JP2603328Y2 - ブリーザ - Google Patents

ブリーザ

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JP2603328Y2
JP2603328Y2 JP1993058636U JP5863693U JP2603328Y2 JP 2603328 Y2 JP2603328 Y2 JP 2603328Y2 JP 1993058636 U JP1993058636 U JP 1993058636U JP 5863693 U JP5863693 U JP 5863693U JP 2603328 Y2 JP2603328 Y2 JP 2603328Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はブリーザに関し、例え
ば自動車等のデファレンシャル部やオイルタンク、減速
機等の各種ケース(容器等)に装着されて、その内部圧
力が変化した際に例えば減圧(息抜き)等をしてケース
の内圧調整を行うブリーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】従来、この種のブリー
ザとしては、図8および図9に示すようなものが一般に
知られている。すなわち、図8および図9に示すブリー
ザ51は、連通孔55を有する略円筒状のブリーザ本体
52と、この連通孔55の一方の開口部に対して所定の
間隔を開けるとともに、この一方の開口部を覆うように
して設けられる蓋部材53とからなるもので、ブリーザ
本体52と蓋部材53との間には、連通孔55を外部に
導通させる通路57を形成してある。
【0003】そして、このブリーザ51は、その連通孔
55の他方の開口部がケース63の内部に位置するよう
な状態でケース63に装着することで、ケース63の内
部が連通孔55および通路57を介して外部と導通し、
これにより、ケース63の内部圧力の調整を行うことが
できるようになっている。
【0004】図8および図9において、ブリーザ本体5
2は、ゴム状弾性体よりなる両端が開口した略円筒状を
なし、その内部が連通孔55となっているものである。
連通孔55の一方の開口部側のブリーザ本体52の外周
には他の部位よりも大径な環状の支持部54が形成さ
れ、また、連通孔55の他方の開口部の外周縁部には、
先端に向かって径が漸減するテーパ部61を形成してあ
る。
【0005】このブリーザ本体52の支持部54は、そ
の一方の周縁部が連通孔55の一方の開口部を囲うよう
にして軸線方向に突出し、これにより突部54aを形成
してある。さらに、支持部54の他方の端部には2等配
の段部54bが形成され、このとき、支持部54におけ
る段部54b間の部位には、軸線方向に切り欠かれた切
欠部56が2等配に形成される。
【0006】このブリーザ本体52には、支持部54が
形成された側の連通孔55の一方の開口部を覆うように
して蓋部材53が配設される。この蓋部材53は、全体
として一端が閉塞された円筒状をなし、その他端に、ブ
リーザ本体52の外径よりも大径に形成された開口部を
有するものである。この蓋部材53の開口端部には、所
定の間隔をおいて対をなす半円切欠部59、59が2対
等配に形成され、それぞれの半円切欠部59、59間に
折曲部60が形成されている。
【0007】このとき、蓋部材53は、その閉塞面であ
る内部底面をブリーザ本体52の支持部54の突部54
aに当接させるとともに、蓋部材53の内周面をブリー
ザ本体52の支持部54の外周面に当接させた状態でブ
リーザ本体52に嵌合される。そして、蓋部材53に形
成された折曲部60をブリーザ本体52の段部54bに
かしめることにより、ブリーザ本体52の支持部54が
折曲部60と蓋部材53の内部底面との間で挟持され、
これによって、蓋部材53がブリーザ本体52と一体に
固定される。
【0008】またこの際、蓋部材53がブリーザ本体5
2にかしめられると、蓋部材53の内部底面とブリーザ
本体52の一方の開口部との間、および蓋部材53の内
周面とブリーザ本体52の切欠部56との間に、連通孔
55と連通する通路57が形成されるようになってい
て、これによって、連通孔55が通路57を介して外部
と導通するようにしてある。
