JP2602836Y2 - 便器の汚れ防止カバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、洋式水洗便器におい
て、その便座の下方に位置する便器本体のリム部、すな
わち便器本体の上部周縁部の上面と内周面の汚れを防止
するカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】便器本体のリム部上面の汚れを防止する
ものとして、従来、便座取付部付近の便器本体の汚れを
防止するために、便器本体上面の後部に貼着するシート
状のものが提案されていたが（実開平３−９２１９８
号）、便器本体のリム部の内周面及び上面の汚れを防止
するものは存在しなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来ものは、便器
本体上面の後部における便座取付部のみの汚れを防止す
るにすぎないものであり、便器本体のリム部の内周面及
び上面の汚れを防止し得るものではなかった。

【０００４】一般に男性は洋式便器にて小水の用をたす
ときに、便座を上げて便器本体だけにするため、小水の
しぶきが飛散して便器本体のリム部の内周面や上面が汚
れることが多かった。しかも便器の洗浄水は前記リム部
内側の下面から便器本体内に向けて流出するのでリム部
の内周面や上面の汚れを洗い流すことができない構造に
なっている。したがって、前記リム部の内周面や上面が
不潔になるので、常に掃除をしておく必要があった。

【０００５】また、ブラシ等で便器本体のリム部を掃除
すると便器の周囲に汚水が飛散するおそれがあるため容
易ではなく、実際は布等で拭き取っているのが現状であ
る。その場合には、便器本体に顔を近付けざるを得ず、
このことがトイレ掃除の不快感や煩雑さを覚えさせて、
掃除を怠る要因になっている。

【０００６】本考案は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、洋式水洗便器本体のリム部をカバーで覆うこと
により、飛散する小水のしぶきを該カバーに吸収させ
て、便器に汚れが付着しないようにしたもので、その結
果、トイレ掃除の手間を減少させ、便器を常に衛生的に
かつ清潔に保つことができるようにし、しかもこのカバ
ーを水溶性の紙で構成することにより、汚れが付着した
カバーはトイレの水で溶解して簡単に処理できるように
したものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案者は、上記目的を
達成するために、洋式水洗便器における便座の下に位置
する便器本体のリム部を覆うカバーであって、断面ほぼ
コの字型をなし、その全体が水溶性の紙よりなる便器の
汚れ防止カバーを考案した。

【０００８】

【作用】本考案に係る便器の汚れ防止カバーは、洋式水
洗便器本体のリム部、すなわち便器本体の上部周縁部に
おける上面と内外の周面とを被覆する。

【０００９】また、該汚れ防止カバーは、断面コの字型
をなしているため、便器本体に安定して装着される。

【００１０】さらに、該汚れ防止カバーは、水溶性の紙
で構成されているため、水に容易に溶解する。

【００１１】

【実施例】以下、本考案に係る便器の汚れ防止カバーの
実施例を図面に基いて説明する。図１は本考案に係る汚
れ防止カバーの実施例を示す斜視図であり、図２はその
使用状態を示す斜視図である。

【００１２】図において（Ａ）は洋式水洗便器、（Ａ
１）は便器本体、（Ａ２）は便座、（Ａ３）は蓋板をそ
れぞれ示し、（１）は便器本体の上部周縁部を構成する
リム部、（１ａ）はリム部の上面、（１ｂ）はリム部の
内周面、（１ｃ）はリム部の外周面をそれぞれ示す。

【００１３】（１０）は汚れ防止カバーであり、トイレ
ットペーパー等に使用されるような水溶性の紙で構成さ
れている。その厚みの上限は、該汚れ防止カバー（１
０）の全体をトイレの水で容易に溶解して処理できる程
度のものにし、下限はトイレットペーパー等のように少
量の水では即座に溶解しない程度のものにするのが実施
上望ましい。なお、柔軟な紙で形成すれば折畳むことが
できるので、保管や運搬等に便利である。

