JP2602603B2 - クラッチ装置および記録媒体駆動装置 - Google Patents

クラッチ装置および記録媒体駆動装置

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JP2602603B2
JP2602603B2 JP4274426A JP27442692A JP2602603B2 JP 2602603 B2 JP2602603 B2 JP 2602603B2 JP 4274426 A JP4274426 A JP 4274426A JP 27442692 A JP27442692 A JP 27442692A JP 2602603 B2 JP2602603 B2 JP 2602603B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体駆動装置の記
録媒体搬入・搬出機構に採用するに適したクラッチ装置
に関し、特に、掛け外し機構を無くしたクラッチ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体駆動装置などにおいて、記録媒
体の搬入・搬出機構に用いられる直進アクチュエータと
しては、たとえば、図12に示すように、記録媒体を保
持するためのトレー91の側面に連結されたレバー92
にU溝93などを設け、このU溝93などを介して、駆
動モータの回転軸に取り付けたドライブピンやカムでレ
バー92に対して直進駆動力を伝達するものがある。
【0003】しかしながら、この機構系によれば、記録
媒体のローディングを手動で行う場合、駆動モータのド
ライブピンやカムの側とトレー91の側との連結を機械
的にフリーな状態にする必要があるため、負荷側と駆動
源側との切離しのために複雑な掛け外し機構系やその制
御系を設けなければならない。
【0004】また、記録媒体の搬出を開始するときや完
了するときに、駆動源側や駆動力伝達系における負荷変
動が大きいという問題がある。さらに、記録媒体の搬出
機構のような減速機構系において、その動作を円滑化す
る目的に、トレー91にばね94などを接続する場合が
あるが、この場合には、機構系に対する負荷変動が増大
することに加えて、駆動力の伝達ロスが大きいという問
題点もある。
【0005】そこで、減速機構系にばねクラッチ機構を
組み込み、搬送動作の円滑化とともに、負荷変動を抑え
た機構が考えられる。このばねクラッチ機構としては、
図13に示すように、第1の歯車94の軸部941およ
び第2の歯車95の軸部951に対してばね96が取り
付けられており、第1の歯車94が、駆動源97に駆動
されてばね96が巻き込まれる方向に回転すると、ばね
の内径が締まることによる力と、軸部とばねの内径との
間の摩擦力によって、第1の歯車94から第2の歯車9
5に対して動力が伝達されて、第2の歯車95もばねが
巻き込まれる方向に回転するものである。第1の歯車9
4が回転しないと、第2の歯車95は第1の歯車94に
対してフリーである。ここで、軸部941の外径寸法
は、軸部951の外径寸法に比して大きく設定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ばねクラッチ装置にお
いては、たとえば、第2の歯車95の側にトレー91に
固定したラックを噛み合わせて直進アクチュエータを構
成すると、ラックを往復駆動することはできるが、しか
し、次のような問題点がある。
【0007】すなわち、記録媒体の搬出機構などにおい
て、記録媒体のローディング時やエジェクト(アンロー
ディグ)動作中に停電したときには、駆動源97が回転
不能であるため、ラックを手動で引き抜く必要があるも
のの、上記のばねクラッチ機構では、第2の歯車95が
ラックに係合したままであるので、ラックを手動で動か
すには、相当大きな力を要し、手動できないというのが
現実である。
【0008】 従って、第2の歯車95とラックの係
合を解除するために、掛け外し機構系が必要であるとい
う問題点がある。
【0009】 また、記録媒体のエジェクト動作開始
時には、まず、ばねを巻き込んでチャージ状態にした後
でなければ、第1の歯車94から第2の歯車95に動力
を伝達できないため、動作の追従が遅いという問題点も
ある。
【0010】以上の問題点に鑑みて、本発明の第1の課
題は、掛け外し機構を無くし、しかも連結の断続動作の
高速化を実現したクラッチ装置を提供することにある。
【0011】また、本発明の第2の課題は、停電時に手
動で記録媒体の引き抜きが可能な記録媒体駆動装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために、本発明に係るクラッチ装置において講じた手
段は、駆動源により第1の軸を中心に自転する太陽車
と、その第1の軸を中心に揺動可能なアームと、このア
ームに固定された第2の軸を中心に自転可能で太陽車に
連結した公転可能の遊星車と、アームの揺動範囲を規制
するストッパー機構と、第2の軸と遊星車の間に介在す
るスリップ解除式摩擦継手と、遊星車が係合離脱する従
動節とを有して成ることを特徴とする。
【0013】太陽車及び遊星車としては、歯車,摩擦車
及び磁力歯車のうちのいずれかの回転駆動力伝動部材と
することができる。
【0014】スリップ解除式摩擦継手としては、第2の
軸の鍔部と遊星車の側面との間に挟まれた皿ばねを有し
て成る構成を採用できる。
【0015】上記第2の課題を解決するために、本発明
に係る記録媒体駆動装置においては、上記のクラッチ装
置を備え、上記遊星車がピニオンであると共に、上記従
