JP2604633B2 - 多孔性けい酸質粒状体 - Google Patents

多孔性けい酸質粒状体

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JP2604633B2 JP1206645A JP20664589A JP2604633B2 JP 2604633 B2 JP2604633 B2 JP 2604633B2 JP 1206645 A JP1206645 A JP 1206645A JP 20664589 A JP20664589 A JP 20664589A JP 2604633 B2 JP2604633 B2 JP 2604633B2
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全弘 沼田
員臣 江口
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、固結防止剤や脱臭剤あるいは固結を防止し
たケイ酸質肥料などとして用いられる多孔性ケイ酸質粒
状体に関する。
〔従来技術とその課題〕
軽量気泡コンクリート(ALC)粉末は、軽量であって
空隙率の大きな多孔質体であることを利用して種々の用
途に用いられているが、多孔質であることから粉末表面
に多数の凹凸が存在し、粉末相互の接触面積が少ないた
めに各種のバインダーを添加しても粉末が十分に結合せ
ず、満足な造粒効果が得られずに取扱性が劣ると云う問
題がある。
一例として、硫酸マグネシウム含有物をバインダーと
して用いることにより粉末状のケイ酸質肥料や溶成燐肥
を造粒することが知られている(特開昭60-145982号、
同60-145984号)が、ALC粉末については充分な粒状体を
得ることができない。すなわち、従来の上記造粒方法
は、各種金属製錬から生じる鉱滓や溶成燐肥を用い、こ
れに硫酸マグネシウムを添加して造粒するものである
が、ここで掲げられている鉱滓はその比表面積から明ら
かなようにALC粉末に比べて比表面積が著しく小さく多
孔性ではない。また溶成燐肥はガラス質であって多孔質
な粉末ではない。このため、上記方法は鉱滓や溶成燐肥
などについてはある程度効果があるものの、多孔性に富
むALC粉末については十分な効果が得られず、硫酸マグ
ネシウム含有物をALC粉末にそのまま添加しても満足な
粒状物を得ることはできない。
〔問題解決の知見〕
本発明はALC粉末における上記問題を解決したもので
あって、ALC粉末に、これより微細な所定粒度以下の微
粉末を加えることにより、多孔質なACL粉末を用いて硬
度の大きな造粒物を得たものであり、これによりALC粉
末をハンドリング性のよい固結防止剤や脱臭剤あるいは
固結防止した肥料として利用できるようにしたものであ
る。
〔発明の構成〕
本発明によれば以下の構成からなる多孔性ケイ酸質粒
状体が提供される。
(1)粒径1mm以下のALC粉末100重量部に、該粉末より
微細な粒径210μ以下の粉末を65重量%以上含む微粉末
を12〜350重量部加え、硫酸マグネシウム含有物を添加
し、造粒してなることを特徴とする多孔性ケイ酸質粒状
物。
(2)固結防止剤として用いられる上記(1)に記載の
多孔性ケイ酸質粒状物。
(3)ALC粉末に添加する微粉末がゼオライトであり、
脱臭剤として用いられる上記(1)に記載の多孔性ケイ
酸質粒状物。
〔具体的な説明〕
(I)ALC粉末 ALC粉末はケイ酸を主成分とした石灰を含むケイ酸カ
ルシウム粉末であり、比表面積が格段に大きい多孔性粉
末である。本発明の造粒体はこのALC粉末を用いる。ALC
粉末はALC材の研磨時に発生する研磨屑、廃棄されたALC
材を粉砕して得た粉末などALC材から生じた粉末を広く
用いることができる。なお、特開昭61-44712号に記載さ
れるトバモライトおよびゾノトライトも多孔質粉末とし
て同種のものであるので同様に用いることができる。本
発明に用いるALC粉末は造粒に適するように粒径1mm以下
のものが好ましい。
(II)添加微粉末 本発明の造粒体は、粒径1mm以下の上記ALC粉末に、該
ALC粉末より微細な粒径210μ以下の粉末を65重量%以上
含む微粉末が加えられる。ACL粉末に上記粒径の微粉末
を加えることにより、ALC粉末の粒子表面の凹凸が上記
微粉末によって埋められ、ALC粉末相互の接触面積が増
加して硬度の大きな造粒物が得られる。
上記微粉末の添加量は、ALC粉末100重量部に対して上
記微粉末12〜350重量部が適当であり、30〜200重量部が
好ましい。12重量部未満では効果がなく、350重量部を
上回るとALC粉末に対して微粉末の量が多過ぎる。
なお、前述のように、上記微粉末を加えずにALC粉末
にバインダーの硫酸マグネシウム含有物を直接に添加し
ても、充分な硬度の粒状体を得ることはできない。
(III)硫酸マグネシウム含有物 上記ALC粉末と微粉末との混合粉末に、バインダーと
して硫酸マグネシウム含有物が添加される。具体的に
は、工業用硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウムと硫
酸の反応生成物、マグネシアと硫酸の反応生成物、蛇紋
岩または橄欖岩と硫酸の反応生成物などが挙げられる。
未反応のマグネシウムが多少残留するものでも支障な
い。硫酸マグネシウム含有物の性状は固体粉末、水溶液
あるいはスラリーの何れでもよい。固体粉末を用いる場
