JP2604294B2 - 管体継手構造 - Google Patents

管体継手構造

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JP2604294B2 JP31873091A JP31873091A JP2604294B2 JP 2604294 B2 JP2604294 B2 JP 2604294B2 JP 31873091 A JP31873091 A JP 31873091A JP 31873091 A JP31873091 A JP 31873091A JP 2604294 B2 JP2604294 B2 JP 2604294B2
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孝正 服部
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孝正 服部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は管体継手構造、さらに詳
しくは、各種の管体を連結する場合に適用される管体継
手構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種管体継手構造としては、例
えば特開昭57−161391号公報所載の発明や実開
昭60−24990号公報所載の考案が存在する。
【0003】即ち、上記前者のものは、図6(イ)に示
すように継手本体1aの周方向に所定間隔隔てて形成し
たネジ孔19に止ネジ20を螺入することにより、該ネ
ジ孔19に付勢状態でセットしたリング状のチップ21
の背面部を押圧せしめ、該チップ21の両端内周縁に設
けた刃先22,22を、管体Cの外周面に食込ませて該
管体Cを連結するものである。
【0004】一方、後者のものは、図6(ロ)に示すよ
うに継手本体1aの一端部内周面に雌ネジ部23を形成
し、これにリング状の押ネジ体24を螺入することによ
りそのテーパ面26で、前記雌ネジ部23のネジ孔に付
勢状態でセットしたリング状のチップ25の背面を押圧
せしめ、該チップ25の両端内周縁に形成した刃先2
7,27を管体Cの外周面に食込ませて該管体Cを連結
するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、継手本
体1aへの管体Cの挿入時に図7の如く両者が芯ずれし
た状態でセットされ易く、よって上記前者のものに於い
ては、この状態で止ネジ20を螺入するとチップ21に
食込み不良が生じることとなり、よってパッキン28の
シール効果を低下せしめて流体が漏洩するばかりではな
く、管体Cが継手本体1aから抜脱するという致命的な
問題点を有していたのである。また、チップ21の弾性
力に抗して行う止ネジ20の螺入作業は極めて煩雑なも
のであるため、これが上記チップ21の食込み不良を生
ぜしめる一因ともなっていた。
【0006】さらに、後者のものは、押ネジ体24を継
手本体1aの雌ネジ部23に螺入せしめるものであるた
め、上記の如く芯ずれして管体Cがセットされたり、管
体C自体に変形等がある場合には押ネジ体24を最後ま
で螺入できず、また螺入できてもチップ25の弾性力に
抗して該チップ25を十分に押圧することができない結
果、この場合に於いても流体の漏洩や管体Cの抜脱を生
ぜしめるという不都合があった。
【0007】しかも、押ネジ体24の螺入作業は極めて
煩雑であると共に、該押ネジ体24や継手本体1aのネ
ジ切り作業も手間がかかってコストが著しく嵩むという
難点を有していたのである。
【0008】それ故に、本発明は上記従来の問題点を解
決するためになされたものであり、簡易且つ確実に管体
を連結等することのできる製作容易な管体継手構造の提
供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、上記課題を解決す
るために、本発明は管体Aと管体Bとの連結に際し、少
なくとも一方の管体に継手本体1を外嵌せしめて連結す
る管体継手構造に於いて、管体の外周面に形成された溝
部6に、リング状又は一部切欠リング状で内向きに弾発
力を有する第1リング体5を装着すべく該第1リング体
5を内壁7aにて押圧するリング状の押圧体7が前記管
体の外周面と継手本体1の内周面間に装着され、且つ前
記継手本体1の内周面の後方側に形成された環状凹部1
2に、外向きに弾発力を有する少なくとも一部切欠を有
