JP2603392B2 - 硫黄化合物含有水の処理方法 - Google Patents

硫黄化合物含有水の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、廃水処理の分野に関する。詳細には、本発
明は、硫化物含有水、或はより高い酸化状態を有する硫
黄化合物、例えば硫酸塩、亜硫酸およびチオ硫酸塩(こ
れらはまた有機物を含んでいてもよい)を含有している
水を処理方法に関するものであり、この方法では、これ
らの硫黄化合物を、好気性細菌含有汚泥(バイオマス)
により反応槽中で酸化する。更に、本発明は、重金属を
硫化物として沈澱させることによる、排水からの重金属
の除去方法に関する。
背景 廃水中に硫化物の如き硫黄化合物が存在していると、
次の如き数多くの悪い結果をもたらす: − コンクリートおよびスチールに対する腐食作用、 − 高い酸素要求量(COD)、その結果、廃水を受け入
れる側の水に酸素欠乏を生じさせ、環境汚染そして/ま
たは高い環境負担を伴う、 − ヒトおよび動物に対する毒性作用、 − ひどい悪臭。
化学的酸化、脱溶媒および沈澱によって廃水から硫化
物を除去することもできるが、生物学的浄化方法が益々
重要になってきた。硫化物の生物学的除去は、光合成硫
黄細菌の使用(硫黄生産も伴う)並びに脱窒細菌の使用
によって行うことができる。活性汚泥中の酸素消費細菌
によって、硫化物を硫酸塩に転化することもできる。酸
素消費細菌を用いた硫黄生産は、光合成細菌の使用より
も有利である、と言うのは、好気性転化の方が嫌気的
(光合成的)転化よりも迅速に進行し、その上、濁った
硫黄反応槽内の光の供給は困難である一方、酸素は好気
性反応槽内に問題無く簡単に供給できるからである。脱
窒細菌の場合、硝酸塩が必要である。
硫化物を硫酸塩よりも硫黄に転化することの利点には
次に示す利点が含まれる: − より少ない量の酸素、従ってより少ないエネルギー
でよい、 − 工程がより迅速に進行する、 − 生産される生物汚泥がより少ない、 − いかなる硫酸塩もチオ硫酸塩も排出させない、 − この硫黄が再利用される可能性がある。
硫化物を元素状硫黄に酸化することによる、廃水から
の硫化物の除去方法は、オランダ特許出願8801009から
公知であり、これによれば、硫酸塩の生成に必要な化学
量論的量よりも少ない酸素供給を用いることで、硫黄の
生産が促進され得る。この公知の方法を用いることで相
当な量の硫黄が生産されるが、硫化物および硫酸塩の如
き可溶硫黄化合物の排出量を最小限にするために、この
方法の改良が必要とされている。
生物学的廃水処理システムに関連するもう1つの問題
は、活性汚泥を用いる方法を基にした好気性廃水浄化中
に、浄化効率および汚泥保持に対して硫化物が悪影響を
与えることである。この理由の1つは、硫化物を酸化す
る糸状菌、例えばチオスリックス(Thiothrix)および
ベギアトア(Beggiatoa)属の細菌が処理プラント内に
増殖し得ることである。これらの糸状菌は、汚泥の効率
良い沈降を妨げ、これが汚泥の流出(バルキング・アウ
ト)の原因となる。これは次に示す望ましくない2つの
結果をもたらす: a. 浄化性能を低下させる、排水処理プラントの活性低
下、 b. 流出汚泥によるCOD負荷上昇の結果としての環境負
担の上昇。
廃水が、多量の他の硫黄化合物、例えば350〜500mg S
/L以上の硫黄を含有しているか、或は10未満の、硫黄に
関連した化学的酸素要求量(COD/S)を有する場合、こ
の廃水の嫌気的処理がまた困難になる。何故ならば、こ
の生成された硫化物がメタン産生細菌を阻害するからで
ある。しかしながら、廃水の嫌気的浄化は、一般に、好
気的浄化に比べて次のような利点を有している:低いエ
ネルギー消費量、少ない汚泥増加、メタン生産など。従
って、有機性廃液が多量の硫黄化合物を含有している場