合には造粒時に水分を添加する。
硫酸マグネシウム含有物の添加量は、ALC粉末と添加
微粉末の合計量100重量部に対してMgSO4として1〜20重
量部が適当であり、5〜15重量部が好ましい。硫酸マグ
ネシウム含有物が1重量部未満では造粒が困難であり、
20重量部を上回ると相対的にALC粉末量等の含有量が低
下するので好ましくない。
(IV)造粒 造粒装置としては工業的に用いられる造粒機であれば
良い。例えば皿型造粒機、ドラム型造粒機または圧縮成
型機などを用いることができる。造粒方法も通常実施さ
れる方法を適用できる。例えば皿型造粒機の場合、ALC
粉末と肥料粉末との混合粉末と硫酸マグネシウム含有水
溶液を同時に投入しながら造粒する。次いで、例えばロ
ータリードライヤーで乾燥し、必要ならば分級して製品
とする。
造粒物の大きさは用途によって相違するが、通常は0.
5〜5mm、好ましくは1〜4mmlの範囲が適当である。この
範囲外のものは、いわゆる戻り粉として最初の工程に返
送し再利用する。
〔発明の効果〕
本発明の粒状体は、多孔質のALC粉末を造粒したもの
であるので、優れた固結防止効果を発揮し、固結し易い
粉末に混合して固結防止剤として用いることができる。
例えば、代表的な肥料である。塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、尿素、過リン酸石灰、リン酸アンモニウ
ム、塩化カリウムなどの肥料は吸湿性が大きく、これら
をバルクブレンデイングしたものも湿気を吸収して固結
するが、これらの肥料に本発明の粒状体を混合すること
により優れた固結防止剤として用いることができる。
また本発明の粒状体は多孔質であるため脱臭剤として
利用できる。なお、これら脱臭剤等として用いる場合に
は、ALC粉末の多孔性を損なわないように、ALC粉末に加
える微粉末としてはゼオライト粉末が好ましい。
また、ALC粉末は優れたケイ酸質肥料でもあるので、
本発明の粒状体は固結を防止した粒状ケイ酸質肥料とし
ても用いることができる。この場合、ALC粉末に加える
微粉末として各種の肥料粉末を用いることができる。肥
料粉末は1種または2種以上を混合して用いても良い。
〔実施例および比較例〕
実施例1 第1表に示す粒度のALC粉末(可溶性SiO2:28.0%、可溶
性CaO:25.4%、水分4.8%)を用い、第2表に示す粒径2
10μ以下の粒子が65重量%以上の微粉末を同表の量比に
添加し、直径1mの皿型造粒機を用い、同表に示す量の硫
酸マグネシウム水溶液をスプレーで添加しながら造粒し
た。得られた造粒物を100℃で乾燥し、製品とした。こ
の結果を第2表に示した。
同表に示すように、本発明の粒状体(No.A1〜A13)は
何れも2.0kg前後の硬度を有しているが、従来のように
微粉末を添加しない比較試料(No.B3)の硬度は0.1kgで
あり、実用に適する粒状体が得られない。
実施例2 第2表に示す本発明の粒状体について固結試験を行
い、この結果を第3表に示した。試験方法は、第3表に
示す量の本発明の粒状体(No.1〜13)を同表に示す配合
肥料粉末に混合し、これをビニール袋に入れて荷重0.2k
g/cm2を加え、温度30℃、湿度80%の室内に6カ月放置
して行った。
同表に示すように、本発明の粒状体を加えない配合肥
料は試験期間中に固結し、使用するためには固結したも
のを解砕しなければならなかったが、本発明の粒状体を
添加した配合肥料は試験期間中放置しても固結せず、本
粒状体の優れた固結防止効果が確認された。なお第2表
から明かなように、本発明の粒状体は固結防止剤として
使用する場合、上記配合肥料に対して5重量%以上、好
ましくは10重量%程度用いるのが適当である。
比較例 実施例1で用いたALC粉末に、微粉末を加えずにバイ
ンダー(パルプ廃液、アルコール発酵廃液、ベントナイ
ト)を直接添加し、実施例1に準じて造粒、乾燥し粒状
物を得た。成分および該粒状物の硬度を第2表に対比し
て示した。
同表に示すように、微粉末を加えない比較試料(No.B
4-B6)はバインダーの種類を代えても粒状物の硬度が何
れも0.1kg以下であり、微粉末を加えた本発明の粒状体
に比べて硬度が大幅に低く、取扱い中に崩壊し易いため
に実用に適さないものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C05D 11/00 2115−4H C05D 11/00 C05G 1/00 2115−4H C05G 1/00 A 2115−4H Z 2115−4H 3/00 102 2115−4H 3/00 102

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径1mm以下のALC粉末100重量部に、該粉
    末より微細な粒径210μ以下の粉末を65重量%以上含む
    微粉末を12〜350重量部加え、硫酸マグネシウム含有物
    を添加し、造粒してなることを特徴とする多孔性ケイ酸
    質粒状物。
  2. 【請求項2】固結防止剤として用いられる請求項1に記
    載の多孔性ケイ酸質粒状物。
  3. 【請求項3】ALC粉末に添加する微粉末がゼオライトで
    あり、脱臭剤として用いられる請求項1に記載の多孔性
    ケイ酸質粒状物。
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