動節が記録媒体を保持する往復動可能のトレーに固定さ
れたラックであることを特徴とする。
【0016】そして、記録媒体駆動装置においては、上
記トレーのエジェクト手動動作により上記遊星車を揺動
させて上記従動節との係合を離脱させる連動機構を有し
て成ることが望ましい。
【0017】
【作用】本発明に係るクラッチ装置において、太陽車が
回転すると、この太陽車からの回転駆動力によって、遊
星車は太陽車を中心(第1の軸)に公転し、それに伴っ
て、アームは太陽車原車を中心に揺動する。ここで、ア
ームが揺動中では、アームに固定された第2の軸と遊星
車の間にはスリップ解除式摩擦継手が媒介しているた
め、スリップ解除式摩擦継手がスリップせず、その静止
摩擦力により遊星車は第2の軸を中心に自転せずに第1
の軸を中心にして公転する。このアームの揺動により太
陽車原車が従動節に接近して係合する。そして、アーム
の揺動がストッパー機構により阻止されると、スリップ
解除式摩擦継手がスリップし始め、こんどは遊星車が第
2の軸を中心に自転し、従動節に駆動力が伝達される。
スリップ解除式摩擦継手のスリップ状態ではその動摩擦
力の分だけアームの揺動力がは発生し、遊星車を従動節
に押し付けているので、遊星車の自転で係合が一時的に
離脱することもない。
【0018】ここで、太陽車の回転が停止すると、遊星
車の自転が停止し、また遊星車の従動節への押し付け力
も消滅するため、遊星車が従動節から離脱し易い状態に
なる。従って、従動節側を手動すると、従動節の微動だ
けで遊星車が離脱し、従動節側がフリー状態になるた
め、従動節側を容易に引く抜くことができる。
【0019】今度は太陽車を逆回転させると、遊星車は
太陽車を中心に逆回りに公転し、それに伴って、アーム
は太陽車原車を中心に逆回りに揺動する。このアームの
逆回りの揺動により太陽車原車が従動節に係合離脱す
る。
【0020】このように、太陽車を回転させることで、
遊星車が従動節に自動的に係合離脱するため、複雑な掛
け外し機構が不要となっている。特に、遊星車が従動節
に係合離脱した後に、遊星車が自転するようになってい
るので、係合離脱が確実である。また、駆動力の伝達期
間では、ばね機構を用いずに、遊星車を従動節へ一定圧
で押し付けることができ、ストッパー機構との調整によ
り係合度合いの最適化を図ることができる。更に、太陽
車の回転により、速やかな遊星車の公転と遊星車の自転
への移行が生じるため、クラッチの断続動作の高速化を
実現できる。
【0021】スリップ解除式摩擦継手が第2の軸の鍔部
と遊星車の側面との間に挟まれた皿ばねを有して成る構
成では、小形構造でありながら十分な摩擦力を得ること
ができるので、アーム及び遊星車の揺動を確実に行うこ
とができる。
【0022】次に、本発明に係る記録媒体駆動装置にお
いて、太陽車の非回転時では遊星車と従動節たるラック
とが係合しない機械的にフリーな状態であるため、記録
媒体を手動でローディング又はエジェクトできる。従っ
て、停電時には記録媒体を手動で引き抜くことができ
る。
【0023】そして、トレーのエジェクト動作により遊
星車を揺動させて前記従動節との係合を離脱させる連動
機構を有して成る構成では、停電時に手動でトレーのエ
ジェクト操作すると、連動機構によりその僅かな動きで
遊星車が揺動して係合が離脱するため、そのまま軽い力
で手動エジェクト操作を円滑に完了させることができ
る。
【0024】
【実施例】つぎに、添付図面に基づいて、本発明の実施
例について説明する。
【0025】〔実施例1〕 図1は、本発明の実施例1に係るクラッチ装置およびそ
れを備えた記録媒体搬出装置の要部を示す側面断面図で
ある。図2ないし図4はいずれもその平面図であり、そ
れらのうち、図2には従動歯車とラックとが噛み合って
ラックの送り動作が可能な状態を示してあるのに対し
て、図3には従動歯車がラックから引き離された状態を
示してある。また、図4には従動歯車がラックに対する
送り動作を完了し、図2に示す状態から図3に示す位置
に向かって退避する動作を開始する状態を示してある。
【0026】これらの図において、本例の記録媒体搬出
装置1に搭載したクラッチ装置10は、駆動源としての
直流モータ11と、この直流モータの回転軸111に取
り付けられたウォーム12と、このウォーム12に噛み
合って回転軸133の回りを回転可能なウォーム歯車1
31と、ウォーム歯車131と一体に形成された歯車1
32と、この歯車132に噛み合う歯車14と、この歯
車14と一体に回転軸151に金属製のブシュ150を
介して取り付けられた原動歯車15(原車)とを有す
る。また、原動歯車15の回転軸151には、ブシュ1
61,スペーサ162およびE形止め輪163によって
アーム17が取り付けられており、このアーム17は回
転軸151を中心に揺動可能になっている。さらに、ア
ーム17の先端側には、原動歯車15に噛み合う従動歯
車18(従車)の回転軸19が加締めにより固着されて
いる。
【0027】ここで、回転軸19(アーム17の側)と
従動歯車18との間には、その部分を拡大して図5に示
すように、従動歯車18の内側に装着されているブシュ
181と、回転軸19の鍔部191との間に、図6
(a)および図6(b)に示す外径が5φの皿ばね20
が装着されており、この皿ばね20の中央に形成された
内径が3φの開口部の開口縁201と回転軸19の鍔部
191との間の静止摩擦力によって従動歯車18の回転
が不能な状態、および皿ばね20の開口縁201と回転
軸19の鍔部191とがスリップすることによって従動
