JP2602535B2 - アミノエチル化水溶性高分子とその製法 - Google Patents

アミノエチル化水溶性高分子とその製法

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JP2602535B2 JP63219788A JP21978888A JP2602535B2 JP 2602535 B2 JP2602535 B2 JP 2602535B2 JP 63219788 A JP63219788 A JP 63219788A JP 21978888 A JP21978888 A JP 21978888A JP 2602535 B2 JP2602535 B2 JP 2602535B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、酵素、抗体などの蛋白質、ホルモン、ペプ
チド、医薬品などの生化学物質の化学修飾に用いるに適
した水溶性高分子化合物及びその製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
バイオテクノロジーの発達は、酵素や抗体、血漿蛋白
などの生体蛋白質やホルモン、ペプチド、医薬などの生
理活性物質を人類のために高度に利用することを可能に
しつつあるが、近年では、これらの生化学物質を化学反
応によって修飾することによってその機能を高めようと
する試みが始まっている。
本発明は、このような生化学物質の化学修飾に用いら
れる水溶性高分子化合物を製造する方法に関するもので
ある。
即ち、本発明の方法によって製造される化合物は、酵
素や抗体などの蛋白質、さらにホルモン、ペプチド、医
薬などの生理活性物質を水溶性を保ったまま高分子化す
る目的に用いられるものであって、このような高分子化
合物で修飾することによって、水溶性を損なうことな
く、不安定な生化学物質の安定性を増加させたり、医薬
品の水溶性を増大させたり、水溶性を損なうことなく、
高分子化したりすることができ、それら生理活性物質が
本来有する機能を高め、また新しい機能を付与し、高度
に利用することが可能となることが期待できる。
このような修飾に用いられる高分子化合物としては、
従来、蛋白質等と容易に反応する官能基、即ちカルボキ
シル基、アルデヒド基、エポキシ基、ハロゲン、メルカ
プト基、アミノ基などを有する化合物が用いられるが、
とりわけ、1級アミノ基は蛋白質などとの反応条件が温
和で、蛋白質などの活性を失う危険性が少なく、また、
生成する結合が安定であることから、好ましい官能基で
ある。
水溶性高分子化合物に第1級アミノ基を導入する方法
としては、水酸基を有する水溶性高分子化合物の水酸基
を化学修飾すればよいが、最も簡単にはアミノアルキル
ハライドを反応させてエーテル結合を形成する方法が知
られている。
併しながら、この方法では導入されるアミノ基の量が
極めて少ない。それはアミノアルキルハライドと水酸基
のアニオンとが反応してエーテル結合を形成する際に塩
基性下で反応が行われるが、塩基性下ではアミノアルキ
ルハライドのアミノ基の方が水酸基よりも塩基性が高い
ため、アミノアルキルハライドがそれ自身で速やかに反
応してしまうためである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、水酸基を有する水溶性高分子化合物に
十分な量のアミノ基を導入する方法を鋭意検討し、塩基
性条件下、β−アミノエチル硫酸と加熱することによ
り、容易にアミノエチル基を導入しうることを見出して
本発明に到ったものである。
即ち本発明は、水酸基を有する水溶性高分子化合物を
2−アミノエチル硫酸とアルカリ水溶液中で反応させる
ことを特徴とする水溶性高分子化合物のアミノ化方法に
係わるものである。
本発明に用いられる水溶性高分子としては、水酸基を
有する水溶性の高分子化合物であれば天然物、合成物を
問わず使用することができる。例えば、デキストラン、
アミロース、プルラン、カードランなどの水溶性多糖
類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセル
ロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの
水溶性セルロースエーテル類、ポリビニルアルコール及
びその誘導体などの合成高分子を用いることができる。
反応溶媒は水が用いられるが、使用する高分子化合物が