合でもこれらの嫌気的浄化が可能となる方法が非常に必
要とされている。
硫黄化合物含有廃水の嫌気的処理方法がヨーロッパ特
許出願0.241.999から公知であり、これによれば、硫酸
塩含有廃水が嫌気的に浄化され、硫酸塩が硫化物に還元
される。その後、この硫化物が硫化水素(H2S)の形態
でその廃水から除去される。この方法は、その水からの
該硫化物の効率好い除去を確保するための手段(pH調
整)を取る必要があるといった欠点、そして結果として
メタンおよび他の気体から硫化水素を分離する必要があ
るため、利用し難い流出ガスを生じさせることといった
欠点、を有している。更に、もしこの硫化物の負荷が高
くなると、加えて該嫌気的細菌の中毒が生じる。
非常に低い濃度でも重金属の存在は、それらがヒト、
植物および動物に対して高い毒性を与えるため望ましく
ないことは一般的に知られている。通常の廃棄方法、例
えば水酸化物の生成および分離、逆浸透およびイオン交
換は、複雑であるか、或は望ましい結果をもたらさな
い。
水から硫黄化合物および重金属イオンを除去する方法
は、国際特許出願WO 80/02281から公知である。この方
法では、硫酸塩還元細菌を栄養溶液および処理すべき廃
液の一部の存在下に発酵槽中で培養し、生じた硫化物水
溶液を、残りの大量の廃水と一緒に沈澱槽に送り込む。
この金属硫化物は、特にこの廃棄物が鉄(III)イオン
を含有している場合、該沈澱槽中、凝集沈澱物の形態で
沈降する。沈降させ得る金属としてPb、Hg、Cd、Fe、C
u、Ni、Zn、Co、MnおよびAgが挙げられている。しかし
ながら、これらの公知の方法では、完全な硫酸塩および
/または硫化物の除去は得られない。
発明の要約 好気性細菌含有汚泥を用いた反応槽中で硫化物を酸化
させる、硫化物含有水の浄化方法(この方法では、該好
気的反応槽内の硫化物の最小限負荷が維持されている)
を用いることで、硫黄の生産を促進することができるこ
とを見い出した。
本発明の第1点において、この方法は、該反応槽内で
用いる汚泥負荷(この汚泥負荷は、このバイオマスの硫
化物酸化部分を基にして計算)が、1時間当たりの汚泥
に存在している窒素1mg当たり少なくとも10mgの硫化物
であることで特徴づけられる。
更に他の点において、この方法を2つの段階、即ち最
小限の硫化物負荷を用いた第一好気的反応槽内で該硫化
物の少なくとも一部を元素状硫黄に酸化することから成
る第一段階、および第二好気的反応槽内で更に硫酸塩に
酸化することから成る第二段階、で行う。
もう1つの点において、高レベルの硫黄化合物が入っ
ている水の処理にこの方法は用いられ、ここでは、最初
に該硫黄化合物を硫化物に嫌気的に還元した後、このよ
うにして生産された硫化物を、好気的反応槽内の硫化物
負荷を最小限にした好気的反応槽内で酸化する。
更にもう1つの点において、重金属イオンの除去にこ
の方法は用いられ、ここでは、該重金属イオンと反応し
て金属硫化物を生じる硫化物イオンを含有している水を
生じさせた後、該好気的反応槽内の硫化物負荷を最小限
にした好気的反応槽内で残りの硫化物を元素状硫黄に酸
化する。
発明の詳細な説明 本発明に従う方法で必要な、最小限の硫化物負荷は、
好適には、硫化物汚泥負荷、即ち硫化物を酸化する汚泥
細菌の量に対する、好気的反応槽内に存在している単位
時間当たりの硫化物量、として表される。汚泥負荷は、
時間当たりのN1mg当たり少なくとも10mgのSである。こ
こで、この細菌量(バイオマス)は、その窒素含有量を
基にして決定される。10mgS/mgN・時未満の硫化物汚泥
負荷は、ほとんど独占的に硫酸塩生成を生じさせる(こ
れは、その処理廃液からの硫酸塩の分離が容易でないた
め一般に好ましくない)一方、より高い汚泥負荷のとき
生じる元素状硫黄は容易に分離できる、ことを見い出し
た。好適には、少なくとも20mgS/mgN・時、より好適に
は少なくとも30mgS/mgN・時の汚泥負荷が用いられる。