【0009】なお、62は環状突起であり、ブリーザ本
体52の外周面に形成してあるもので、ブリーザ51が
ケース63に装着された際に、この環状突起62とテー
パ部61とでケース63を挟み込むようにしてブリーザ
本体52を保持し、これにより、ブリーザ51が密着状
態でケース63に固定されることとなる。
【0010】上記のように構成されたブリーザ51は、
そのテーパ部61を、自動車等のデファレンシャル部や
オイルタンク、減速機等のケース63に設けられた開口
部に挿入し、ブリーザ本体52をケース63の開口部に
保持することでケース63への装着が完了する。
【0011】すると、ブリーザ51は、ケース63の内
部を、ブリーザ本体52の内部の連通孔55と、ブリー
ザ本体52と蓋部材53との間に形成された通路57と
を介して外部へ導通させるようになる。このため、ケー
ス63の内部圧力(気圧)が高くなった場合には、その
ケース63内の圧力増加分が連通孔55および通路57
を通じて外部へ排出され、これにより、ケース63の内
部圧力の調整が行われるようになっている。
【0012】しかしながら、上記のようなブリーザ51
にあっては、外部からケース63内に水やダスト等が侵
入してしまうことがあった。
【0013】すなわち、蓋部材53とブリーザ本体52
との間に、連通孔55を介してケース63の内部と連通
するように形成された通路57は、その外部側の開口部
が支持部54の端面Yと一致した位置に開口しているの
で、外部から水やダストが入りやすい状態となってい
た。
【0014】特に、ブリーザ51が自動車等に取り付け
られた場合には、降雨時に自動車を走らせたり、あるい
は洗車したりしたときに、水が浸入する機会が増えるこ
とになる。
【0015】例えば降雨時に自動車を走らせたときに
は、その車速に応じて生じる風圧によって雨水が飛散す
るので、それらの水が、ブリーザ本体52の露出面であ
る外周端面Xまたは支持部54の下端面Yや、通路57
の開口部を形成する蓋部材53の端縁内面Zに当たる
と、水は、それらの各面X、Y、Zで跳ね返ったり、あ
るいは各面X、Y、Zに沿って伝わったりして、通路5
7の開口部に入る可能性が高かった。そして、水やダス
ト類が通路57内に浸入するようなことがあると、浸入
した水等がケース63内のオイルに混入してオイルの劣
化を早めることとなり、問題であった。
【0016】また、他の先行技術としては、実公昭51
−13656号公報、実公昭46−27367号公報、
実公昭52−44729号公報等により各種のブリーザ
が提案されているが、これらはその構成が複雑であり、
製作が困難である等の問題点を有していた。
【0017】この考案は上記のような問題点を解消する
もので、簡単な構成で水等の浸入を防止することができ
るブリーザを提供することを目的とする。
【0018】
【問題点を解決するための手段】この考案は上記の問題
点を解決するために、内部に連通孔を有する筒状のブリ
ーザ本体と、前記連通孔の一方の開口部を覆った状態で
ブリーザ本体に設けられるとともに、前記ブリーザ本体
との間に前記連通孔を外部に導通させる通路を形成する
蓋部材とを具えたブリーザであって、前記通路の外部側
の開口部の内周側に位置する前記ブリーザ本体の部分
に、該開口部を取り囲んだ状態で前記ブリーザ本体の軸
線方向に突出する壁を設けた手段を採用したものであ
る。また、前記壁に、外部と通気可能な状態で前記通路
を閉塞する膜部を設けた手段を採用したものである。
【0019】
【作用】この考案は上記の手段を採用したことにより、
例えば減速機等の各種ケースに設けられた開口部にブリ
ーザを装着することで、ケースの内部が、連通孔および
通路を介して外部と連通するため、これにより、ケース
の内部の圧力調整を行うことができるようになってい
る。
【0020】そして、連通孔を外部に導通させる通路の
外部側の開口部の内周側に位置するブリーザ本体の部分
に、開口部を取り囲んだ状態でブリーザ本体の軸線方向
に突出する壁を設けたことにより、外部から通路内に浸
入しようとする水、ダスト類等はこの壁によって跳ね返
され、通路の開口部から通路内に浸入するのが阻止され
ることになる。したがって、ケース内に収容されている
