JP2604325B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2604325B2
JP2604325B2 JP6169652A JP16965294A JP2604325B2 JP 2604325 B2 JP2604325 B2 JP 2604325B2 JP 6169652 A JP6169652 A JP 6169652A JP 16965294 A JP16965294 A JP 16965294A JP 2604325 B2 JP2604325 B2 JP 2604325B2
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祐司 牟田
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Sanyo Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はフレームにボルトで固
定された固定スクロールに対して見かけ上自転しないよ
うに公転させる旋回スクロールを設けたスクロール圧縮
機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール圧縮機は例えば特開昭
61−98987号公報に示されているように構成され
ている。ここで、この公報を参考に従来例を説明する。
第3図及び第4図において、50は密閉容器でこの容器
内にはフレーム51と、このフレームの上方に配置され
たスクロール圧縮機部52と、下方に配置された電動機
部53とが夫々収納されている。スクロール圧縮機部5
2は固定スクロール54と旋回スクロール55とで構成
されている。固定スクロール54は円板状の端板56
と、この端板の一方の面周縁に突設された環状壁57
と、この環状壁で囲まれた部分に環状壁57とほぼ等し
い高さに立設された渦巻き状のラップ58とで構成され
ている。端板56には中央に吐出口59が設けられてい
る。固定スクロール54は環状壁57およびラップ58
の突出方向を下方としてこの環状壁の周縁がフレーム5
1の周縁にボルト60で固定されている。旋回スクロー
ル55はフレーム51のボルト60取付部の内径より小
さい外径の円板状の端板61と、この端板の一方の面に
立設された渦巻き状のラップ62と、端板61の他方の
面の中央に突設されたボス部63とで構成されている。
旋回スクロール55はラップ62の突出方向を上方とし
て、このラップが固定スクロール54のラップ58にか
み合うようにしている。64は回転軸65の先端に設け
て旋回スクロール55のボス部63に挿入されるピン部
で、このピン部の中心は回転軸65の軸心と偏心して設
けられている。66は固定スクロール54に対して旋回
スクロール55を見かけ上自転しないように円軌道上を
公転させるオルダム継手である。67は密閉容器50の
スクロール圧縮機部52と電動機部53との間に設けら
れた吐出管である。
【0003】この構造のスクロール圧縮機では回転軸6
5のピン部64を旋回スクロール55のボス部63に挿
入し、この旋回スクロールを回転軸65で駆動させ、固
定スクロール54に対して旋回スクロール55が見かけ
上自転しないように公転させ、固定スクロール54と旋
回スクロール55とで冷媒が圧縮されるようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フレー
ム51のボルト60取付部は内径寸法を旋回スクロール
55の端板61の外径寸法より大きくして、固定スクロ
ール54をフレーム51の周縁にボルト60で固定する
ようにしているため、フレーム51の外径寸法を大きく
しなければならず、密閉容器50が大型化する問題があ
った。
【0005】この発明は上記の問題を解決するために、
フレームに固定スクロールを取付けるボルトに対向して
いる旋回スクロールの端板に切欠を設け、フレームに固
定スクロールを取付けるボルトをこの切欠で中心側に寄
せても取付けられるようにすることを目的としたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は固定スクロー
ルとフレームとの間に旋回スクロールを挟み、このフレ
ームに固定スクロールを固定するボルトを設け、旋回ス
クロールの端板の外周にボルトと対向する切欠を設けた
ものである。
【0007】
【作用】この発明は上記のように構成したことにより、
フレームと固定スクロールとを固定するボルトに対向し
た旋回スクロールの端板に切欠を設け、ボルトの取付け
位置を中心側に寄せても取付けられるようにし、フレー
ムと固定スクロールとの外径寸法を小さくさせられるよ
うにしたものである。
【0008】
【実施例】以下この発明を第1図及び第2図に示す実施
例に基いて説明する。
【0009】1は密閉容器で、この容器は電動機部2の
取付けられる円筒ケース3と、スクロール圧縮機部4の
取付けられる上蓋体5と、オイルの貯溜されたオイル溜
6を有する下蓋体7とで構成されている。円筒ケース3
の上端面にはスクロール圧縮機部4に固定されたフレー
ム8が載せられている。このフレームの中央には回転軸
9を軸支する軸受部10が一体に設けられている。電動
機部2は巻線11を内蔵して円筒ケース3の内壁に取付
けられた固定子12と、この固定子の内部で回転軸9に
挿着された回転子13とで構成されている。スクロール
圧縮機部4は固定スクロール14と旋回スクロール15
とで構成されている。固定スクロール14は密閉容器1
内を上下に仕切る円板状の端板16と、この端板の一方
の面周縁に突設された環状壁17と、この環状壁で囲ま
れて端板16に立設されたインボリュ−ト状またはこれ
に近似の曲線からなる渦巻き状のラップ18とで構成さ
れている。固定スクロール14の端板16には中央に吐
出口19が設けられている。そして、固定スクロール1
4は環状壁17およびラップ18の突出方向を下方とし
てこの環状壁がフレーム8の周縁の取付脚20にボルト