約35mgS/mgN・時およびそれ以上の汚泥負荷のとき、多
くの場合明らかに、元素状硫黄が独占的に生じる。
本発明の目的のためには、硫化物は、全ての無機イオ
ン性もしくは非イオン性種の二価の硫黄、例えば硫化物
(S2-)、水硫化物(HS-)、硫化水素(H2S)および相
当するポリ硫化物種を含むものと理解されるべきであ
る。
廃水は、除去すべき少なくとも1種の成分、例えば硫
黄化合物、を含有しているいかなる水系流体も表すと理
解されるべきである。
好気的反応槽内で用いられる汚泥には、硫黄を酸化す
る細菌、例えば硫黄細菌(Thiobacillus)およびチオミ
クロスピラ(Thiomicrospira)属の細菌が含まれてい
る。
本発明の方法で用いる汚泥負荷は、該好気的反応槽内
の廃水の適当な保持時間を選択するか、或は他のパラメ
ーター、例えばこの反応槽内の汚泥量、該廃水内の硫化
物濃度、或は酸素濃度、を調節することによって達成さ
れ得る。
本発明の方法においては酸素濃度が決定的でないこと
を見い出した。これは幅広い範囲に渡って変化でき、そ
して好適にはこの反応槽内に存在している材料1リット
ル当たり、0.1〜9.0mgの範囲のO2、より好適には約4mg
のO2を存在させる。
本発明の方法に従う汚泥負荷は、公知の方法と比較し
たとき、予想外に高い。これは表A中に示されている。
通常の好気性方法では、この汚泥負荷は0.1mgS/mgN・時
未満である。
表A中、汚泥の量(バイオマス)は、この細菌の窒素
含有量として表されている。この表から乾燥重量を計算
するためは、その数に係数8.3を掛ける必要がある。表
Aから明らかに、35mgS/mg−N・時以上の汚泥負荷を用
いると、全含有硫化物を硫黄に転化することが可能であ
ることが分かる。
本発明の方法は、好適には、担体材料に結合している
生物膜の形態で存在しているバイオマスを該反応槽中で
用いることで行われる。適切な担体材料には、この目的
用として公知の、いかなるポリマー状もしくは他の材
料、例えばポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、PVCなども含まれる。
好適には、この方法では、元素状硫黄が単独で、或は
ほとんど唯一の硫黄生産物として生じる。濾過、遠心、
沈降などにより便利に、これを該水系廃液から分離させ
得る。より高度に酸化された硫黄種が生産されるのを回
避するためには、この硫黄生成反応槽の流出液内の硫化
物濃度を許容され得る最低レベルに保持し、好適には、
この濃度は流出液1リットル当たり0.5〜30mgのS2-の範
囲である。
表A中に記載した値は、有機物を含んでいない廃水流
にのみ当てはまる。この排水内に有機物が存在している
場合、硫化物を酸化しない追加的バイオマスが増え、そ
してこれが、その全バイオマスの窒素含有量を表Aが基
にしている含有量よりも高くさせる。有機物がその廃水
内に存在している場合、硫化物の表面負荷(ここで、こ
の表面は生物膜の表面であると理解されるべきである)
が、硫化物が元素状硫黄に転化される度合を測定するた
めのパラメーターとして用いられてもよい。このパラメ
ーターの値を表B中に記述する。
従って、本発明に従う方法は、好適には、少なくとも
10gS/m2・日、より好適には20〜25gS/m2・日の硫化物表
面負荷で行われる。いかなる有機物も存在していない場
合、表A中に示した値が使用できる。
本発明の方法における好気的反応槽内のpHは、9.0を
越えるべきではない。pHの下限は決定的でないが、硫化
物を酸化する細菌が低いpHの0.5でも増殖することが知
られているので、5以下であってもよい。
有効な硫化物転化を達成するに必要な、この反応槽内
の最小限硫化物負荷は、次に示す2つの段階過程で与え
られる: a) 第一好気的反応槽内で、硫化物の少なくとも一部