オイル等に水等が混入することはなくなる。
【0021】また、壁に膜部を設けた場合には、通路の
開口部を閉塞することができるので、外部からの水等の
浸入をより完全に阻止することができることとなる。
【0022】
【実施例】以下、図面に示すこの考案の実施例を説明す
る。図1および図2は、この考案によるブリーザの一実
施例を示す図である。すなわち、図1および図2に示す
ブリーザ1は、連通孔5を有するブリーザ本体2と、こ
のブリーザ本体2の一方の開口部を覆うようにして設け
られて連通孔5を外部に導通させる通路7を形成する蓋
部材3とからなる。そして、ブリーザ本体2には、通路
7の開口部を取り囲む形状で突出する壁8を形成してあ
る。
【0023】そして、このブリーザ1をケース13に装
着することで、ケース13の内部が連通孔5および通路
7を介して外部と導通し、これにより、ケース13の内
部圧力の調整を行うことができるようになっている。
【0024】図1および図2において、ブリーザ本体2
は、両端が開口したゴム状弾性体よりなる略円筒状をな
し、その内部が連通孔5となっている。このブリーザ本
体2は、その連通孔5の一方の開口部側の外周に他の部
位よりも大径な環状の支持部4が形成され、また、連通
孔5の他方の開口部の端縁部には、爪状をなすとともに
先端に向かって径が漸減するテーパ部11を形成してあ
る。
【0025】このブリーザ本体2の支持部4は、その一
方の周縁部が連通孔5の開口部を囲うようにして軸線方
向に突出し、これにより突部4aを形成してある。さら
に、支持部4の他方の端部には2等配の段部4bが形成
され、このとき、支持部4における段部4b、4b間の
部位には、軸線方向に切り欠かれた切欠部6を2等配に
形成してある。
【0026】このブリーザ本体2には、支持部4側の連
通孔5の開口部を覆うようにして蓋部材3が配設され
る。この蓋部材3は、全体として一端が閉塞された円筒
状をなし、その他端に、ブリーザ本体2の外径よりも大
径に形成された開口部を有するものである。この蓋部材
3の開口部の端部には、所定の間隔をおいて対をなす半
円切欠部9、9が2対等配に形成され、この半円切欠部
9、9間に折曲部10が形成されている。
【0027】このとき、蓋部材3は、その閉塞面である
内部底面をブリーザ本体2の支持部4の突部4aに当接
させるとともに、蓋部材3の内周面の一部をブリーザ本
体2の支持部4の外周面に当接させた状態でブリーザ本
体2の支持部4に被嵌される。そして、蓋部材3に形成
された折曲部10をブリーザ本体2の段部4bにかしめ
ることにより、ブリーザ本体2の支持部4が折曲部10
と蓋部材3の内部底面との間で挟持され、これによっ
て、蓋部材3がブリーザ本体2と一体に固定される。
【0028】またこの際、蓋部材3でブリーザ本体2を
かしめると、両部材3、2が協働することにより、蓋部
材3の内部底面とブリーザ本体2の開口部との間、およ
び蓋部材3の内周面とブリーザ本体2の切欠部6との間
に、連通孔5と連通する通路7が形成されるようになっ
ている。これにより、連通孔5が通路7を介して外部と
連通するようにしてある。
【0029】通路7を形成するブリーザ本体2の部位に
は、その通路7の外部側の開口部周縁に沿う形状である
とともに、ブリーザ本体2の軸線方向へ突出する壁8が
形成される。これにより、壁8が、通路7の外部側の開
口部を取り囲むようにしてある。図においては、壁8の
高さは蓋部材3の端部を越えないように設定してある
が、壁8の高さは任意であり、例えば、蓋部材3の端部
と一致させても、また、蓋部材3の端部を越えるように
設定してもよいものである。
【0030】なお、12は環状突起であり、ブリーザ本
体2の外周面に形成してあるもので、ブリーザ1がケー
ス13に装着された際に、この環状突起12とテーパ部
11とでケース13を挟み込むようにしてブリーザ本体
2を保持し、これにより、ブリーザ1がケース13に密
着状態で固定されることとなる。
【0031】次に、上記のものの作用を説明する。上記
のように構成されたブリーザ1は、そのテーパ部11
を、自動車等のデファレンシャル部やオイルタンク、減
速機等のケース13に設けられた開口部に挿入し、ブリ
ーザ本体2をケース13の開口部に保持することで、ブ
