JP2602595Y2 - ロボットハンドのワーク把持装置 - Google Patents

ロボットハンドのワーク把持装置

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JP2602595Y2
JP2602595Y2 JP1993009295U JP929593U JP2602595Y2 JP 2602595 Y2 JP2602595 Y2 JP 2602595Y2 JP 1993009295 U JP1993009295 U JP 1993009295U JP 929593 U JP929593 U JP 929593U JP 2602595 Y2 JP2602595 Y2 JP 2602595Y2
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DMG Mori Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、工作機械に付設して未
加工のワーク及び加工済みワークを貯蔵するワークスト
ッカと、工作機械のワーク保持部との間でワークを搬送
するロボットハンドのワーク把持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図6及び図7に示すように、図
示しないパレット上に配置され、かつ半径方向に移動可
能に設けられている3本のガイドシャフト1によって、
前記パレット上に積載したワークWを案内支持し、ワー
クWの大きさに合わせてガイドシャフト1を半径方向に
移動させるようになっており、かつ、ワークWをガイド
シャフト1に沿って所定の受け渡し位置まで上昇させる
ワークストッカに対し、チャック本体2の前面に複数の
チャック爪3が放射状に配置され、かつ半径方向に移動
可能に設けられているロボットハンドを用いてワークW
の受け渡しを行なうものでは、チャック爪3でワークW
を把持する際、ワークWに対してガイドシャフト1とチ
ャック爪3とが同一位相になる場合がある。このような
場合、図7のようにチャツク爪3がガイドシャフト1に
干渉しないように、最上段のワークW1をガイドシャフ
ト1の上端よりさらに上方へ押し上げ、該ワークW1を
チャック爪3により把持させるようにしていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記のように
ワークW1をガイドシャフト1の上端よりさらに上方へ
押し上げた不安定な状態で受け渡しを行なうと、ワーク
Wの段積み崩れや把持ミスが発生するおそれがあり、ロ
ボットを用いた工作機械の無人化運転システムが十分に
生かせないという問題があった。また、六角材等の断面
非円形状のワークWでは、ガイドシャフト1で案内する
場合でも、チャック爪3で把持する場合でも辺の中心部
を利用するのが最も安定するが、図7(a)のように、ガ
イドシャフト1でワークWを安定して案内させると、チ
ャック爪3による把持が不安定になり、逆に図7(b)及
び(c)のように、チャック爪3による把持を安定させる
と、ガイドシャフト1による案内支持が不安定になる場
合があった。特にワークWの径によってガイドシャフト
1の位相が変わるようなワークストッカ(例えば、実開
平2−53337号公報参照)においてはしばしばこの
ような問題が発生していた。なお、ロボットハンドのチ
ャック本体2に旋盤の主軸のようなオリエンテーション
機能を設けて、チャック爪3の停止角度を数値制御する
ことも可能であるが、制御が複雑でコスト高になる。
【0004】本考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、低コストで、かつ簡単な手段でロボットハンド
のチャック爪の位相を変えることができるようにして、
上記のようなタイプのワークストッカでもワークの受け
渡しが安定して行なえるロボットハンドのワーク把持装
置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案のワーク把持装置は、ハンド本体に周方向へ
変位可能に取付け固定されるチャック本体の前面に、複
数のチャック爪が設けられているロボットハンドにおい
て、前記チャック本体が、前記ハンド本体の円盤状取付
け部より大径の円盤状に形成されていると共に、前記チ
ャック本体の周辺部分に複数の取付孔が設けられてお
り、前記取付孔に挿通する取付けボルトと、前記ハンド
本体の円盤状取付け部の外周縁に沿う円弧状に形成さ
れ、前記取付けボルトに螺合するねじ孔及び前記円盤状
取付け部の後側周縁部に係合する円弧状段部を有してい
る異形ナットを用いて、前記チャック本体を前記ハンド
本体に対して周方向へ変位可能に取付け固定することに
より、前記チャック爪の位相を変え得るようにしたこと
を特徴とする。
【0006】
【作用】上記の構成により、ハンド本体に対してチャッ
ク本体を周方向へ変位させて取付け固定するだけの簡単
な操作だけでチャック爪の位相が変えられる。
【0007】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本考案に係るワーク把持装置を備えたロ
ボットハンドの主要部を示している。ハンド本体10
は、後端開口が壁12で密閉された円筒体11から成
り、前端開口にシリンダフランジ13を嵌着してシリン
ダ室14が形成されている。シリンダ室14には円盤状
のピストン15が摺動自在に嵌装されていて、シリンダ
室14を前部シリンダ室14aと後部シリンダ室14b
に2分している。ピストン15を貫通して固着したロッ
ド16は、シリンダフランジ13の中心部に設けた貫通
孔17に摺動自在に挿通し、前端部16aに後述するチ
ャックレバー38が係合するヨーク18が連設される一
方、後端部16bは壁12に設けた支持穴19に摺動自
在に挿入支持されている。シリンダ室14の前部シリン
ダ室14aにはハンド本体10に設けた供給路20から
支持穴19及びロッド後端部16bに設けた流路21を
経て圧油又は圧空気が供給され、また、後部シリンダ室
14bにはハンド本体10に設けた供給路22を通じて
圧油又は圧空気が供給されるようになっており、両シリ