を元素状硫黄に酸化する、 b) 元素状硫黄、そして恐らくは硫化物および他の成
分が含まれている、段階a)で得られた液を、第二好気
的反応槽に送り込み、ここで、硫黄と硫化物を硫酸に酸
化する。元素状硫黄の主要部を除去するため、段階a)
とb)との間に分離段階を置いてもよい。
通常の条件下でチオスリックスおよびベギアトア属の
細菌の如き望ましくない糸状菌の増殖をもたらす水の浄
化を行うとき、この方法は特に有利である。このことは
また、硫化物に加えて比較的多量の有機廃棄物を含有し
ている水に関しても当てはまる。最小限硫化物負荷は、
上で定義したように、1時間当たりの単位重量バイオマ
ス当たりの硫化物の最小量として表される。これはま
た、1時間当たりの第一好気的反応槽中に存在している
材料1リットル当たりの硫化物の最小量として表され
る。この場合、この最小硫化物負荷は25mgS/L・時であ
る。
驚くべきことに、この第一好気的反応槽の硫化物負荷
の上昇、即ち硫化物濃度の上昇、処理時間の減少および
/または処理容積の減少は、硫化物除去それ自身、そし
て他の汚染物の第二の好気的処理の両方の効率を改良す
る。特に、本方法は、この第二好気的浄化段階での汚泥
保持を改良する。このことは、表C中に示されており、
この結果は、オランダ特許出願8801009中に記載されて
いる反応槽(硫化物を硫黄に転化するための)を用いて
得られたものである。
硫化物除去の効率および糸状菌の増殖に対する、本方
法のパラメーターを変化させたときの効果を表Dに示
す。
水保持時間単独および廃水硫化物濃度単独では、直接
に、第一好気的浄化の性能を決定しないことが表Dから
分かる。反対に、硫化物負荷が約20mg/S2-L・時未満で
は、望ましくない糸状の硫黄酸化細菌が相当量増殖して
くる。従って、この方法における最小硫化物負荷は、25
mgS/L・時であるべきである。この硫化物負荷は、好適
には少なくとも50mgS/L・時、より好適には少なくとも1
00mgS/L・時である。1000mgS/L・時を越える硫化物負荷
は一般に用いられない。と言うのは、この場合許容でき
ない程の流速が生じるからである。従って、高すぎる濃
度の廃液は、好適には浄化前に希釈する。
2段階方法での硫化物の酸化により、保持時間および
酸素濃度に応じて元素状硫黄および/または硫酸塩が生
じ得る。多くの場合、この硫化物を硫黄に酸化するのが
有利である。と言うのは、後者は、沈澱、遠心、凝集ま
たは濾過により、より便利に除去できるからである。こ
の目的のためには、限定された量の酸素を用いる。
大きさが比較的小さくそして高い流速を有する第一好
気的反応槽(保持時間:10分の数分間〜数時間)内で該
硫化物を酸化させた後、大きさが比較的大きくそして長
い保持時間(例えば24時間)の好気的反応槽内で他の酸
化可能成分を除去する。
元素状硫黄を分離するための装置を、これらの2つの
反応槽の間に配置することができる。その結果、硫黄化
合物の大部分もしくは全部が除去された廃水流出液が得
られる。
本発明に従う方法はまた、非常に多量の硫黄化合物が
含まれていても、このような廃水を嫌気的に処理するた
めにも使用でき、それによってそこから硫黄化合物が高
度に除去される。嫌気的反応槽内で硫黄化合物を硫化物
に還元させた後、上述したように、この硫化物を元素状
硫黄に酸化することによりそれを除去する。処理すべき
水の中の硫黄化合物濃度が非常に高い場合、好適には、
浄化された水の一部を浄化すべき水に再循環させる。好
適には、この再循環比(この嫌気的反応槽に再循環され
る浄化水の量と、排出される浄化水の量との比率)は、
この嫌気的反応槽内の硫黄含有量を800mgS/L未満、より
好適には500mgS/L未満、最も好適には350mgS/Lに保持す
るように選択される。
この方法は、ほとんど全ての濃度の種々の硫黄化合物
を含有している廃液を処理するために使用できる。これ
らの硫黄化合物には、無機硫黄化合物、例えば硫酸塩、