するリング状の第2リング体14が前記押圧体7の離脱
を阻止すべく嵌装着されてなる管体継手構造である。
【0010】
【作用】従って、上記構成を特徴とする管体継手構造に
あっては、先ず管体を継手本体1に挿入してセットした
後、管体に嵌挿した押圧体7の先端部内壁7aが管体の
溝部6に装着した第1リング体5に係合するまで該押圧
体7を管体と継手本体1間に押圧して挿入せしめる。
【0011】この場合に於いて、たとえ管体と継手本体
1とが芯ずれした状態でセットされていても、押圧体7
の挿入によりこの芯ずれが矯正されると共に、管体が薄
肉状である場合にはその変形等が修正されつつ継手本体
1に対して管体を真直ぐに連結しうることとなる。
【0012】そして、継手本体1の環状凹部12に第2
リング体14を嵌装着せしめれば、押圧体7が継手本体
1から離脱すことがなくなるため、前記第1リング体5
及び第2リング体14により不用意な管体の抜脱を阻止
できて、管体と継手本体1とを確実且つ強固に連結しう
ることとなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面に従っ
て説明する。
【0014】図1及び図2に於いて、1はステンレス製
の管体A,Bの接合端部に外嵌された環状の継手本体
で、管体A,Bは継手本体1の内周面略中央部に突設し
た凸部2に夫々当接するまで挿入され、また該凸部2の
両側に形成した凹部3には一部切欠を有するパッキン4
が夫々装着されて各管体A,Bと継手本体1間のシール
が図られている。
【0015】5はリング状の拡縮自在な第1リング体
で、各管体A,Bの先端側外周面に周設した溝部6に内
向きに弾発力が加わる状態、即ち第1リング体5が拡張
した状態で装着されてなる。
【0016】7は継手本体1と管体A,B間に挿入せし
めて前記第1リング体5を内壁7aにて押圧するための
押圧体であり、図2の如くその先端部内壁7aは第1リ
ング体5に係合しうるようにテーパ状に形成されると共
に、先端側外周面には周方向に所定間隔隔てて複数の切
欠面8が形成されてなる。尚、押圧体7の装着時に於い
て、その後方端面は前記継手本体1の後方端面と面一に
なるように設定され、また押圧体7の内径は管体A,B
の外径に比して若干大なる寸法に形成されている。
【0017】9は継手本体1に装着した押圧体7の切欠
面8の傾斜角と直交する傾斜角を有して継手本体1に所
定間隔隔てて複数形成されたネジ孔で、該ネジ孔9に螺
入した締付体10の先端部は前記押圧体7の切欠面8に
当接してなる。尚、締付体10の頭部には六角孔11が
設けられている。
【0018】12は継手本体1の端部側内周面に夫々形
成された環状凹部で、該環状凹部12に連通する複数の
貫通孔13が所定間隔隔てて径方向に穿設されてなる。
14は図3に示すような一部切欠状の第2リング体であ
り、その切欠部15の近傍には薄肉状のアルミニウムか
らなる確認兼引抜き片16が止着されており、その先端
部は継手本体1から裸出してなる。尚、第2リング体1
4を継手本体1内に挿入可能とすべく、継手本体1の内
周面と押圧体7の外周面間に形成される空間部17の幅
Lは、該第2リング体14の軸径L′よりも大きく形成
され、挿入した第2リング体14は継手本体1の環状凹
部12内に外向きに弾発力を受けた状態で嵌装着され、
押圧体7の端部と係合してその離脱が阻止される。
【0019】本実施例は以上のような構成からなり、各
管体A,Bと継手本体1とを連結する場合には、先ず第
1リング体5を管体A,Bに挿入してその溝部6に装着
するのであるが、第1リング体5は内向きの弾発力を有
するために、該第1リング体5は溝部6に確実にセット
される。
【0020】次に、管体A,Bを継手本体1に外嵌せし
めた状態で該管体A,Bの先端が継手本体1の凸部2に
当接するまで挿入する。その後、押圧体7を継手本体1
側に押圧して該継手本体1と管体間に挿入するのである
が、たとえ管体A,Bに変形が生じていても、該押圧体
7の内周面によりかかる変形が矯正されつつ、また管体
A,Bが芯ずれ状態で継手本体1に外嵌されていても、
その芯づれを修正しつつ該押圧体7の内壁7aのテーパ
面にて第1リング体5が確実に押圧されることとなる。
【0021】尚、押圧体7が所望位置に装着されていれ
ば、その後方端面が継手本体1の後方端面と面一になる
よう寸法設定されてなるため、装着状態の確認が目視又
は触手で容易に行える。