リーザ1のケース13に対する装着が完了する。
【0032】このとき、ブリーザ1は、ブリーザ本体2
の内部の連通孔5が、ブリーザ本体2と蓋部材3との間
に形成された通路7を介して外部と導通するようになっ
ている。このため、ケース13の内部は、連通孔5およ
び通路7を介して外部と連通することとなる。したがっ
て、ケース13の内部圧力(気圧)が高くなった場合に
は、そのケース13内の圧力増加分を連通孔5および通
路7を通じて外部へ排出することで減圧し、これによ
り、ケース13の内部圧力の調整を行うようになってい
る。
【0033】そして、上記のブリーザ1にあっては、外
部に存在する水やダスト等がケース13内に侵入するこ
とを防止することができるようになっている。
【0034】すなわち、ブリーザ本体2に、通路7の外
部側の開口部に沿って軸線方向へ突出する壁8を設けた
ことにより、この壁8の存在が、外部から通路7の開口
部に浸入しようとする水やダスト類がそれ以上通路7の
内方へ進むことを阻止するようになっている。
【0035】つまり、壁8が通路7の開口部を取り囲む
ように形成されてあるので、外部から通路7の開口部へ
浸入することを許容する水等の浸入方向が著しく制限
(垂直方向のみに制限)され、水が連通孔5内へ浸入す
る機会をきわめて少なくすることができる。
【0036】例えば、ブリーザ1が自動車等に取り付け
られた場合において、例えば降雨時に自動車を走らせた
ときに、その車速に応じて生じる風圧によって雨水が飛
散するようなことがあると、従来では、飛散した水が、
ブリーザ本体52の露出面である外周端面Xまたは支持
部54の下端面Yや、通路57の開口部を形成する蓋部
材53の端縁内面Zに当たると、水は、それらの各面
X、Y、Zで跳ね返ったり、あるいは各面X、Y、Zに
沿って伝わったりして、通路57の開口部に入る可能性
が高かった。この点、上記のブリーザ1にあっては、外
部で飛散した水等がブリーザ本体2の露出面に当たるよ
うなことがあっても、跳ね返った水や、ブリーザ本体2
の露出面を伝わるように流れる水は壁8が障害となるの
で、通路7へ水等が浸入する可能性を著しく低減するこ
とになる。
【0037】次に、上記実施例の第1変形例を図3に示
す。すなわち、図3に示す第1変形例は、前記実施例に
おける壁8に、通路7の開口部を閉塞する膜部14を設
けて、この膜部14にスリット16を形成したものであ
る。なお、他の構成は前記実施例と同様であるので、同
一の符号を付すことにより詳細な説明は省略する。
【0038】図3において、膜部14は、壁8の外側面
と蓋部材3の内周面との間に設けられ、通路7の開口部
を閉塞するようにしてある。このとき、膜部14は、壁
8に一体に設けられ、それ以外の周端縁部が蓋部材3の
内周面に接触した状態となっている。
【0039】この膜部14には、少なくとも1か所に、
通路7を外部と導通させるスリット16が形成される。
この場合、スリット16の形状は特に限定されるもので
はない。
【0040】このように、通路7の開口部に、スリット
16を形成した膜部14を設けたことにより、外部から
の水、ダスト類の浸入はより確実に阻止することができ
ることとなる。
【0041】次に、前記実施例の第2変形例を図4に示
す。すなわち、図4に示す第2変形例は、前記実施例に
おける壁8に、通路7の開口部を閉塞する膜部15を設
け、蓋部材3の内周面に対向する膜部15の部位を揺動
自在にしてあるものである。なお、他の構成は前記実施
例と同様であるので、同一の符号を付すことにより詳細
な説明は省略する。
【0042】図4において、膜部15は、壁8の外側面
と蓋部材3の内周面との間に設けられ、通路7の開口部
を閉塞するようにしてある。このとき、膜部15は、壁
8に一体に設けられ、それ以外の周端縁部が蓋部材3の
内周面に接触した状態となっている。
【0043】この膜部15は、ブリーザ本体2の径方向
外方へ向かって漸次厚さが小さくなるように形成され、
これにより、蓋部材3の内周面に接触する膜部15の部
位が軸線方向に揺動可能となっている。このため、通路
7側と外部との間に圧力差があると、その圧力差に応じ
て、蓋部材3に接触する膜部15の部位が揺動して通路
7を開閉するようになっている。