亜硫酸塩、チオ硫酸塩、四チオン酸塩、元素状硫黄な
ど、並びに有機硫黄化合物、例えば二硫化炭素、ジアル
キルスルフィド類、ジアルキルジスルフィド類、メルカ
プタン類、スルホン類、スルホキサイド類、スルホン酸
類などが含まれる。本方法は、硫酸塩、亜硫酸塩または
チオ硫酸塩含有水の処理に特に有利である。硫黄化合物
を硫化物に還元するための適切な細菌には、特に硫黄お
よび燐酸塩還元菌、例えばデスルホビブリオ属(Desulf
ovibrio)、デスルホトマクルム属(Desulfotomaculu
m)、デスルホモナス属(Desulfomonas)、デスルホブ
ルブス属(Desulfobulbus)、デスルホバクテル属(Des
ulfobacter)、デスルホコッカス属(Desulfococcu
s)、デスルホネマ属(Desulfonema)、デスルホサルシ
ナ属(Desulfosarcina)、デスルホバクテリウム属(De
sulfobacterium)およびデスルホロマス属(Desulforom
as)が含まれる。一般に、これらのバクテリアは、種々
の嫌気性培養から利用でき、そして/または嫌気的反応
槽内に自然発生的に増殖する。
浄化した流出液をその流入液に部分的に再循環するこ
とによる結果として、この嫌気的処理中の硫化物濃度が
減少し、その結果、嫌気性植物相(特にメタン生産菌)
が阻害されない。
この具体例の更に一層の利点は、この硫化物を除去す
る目的で、この部分的に浄化された廃水のpHを低下させ
る必要がないことである。その上、2次的流出物をさら
に生じさせ得る気体スクラバーを必要としない。
適当な再循環比を選択することにより、いかなる濃度
の硫黄を含んでいるいかなる種類の廃水でも処理でき
る。この再循環比は、幅広い範囲に亘って変化させら
れ、例えば1〜10であってもよい。高硫黄負荷の廃水を
処理する場合、比較的高い比率で浄化水を再循環する。
従って、例えば30g/LのCODおよび2g/Lの硫黄化合物(硫
黄として計算)を含有している廃水が、本発明に従う方
法で効率好く処理できる。
本浄化方法の実施に適切な装置は、硫化物を元素状硫
黄に酸化するための反応槽に連結している嫌気的処理
槽、そして元素状硫黄を分離するための分離装置、そし
て更にこの分離装置の流出液を該嫌気的反応槽に送るた
めの導管から成っている。
硫黄化合物を除去するための工程は、例えば添付する
図1中に図式的に示した処理プラント内で行うことがで
きる。図1に従い、廃水流1が嫌気的反応槽2に送り込
まれ、ここで有機性汚染物質が主にメタンに転化され、
そして硫黄化合物が硫化物に転化される。生成する気体
を、導管(示されていない)を通して該嫌気的反応槽2
から取り出す。この嫌気的反応槽は、導管3を通して酸
化反応槽4に連結されており、ここで、生産された硫化
物が、硫黄を生じさせるに必要な酸化条件下(最小限の
硫化物負荷、酸素濃度)の硫黄酸化細菌によって、元素
状硫黄に転化される。5を通して、適当な速度で酸素を
導入する。この反応槽には、任意に、該硫黄酸化細菌の
ための支持体が入っている。この反応槽4内の保持時間
は比較的短い(例えば20分以下)。導管6により、該反
応槽4内で処理された水が分離装置7に導かれ、そこ
で、生産された硫黄が8を通して分離される。次に、こ
の処理された廃水を、生成流10と循環流11に分離する
が、これらの流れの比率は、処理すべき廃水の特性に従
って1において調節される。
硫黄化合物をも含有している水から重金属イオンを除
去するための本発明に従う方法においては、この金属イ
オンと反応して金属硫化物を生じる硫化物イオンを含有
している水を生じさせた後、上述したように、最小硫化
物負荷を用いた好気性反応槽中で、残りの硫化物を元素
状硫黄に酸化する。
金属硫化物の生成に必要な硫化物イオンを、この反応
槽流入液に加えてもよい。有利には、処理すべき水の中
