン系不飽和カルボン
酸単量体0.5〜10重量%、芳香族ビニル単量体5〜50重量%およびこれらと共重
合可能な単量体0〜59.5重量%からなる単量体混合物を乳化重合して得られる共
重合体ラテックスであって、共重合体ラテックス中の共重合体のトルエン不溶分
が 56〜95重量%、かつ温度100℃、荷重100kg/cm2、ノズルサイズ1mm(内径)×1mm
(長さ)の条件下に測定したQ値が0.01〜0.5ml/secであることを特徴とする
転オフセット印刷紙塗被用共重合体ラテックスに関する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用するジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、2−ク
ロル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができ
る。これらは単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる
。これらのうち、特にブタジエンが好ましい。このジエン系単量体の使用割合は
、全単量体混合物の25〜60重量%、好ましくは30〜55重量%である。この使用割
合が25重量%未満ではドライ強度が低く、一方60重量%を超えると耐水性が劣り
好ましくない。 エチレン系不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸などを挙げる
ことができる。更に、ジカルボン酸の無水物も使用することができる。これらは
単独でも、あるいは2種以上を組み合わせで使用することもできる。このエチレ
ン系不飽和単量体の使用割合は、全単量体混合物の0.5〜10重量%、好ましくは
1〜7重量%である。この使用割合が0.5重量%未満ではドライ強度、耐水性が
低く、一方10重量%を超えると得られる共重合体ラテックスの粘度が高くなりす
ぎてハンドリングが難しくなり、更には耐水性、インク着肉性も劣り好ましくな
い。 芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−メチルスチレンなどを挙げることができる。これらは単独でも、あるい
は2種以上を組み合わせで使用することもできる。これらのうち、特にスチレン
が好ましい。この芳香族ビニル単量体の使用割合は、全単量体混合物の5〜50重
量%、好ましくは10〜40重量%である。この使用割合が5重量%未満では、耐水
性が低下し、一方50重量%を超えるとドライ強度が低下して好ましくない。 上記の単量体と共重合可能な他の単量体としては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどの
アクリル酸あるいはメタクリル酸のエステル類、アクリルアミド、メタクリルア ミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、酢酸ビニルなどのカルボ
ン酸ビニルエステル類などを挙げることができる。これらは、単独でも、あるい
は2種以上を混合して使用することもできる。この共重合可能な他の単量体の使
用割合は、全単量体混合物の0〜59.5重量%、好ましくは5〜40重量%である。 この使用割合が59.5重量%を超えると、上記ジエン系単量体、エチレン系不飽
和カルボン酸単量体、芳香族ビニル化合物の使用割合が上記の範囲外になり、本
発明の目的を達成することができない。 本発明の共重合体ラテックスは、上記単量体混合物を乳化重合して調製される
が、特に2段乳化重合法によって調製するのが好ましい。この2段乳化重合法に
よれば、先ず、第一工程において、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の0〜40
重量%、好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%を含む、全単量
体混合物の5〜95重量%、好ましくは10〜70重量%を乳化重合し、次いで第二工
程において、残りの単量体を添加し、乳化重合させて本発明の共重合体ラテック
スを得る。 上記第一工程で使用する単量体混合物は、エチレン系不飽和カルボン酸単量体
を上記割合で含むものであり、このエチレン系不飽和カルボン酸単量体の含量を
40重量%以下にするとQ値のコントロールが容易であり、また印刷光沢、耐ブリ
スター性が一段と優れた共重合体ラテックスが得られる。また、第一工程で使用
する単量体混合物の量は、上記のとおり、全単量体混合物の5〜95重量%、好ま
しくは10〜70重量%である。この第一工程で使用する単量体混合物の使用量を、
全単量体混合物の上記5〜95重量%の範囲にすると耐水性、耐ブリスター性が一