歯車18が回転軸19の回りを回転可能な状態に切り換
わる摩擦クラッチ機構21が構成されている状態にあ
る。ここで、摩擦クラッチ機構21は、クラッチ装置1
0の構成要素として設けられている。なお、図1におい
て、回転軸151および回転軸133は、いずれもその
下方側軸端133a,151aが、直流モータ11の回
転軸111が突出する側の端面112に取り付けられた
シャーシ25に固定されている。
【0028】これに対して、回転軸19の下方側軸端1
9aは、図2ないし図4に示すように、シャーシ25に
形成された開口部26の内側に位置しており、回転軸1
9の下方側軸端19aは、アーム17の揺動によって開
口部26の内側を移動可能になっている。ただし、回転
軸19の下方側軸端19aの移動範囲(アーム17の揺
動角)については、開口部26の内側端縁261,26
2,263,264のうち、内側端縁261,263に
回転軸19の下方側軸端19aに接触するまでの範囲に
規制されている。すなわち、図2に示すように、回転軸
19の下方側軸端19aと内側端縁261との干渉によ
って、アーム17および従動歯車18に対する第1のス
トッパー31が構成されている一方、図3に示すよう
に、回転軸19の下方側軸端19aと内側端縁263と
の干渉によって、アーム17および従動歯車18に対す
る第2のストッパー32が構成されている。
【0029】なお、図1において、アーム17の上面側
に回転軸221を介して取り付けられているのは、記録
媒体の搬出終了時に、後述のラック41の最終端に設け
られた突起などによって蹴飛ばされて、アーム17に対
してラック41から引き離し方向の力を伝えるローラ2
2(離間力伝達部)である。ここで、離間力伝達部とし
ては、ローラ22に代えて、カムなどで構成することも
できる。また、本例のクラッチ装置10においては、そ
の歯車比は1:69.1に設定された減速装置として構
成されている。
【0030】また、本例のクラッチ装置10は、図7に
も示すように、記録媒体駆動装置の記録媒体搬出装置1
に搭載されて、クラッチ装置10の従動歯車18に対し
ては、記録媒体と一体に動作するトレー40の側面に連
結されたラック41が噛み合っている。また、ラック4
1の最終端には、手動によってラック41を搬出方向に
移動させたときにアーム17に取り付けられたローラ2
2を蹴飛ばしてアーム17に引き離し方向の力を与え
て、ラック41とクラッチ装置10とを機械的にフリー
な初期状態に戻すための突起411を有する。なお、図
7において、トレー40,ラック41およびクラッチ装
置10の配置関係については、記録媒体駆動装置の構成
に応じて、最適な配置が行われるべき性質のものであっ
て限定がない。
【0031】つぎに、クラッチ装置10の動作を、図
1,図2および図3を参照して説明する。なお、以下の
説明において、図面に向かって右回り方向の回転を矢印
Cwで表し、図面に向かって左回り方向の回転を矢印C
Cwで表す。
【0032】まず、初期状態においては、図3に示すよ
うに、アーム17は矢印CCwの方向に揺動して、アー
ム17の位置は第2のストッパー32によって規制され
た状態にある。この状態にあって、従動歯車18はラッ
ク41に噛み合っておらず、駆動源側と、負荷側たるラ
ック41とは機械的にフリーの状態にある。このため、
記録媒体をローディングするときには、手動により挿入
でき、矢印Lの方向からトレー40が侵入してくる。そ
して、記録媒体に対する情報の記録、再生が行われる。
【0033】この状態から、トレー40を矢印Eの方向
に送り出して、記録媒体をエジェクトする際の動作を説
明する。
【0034】まず、直流モータ11が作動して、その回
転軸111が回転すると、ウォーム12を介して伝達さ
れた回転駆動力によって、ウォーム歯車131および歯
車132が回転軸133の回りを矢印CCwの方向に回
転すると、歯車132に噛み合う歯車14および原動歯
車15は、回転軸151の回りを矢印Cwの方向に回転
する。そして、原動歯車15に噛み合う従動歯車18に
対して、原動歯車15を太陽車とする矢印Cwの方向へ
の遊星運動力が伝達され、従動歯車18は公転し、アー
ム17は、回転軸151の回りを矢印Cwの方向に揺動
する。ここで、従動歯車18は、アーム17の側に対し
て皿ばね20を有する摩擦クラッチ機構21を介して接
続されている。このため、摩擦クラッチ機構21の静止
摩擦力によって、従動歯車18に伝達された駆動力は、
従動歯車18の自転のための駆動力としてでななく、回
転軸151の回りをアーム17が矢印Cwの方向に回転
するための駆動力として作用する。従って、従動歯車1
8は、原動歯車15の回りを矢印Cwの方向に公転し、
アーム17は、図2に示すように、従動歯車18の回転
軸19(下方側軸端19a)が第1のストッパー31と
しての開口部26の内側端縁261に当接するまで回転
軸151の回りを矢印Cwの方向に揺動するが、それま
での揺動中において、従動歯車18は、自転せずにラッ
ク41に対して容易に噛み合う。そして、アーム17の
揺動が規制された以降において、摩擦クラッチ機構21
がスリップ状態になって、従動歯車18は、回転軸19
の回りを矢印CCwの方向に自転し始める。そして、ラ
ック41を矢印Eの方向に向かって送り出し、記録媒体
をエジェクトする。この間、アーム17を揺動する力
は、従動歯車18をラック41に対して保持する力とし
て作用し続ける。
【0035】つぎに、記録媒体のエジェクトが完了した
後においては、直流モータ11に対して逆電圧が印加さ
れて、その回転軸111がこれまでと逆の方向に回転す