21で固定されている。旋回スクロール15は端板22
と、この端板の一方の面に立設されたインボリュ−ト状
またはこれに近似の曲線からなる渦巻き状のラップ23
と、端板22の他方の面の中央に穿設されたピン部24
とで構成されている。そして、旋回スクロール15はラ
ップ23の突出方向を上方として、このラップが固定ス
クロール14のラップ18に向い合ってかみ合うように
している。25は回転軸9の先端に設けられて旋回スク
ロール15のピン部24を挿入するボス穴で、このボス
穴の中心は回転軸9の軸心と偏心して設けられている。
ボス穴25のまわりの回転軸9にはバランスウェイト2
6が一体に設けられている。このバランスウェイトはフ
レーム8で構成された空間27内を回転している。28
は固定スクロール14に対して旋回スクロール15を見
かけ上自転しないように円軌道上を公転させるオルダム
継手である。旋回スクロール15の端板22には外周ボ
ルト21で固定スクロール14が取付けるフレーム8の
取付け脚20を逃がす切欠29が設けられている。フレ
ーム8の外周には取付脚20の間にスクロール圧縮機部
4に冷媒を導く吸込通路30が形成されている。31は
吸込管で、この吸込管は電動機部2の下方の密閉容器1
内に開口している。32は上蓋体5に取付けられた吐出
管で、この吐出管は上蓋体5と固定スクロール14の端
板16とで形成された上部空間33に開口している。
【0010】このように構成されたスクロール圧縮機に
おいて、電動機部2を回転させると、その回転力が回転
軸9を介して旋回スクロール15に伝えられる。すなわ
ち、旋回スクロール15は回転軸9のボス穴25にこの
回転軸の軸心に対して偏心して挿入されたピン部24で
駆動され、オルダム継手28で固定スクロール14に対
して見かけ上自転しないように円軌道上を公転させられ
る。そして、固定スクロール14と旋回スクロール15
とはこれらのスクロールで形成された密閉室を外方から
内方へ漸次縮小させ、吸込管31から密閉容器1内へ流
入した冷媒を圧縮している。この圧縮された冷媒は固定
スクロール14の端板16の吐出口19から上部空間3
3に吐出され、吐出管32から密閉容器1外に吐出され
る。旋回スクロール15はオルダム継手28により固定
スクロール14に対して見かけ上自転しないように円軌
道上を公転させられており、フレーム8の取付脚20に
対向して設けた切欠29で、この取付脚を逃がして当た
らないようにしている。そして、旋回スクロール15は
外周の切欠29でフレーム8の取付脚20を逃がすこと
により。ボルト21を取付けるこの取付脚を中心側に寄
られ、フレーム8や固定スクロール14の外径寸法を小
さくさせられる。そのため、フレーム8や固定スクロー
ル14を収納する密閉容器1は小型化させられる。しか
も切欠29は旋回スクロール15の端板22の一部に設
けるだけでよく、ラップ23の形状や大きさを変えなく
てもよいようにしている。
【0011】
【発明の効果】以上のように本願発明は、フレームと固
定スクロールとを固定するためのボルトの箇所だけに対
向して旋回スクロールの端板に切欠が設けられているだ
けなので、旋回スクロールの大きさ(平面積)を確保し
てラップの巻長を維持し、所定の圧縮能力を得つつ、旋
回スクロールとボルトとの当たりを回避し、更に、ボル
トの取付け位置を中心側に寄せて、フレーム及び固定ス
クロールの外径寸法を小さくすることができ、圧縮能力
及び性能を維持しつつ圧縮機の小型化を促進できる。の
みならず、旋回スクロールの平面積を十分とれることか
ら、圧縮時に旋回スクロールに加わる軸方向のガス圧力
を受けるための旋回スクロールの鏡板の反ラップ面も広
く確保することができ、該受面の面圧を小さくして圧縮
機の耐久性を向上できる。更に、旋回スクロールの切欠
はボルトに対応した箇所だけの局所的な位置に設けられ
ており、旋回スクロールの外縁における反ラップ面の広
い範囲をフレームで支持することができ、圧縮時に水平
方向のガス圧力が旋回スクロールに加わっても常に旋回
スクロールの最外径の位置で支持することができ、旋回
スクロールの転覆を確実に防止して信頼性の高い圧縮機
を提供できる。加えて、旋回スクロールの端板外周部の
平面積を十分確保できるため、旋回スクロールの切削加
工時のチャッキングを容易に行うことができ、加工精度
を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロール圧縮機の縦断面図である。
【図2】図1のII−IIセクションでの断面図である。
【図3】従来のスクロール圧縮機の縦断面図である。
【図4】図3のIV-IVセクションでの断面図である。 1……密閉容器 4……スクロール圧縮機部 8……フレーム 14……固定スクロール 16,22……端板 18,23……ラップ 21……ボルト 28……オルダム継手 29……切欠

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内にスクロール圧縮機部を収納
    し、このスクロール圧縮機を、端板にインボリュ−ト状
    のラップを立設させた固定スクロールと、端板にインボ
    リュ−ト状のラップを立設させた旋回スクロールとで構
    成し、この固定スクロールと旋回スクロールとのラップ
    を互いにかみ合わせ、かつ、固定スクロールに対して旋
    回スクロールが見かけ上自転しないようにオルダム継手
    を設け、旋回スクロールを挟んでフレームの外周に固定
    スクロールをボルトで固定したスクロール圧縮機におい
    て、前記旋回スクロールの端板の外周には、この旋回ス
    クロール公転変位に対応する大きさで、かつ、残部の大
    きさよりも小さい切欠が前記ボルトと対向する位置に局
    所的に設けられていることを特徴とするスクロール圧縮
    機。
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