段と優れた共重合体ラテックスが得られる。 上記2段乳化重合法の第二工程において、エチレン系不飽和カルボン酸単量体
は他の単量体と同時に連続的に添加し、重合させるのが好ましい。このように、
エチレン系不飽和カルボン酸単量体を重合させることによって、従来の紙塗被用
共重合体ラテックスに比べて接着強度、インク着肉性、印刷光沢、耐ブリスター
性の物性バランスに優れた共重合体ラテックスが得られる。 本発明の共重合体ラテックス中の共重合体のトルエン不溶分は56〜95重量%、 好ましくは60〜90重量%、特に好ましくは65〜85重量%である。トルエン不溶分
が56重量%未満では、ドライ強度、着肉性が低く、一方95重量%を超えると耐水
性、耐ブリスター性が低くなって好ましくない。 なお、本発明のトルエン不溶分は下記方法によって測定したものである。 共重合体ラテックスをpH8に調整し、ラテックス中の共重合体をイソプロパノ
ールで凝固した後、得られた固形分を洗浄、乾燥した。この固形分約0.3g(全固
形分量A)をトルエン100mlに室温で20時間浸漬し、その後No.2定性ろ紙を用い
てろ過した。ろ液の一部(Cml)を正確に採取して、蒸発乾固させ、得られた残
存固形分(トルエン可溶分)(トルエン可溶分量B)を秤量し、下記式によって
トルエン不溶分を決定した。 また、本発明の共重合体ラテックス中の共重合体の温度100℃、荷重100kg/cm2
、ノズルサイズ1mm(内径)×1mm(長さ)の条件下に測定したQ値は0.01〜0.5m
l/sec、好ましくは0.01〜0.3ml/secである。このQ値が0.01ml/sec未満では印刷
光沢、体ブリスター性が劣り、一方0.5ml/secを超えるとドライ強度、インキ着
肉性、耐水性、印刷光沢が低下して好ましくない。 なお、本発明の上記Q値は次の方法によって測定したものである。 共重合体ラテックスを温度25℃、湿度65%の室内で自然乾燥させ、フィルム状
固形物を得る。この固形物を試料とし、高化式フローテスター(島津製作所製CF
T−500型)を用い、温度100℃、荷重100kg/cm2の条件下に、ノズルサイズを1mm
(内径)×1mm(長さ)として、その流動性を測定しQ値とし、単位ml/secで示
した。 本発明の共重合体ラテックスは、上述の通り、乳化重合によって調製されるが
、その乳化重合方法および条件については特に制限はなく、従来公知の方法およ
び条件下に実施することができる。 例えば、乳化剤としては、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、あるいは ノニオン性界面活性剤を使用することができる。両性界面活性剤としては、アニ
オン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル
塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものを挙げ
ることができる。具体的には、アルキルベタインの塩としてはラウリルベタイン
、ステアリルベタイン、2−ウンデシル−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタ
インの各々の塩を、アミノ酸タイプのものとしてはラウリル−β−アラニン、ス
テアリル−β−アラニン、ラルリルジ(アミノエチル)グリシン、オクリツジ(
アミノエチル)グリシン、ジオクチルジ(アミノエチル)グリシンの各々の塩を
挙げることができる。アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エ
ステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ジアルキルスル
ホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩などを挙げることができる。ま
た、ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキル
エステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられ
る。 重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素などの無機過酸化物、キュメンハ
イドロパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジイソブチルベンゾイルパーオ
キシドなどの有機過酸化物、またこれら酸化物と次亜硫酸ナトリウム、エチレン
ジアミン四酢酸のナトリウム塩などの還元剤とを併用する、いわゆるレドックス
系触媒などを挙げることができる。 また、重合連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、メルカプトエタノールなどのメルカプタン類、タービノーレン、ジ