ンダ室14a,14bの流体圧を加減することによって
ピストン15を往復運動させ、ロッド16を軸方向に往
復移動させる。
【0008】複数のチャック爪31を取り付けるチャッ
ク本体30は、シリンダフランジ13の外径より大径の
円盤状に形成されていて、後述するようにシリンダフラ
ンジ13に取付けボルト40を用いて固定される。チャ
ック本体30は、図2に示すように、中心部分に貫通孔
32を設けた円盤状に形成され、前面には120度位相
を異にして半径方向に延びる3つのスライダ溝33が設
けられ、また後側部には各スライダ溝33に対して直角
方向に延びる軸孔34が設けられ、さらに周辺部分には
取付けボルト40が挿通する座ぐり孔35が同一円周上
においてチャック爪31に重ならない位置で、かつ12
0度位相を異にして3つ設けられている。
【0009】チャック爪31は、図1に示すように、ス
ライダ溝33に摺動自在に嵌合したスライダ36の前面
に固着され、スライダ36と一緒に半径方向に移動し
て、ワークWをクランプ又はアンクランプする。スライ
ダ36は、後部に係合凹部37を有し、該凹部37にチ
ャックレバー38の一端38aが係合している。チャッ
クレバー38はL字形をなし、その屈曲部に貫通した支
持軸39をチヤック本体30の軸孔34に挿着して支持
軸39の周りに回動自在に支持されていて、チャックレ
バー38の他端38bがヨーク18の環状溝部に係合す
るようになっている。
【0010】チャック本体30は、取付けボルト40
と、これにねじ嵌合する異形ナット41とを用いてシリ
ンダフランジ13に対して周方向へ変位可能な状態に固
定される。異形ナット41は、図3に示すように、シリ
ンダフランジ13の外周縁に沿う円弧状に形成され、ね
じ孔42とシリンダフランジ13の後側周縁部に係合す
る円弧状段部43とを有している。そして、チャック本
体30の座ぐり孔35に挿通した取付けボルト40にナ
ット41を螺着し、その円弧状段部43をシリンダフラ
ンジ13の後側周縁部に係合させた状態でボルト40を
締め付けることにより、チャック本体30とナット41
の円弧状段部43とでシリンダフランジ13を挟み付け
るようにしてチャック本体30がシリンダフランジ13
に固定される。また、ボルト40を少しゆるめた状態で
シリンダフランジ13に対してチャック本体30を周方
向へ任意の角度変位させたのち、再びボルト40を締め
付けてチャック本体30をシリンダフランジ13に固定
するだけでチャック爪31の位相が変わる。したがっ
て、先に図7及び図8について説明したワークストッカ
のガイドシャフト1がどの位置にあっても、チャック爪
31をガイドシャフト1に干渉しない位相に簡単に変え
てワークWを把持することができる。また、ワークWが
六角材等の場合には、図6に示すように、チャック爪3
1によるワークWの把持とガイドシャフト1によるワー
クWの案内支持が共に安定して行なえる。
【0011】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
チャック爪を取り付けたチャック本体を、取付けボルト
と、ハンド本体の円盤状取付け部の外周縁に沿う円弧状
段部を有している異形ナットとを用いて、前記ハンド本
体に対して周方向へ変位可能に取付け固定するようにし
たから、簡単な構成により、前記チャック爪の位相を任
意の角度で変えることができる。したがって、パレット
上に配置された複数のガイドシャフトでワークを案内支
持し、かつガイドシャフトが半径方向に移動可能で、ワ
ークの大きさに合わせて前記ガイドシャフトを半径方向
に移動させるとガイドシャフトの位相が変わるタイプの
ワークストッカであっても、前記チャック爪の位相を変
えれば、図4に示すように、ロボットハンドとワークス
トッカとの間でワークを受け渡しする場合に、ワークを
不安定にするような高さまで上昇させる必要がなく、ま
た、六角材等の断面非円形状のワークにおいては、図5
のように前記チャック爪によるワークの把持動作も前記
ガイドシャフトによるワークの案内支持も辺の中心部で
共に安定して行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るワーク把持装置を備えたロボット
ハンドの主要部を示す縦断面図である。
【図2】同チャツク本体の正面図である。
【図3】同チャツク本体を固定するのに用いる異形ナッ
トの正面図である。
【図4】 本考案によるロボットハンドとワークストッカ
との間におけるワーク受け渡し動作を説明する正面図で
ある。
【図5】 同平面図である。
【図6】 従来のロボットハンドとワークストッカとの間
におけるワーク受け渡し動作を説明する正面図である。
【図7】 同平面図である。
【符号の説明】
1 ガイドシャフト 2 チャック本体 3 チャック爪 10 ハンド本体 13 シリンダフランジ 30 チャック本体 31 チャック爪 33 スライダ溝 35 座ぐり孔 36 スライダ 38 チャックレバー 40 取付けボルト 41 異形ナット 42 ねじ孔 43 円弧状段部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンド本体に周方向へ変位可能に取付け
    固定されるチャック本体の前面に、複数のチャック爪が
    設けられているロボットハンドにおいて、前記チャック本体が、前記ハンド本体の円盤状取付け部
    より大径の円盤状に形成されていると共に、前記チャッ
    ク本体の周辺部分に複数の取付孔が設けられており、 前記取付孔に挿通する取付けボルトと、前記ハンド本体
    の円盤状取付け部の外周縁に沿う円弧状に形成され、前
    記取付けボルトに螺合するねじ孔及び前記円盤状取付け
    部の後側周縁部に係合する円弧状段部を有している異形
    ナットを用いて、前記チャック本体を前記ハンド本体に
    対して周方向へ変位可能に取付け固定することにより、
    前記チャック爪の位相を変え得るようにしたことを特徴
    とするロボットハンドのワーク把持装置。
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