【0044】このように、通路7の開口部に、端縁部が
揺動することで通路7を開閉する膜部15を設けたこと
により、外部からの水やダスト類の浸入はより確実に阻
止することができることとなる。
【0045】次に、図5乃至図7に基づいて他の実施例
を説明する。すなわち、図5乃至図7に示すブリーザ2
1は、連通孔25を有するブリーザ本体22と、このブ
リーザ本体22の一方の開口部を覆うようにして設けら
れて連通孔25を外部に導通させる通路27を形成する
蓋部材23とからなり、連通孔25内には、機能膜37
と保護シート38とからなるフィルタ部材39を配設し
てあるものである。そして、ブリーザ本体22には、通
路27の開口部を取り囲む形状で突出する壁28を形成
してある。
【0046】図5乃至図7において、ブリーザ本体22
は、両端が開口したゴム状弾性体よりなる略円筒状をな
し、その内部が連通孔25となっている。このブリーザ
本体22は、その連通孔25の一方の開口部側の外周に
他の部位よりも大径な環状の支持部24が形成され、ま
た、連通孔25の他方の開口部の端縁部には、爪状をな
すとともに先端に向かって径が漸減するテーパ部31を
形成してある。
【0047】このブリーザ本体22の支持部24は、そ
の一方の周縁部が連通孔25の開口部を囲うようにして
軸線方向に突出し、これにより環状の突部24aを形成
してある。突部24aが位置する連通孔25の開口部側
の部位には、環状の段部22aが形成され、この段部2
2aの底面に環状のビード22bを一体に形成してあ
る。また、支持部24の他方の端部には2等配の段部2
4bが形成され、このとき、支持部24における段部2
4b、24b間の部位には、軸線方向に切り欠かれた切
欠部26を2等配に形成してある。
【0048】このブリーザ本体22には、支持部24側
の連通孔25の開口部を覆うようにして蓋部材23が配
設される。この蓋部材23は、全体として一端が閉塞さ
れた円筒状をなし、その他端に、ブリーザ本体22の外
径よりも大径に形成された開口部を有するものである。
この蓋部材23の開口部の端部には、所定の間隔をおい
て対をなす半円切欠部29、29が2対等配に形成さ
れ、この半円切欠部29、29間に折曲部30を形成し
てある。また、蓋部材23の閉塞面には、前記段部22
aに対応する部位に突起23aが内部空所側へ突出した
状態で等配に形成してある。
【0049】蓋部材23は、その閉塞面である内部底面
をブリーザ本体22の支持部24の突部24aに当接さ
せるとともに、蓋部材23の内周面の一部をブリーザ本
体22の支持部24の外周面に当接させた状態でブリー
ザ本体22の支持部24に被嵌される。そして、蓋部材
23に形成された折曲部30をブリーザ本体22の段部
24bにかしめることにより、ブリーザ本体22の支持
部24が折曲部30と蓋部材23の内部底面との間で挟
持され、これによって、蓋部材23がブリーザ本体22
と一体に固定される。
【0050】このとき、ブリーザ本体22の段部22a
と、蓋部材23の内部底面との間には、機能膜37と保
護シート38とからなるフィルタ部材39を配設する。
フィルタ部材39を形成する機能膜37は、例えば1μ
m程度の孔がポーラス状に形成された多孔質材よりなる
もので、気体の通過は許容するけれども水やオイル等の
液体の通過は阻止する性質を有する。また、保護シート
38は、フッ素加工等により撥水処理又は撥油処理が施
された不織布等が用いられて、気体の通過は許容するけ
れども水やオイル等の液体の通過は阻止する性質を有し
ている。
【0051】機能膜37および保護シート38は、それ
ぞれ連通孔25を閉塞可能な大きさの円盤状をなしてい
て、各々の周縁部がブリーザ本体22の段部22aに係
止可能となっている。そして、機能膜37は、保護シー
ト38と重ね合わせた状態で段部22aに係止し、これ
により、フィルタ部材39が連通孔25を閉塞した状態
に配設される。このとき、保護シート38が蓋部材23
側に位置するように配置し、機能膜37の下面周縁部を
段部22aのビード22bに接触させる。その上で、蓋
部材23側の保護シート38の周縁部に固定リング40
を配置し、その状態で、段部22aのビード22bと蓋
部材23の突起23aとの間で機能膜37、保護シート