溶解する限り、水と混合する溶媒を混合することもでき
る。
これら高分子化合物の反応液中の濃度は特に限定はな
いが、攪拌が可能な粘度を与える濃度が好ましい。
反応はアルカリを含む水中で行われるが、用いられる
アルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が適当で
ある。又、ピリジン、DBU(Diaza Bicyclo Undecen
e)、DBN(Diaza Bicyclo Nonene)などの3級アミン類
を用いることもできる。
アルカリの使用量は添加するβ−アミノエチル硫酸に
対してモル比で1〜5倍程度が好ましい。
β−アミノエチル硫酸の使用量としては特に限定はな
いが、反応に用いる高分子化合物に含まれる水酸基のモ
ル当量に対し0.1〜10倍程度が好ましい。
反応は50℃〜150℃の範囲で行うことができるが、よ
り好ましくは70〜120℃である。
本発明の方法でアミノエチル化するに適した水酸基を
有する水溶性高分子化合物としては、特にデキストラ
ン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース及びプルランがあげられる。以下これらの夫
々をアミノエチル化して得られる化合物について述べ
る。
(2−アミノエチル化デキストラン) 本発明によって提供される2−アミノエチルデキスト
ランは、蛋白質やペプチド、ホルモン、医薬などの物質
を水溶性を保ったままもしくは水溶性を付与して高分子
化する目的に用いられるものであって、このような修飾
によって、例えば不安定な生化学物質の安定性を増加さ
せたり、医薬品の水溶性を増大させたり、蛋白質の水溶
性を損なうことなく高分子化することができ、それら生
理活性物質が本来有する機能を高め、また新しい有用な
機能を付与し、高度な利用を可能ならしめることを期待
することができる。
2−アミノエチルデキストランは従来より知られてい
る化合物であるが、従来のものは2−アミノエチル基の
含量が少なく、例えばグルコース100個当りに導入され
たアミノエチル基は高々10個にすぎなかった。
このことは、2−アミノエチルデキストランで修飾さ
れる生化学物質の量が極めて制限されることを意味す
る。即ち、アミノエチルデキストランで修飾した生化学
物質の機能、例えば酵素活性や生理活性を発現させるの
に必要な量を用いようとすると、デキストランが本来有
する高分子性のため、溶液の粘性が高くなりすぎ、実用
的でなくなってしまうという弊害があった。
例えば、酵素をメンブレン内に閉じ込めて酵素反応を
行わせ、生成物だけをメンブレンを通して分離するメン
ブレンリアクターが盛んに研究されているが、生成物の
大きさが大きい場合や透過性を高めたい場合に、分画分
子量の大きなメンブレンを用いるが、その際酵素のモレ
を防ぐため、酵素を高分子化する必要のある場合に2−
アミノエチル基含量が高く、適当な分子量を有するデキ
ストランを使用して酵素を修飾すれば、溶液の粘性を実
用的なレベルに保ったまま、所期の目的を達することが
可能となる。
また、医薬品の安定性を付与したり、水溶性を付与す
る目的で2−アミノエチルデキストランで修飾する場合
にも、2−アミノエチル基含量の多いデキストランを使
用すれば同一粘度の溶液中の医薬化合物含量をより高く
することができる。
従来、2−アミノエチルデキストランは、デキストラ
ンを2−ハロエチルアミンと塩基性条件下で反応して合
成されていたが、この方法では導入されるアミノ基の量
は極めて少量であった。
しかるに本発明の方法により、2−アミノエチル硫酸
を用いて塩基性条件下でデキストランと反応させること
によりアミノ基含量の高い2−アミノエチルデキストラ
ンが得られる。
即ち、本発明の2−アミノエチルデキストランはグル
コース単位当り0.02〜1.0個のアミノエチル基を含み、
その分子量は5,000〜500,000である。
(2−アミノエチルヒドロキシエチルセルロース) 本発明によって提供される2−アミノエチルヒドロキ
シエチルセルロースは、蛋白質やペプチド、ホルモン、
医薬などの物質を水溶性を保ったままもしくは水溶性を
付与して高分子化する目的に用いられるものであって、
このような修飾によって、例えば不安定な生化学物質の
安定性を増加させたり、医薬品の水溶性を増大させた
り、蛋白質の水溶性を損なうことなく高分子化すること
ができ、それら生理活性物質が本来有する機能を高め、
また新しい有用な機能を付与し、高度な利用を可能なら
しめることを期待することができる。