に既に存在し、そして/または添加されてもよい硫黄化
合物を嫌気的に還元することにより、これらの硫化物イ
オンをその水の中に生じさせる。硫黄化合物を加える必
要がある場合、元素状の硫黄が好適である。
好適には、該重金属の実質的に完全な沈澱を生じさせ
ることを確保するに充分な硫黄/金属比を、この嫌気的
段階で用いる。従って、全ての重金属イオンは、この嫌
気的段階において、硫化物により捕捉される。
この浄化工程中に生じてくる金属硫化物および元素状
硫黄は、例えば沈澱、濾過、遠心または凝集により、一
緒に分離されるのが好適である。
この硫黄化合物を硫化物に還元するため、栄養(電子
供与体)を添加するのが望ましい。有機性廃棄物を含ん
でいない水を処理する場合、上記電子供与体を添加する
必要がある。特別な用途に応じて、以下に示す栄養物が
添加できる:水素、一酸化炭素および有機化合物、例え
ば蟻酸、糖類、脂肪酸、アルコール類および澱粉。必要
ならば、窒素、燐酸塩および微量要素の形態の栄養素も
同様に添加される。
本発明の方法を用いて処理できる重金属を含有してい
る廃水の例は、地下水、鉱山流出水、産業廃水、例えば
写真産業および冶金からの廃液、並びに廃ガス用スクラ
バーからの流出液が含まれる。本発明の方法を用いて除
去できる重金属には、相当する硫化物の難溶性生成物を
生じさせる全ての金属が含まれる。その例は、鉛、錫、
ビスマス、カドミウム、水銀、銀、亜鉛、銅、ニッケ
ル、コバルト、鉄、マンガン、クロム、ヴァナジウムお
よびチタンである。
この好気的段階中の金属硫化物の保持時間は、過剰の
酸化を避けるため充分に短くあるべきであり、硫化物の
酸化を完全に行うと、これらの金属硫化物は沈澱物とし
て残存できなくなる。
この好気的段階(微好気的硫化物酸化)中、そして元
素状の硫黄と増殖したバイオマスとをその水の流れから
分離する分離段階中の、低い残存硫化物濃度を維持する
ことにより、これらの金属の再溶解が抑制される。この
濃度は、広い範囲に渡って変化させられ、そして例え
ば、1リットル当たり0.1〜50mg、好適には1〜10mgの
硫化物であり得る。この必要とされる硫化物濃度の保持
は、例えば、この好気的反応槽或は分離装置中の硫化物
濃度または酸化還元電位を測定することによって調節で
きる。この酸化還元電位は、硫化物の酸化および分離
中、好適にはマイナス、例えば−100mV以下であるべき
である。この第一段階、即ち嫌気的硫黄還元段階中の酸
化還元電位は、一般に、−200〜−400mVの範囲の値であ
るべきである。
この分離段階後に残存しているいかなる硫化物イオン
も、排出させる前に従来から知られている方法(例えば
ばっ気または過酸化物添加)で酸化され得る。
本発明に従う重金属除去方法は、例えば添付の図2中
に図式的に示した如き装置内で行うことができる。図2
に従い、処理すべき廃水流(流入水)1を緩衝液/混合
タンク12に送り込む。13を通して、栄養物および電子供
与体が添加され得る。14を通して、この液がその緩衝用
タンクから取り出され、嫌気的反応槽2に送り込まれ、
ここで、これらの硫黄化合物が硫化物に還元され、そし
て金属硫化物が生じる。反応槽2の底(示されていな
い)からこれらを排出させる。この嫌気的工程中に生じ
る気体は、15を通して、気体処理装置16に導かれ、ここ
で、H2Sの燃焼もしくは除去が行われてもよい。反応槽
2で生産された硫化物含有液は、3を通して、好気的反
応槽4に導かれ、ここで、元素状硫黄への硫化物の酸化
が生じる。5を通して、空気が該好気的反応槽4に導入
される。17を通して、気体が悪臭処理装置18に導かれ
る。
硫黄を含有している液体が、6を通って該好気的反応
槽4から出た後、硫黄を分離するための分離装置7に導
かれる。8を通して硫黄を分離する一方、この浄化され
た流出液が、10を通ってその分離装置7から出る。
本発明の方法に従って操作された処理システムに関係