38および固定リング40を挟持固定するようにしてあ
る。したがって、この場合、ビード22bが弾性変形し
た状態で機能膜37に圧接するとともに、ビード22b
の内側に位置する部分が機能膜37の有効面積となる。
【0052】また、このように、蓋部材23をブリーザ
本体22に固定した際、両部材23、22が協働するこ
とにより、蓋部材23の内部底面とブリーザ本体22の
開口部との間、および蓋部材23の内周面とブリーザ本
体22の切欠部26との間に、連通孔25と連通する通
路27が形成されるようになっている。これにより、連
通孔25が通路27を介して外部と連通するようにして
ある。
【0053】通路27を形成するブリーザ本体22の部
位には、その通路27の外部側の開口部周縁に沿う形状
であるとともに、ブリーザ本体22の軸線方向へ突出す
る壁28が形成される。これにより、壁28が、通路2
7の外部側の開口部を取り囲むようにしてある。図にお
いては、壁28の高さは蓋部材23の端部を越えないよ
うに設定してあるが、壁28の高さは任意であり、例え
ば、蓋部材23の端部と一致させても、また、蓋部材2
3の端部を越えるように設定してもよいものである。
【0054】なお、32は環状突起であり、ブリーザ本
体22の外周面に形成してあるもので、ブリーザ21が
ケース33に装着された際に、この環状突起32とテー
パ部31とでケース33を挟み込むようにしてブリーザ
本体22を保持し、これにより、ブリーザ21がケース
33に密着状態で固定されることとなる。
【0055】次に、上記のものの作用を説明する。上記
のように構成されたブリーザ21は、そのテーパ部31
を、自動車等のデファレンシャル部やオイルタンク、減
速機等のケース33に設けられた開口部に挿入し、ブリ
ーザ本体22をケース33の開口部に保持することで、
ブリーザ21のケース33に対する装着が完了する。
【0056】このとき、ブリーザ21は、ブリーザ本体
22の内部の連通孔25が、ブリーザ本体22と蓋部材
23との間に形成された通路27を介して外部と導通す
るようになっている。このため、ケース33の内部は、
連通孔25および通路27を介して外部と連通すること
となる。したがって、ケース33の内部圧力(気圧)が
高くなった場合には、そのケース33内の圧力増加分を
連通孔25および通路27を通じて外部へ排出すること
で減圧し、これにより、ケース33の内部圧力の調整を
行うようになっている。
【0057】そして、上記のブリーザ21にあっては、
外部に存在する水やダスト等がケース33内に侵入する
ことを防止することができるようになっている。
【0058】すなわち、ブリーザ本体22に、通路27
の外部側の開口部に沿って軸線方向へ突出する壁28を
設けたことにより、この壁28の存在が、外部から通路
27の開口部に浸入しようとする水やダスト類がそれ以
上通路27の内方へ進むことを阻止するようになってい
る。
【0059】つまり、壁28が通路27の開口部を取り
囲むように形成されてあるので、外部から通路27の開
口部へ浸入することを許容する水等の浸入方向が著しく
制限され、水が連通孔25内へ浸入する機会をきわめて
少なくすることができる。したがって、外部で飛散した
水等がブリーザ本体22の露出面に当たるようなことが
あっても、跳ね返った水や、ブリーザ本体22の露出面
を伝わるように流れる水は壁28が障害となるので、通
路27へ水等が浸入する可能性を著しく低減することに
なる。
【0060】しかも、上記のブリーザ21にあっては、
外部からの水等の浸入を確実に防ぐと同時に、ケース3
3内のオイルが外部に漏れたりしないようになってい
る。
【0061】すなわち、連通孔25内に、気体は通すけ
れども水やオイル等の液体は通さないフィルタ部材39
を設けてあるので、ケース33側からブリーザ本体22
内に浸入したオイルや、外部からブリーザ本体22内に
浸入した水等は、フィルタ部材39よりも先方へ進行す
ることが阻止されるようになっている。
【0062】つまり、連通孔25は、機能膜37および
保護シート38により通気性を確保した状態で液体の通
過が阻止され、同時に、保護シート38により、外部か
ら通路7を介して浸入しようとしてくるダスト類を完全