【0022】次に、締付体10を継手本体1のネジ孔9
に螺入していくと、締付体10の先端が押圧体7の切欠
面8に当接する。この場合に於いて、押圧体7が所望位
置にまで挿入されていなくても、前記ネジ孔9は継手本
体1の内向きに傾斜してなるため、締付体10の螺入に
より押圧体7を継手本体1の内側に移動せしめることが
可能であり、これによって該押圧体7を所望位置にまで
挿入しうることとなる。
【0023】その結果、押圧体7の離脱が阻止されて内
向きに弾発力を有する第1リング体5が管体の溝部6か
ら離脱することもなく、よって該第1リング体5により
管体A,Bの抜脱が阻止されるため、両管体A,Bを確
実且つ強固に連結することができるのである。従って、
かかる連結部分から流体が漏洩したり、管体A,Bが継
手本体1から抜脱するような不都合は生じない。
【0024】次に、第2リング体14をその弾発力に抗
して収縮させた状態で空間部17から挿入して継手本体
1の環状凹部12でこの収縮状態を解除すると、第2リ
ング体14が拡張して継手本体1の環状凹部12に付勢
状態で嵌装着される。この装着状態は第2リング体14
の確認兼引抜き片16の裸出量等により確認できる。
【0025】この場合に於いて、第2リング体14は押
圧体7の端部と係合するため、前記締付体10と共に押
圧体7の離脱は二重に阻止されることとなる。しかも、
第2リング体14は一部切欠リング状であるため、環状
凹部12への装着時に略全周にわたって押圧体7と係合
し、よって優れた離脱阻止効果を発揮しうるのである。
【0026】以上説明したようにして、両管体A,Bの
連結作業が極めて簡易に且つ迅速に行える。
【0027】一方、例えばパッキン4や第1リング体5
等を交換すべく押圧体7を継手本体1から離脱させて分
解する場合には、図4に示すように先ず継手本体1の貫
通孔13に外部から棒状体18を挿入して第2リング体
14を押圧せしめ、この状態で確認兼引抜き片16を外
側に引抜けば、継手本体1の環状凹部12と第2リング
体14との嵌合状態が部分的に解除され、同様の作業を
他の貫通孔13についても行うことにより、第2リング
体14を容易に取外すことができる。
【0028】次に、締付体10を継手本体1のネジ孔9
から螺脱して押圧体7を継手本体1から離脱させれば、
各管体A,Bを継手本体1から抜脱でき、パッキン4,
第1リング体5の交換やその他の補修及び改修作業も簡
単に行えるのである。
【0029】而して、上記構成からなる管体継手構造は
極めて簡易な構成からなるために、容易且つ安価に製作
できるという利点もある。
【0030】尚、上記実施例に於いては、継手本体1の
ネジ孔9に螺入した締付体10の先端部を押圧体7の切
欠面8に当接せしめて該押圧体7の離脱阻止を図ってな
るが、第2リング体14だけで押圧体7の離脱を十分に
阻止しうるため、締付体10による離脱阻止手段は必ず
しも設ける必要はない。
【0031】また、該実施例では押圧体7の装着状態を
外部から確認可能とすべく、その後方端面が継手本体1
の後方端面と面一になるように構成したが、押圧体7の
後方端面が所定寸法だけ継手本体1から突出するように
しても構わない。
【0032】さらに、例えば図5の如く押圧体7の他端
部に鍔部7bを設けることも可能であり、このように構
成すると該押圧体7の挿入脱作業が簡易に行えるという
利点を有し、この場合は鍔部7bに第2リング体挿入用
の孔7cを設ければよい。
【0033】また、該実施例では継手本体1の環状凹部
12に連通する貫通孔13を設け且つ第2リング体14
に確認兼引抜き片16を取付けてなるが、これらは必ず
しも設けなくてもよく、必要に応じて設ければよい。
尚、貫通孔13を設ける場合は、例えば長孔状に形成す
れば1個の貫通孔14で対応することも可能であり、そ
の具体的な数は問わない。
【0034】さらに、連結対象となる管体A,Bはステ
ンレス製のものに限らず、鋳鉄製等の管体にも勿論適用
可能であり、管体の具体的な材質等も問うものではな
い。
【0035】さらに、該実施例では第1リング体5をリ
ング状に形成してなるが、一部切欠リング状に構成して
もよく、また第2リング体14は少なくとも一部切欠を
有するリング状であればよい。
【0036】その他、継手本体1の形状等の具体的な構
成も本発明の意図する範囲内に於いて全て任意に設計変
更自在である。
【0037】
【発明の効果】叙上の様に、本発明は押圧体を継手本体
と管体間に装着するものであるため、たとえ管体が継手