ると、図4に示すように、ウォーム12を介して伝達さ
れた回転駆動力によって、ウォーム歯車131および歯
車132が回転軸133の回りを矢印Cwの方向に回転
し、歯車132に噛み合う歯車14および原動歯車15
は、回転軸151の回りを矢印CCwの方向に回転す
る。ここでも、従動歯車18は、アーム17の側に対し
て皿ばね20を有する摩擦クラッチ機構21を介して接
続されているため、摩擦クラッチ機構21の静止摩擦力
によって、従動歯車18に伝達された駆動力は、従動歯
車18の自転のための駆動力としてではなく、従動歯車
18が原動歯車15の回りを矢印CCwの方向に公転す
るための駆動力、すなわち、回転軸151の回りをアー
ム17が矢印CCwの方向に揺動するための駆動力とし
て作用する。従って、アーム17は、図3に示すよう
に、従動歯車18の回転軸19(下方側軸端1a)が、
第2のストッパー32としての開口部26の内側端縁2
63に当接するまで回転軸151の回りを矢印CCwの
方向に揺動する。そして、アーム17の揺動が規制され
た以降において、摩擦クラッチ機構21がスリップ状態
になって、従動歯車18は、回転軸19の回りを矢印C
wの方向に自転し始める。
【0036】以上のとおり、本例のクラッチ装置10に
おいては、従動歯車18はアーム17の側に対して摩擦
クラッチ機構21を介して接続されているため、アーム
17の揺動中は、摩擦クラッチ21の静止摩擦力によっ
て、従動歯車18が自転することなく公転してラック4
1に噛み合い、この噛み合いに達した後に、従動歯車1
8が自転して、ラック41に対する送り動作を行う。こ
のため、従動歯車18とラック41との噛み合いが確実
であり、しかも、噛み合った後は、アーム17を揺動し
ていた力は、従動歯車18をラック41に対する押し付
け力として作用する。このため、ラック41に対する送
り動作も確実であって、直進アクチュエータとしての機
能も高い。しかも、直流モータ11からの駆動力によっ
て、アーム17の揺動から引き続いて従動歯車18の自
転が行われるので、直流モータ11およびそれからの駆
動力伝達系に対する負荷変動が小さい。加えて、ダイレ
クトドライブ方式であるため、耐久性が高く、駆動力伝
達ロスも小さい。
【0037】また、従動歯車18は、揺動自在なアーム
17に取り付けられているため、従動歯車18とラック
41との離脱の容易である。すなわち、本例のクラッチ
機構10を記録媒体搬出装置1に搭載した場合におい
て、記録媒体のローディング時には、従動歯車18が退
避した状態にするにも、原動歯車15を逆の方向に回転
させるだけで、アーム17は、逆の方向に容易に揺動
し、従動歯車18をラック41との噛み合い位置から退
避させるため、この離脱動作のための他の機構を設ける
必要がない。ここで、記録媒体のエジェクト動作中に停
電などが発生して、従動歯車18を退避させるのに原動
歯車15を逆の方向に回転させることができない場合で
も、アーム17は揺動自在であるため、ラック41の側
を手動で動かせば、その力を受けて、従動歯車18は容
易に押し退けらて、アーム17が揺動する結果、従動歯
車18(駆動源側)とラック17(負荷側)とは完全に
切り離される。従って、従動歯車18(駆動源側)とラ
ック17(負荷側)とを切り離すための機構を必要とし
ないとともに、ラック41に対して加える力は、アーム
17の揺動に必要な力で充分で極めて小さい。たとえ
ば、トレーの重量が500gで、作動部分の摩擦係数が
0.3の場合には、約150grのトルクで充分であ
る。また、従動歯車18をラック41に押し付けるため
のばね機構なども設ける必要がないので、ラック41に
対して加える力は極めて小さい。しかも、ラック41の
送り動作が完了するときに、アーム17の上面側のロー
ラ22は、ラック41の側から蹴飛ばされてアーム17
を引き離し方向の力に伝え、クラッチ装置10は、従動
歯車18がラック41の噛み合わない初期状態に確実に
戻る。
【0038】さらに、従動歯車18の側と、アーム17
の側との接続に摩擦クラッチ機構21を採用しているた
め、原動歯車15が回転すると、すぐに、アーム17の
揺動が開始され、このアーム17の揺動が第1のストッ
パー31によって阻止された以降、すぐに、従動歯車1
8の自転が開始する。また、逆の切離し動作の開始も、
直流モータ11の逆回転によりすぐに行われる。従っ
て、ばねクラッチ機構を採用した場合に生じるばねに対
するチャージ時間に相当する動作の遅れがないので、動
作の追従性が高い。しかも、摩擦クラッチ機構21に皿
ばね20を利用しているので、その変形状態からの形状
復帰力で、従動歯車18の側とアーム17の側とを確実
に接続できるので、摩擦クラッチ機構21の占めるスペ
ースやコストが小さくて済む。
【0039】なお、本例のクラッチ装置10において作
用する力関係は、図8および図9を参照して、以下に説
明するとおり、相反する方向の力を利用して駆動源側と
負荷側との接続、切離しを行い、接続専用の機構または
切離し専用の機構を必要とせず、また、いずれの動作も
個々の部材間に発生する力のバランスで規定されるの
で、各歯車の設計なども容易である。
【0040】すなわち、本例のクラッチ装置10におい
て作用する力関係を説明するにあたって、原動歯車15
の回転中心をO1 (回転軸151)、原動歯車15と従
動歯車18との噛み合いピッチ点をP1 、従動歯車18
の回転中心をOS (回転軸19)、従動歯車18とラッ
ク41との噛み合いピッチ点をPS 、従動歯車18とラ
ック41との噛み合い圧力角αbs、従動歯車18と原動