に遮ることができるようになっている。この場合、機能
膜37には保護シート38が積層状態で設けられている
ので、この保護シート38が機能膜37をバックアップ
して破損等を防止し、耐久性を向上させることができ
る。
【0063】なお、上記の他の実施例においても、図3
に示すように、壁28に、通路27の開口部を閉塞する
とともに、スリットを有する膜部を設けてもよく、ま
た、図4に示すように、壁28に、通路27の開口部を
閉塞するとともに、蓋部材の内周面に対向する膜部の部
位が揺動自在となっている膜部を設けてもよいものであ
る。要は、壁8、28に設ける膜部は、通気性を確保し
た状態で通路7、27の開口部を閉塞するものであれば
よい。
【0064】
【考案の効果】この考案は請求項1のように構成して、
通路の外部側の開口部の内周側に位置するブリーザ本体
の部分に、開口部を取り囲んだ状態でブリーザ本体の軸
線方向に突出する壁を設けたことにより、外部から通路
の外部側の開口部に作用する水やダスト類等の異物は壁
によって跳ね返されることになる。したがって、請求項
1に係るブリーザを減速機のケース等に取り付けた場合
には、ケース等の内部に収容されているオイル等に水や
ダスト類等の異物が混入することを防止でき、オイル等
が異物の混入によって劣化するのを防止できることにな
る。この場合、壁を設けただけの簡単な構造であるの
で、製作が容易であり、コスト的に有利となる。
【0065】また、請求項2のように構成して、壁に通
気を確保した状態で通路の開口部を閉塞する膜部を設け
たことにより、壁と膜部との協働によって外部から通路
の外部側の開口部に作用する水、ダスト類等の異物を跳
ね返すことができることになる。したがって、請求項2
に係るブリーザを減速機のケース等に取り付けた場合に
は、ケース等の内部に収容されているオイル等に水やダ
スト類等が混入することを更に効果的に防止でき、オイ
ル等が異物の混入によって劣化するのを更に効果的に防
止できることになる。この場合、壁と膜部を設けただけ
の簡単な構造であるので、製作が容易であり、コスト的
に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案によるブリーザの一実施例を示す図で
ある。
【図2】図1におけるA−A矢視図である。
【図3】図1に示すブリーザの第1変形例の要部を示す
図である。
【図4】図1に示すブリーザの第2変形例の要部をを示
す図である。
【図5】この考案によるブリーザの他の実施例を示す図
である。
【図6】図5におけるB−B矢視図である。
【図7】図5におけるC−C矢視図である。
【図8】従来例を示す図である。
【図9】図8におけるD−D矢視図である。
【符号の説明】
1、21、51……ブリーザ 2、22、52……ブリーザ本体 3、23、53……蓋部材 4、24、54……支持部 4a、24a、54a……突部 4b、22a、24b、54b……段部 5、25、55……連通孔 6、26、56……切欠部 7、27、57……通路 8、28……壁 9、29、59……半円切欠部 10、30、60……折曲部 11、31、61……テーパ部 12、32、62……環状突起 13、33、63……ケース 14、15……膜部 16……スリット 22b……ビード 23a……突起 37……機能膜 38……保護シート 39……フィルタ部材 40……固定リング

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に連通孔を有する筒状のブリーザ本
    体と、前記連通孔の一方の開口部を覆った状態でブリー
    ザ本体に設けられるとともに、前記ブリーザ本体との間
    に前記連通孔を外部に導通させる通路を形成する蓋部材
    とを具えたブリーザであって、前記通路の外部側の開口
    部の内周側に位置する前記ブリーザ本体の部分に、該開
    口部を取り囲んだ状態で前記ブリーザ本体の軸線方向に
    突出する壁を設けたことを特徴とするブリーザ。
  2. 【請求項2】 前記壁に、外部と通気可能な状態で前記
    通路を閉塞する膜部を設けた請求項1記載のブリーザ。
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