JP2605043Y2 - 液体封入式マウント - Google Patents

液体封入式マウント

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JP2605043Y2
JP2605043Y2 JP1993023431U JP2343193U JP2605043Y2 JP 2605043 Y2 JP2605043 Y2 JP 2605043Y2 JP 1993023431 U JP1993023431 U JP 1993023431U JP 2343193 U JP2343193 U JP 2343193U JP 2605043 Y2 JP2605043 Y2 JP 2605043Y2
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Inventor
真哉 尾本
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エヌ・オー・ケー・メグラスティック株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、液体封入式マウントの
改良に関する。本考案の液体封入式マウントは主に、自
動車のエンジンマウントとして用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の液体封入式マウント
として、特開昭57−77223号公報または特開平3
−292431号公報に記載されたものが知られてい
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
57−77223号公報に記載された液体封入式マウン
トは、低周波振動(ショック振動)と高周波振動を低減
させるべく構成されている。したがって、この液体封入
式マウントによると、低周波振動(ショック振動)とア
イドル振動を有効に低減させることができない問題があ
る。低周波振動(ショック振動)は10HZ前後の振動
であり、またアイドル振動は中間域の20〜30HZ前
後の振動である。また、特開平3−292431号公報
に記載された液体封入式マウントによれば、低周波振動
とアイドル振動を低減させることができるが、この液体
封入式マウントにおいては、このように低周波振動とア
イドル振動を低減させるためにオリフィス流路が二本並
行して設けられている。したがって、この液体封入式マ
ウントによると、その構成が複雑であり、減衰特性の設
計が煩わしい上に、二本のオリフィス流路に共有部分が
ないために、オリフィス形状が大きくなる傾向にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は以上の点に鑑
み、上記従来技術にみられる問題を解消すべく案出され
たものであって、この目的を達成するため、加振側およ
び支持側の一方に取り付けられる第一取付部材と他方に
取り付けられる第二取付部材をゴム脚部を介して接続
し、前記第二取付部材に内側にオリフィス部材とダイア
フラムを設け、前記ゴム脚部と前記オリフィス部材の間
の第一液室と前記オリフィス部材と前記ダイアフラムの
間の第二液室を前記オリフィス部材に設けたオリフィス
流路を介して連通し、前記オリフィス流路の中途に第三
液室を設け、前記第三液室に面してサブダイアフラムを
設け、前記液室に作動液を封入する構成とした。
【0005】
【作用】上記構成を有する本考案の液体封入式マウント
にアイドル振動が入力されるとその入力方向に従って、
例えば、第一液室の作動液がオリフィス流路を通って第
三液室に流れ、その際、20〜30HZで、作動液が共
振する。そして作動液が共振すると、動ばね定数が下が
るために、これを利用してアイドル振動を低減する。ま
た本考案の液体封入式マウントに低周波振動が入力され
ると、その入力方向に従って、例えば、第一液室の作動
液がオリフィス流路を通って第三液室に流れるが、この
場合にはアイドル振動の場合と違って、サブダイヤフラ
ムでは内圧をキャンセルすることができない。したがっ
て作動液は第三液室から更にオリフィス流路を通って第
二液室に流れることになり、その際、10HZ前後で、
作動液が共振する。そしてこの場合には、オリフィス流
路全体の作動液が共振するために、減衰が大きくなり、
これを利用して低周波振動を低減する。
【0006】
【実施例】つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説
明する。
【0007】図1に示す液体封入式マウントにおいて、
第一取付部材1はボス2とボルト3からなり、第二取付
部材4はケース5と蓋6とボルト7からなっており、こ
の第一取付部材1と第二取付部材4が、ボス2とケース
5に加硫接着されたゴム脚部8を介して接続されてい
る。第二取付部材4に内側にオリフィス部材9とダイア
フラム21がカシメによって固定されており、ゴム脚部
8とオリフィス部材9の間の第一液室23とオリフィス
部材9とダイアフラム21の間の第二液室24がオリフ
ィス部材9に設けられた唯一のオリフィス流路10を介
して接続されている。オリフィス部材9は第一オリフィ
スプレート11と第二オリフィスプレート17からな
り、この両プレート11,17の間に円盤形のサブダイ
アフラム22がその周縁部において挟持されている。
【0008】第一オリフィスプレート11は、図2およ
び図3に単品状態を示すように、基本的に円盤形であっ
て、第一液室23に対する開口12と、平面円形の第三
液室13と、開口12と第三液室13を連通させる円弧
形の溝14と、第三液室13と後記する第二オリフィス
プレート17の円弧形の溝19を連通させる直線状の溝
15と、サブダイアフラム22の周縁部を挟圧する円弧
形の突起16とを有している。また第二オリフィスプレ
ート17は、図4および図5に単品状態を示すように、
基本的に環状体であって、第二液室24に対する開口1
8と、開口18と前記した直線状の溝15を連通させる
円弧形の溝19と、サブダイアフラム22の周縁部を挟
圧する環状の突起20とを有している。そして、この両
プレート11,17を拝み合わせに重ねると、第一液室
23と第二液室24を連通させる唯一のオリフィス流路
10が形成せしめられ、オリフィス流路10の中途に第
三液室13が設けられ、第三液室13に面してサブダイ
アフラム22が配置されることになる。オリフィス流路