歯車15との噛み合い圧力角αb1、従動歯車18とその
ストッパー位置(第1のストッパー31による停止位
置)との相対角度αo1、従動歯車18のPCD半径をR
S とする一方、摩擦クラッチ機構21におけるスリップ
トルクTs 、歯車効率をηとすれば、各力のバランスは
以下のとおりに示される。
【0041】まず、従動歯車18の回転中心OS が第1
のストッパー31によって停止した状態において、従動
歯車18がスリップして回転を始めるときに回転中心O
S が第1のストッパー31を押す力は Ts /Rs である。
【0042】ここで、矢印の方向Eの方向にラック41
を移動させるときに、従動歯車18が外部から加わる力
のうち、ラック41から受ける力をQ0 、原動歯車15
から受ける力をQ1 としたときに、これらの力を直角方
向の成分に分解すると、第1のストッパー31がアーム
17を保持しようとする力f1 は、 f1 =Q1 cosαb1 + Q0 sin(α01−αbs) である。
【0043】これらの力のうち、ラック41から受ける
力Q0 に基づく力 Q0 sin(α01−αbs)には、以
下の条件が成り立つ。
【0044】α01>αbsの場合には、Q0 sin(α01
−αbs)が正であって、アーム17に対しては、従動歯
車18をラック41に保持しようという力(図中FA
示す。)として作用する。
【0045】これに対して、α01<αbsの場合には、Q
0 sin(α01−αbs)が負であって、アーム17に対
しては、従動歯車18をラック41から引き離そうとす
るという力(図中FB で示す。)として作用する。
【0046】なお、α01=αbsの場合には、Q0 sin
(α01−αbs)が0であって、アーム17に対しては力
が作用しない。
【0047】一方、原動歯車15から受ける力をQ1
基づく力 Q1 cosαb1は、アーム17に対して従動
歯車18をラック41に保持しようという力(図中FC
で示す。)として作用する。
【0048】従って、これらの力FA ,FB ,Fc の総
和をF1 としたときに、F1 >0であれば、アーム17
に対しては、従動歯車18をラック41に保持しようと
する力が作用する一方、F1 <0であれば、アーム17
に対しては、従動歯車18をラック41から引き離そう
とするという力が作用する。
【0049】また、ラック41から受ける力をQ0 と、
原動歯車15から受ける力をQ1 との間には以下の関係
がある。
【0050】まず、従動歯車18が回転しているときに
は、すなわち、直流モータ11が稼働状態にあるときに
は、 Rs 1 cosαb1=〔(Rs 0 cosαbs)/η〕+Ts であるから、 Q1 ={〔(Q0 cosαbs)/η〕+Ts /Rs }/cosαb1 一方、従動歯車18が回転しない状態にあるときには、
すなわち、直流モータ11が停止状態にあるときには、 Ts =0 であるから、 ηQ1 cosαb1=Q0 cosαbs1 =(Q1 cosαbs)/(ηcosαb1) そこで、従動歯車18が回転しているとき、すなわち、
直流モータ11が稼働状態にあるときのアーム17に対
して加わる力F1 をF1ON すると、F1ON は以下の式で
表される。
【0051】 F1ON =Q0 sin(α01−αbs)+(Q0 cosαbs)/η+Ts /Rs 一方、従動歯車18が回転しない状態のうち、直流モー
タ11がロック状態にあるときのアーム17に対して加
わる力F1 をF1LOCK とすると、F1LOCK は以下の式で
表される。
【0052】 F1LOCK =Q0 sin(α01−αbs)+(Q0 cosαbs)/η また、従動歯車18が回転しない状態のうち、直流モー
タ11の電源自身が切れた状態にあるときのアーム17
に対して加わる力F1 をF1OFFとすると、F1OFFは以下
の式で表される。
【0053】 F1OFF =Q0 sin(α01−αbs)+ηQ0 cosαbs すなわち、F1OFF が負で、その絶対値がTs /Rs
り小さければ戻る。
【0054】さらに、従動歯車18が逆回転状態、すな
わち、直流モータ11に逆電圧が印加された状態にある
ときのアーム17に対して加わる力F1 をF1revとする
と、F1revは以下の式で表される。
【0055】 F1rev=Q0 sin(α01−αbs)−(Q0 cosαbs)/η−Ts /Rs すなわち、F1revが負であれば戻る。
【0056】つぎに、ラック41を手動でPなる力で搬
入したときに、アーム17が従動歯車18をラック41
から引き離す方向に揺動するための条件を、図9を参照
して説明する。
【0057】まず、従動歯車18とラック41との噛み
合い圧力角αbsと、従動歯車18とそのストッパー位置
(第1のストッパー31による停止位置)との相対角度
αo1との和をαP とすると、アーム17が従動歯車18
をラック41から引き離す方向に揺動するために必要な
力QA は、以下の式で表される。
【0058】 QA =(Ts /Rs )cosαbs また、従動歯車18がラック41から引き離れるのに要
する力QB は、以下の式で表される。
【0059】 QA <QB すなわち、 (PsinαP )/cosαbs>Ts /Rs 以上のとおり、本例のクラッチ装置10は、相反する方
向の力を利用して駆動源側と負荷側との接続、切離しを
行うため、接続専用の機構または切離し専用の機構を必
要とせず、また、いずれの動作も個々の部材間に発生す
る力のバランスで規定されるので、各歯車の設計なども
容易である。
【0060】〔実施例2〕 図10(a),(b)は、本発明の実施例2に係るクラ