する測定結果を以下の表EおよびFに要約する。
この流入液中のエタノールは添加されたものである;
そして約350mg/Lの金属硫化物沈澱が生じる。
実施例 硫化物除去プラントにおける、硫黄および/または硫
酸塩生産と、硫化物汚泥負荷率との間の関係を評価する
目的で、多くの定状状態で硫黄生成を測定した。
この実験では、硫化物を酸化するバイオマスのみによ
ってN含有量が測定できるように、硫化物および栄養物
のみを送り込み、いかなる有機化合物もこの反応槽に送
り込まなかった。
その結果を図3に示す。10mgS/mgN・時以下では硫酸
塩のみが生じる。10mgS/mgN・時を越える汚泥負荷率で
は、硫黄の生産が上昇する。
Novozamsky他、(1983)、Comm.Soil Science Plant
Anal.14、239−249が開発した修飾Kjeldahl方法を用い
て、この硫化物酸化細菌の窒素含有量を測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9000880 (32)優先日 1990年4月12日 (33)優先権主張国 オランダ(NL) (56)参考文献 特開 昭54−85551(JP,A) 特開 昭56−168889(JP,A) 特開 昭57−45895(JP,A) 特開 昭58−74189(JP,A) 特開 昭61−133197(JP,A) 特開 昭50−125549(JP,A) 特公 昭60−3876(JP,B2) 特公 平2−8800(JP,B2)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応槽内で用いる汚泥負荷(この汚泥負荷
    は、この汚泥の硫化物酸化部分を基にして計算)が、1
    時間当たりの汚泥内に存在している窒素1mg当たり、少
    なくとも10mgの硫化物であることを特徴とする、好気性
    細菌含有汚泥使用反応槽内で硫化物を実質的に元素状硫
    黄に酸化することから成る、硫化物含有水の処理方法。
  2. 【請求項2】使用する汚泥負荷が、1時間当たりの汚泥
    内に存在している窒素1mg当たり、少なくとも20mgの硫
    化物である請求の範囲1記載の方法。
  3. 【請求項3】使用する汚泥負荷が、1時間当たりの汚泥
    内に存在している窒素1mg当たり、少なくとも35mgの硫
    化物である請求の範囲1記載の方法。
  4. 【請求項4】該反応槽内で用いる汚泥が、担体材料に結
    合している生物膜の形態で存在している請求の範囲1〜
    3いずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】該反応槽内の酸素濃度を、0.1〜9.0mg/Lの
    範囲の値、好適には約4mg/Lに調節する請求の範囲1〜
    4いずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】該好気性反応槽の流出液内の硫化物濃度を
    0.5〜30mg/Lの範囲内に保持する請求の範囲1〜5いず
    れか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】少なくとも10g/m2・日の硫化物表面負荷を
    用いる請求の範囲1〜6いずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】少なくとも50mgS/L・時の硫化物負荷を用
    いる請求の範囲1〜7いずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】少なくとも100mgS/L・時の硫化物負荷を用
    いる請求の範囲8記載の方法。
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