10は第三液室13を含めて、開口12、円弧形の溝1
4、第三液室13、直線状の溝15、円弧形の溝19、
そして開口18の順である。液室23,24,13には
作動液25が封入されている。またダイアフラム21と
サブダイアフラム22の拡張弾性率は互いに異なるよう
に設定されている。
【0009】つぎに上記構成の液体封入式マウントの作
動を説明する。図6は当該液体封入式マウントの構造説
明図、図7は当該液体封入式マウントの動ばね定数を示
す説明図である。
【0010】すなわち、先ず当該液体封入式マウント
に、例えば図上上方からアイドル振動が入力されると、
第一液室23の作動液25がオリフィス流路10を通っ
て第三液室13に流れ、その際、20〜30HZで、作
動液25が共振する。そして作動液25が共振すると、
動ばね定数が下がるために、この作用を利用してアイド
ル振動を低減することができる。また当該液体封入式マ
ウントに、例えば図上上方から低周波振動が入力される
と、第一液室23の作動液25がオリフィス流路10を
通って第三液室13に流れるが、この場合にはアイドル
振動の場合と違って、サブダイヤフラム22では内圧を
キャンセルすることができない。したがって作動液25
は第三液室13から更にオリフィス流路10を通って第
二液室24に流れることになり、その際、10HZ前後
で、作動液25が共振する。そしてこの場合には、オリ
フィス流路10全体の作動液25が共振するために、減
衰が大きくなり、この作用を利用して低周波振動を低減
することができる。
【0011】また上記液体封入式マウントにおいては、
作動液25の流れが、オリフィス部材9に唯一設けられ
たオリフィス流路10一本に集中することになるため
に、製造時、当該マウントの減衰特性について、これを
設計し易い特徴がある。
【0012】
【考案の効果】本考案は、以下の効果を奏する。
【0013】 すなわち、本考案の液体封入式マウントに
よると、上記した構成と作用によって、低周波振動(シ
ョック振動)とアイドル振動の双方を有効に低減させる
ことができる。
【0014】また、本考案の液体封入式マウントにおい
ては、第一液室と第二液室とを連通するオリフィス流路
の中途に設けられる第三液室に面してサブダイアフラム
が設けられているために、オリフィス部材にオリフィス
流路を一本設けるだけの構成で低周波振動とアイドル振
動の双方をそれぞれ有効に低減させることができる。し
たがって本考案の液体封入式マウントによれば、オリフ
ィスの構成が比較的簡単で、減衰特性を比較的容易に設
計することができ、更にオリフィス形状を小さくするこ
とができる。ここに、オリフィス流路を一本設けるだけ
の構成で低周波振動とアイドル振動の双方を低減させる
ことができるのは、この唯一のオリフィス流路が以下の
ように機能するからである。すなわち、本考案の液体封
入式マウントに先ず、アイドル振動が入力されるとその
入力方向に従って、例えば第一液室の作動液がオリフィ
ス流路を通って第三液室に流れ、その際、作動液が共振
する。そして作動液が共振すると、動ばね定数が下がる
ために、これを利用してアイドル振動を低減することが
できる。また本考案の液体封入式マウントに低周波振動
が入力されると、その入力方向に従って、例えば第一液
室の作動液がオリフィス流路を通って第三液室に流れる
が、この場合にはアイドル振動の場合と違って、サブダ
イヤフラムでは内圧をキャンセルすることができない。
したがって作動液は第三液室から更にオリフィス流路を
通って第二液室に流れることになり、その際、作動液が
共振する。そしてこの場合には、オリフィス流路全体の
作動液が共振するために、減衰が大きくなり、これを利
用して低周波振動を低減することができる。したがって
本考案によれば、唯一のオリフィス流路がこのように機
能するために、オリフィス流路を一本設けるだけの構成
で低周波振動とアイドル振動の双方をそれぞれ有効に低
減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係る液体封入式マウントの断
面図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】図2のC−O−C線断面図
【図4】図1のB−B線断面図
【図5】図1における第二オリフィスプレートの拡大図
【図6】同液体封入式マウントの構造を示す模式図
【図7】同液体封入式マウントの動ばね定数を示すグラ
フ図
【符号の説明】
1 第一取付部材 2 ボス 3,7 ボルト 4 第二取付部材 5 ケース 6 蓋 8 ゴム脚部 9 オリフィス部材 10 オリフィス流路 11 第一オリフィスプレート 12,18 開口 13 第三液室 14,15,19 溝 16,20 突起 17 第二オリフィスプレート 21 ダイアフラム 22 サブダイアフラム 23 第一液室 24 第二液室 25 作動液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/06 F16F 13/10 F16F 13/18 B60K 5/12

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加振側および支持側の一方に取り付けら
    れる第一取付部材(1)と他方に取り付けられる第二取
    付部材(4)をゴム脚部(8)を介して接続し、前記第
    二取付部材(4)の内側にオリフィス部材(9)とダイ
    アフラム(21)を設け、前記ゴム脚部(8)と前記オ
    リフィス部材(9)の間の第一液室(23)と前記オリ
    フィス部材(9)と前記ダイアフラム(21)の間の第
    二液室(24)を前記オリフィス部材(9)に設けたオ
    リフィス流路(10)を介して連通し、前記オリフィス
    流路(10)の中途に第三液室(13)を設け、前記第
    三液室(13)に面してサブダイアフラム(22)を設
    け、前記液室(23)(24)(13)に作動液(2
    5)を封入したことを特徴とする液体封入式マウント。
JP1993023431U 1993-04-09 1993-04-09 液体封入式マウント Expired - Fee Related JP2605043Y2 (ja)

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