ッチ装置およびそれを備えた記録媒体搬出入装置の要部
を示す平面図であり、それらのうち、図10(a)には
2つの従動歯車のうちの一方の従動歯車がラックとが噛
み合った状態を示してあるのに対して、図10(b)に
は他方の従動歯車がラックとが噛み合った状態を示して
ある。なお、本例のクラッチ装置の特徴は、記録媒体を
ラックを介して搬入および搬出が可能である点である
が、その基本的な動作原理は、実施例1に係るクラッチ
装置と同様であって、図7に示す記録媒体駆動装置の記
録媒体搬出装置と同様な構成の記録媒体搬出入装置に搭
載されている。従って、本例のクラッチ装置について
は、その原動歯車,従動歯車およびアーム周辺のみにつ
いて、図示および説明を行い、他の部分に対する説明
は、実施例1に係るクラッチ装置および記録媒体駆動装
置と同様であるので、対応する部分には同符号を付し
て、それらの図示および詳細な説明を省略する。
【0061】これらの図において、本例の記録媒体搬出
入装置5に搭載したクラッチ装置50は、駆動源として
の直流モータを備え、この直流モータからの回転駆動力
は、回転軸551に取り付けられた原動歯車55(原
車)に伝達可能になっている。
【0062】また、回転軸551には、実施例1に係る
クラッチ装置と同様に、アーム57が取り付けられてお
り、このアーム57は回転軸551を中心に揺動可能に
なっている。ここで、アーム57の両端側には、原動歯
車55に噛み合う第1の従動歯車58(従車)および第
2の従動歯車68(従車)が取り付けられている。第1
の従動歯車58および第2の従動歯車68は、いずれ
も、実施例1に係るクラッチ装置と同様に、図5および
図6(a),(b)に示すような構造の皿ばね20を利
用した摩擦クラッチ機構21を介してアーム57の側に
装着されている。また、第1の従動歯車58の回転軸5
9または第2の従動歯車68に対する回転軸69に対し
ては、ラック41の側に対するアーム57の揺動範囲を
規制するストッパ(図示せず。)が設けられている。こ
こで、ストッパー機構は、回転軸59,69に対して、
それぞれ設けてもよいが、一方の回転軸に対してのみ作
用して、アーム57のいずれの方向に対する揺動範囲を
規制する構造になっていてもよい。なお、アーム57の
上面側に取り付けられているのは、後述のラック41の
側に設けられた突起によって蹴飛ばされて、アーム57
に対してラック41からの引き離し方向の力を伝えるロ
ーラ52,62(離間力伝達部)である。
【0063】このような構成のクラッチ装置50は、記
録媒体搬出装置と記録媒体搬入装置とが一体になった記
録媒体搬出入装置5に搭載されており、図10(a)に
示すように、クラッチ装置50の原動歯車57が矢印C
wの方向に回転すると、第1の従動歯車58が矢印CC
wの方向に自転することによってラック41を送り移動
させて、記録媒体を矢印Eの方向に搬出する。この状態
から、アーム57が揺動して、図10(b)に示す状態
にあるときに、クラッチ装置50の原動歯車57が矢印
CCwの方向に回転すると、第2の従動歯車58が矢印
Cwの方向に自転することによってラック41を送り移
動させて、記録媒体を矢印Lの方向に搬入する。
【0064】すなわち、図10(a)に示す状態から図
10(b)に示す状態に切り換えるにあたって、図10
(a)に示す状態から原動歯車57を矢印CCwの方向
に回転させると、第1の従動歯車58および第2の従動
歯車68は、いずれも、アーム57の揺動中、すなわ
ち、これらの歯車の原動歯車57を中心とする公転中
は、摩擦クラッチ機構21の静止摩擦力によって自転が
規制され、ストッパーによってアーム57の揺動が図1
0(b)に示す状態に規制された状態になった以降から
摩擦クラッチ機構21がスリップ状態に移行することに
よって自転を開始して、ラック41を矢印Lの方向に送
り移動する。
【0065】これに対して、図10(b)に示す状態か
ら図10(a)に示す状態に切り換えるにあたっては、
図10(b)に示す状態から原動歯車57を矢印Cwの
方向に回転させると、アーム57は、矢印Cwの方向に
揺動して、図10(a)に示す状態となる。ここで、第
1の従動歯車58および第2の従動歯車68は、いずれ
も、アーム57の揺動中、すなわち、原動歯車57を中
心とする公転中は、摩擦クラッチ機構21の静止摩擦力
によって自転が規制され、ストッパーによってアーム5
7の揺動が図10(a)に示す状態に規制された状態に
なった以降から自転を開始して、ラック41を矢印Eの
方向に送り移動する。
【0066】以上のとおり、本例のクラッチ装置50に
おいても、第1の従動歯車58および第2の従動歯車6
8のいずれもがアーム57の側に対して摩擦クラッチ機
構21を介して接続されているため、アーム57の揺動
によって、ラック41に噛み合った状態およびこの状態
から切り離された状態に容易に切り換えられるなど、実
施例1に係るクラッチ装置と同様な効果を奏する。
【0067】加えて、本例のクラッチ装置50において
は、1つの原動歯車55およびアーム57に対して、第
1の従動歯車58および第2の従動歯車68が取り付け
られているため、1つのクラッチ装置50でラック41
に対する双方向の送り移動が可能であるため、記録媒体
のローディングおよびエジェクトのいずれをも電動で行
なえる。しかも、アーム57の揺動によって、第1の従
動歯車58および第2の従動歯車68のいずれもがラッ
ク41から容易に切り離れるので、ローディング中また
はエジェクト中に停電が発生しても、そのまま手動で記
録媒体を扱うことができる。