本体に芯ずれした状態でセットされていても、該押圧体
の装着時に於いてその内周面により管体の芯ずれが修正
されつつ挿入されることとなり、特に管体が薄肉状であ
る場合には、管体に変形等が生じていてもこの変形等が
修正されつつ押圧体を装着することができるのである。
従って、従来の如く管体が芯ずれしたまま連結されてし
まい、かかる連結部分から流体が漏洩するような不都合
はなくなるという格別の効果を得るに至った。
【0038】また、第2リング体を継手本体の環状凹部
に嵌装着せしめて前記押圧体の離脱を阻止しうるように
構成してなるため、管体が継手本体から不用意に抜脱す
ることもなく確実且つ強固に連結できるという効果も奏
する。
【0039】さらに、本発明は従来のものとは異なり上
記の如く押圧体を押圧して継手本体に装着せしめる構成
にてなるため、一連の連結作業が極めて容易なものにな
ると共に、その製作も簡易且つ安価に行えるという特有
の効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本発明の一実施例を示す管体継手構造
の半裁断面図、(ロ)は同図(イ)の一部を示す概略側
面図。
【図2】管体と継手本体との連結状態を示す要部拡大断
面図。
【図3】第2リング体の正面図。
【図4】第2リング体の取外し手順を示す要部拡大断面
図。
【図5】他の実施例を示す要部拡大断面図。
【図6】(イ)及び(ロ)は従来例を示す要部拡大断面
図。
【図7】従来に於ける管体の連結状態を示す要部拡大断
面図。
【符号の説明】
A…管体 B…管体 1…継手本体 5…第1リング体 6…溝部 7…押圧体 7a…内壁 7b…鍔部 7c…孔 8…切欠面 9…ネジ孔 10…締付体 12…環状凹部 13…貫通孔 14…第2リング体 16…確認兼引抜き片 17…空間部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管体Aと管体Bとの連結に際し、少なく
    とも一方の管体に継手本体1を外嵌せしめて連結する管
    体継手構造に於いて、管体の外周面に形成された溝部6
    に、リング状又は一部切欠リング状で内向きに弾発力を
    有する第1リング体5を装着すべく該第1リング体5を
    内壁7aにて押圧するリング状の押圧体7が前記管体の
    外周面と継手本体1の内周面間に装着され、且つ前記継
    手本体1の内周面の後方側に形成された環状凹部12
    に、外向きに弾発力を有し且つ少なくとも一部切欠を有
    するリング状の第2リング体14が前記押圧体7の離脱
    を阻止すべく嵌装着されてなることを特徴とする管体継
    手構造。
  2. 【請求項2】 前記継手本体1には内向きに傾斜するネ
    ジ孔9が穿設されてなると共に、該ネジ孔9に締付体1
    0を螺入してその先端部を前記ネジ孔9の傾斜角と直交
    する傾斜角を有して前記押圧体7の外周面に形成された
    切欠面8に当接しうるように構成してなる請求項1記載
    の管体継手構造。
  3. 【請求項3】 前記継手本体1には、その環状凹部12
    と連通する少なくとも1以上の貫通孔13が径方向に設
    けられてなる請求項1又は2記載の管体継手構造。
  4. 【請求項4】 前記第2リング体14には該第2リング
    体14を環状凹部12に装着した際、継手本体1より外
    部に裸出する確認兼引抜き片16が、前記第2リング体
    14にその一端を止着されてなる請求項1乃至3の何れ
    かに記載の管体継手構造。
  5. 【請求項5】 前記押圧体7の一端部に鍔部7bが設け
    られ且つ該鍔部7bには前記第2リング体装着用の孔7
    cが形成されてなる請求項1乃至4の何れかに記載の管
    体継手構造。
  6. 【請求項6】 前記押圧体7の後端部外周面と継手本体
    1の内周面間に形成された空間部17は、第2リング体
    14が挿入可能な大きさに形成されてなる請求項1乃至
    5の何れかに記載の管体継手構造。
  7. 【請求項7】 前記押圧体7が継手本体1に装着された
    際、該押圧体7の後方端面が押圧体7の後方端面に少な
    くとも面一又は突出するように構成してなる請求項1乃
    至6の何れかに記載の管体継手構造。
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