2−アミノエチルヒドロキシエチルセルロースは従来
より知られている化合物であるが、従来のものは2−ア
ミノエチル基の含量が少なく、例えばグルコース100個
当りに導入されたアミノエチル基は高々5個に過ぎなか
った。
このことは、2−アミノエチルヒドロキシエチルセル
ロースで修飾される生化学物質の量か極めて制限される
ことを意味する。即ち、ヒドロキシエチルセルロースで
修飾した生化学物質の機能、例えば酵素活性や生理活性
を発現させるのに必要な量を用いようとすると、ヒドロ
キシエチルセルロースが本来有する高分子性のため、溶
液の粘性が高くなりすぎ、実用的でなくなってしまうと
いう弊害があった。
例えば、酵素をメンブレン内に閉じ込めて酵素反応を
行わせ、生成物だけをメンブレンを通して分離するメン
ブレンリアクターが盛んに研究されているが、生成物の
大きさが大きい場合や透過性を高めたい場合に、分画分
子量の大きなメンブレンを用いるが、その際酵素のモレ
を防ぐため、酵素を高分子化する必要のある場合に2−
アミノエチル基含量が高く、適当な分子量を有するヒド
ロキシエチルセルロースを使用して酵素を修飾すれば、
溶液の粘性を実用的なレベルに保ったまま、所期の目的
を達することが可能となる。
また、医薬品の安定性を付与したり、水溶液を付与す
る目的で2−アミノエチルヒドロキシエチルセルロース
で修飾する場合にも、2−アミノエチル基含量の多いヒ
ドロキシエチルセルロースを使用すれば同一粘度の溶液
中の医薬化合物含量をより高くすることができる。
また、2−アミノエチルヒドロキシエチルセルロース
をこのような目的で用いる場合、基材となるヒドロキシ
エチルセルロースがデキストランやプルランなどの水溶
性天然多糖類と比べて有利な点は、工業的に大量に製造
されており安価であること、半合成高分子であるため腐
敗などの生物分解を受けにくいこと、また、セルロース
が素材であるので生体に対する毒性がなく、生体適合性
に優れることなどである。
従って、2−アミノエチルヒドロキシエチルセルロー
スは、実用的な観点からも極めて有用な化合物である。
従来、2−アミノエチルヒドロキシエチルセルロース
は、ヒドロキシエチルセルロースを2−ハロエチルアミ
ンと塩基性条件下で反応して合成されていたが、この方
法では導入されるアミノ基の量は極めて少量であった。
しかるに本発明の方法により、2−アミノエチル硫酸
を用いて塩基性条件下でヒドロキシエチルセルロースと
反応させることによりアミノ基含量の高い(グルコース
単位当り0.02〜1.0個のアミノエチル基を含む)2−ア
ミノエチルヒドロキシエチルセルロースが得られる。
本発明に用いられるヒドロキシエチルセルロースは、
ヒドロキシエチル基のモル置換度が1.0〜3.0モル/モル
グルコース単位、好ましくは2.0〜3.0モル/モルグルコ
ース単位であり、その分子量は10,000〜500,000、好ま
しくは50,000〜200,000である。
さらに、導入される2−アミノエチル基の量は、1モ
ルグルコース単位当り0.02〜1.0モルである。
(アミノエチル化ヒドロキシプロピルセルロース) アミノエチル化ヒドロキシエチルセルロースと同様に
製造され、グリコール単位当り0.02〜1.0個のアミノエ
チル基を含む2−アミノエチルヒドロキシプロピルセル
ロースが得られる。
本発明に使用されるヒドロキシプロピルセルロース
は、ヒドロキシプロピル基のモル置換度が2〜5モル/
モルグルコース単位、好ましくは2〜4モル/モルグル
コース単位であり、その分子量は10,000〜500,000、好
ましくは50,000〜200,000である。
(アミノエチル化プルラン) アミノエチル化デキストランと同様に製造され、グル
コース単位当り0.02〜1.0個のアミノエチル基を含み、
その分子量は5,000〜500,000である。
〔実 施 例〕
以下、本発明の化合物の典型的な合成例と得られた化
合物の分析値を示すが、本発明はこれらの具体的によっ
て限定されるものではない。
実施例 1 デキストラン(分子量7万、ファルマシア製)20gを
水酸化ナトリウム30.9gを含む水100mlに溶解して得た溶
液に、β−アミノエチル硫酸27.8gを窒素気流下で加
え、さらに混合物を油浴上110℃で攪拌しながら120分間
加熱した。冷却後、酢酸をゆっくりと加えpHを8.0に調
整した後、透析チューブに移し、純水で透析した。脱塩
した反応液をエバポレーターで濃縮した後、1のアセ