【００１４】該汚れ防止カバー（１０）は、リム部の上
面（１ａ）を覆う上面汚れ防止部（１０ａ）と、リム部
の内周面（１ｂ）を覆う内周面汚れ防止部（１０ｂ）
と、リム部の外周面（１ｃ）を覆う外周部（１０ｃ）と
により断面コの字型をなしている。

【００１５】上面汚れ防止部（１０ａ）は、リム部の上
面（１）を覆うことができるようにリム部の上面形状に
相応する形状をなしている。内周面汚れ防止部（１０
ｂ）は、前記上面汚れ防止部（１０ａ）に連続して形成
され、リム部上面から内周面へ垂下するものであり、便
器本体の洗浄液が流出する内面に接しないようになって
いる。外周部（１０ｃ）は、前記上面汚れ防止部（１０
ａ）に連続して形成され、リム部上面から外周面に垂下
している。

【００１６】本考案に係る便器の汚れ防止カバー（１
０）は、上記のような構成を備えているため、該汚れ防
止カバーを便器本体のリム部（１）に被せれば、たとえ
小水のしぶきがリム部の上面や内周面に飛散しても、前
記上面汚れ防止部（１０ａ）及び内周面汚れ防止部（１
０ｂ）が小水を吸収するので、リム部の上面（１ａ）及
び内周面（１ｂ）に直接汚れが付着するのを防止するこ
とができる。なお、該内周面汚れ防止部（１０ｂ）は便
器の内面に接しないので、トイレの水を流しても、カバ
ーが滑り落ちたり、また該防止部（１０ｂ）が水を吸収
して溶解するようなことがない。前記外周部（１０ｃ）
はリム部の内周面に垂下する内周面汚れ防止部（１０
ｂ）とバランスがとれ、これにより該汚れ防止カバー
（１０）は、便器本体のリム部（１）を跨ぐようにして
装着されるので、該汚れ防止カバー（１０）が不用意に
便器内に滑り落ちることがない。なお、外周部（１０
ｃ）の内側に接着面を形成してリム部の外周面（１ｃ）
に貼着するようにすれば、該カバー（１０）が便器本体
からずれることなく安心して使用できる。

【００１７】

【考案の効果】以上述べたように、本考案に係る便器の
汚れ防止カバーは、洋式便器における便器本体上部のリ
ム部の内周面と上面とを覆うことができ、該汚れ防止カ
バーがリム部に飛散した小水のしぶきを吸収するので、
該リム部に汚れが付着するのを防止できる。したがっ
て、トイレ掃除の手間を減少させ、便器を常に衛生的に
かつ清潔に保つことができる。

【００１８】また、該汚れ防止カバーは断面ほぼコの字
型をなしているため、便器本体のリム部を跨ぐようにし
て装着されるので、その装着が安定し、使用中に該カバ
ーが便器内に滑り落ちるおそれがない。

【００１９】さらに該汚れ防止カバーは、その全体が水
溶性の紙であるため、水に容易に溶解するので、汚れが
付着した場合にはトイレの水で溶解させて簡単に処理す
ることができて便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る便器の汚れ防止カバーの実施例を
示す一部切欠斜視図。

【図２】本考案に係る便器の汚れ防止カバーの使用状態
を表す一部切欠斜視図。

【符号の説明】

Ａ………洋式水洗便器 Ａ１………便器本体 Ａ２………便座 Ａ３………蓋板 １………リム部 １ａ………リム部の上面 １ｂ………リム部の内周面 １ｃ………リム部の外周面 １０………汚れ防止カバー １０ａ………上面汚れ防止部 １０ｂ………内周面汚れ防止部 １０ｃ………外周部

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−105721（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−107389（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−69654（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−176174（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−56773（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−191999（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭47−9753（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−67995（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−92198（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−4795（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−27184（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47K 13/14 - 13/16 E03D 9/00 A47K 13/24

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洋式水洗便器における便座の下に位置する
   便器本体のリム部全周を覆うカバーであって、断面ほぼ
   コの字型をなし、その全体が水溶性の紙よりなることを
   特徴とする便器の汚れ防止カバー。