【0068】また、ラック41の送り動作などが完了し
たときに、アーム57の上面側のローラ52,62は、
ラック41の側から蹴飛ばされてアーム57に引き離し
方向の力を伝えるので、クラッチ装置50を第1の従動
歯車58および第2の従動歯車68のいずれもがラック
41に噛み合わない中立状態(初期状態)に戻すことも
できる。
【0069】〔実施例3〕 図11は、本発明の実施例3に係るクラッチ装置および
それを備えた記録媒体搬出装置の要部を示す平面図であ
る。なお、本例のクラッチ装置の特徴は、2つの記録媒
体を搬入または搬出が可能である点であるが、その基本
的な動作原理は、実施例1に係るクラッチ装置と同様で
あって、図7に示す記録媒体駆動装置の搬出装置と同様
な構成の搬出装置または搬入装置に搭載されている。従
って、本例のクラッチについても、その原動歯車,従動
歯車およびアーム周辺のみについて、図示および説明を
行い、他の部分に対する説明は、実施例1に係るクラッ
チ装置および記録媒体搬出装置と同様であるので、対応
する部分には同符号を付して、それらの図示および詳細
な説明を省略する。
【0070】この図において、本例の記録媒体搬出装置
7に搭載したクラッチ装置70は、駆動源としての直流
モータを備え、この直流モータからの回転駆動力は、回
転軸751に取り付けられた原動歯車75(原車)に伝
達可能になっている。また、回転軸751には、実施例
1に係るクラッチ装置と同様に、アーム77が取り付け
られており、このアーム77は回転軸751を中心に揺
動可能になっている。
【0071】ここで、アーム77の両端側には、原動歯
車75に噛み合う第1の従動歯車78(従車)と、原動
歯車75に対してアイドラー80を介して噛み合う第2
の従動歯車88(従車)が取り付けられている。ここ
で、第1の従動歯車78および第2の従動歯車88は、
いずれも、実施例1に係るクラッチ装置と同様に、図5
および図6(a),(b)に示すような構造の皿ばね2
0を利用した摩擦クラッチ機構21を介してアーム77
の側に取り付けられている。また、本例のクラッチ装置
70にも、アーム57の揺動範囲を規制するストッパー
(図示せず。)が設けられている。
【0072】このような構成のクラッチ装置70は、2
つの記録媒体を駆動可能な記録媒体駆動装置の記録媒体
搬出装置7に搭載されており、図11に示すように、ク
ラッチ装置50の原動歯車57が矢印CCwの方向に回
転すると、第1の従動歯車78は矢印Cwの方向に回転
することによって第1のラック741を送り移動して、
第1の記録媒体を矢印Eの方向に搬出する。このとき、
第2の従動歯車58は、矢印CCwの方向に回転するこ
とによって第2のラック841を送り移動して、第2の
記録媒体を矢印Eの方向に搬入する。
【0073】以上のとおり、本例のクラッチ装置70に
おいても、第1の従動歯車78および第2の従動歯車8
8のいずれもがアーム77の側に対して摩擦クラッチ機
構21を介して接続されているため、アーム77の揺動
によって、第1のラック741および第2のラック84
1に噛み合った状態およびこの状態から切り離された状
態に容易に切り換えられるなど、実施例1に係るクラッ
チ装置と同様な効果を奏する。
【0074】加えて、本例のクラッチ装置70において
は、1つの原動歯車75およびアーム77に対して、第
1の従動歯車78および第2の従動歯車88が取り付け
られているため、1つのクラッチ装置で第1のラック7
41および第2のラック841に対して送り移動でき、
しかもアイドラー80によって、第1の従動歯車78お
よび第2の従動歯車88が逆方向に回転するため、両側
に配置された第1のラック741および第2のラック8
41のいずれをも同方向(矢印Eの方向)に移動させる
ことができる。しかも、アーム77の揺動によって、第
1の従動歯車78および第2の従動歯車88のいずれも
が第1のラック741および第2のラック841から小
さな力で切り離れるので、エジェクト中に停電が発生し
ても、そのまま手動でラックを扱うことができる。
【0075】なお、いずれの実施例においても、原車お
よび従車として、原動歯車および従動歯車を使用した
が、これに限らず、摩擦車や磁力歯車などを採用するこ
ともでき、その構造、サイズおよび伝達比などは、搭載
されるクラッチ装置の用途、能力などに応じて最適なも
のに設定されるべき性質であって限定がない。
【0076】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係るクラッチ装
置は、太陽車を回転させることで、遊星車が公転し従動
節に自動的に係合離脱し、それに続き遊星車が自転して
駆動力が従動節へ伝達されるようになっている。従っ
て、次の効果を奏する。
【0077】 複雑な掛け外し機構が不要であり、ク
ラッチ装置の簡素化を図ることができる。
【0078】 太陽車の回転により、速やかな遊星車
の公転の後に遊星車の自転へ移行するため、クラッチの
断続動作の高速化を実現できる。
【0079】 遊星車が従動節に係合離脱した後に、
遊星車が自転するようになっているので、係合離脱が確
実である。
【0080】 駆動力の伝達期間では、ばね機構を用
いずに、遊星車を従動節へ一定圧で押し付けることがで
き、ストッパー機構との調整により係合度合いの最適化
を図ることができる。
【0081】 スリップ解除式摩擦継手が第2の軸の
鍔部と遊星車の側面との間に挟まれた皿ばねを有して成
る構成では、小形構造でありながら十分な摩擦力を得る
ことができるので、アーム及び遊星車の揺動を確実に行