ペンテン、t−テルピネンおよび少量の他の環状テルペン類よりなるテルペン混
合物やクロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素などを挙げることが
できる。 上記本発明の好適な実施態様としての2段乳化重合法において、その第一工程
および第二工程の単量体の添加方法は、一括添加、分割添加、連続添加あるいは
これらの組合せによる添加方法のいずれでもよい。 なお、本発明の共重合体ラテックス中の共重合体のトルエン不溶分は、重合連
鎖移動剤の種類および量、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の種類および量、
重合開始剤の種類および量、重合温度などを適宜選択することによって上記範囲 内の所望値に調製することができる。また、Q値も、エチレン系不飽和カルボン
酸単量体の添加量、添加方法、重合連鎖移動剤の種類および量などを適宜選択す
ることによって上記範囲の所望値に調整することができる。 本発明の共重合体ラテックスは、紙塗被用組成物の顔料バインダーとして使用
されるものであり、単独でも、あるいは他の天然もしくは合成ラテックス(例え
ば、デンプン、酸化デンプン、大豆蛋白、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポ
リ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックス、ブタジエン−メチルメタクリ
レートラテックスなど)と組み合わせて使用することもできる。 紙塗被用組成物は、本発明の共重合体ラテックスに無機あるいは有機顔料、更
に必要に応じて、その他のバインダー、分散剤などと共に水性分散剤として調製
される。この際、固形分換算で、顔料100重量部に対して、本発明の共重合体ラ
テックスが5〜40重量部、好ましくは9〜30重量部、その他のバインダーが0〜
30重量部、好ましくは2〜10重量部配合される。顔料としては、カオリン、クレ
ー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン(ルチル、アナターゼ)、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、ポリスチ
レンラテックスなどの有機顔料を挙げることができるが、これらは単独または混
合して使用される。特に、無機顔料が好ましく使用される。 (実施例) 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例中の「部
」は、「重量部」を意味する。 実施例1 (第一工程) 水160部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、炭酸水素ナトリウム
0.6部および過硫酸カリウム0.5部を容積100のオートクレーブに仕込んだ。次い
で、ブタジエン15部、スチレン35部、メチルメタクリレート5.5部およびフマル
酸0.5部からなる単量体混合物を一括添加し、更に四塩化炭素3部を仕込んで、
攪拌しながら70℃まで加温し、2時間重合させた。 (第二工程) 引続き、ブタジエン30部、スチレン5.5部、フマル酸3.5部およびメチルメタク リレート5.0部からなる単量体混合物を15時間にわたって連続的に添加しながら
重合を行った。重合開始から24時間で重合転化率が100%に達した。 得られた共重合体ラテックスには凝固物の発生も少なかった。この共重合体ラ
テックスに水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを7.0に調整した後、モノマース
トリッピング、減圧蒸留により濃縮した。 共重合体ラテックス中の共重合体のトルエン不溶分およびQ値を上記の方法に
より測定し、その結果を表1に示した。 実施例2〜9 表1に示す単量体混合物を用いて、実施例1と同様にして乳化重合を行い共重
合体ラテックスを得た。なお、第二工程において、エチレン系不飽和カルボン酸
単量体として、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸のうちの2種
の酸からなる混合物を使用する場合も、実施例1におけるフマル酸と同様に他の
単量体と同時に15時間にわたって連続添加した。 共重合体ラテックス中の共重合体のトルエン不溶分およびQ値を上記の方法に
より測定し、その結果を表1に示した。 比較例1〜10 表2に示す単量体混合物を用いて、比較例2においては四塩化炭素を11部、比
較例3においては四塩化炭素を0.8部、比較例10においては四塩化炭素を10部用
いた以外は実施例1と同様にして乳化重合を行い共重合体ラテックスを得た。 共重合体ラテックス中の共重合体のトルエン不溶分およびQ値を上記の方法に
より測定し、その結果を表2に示した。 実施例1〜9、比較例1〜10で得た共重合体ラテックスの、紙塗被用の顔料バ
インダーとしての特性を下記の方法により測定した。 先ず、下記の処方により紙塗被用組成物を調製した。 共重合体ラテックス 10部 クレー(分散剤としてピロリン酸ナトリウムを0.5%含む) 80部 炭酸カルシウム 10部 酸化デンプン 5部 水(全固形分が60%になるように添加した) 次に、得られた組成物を64g/m2のコート原紙にコーティング用ブレードを用い
て、塗工量20g/m2となるように塗工し、塗工紙を得た。 この塗工紙を下記試験方法により評価した。 ドライ強度:接着強度の指標 RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5点法で評価し
た。数字が大きいものほど接着強度が高い。測定回数6回の平均値を示した。 ウェット強度:耐水性の指標 RI印刷機でモルトンロールを用いて湿し水を与えた時のピッキングの程度を肉
眼で判定し、5点法で評価した。数字が大きいほど耐水性が良好である。測定回
数6回の平均値を示した。 耐ブリスター性 両面塗工した紙を調湿(約6%)し、加熱したオイルバスに投げ込み、ブリス
ターが発生するときの最低温度をもって耐ブリスター性を評価した。温度が高い
ほど耐ブリスター性が良好である。 インク着肉性 タック値の大幅に低いインクを使用し、ピッキングを起こさないようにした以
外は、ウェット強度の測定と同様にして印刷を行い、インク転移の状態を肉眼で
判定し、5点法で評価した。数字が大きいほどインク着肉性が良好である。測定
回数6回の平均値を示した。 印刷光沢 試験片をRI印刷試験機のドラムに固定し、30rpmの速度で1回印刷を行い、そ
の後24時間放置し、試験片の印刷面の光沢を村上式光沢計にて測定した。 評価結果を表1および表2に示した。 表2の結果から次のことが理解される。 比較例1、10: Q値が本発明の範囲外の例であり、この範囲未満では(比較例1)、印刷光沢
、耐ブリスター性が劣り、一方この範囲を超えると(比較例10)ドライ強度、ウ
ェット強度が低く、インク着肉性、印刷光沢が劣る。 比較例2、3: トルエン不溶分が本発明の範囲外の例であり、この範囲未満では(比較例2)
ドライ強度が低く、インク着肉性に劣り、一方この範囲を超えると(比較例3)
ウェット強度が低く、耐ブリスター性が劣る。 比較例4、5: エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用割合が本発明の範囲外の例であり、
この使用割合が範囲未満では(比較例4)Q値も本発明の範囲外となり、またド
ライ強度、ウェット強度が低く、更に耐ブリスター性、印刷光沢が劣り、一方範
囲を超えると(比較例5)ウェット強度が低く、インク着肉性が劣る。 比較例6、7: 共役ジエン単量体の使用割合が本発明の範囲外の例であり、この使用割合が本
発明の範囲未満では(比較例6)ドライ強度が低く、一方範囲を超えると(比較
例7)ウェット強度が低い。 比較例8、9: 芳香族ビニル単量体の使用割合が本発明の範囲外の例であり、この使用割合が
本発明の範囲未満では(比較例8)ウェット強度が低く、一方範囲を超えると(
比較例9)ドライ強度が低い。 (発明の効果) 本発明の共重合体ラテックスは、輪転オフセット印刷紙塗被用の顔料バインダ
ーとして耐水性、インク着肉性、ドライ強度、印刷光沢、耐ブリスター性などの
性質がバランスよく優れた塗工紙を提供するものであり、塗工紙工業分野におい
て極めて有用なものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】共役ジエン系単量体25〜60重量%、エチレン系不飽和カルボン酸
    単量体0.5〜10重量%、芳香族ビニル単量体5〜50重量%およびこれらと共重合
    可能なその他の単量体0〜59.5重量%からなる単量体混合物を乳化重合して得ら
    れる共重合体ラテックスであって、共重合体ラテックス中の共重合体のトルエン
    不溶分が56〜95重量%、かつ温度100℃、荷重100kg/cm2、ノズルサイズ1mm(内
    径)×1mm(長さ)の条件下に測定したQ値が0.01〜0.5ml/secであることを特徴
    とする輪転オフセット印刷紙塗被用共重合体ラテックス。 【請求項2】共重合体ラテックスが、先ず、全エチレン系不飽和カルボン酸単
    量体の0〜40重量%を含む、全単量体混合物の5〜95重量%を乳化重合し、次い
    で残りの単量体を乳化重合して得られたものである請求項1の輪転オフセット印
    紙塗被用共重合体ラテックス。

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