うことができる。
【0082】 本発明に係る記録媒体駆動装置におい
て、太陽車の非回転時では遊星車と従動節たるラックと
が係合しない機械的にフリーな状態であるため、記録媒
体を手動でローディング又はエジェクトできる。従っ
て、停電時には記録媒体を手動で引き抜くことができ
る。
【0083】 そして、トレーのエジェクト動作によ
り遊星車を揺動させて前記従動節との係合を離脱させる
連動機構を有して成る構成では、停電時に手動でトレー
のエジェクト操作すると、連動機構によりその僅かな動
きで遊星車が揺動して係合が離脱するため、そのまま軽
い力で手動エジェクト操作を円滑に完了させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るクラッチ装置およびそ
れを備えた記録媒体搬出装置の要部を示す側面断面図で
ある。
【図2】図1に示すクラッチ装置およびそれを備えた記
録媒体搬出装置の要部において、従動歯車とラックとが
噛み合ってラックを送り動作可能な状態を示す平面図で
ある。
【図3】図1に示すクラッチ装置およびそれを備えた記
録媒体搬出装置の要部において、従動歯車がラックから
引き離された状態を示す平面図である。
【図4】図1に示すクラッチ装置およびそれを備えた記
録媒体搬出装置の要部において、従動歯車がラックに対
する送り動作を終了し、図2に示す状態から図3に示す
位置に向かって退避する動作を開始する状態を示す平面
図である。
【図5】図1に示すクラッチ装置の摩擦クラッチ機構の
構成を示す断面図である。
【図6】(a)は図5に示す摩擦クラッチ機構に用いた
皿ばねの平面図、(b)はその断面図である。
【図7】図1に示すクラッチ装置を備えた記録媒体搬出
装置におけるトレー周囲の構成を示す説明図である。
【図8】図1に示すクラッチ装置の電動時における力の
状態を示す説明図である。
【図9】図1に示すクラッチ装置の手動時における力の
状態を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例2に係るクラッチ装置および
それを備えた記録媒体搬出装置の要部を示す平面図であ
り、それらのうち、(a)は2つの従動歯車のうちの一
方の従動歯車がラックとが噛み合った状態を示す平面
図、(b)は他方の従動歯車がラックとが噛み合った状
態を示す平面図である。
【図11】本発明の実施例3に係るクラッチ装置および
それを備えた記録媒体搬出装置の要部を示す平面図であ
る。
【図12】従来の記録媒体搬出装置におけるトレー周囲
の構成を示す説明図である。
【図13】従来のクラッチ装置としてのばねクラッチ機
構の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1,7・・・記録媒体搬出装置 5・・・記録媒体搬出入装置 10,50,70・・・クラッチ装置 11・・・直流モータ 12・・・ウォーム 14,132・・・歯車 15,55,75・・・原動歯車(原車) 17,57,77・・・アーム 18・・・従動歯車(従車) 19,59,69,111,133,151,551,
751・・・回転軸 20・・・皿ばね 21・・・摩擦クラッチ機構 22,52,62・・・ローラ(離間力伝達部) 25・・・シャーシ 26・・・開口部 31・・・第1のストッパー 32・・・第2のストッパー 40・・・トレー 41・・・ラック 58,78・・・第1の従動歯車(従車) 68,88・・・第2の従動歯車(従車) 131・・・ウォーム歯車 261,262,263,264・・・内側端縁 411・・・突起 741・・・第1のラック 841・・・第2のラック

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源により第1の軸を中心に自転する
    太陽車と、前記第1の軸を中心に揺動可能なアームと、
    このアームに固定された第2の軸を中心に自転可能で前
    記太陽車に連結した公転可能の遊星車と、前記アームの
    揺動範囲を規制するストッパー機構と、前記第2の軸と
    前記遊星車の間に介在するスリップ解除式摩擦継手と、
    前記遊星車が係合離脱する従動節とを有して成ることを
    特徴とするクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記太陽車及び前記
    遊星車は、歯車,摩擦車及び磁力歯車のうちのいずれか
    の回転駆動力伝動部材であることを特徴とするクラッチ
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記スリップ解除式
    摩擦継手は、前記第2の軸の鍔部と前記遊星車の側面と
    の間に挟まれた皿ばねを有して成ることを特徴とするク
    ラッチ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    規定するクラッチ装置を備え、前記遊星車はピニオンで
    あると共に、前記従動節は記録媒体を保持する往復動可
    能のトレーに固定されたラックであることを特徴とする
    記録媒体駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記トレーのエジェ
    クト動作により前記遊星車を揺動させて前記従動節との
    係合を離脱させる連動機構を有して成ることを特徴とす
    る記録媒体駆動装置。
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