トン中に沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、アセトン
で洗浄後、乾燥し、アミノエチル化デキストランを得
た。得られたアミノエチル化デキストランの元素分析値
は C;41.3% N;1.80% H;6.90% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.22モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
図1に生成物の赤外分光スペクトルを、図2に1H−NM
Rスペクトルを、図3に13C−NMRスペクトルを示す。
比較例 1 デキストラン(分子量7万、ファルマシア製)20gを
水200mlに溶解し、さらにβ−クロロエチルアミン塩酸
塩33.8gを溶解した水溶液50mlを添加、混合する。均一
な溶液となった後、1Nの水酸化ナトリウムでpH9.85に調
整したものを5℃以下で1時間攪拌する。その後、室温
で6時間反応させ、酢酸でpH8に調整した。反応後の液
は透析し、完全に脱塩した後、エバポレーターで濃縮、
アセトン中に注入し、黄白色の沈殿を得た。沈殿は濾別
し、アセトンで洗浄後、乾燥した。
このようにして得られたアミノエチルデキストランの
N含量は0.13%で、グルコース単位当りの置換数は0.01
5に過ぎなかった。
実施例 2 デキストラン(分子量7万、ファルマシア製)20gを
水酸化ナトリウム30.9gを含む水100mlに溶解して得た溶
液に、β−アミノエチル硫酸13.9gを窒素気流下で加
え、さらに混合物を油浴上110℃で攪拌しながら120分間
加熱した。冷却後、酢酸をゆっくりと加えpHを8.0に調
整した後、透析チューブに移し、純水で透析した。脱塩
した反応液をエバポレーターで濃縮した後、10のアセ
トン中に沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、アセトン
で洗浄後、乾燥し、アミノエチル化デキストランを得
た。得られたアミノエチル化デキストランの元素分析値
は C;45.01% N;1.93% H;5.82% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.11モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
実施例 3 デキストラン(分子量20万、ファルマシア製)40gを
水酸化ナトリウム64.2gを含む水200mlに溶解して得た溶
液に、β−アミノエチル硫酸69.7gを窒素気流下で加
え、さらに混合物を油浴上110℃で攪拌しながら150分間
加熱した。冷却後、酢酸をゆっくりと加えpHを8.0に調
整した後、透析チューブに移し、純水で透析した。脱塩
した反応液をエバポレーターで濃縮した後、1のアセ
トン中に沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、アセトン
で洗浄後、乾燥し、アミノエチル化デキストランを得
た。得られたアミノエチル化デキストランの元素分析値
は C;46.69% N;6.39% H;7.21% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.92モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
実施例 4 ヒドロキシエチルセルロース(モル置換度MS2.0、分
子量12万、ダイセル化学製)20gを水酸化ナトリウム30.
9gを含む水150mlに溶解して得た溶液に、β−アミノエ
チル硫酸11.3gを窒素気流下で加え、さらに混合物を油
浴上110℃で攪拌しながら90分間加熱した。冷却後、酢
酸をゆっくりと加えpHを8.0に調整した後、透析チュー
ブに移し、純水で透析した。脱塩した反応液をエバポレ
ーターで濃縮した後、1のアセトン中に沈殿させた。
得られた沈殿を濾別し、アセトンで洗浄後、乾燥し、ア
ミノエチルヒドロキシエチルセルロースを得た。得られ
たアミノエチルヒドロキシエチルセルロースの元素分析
値は C;47.35% N;0.25% H;7.42% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.03モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
赤外吸収スペクトルを図4に、1H−NMRを図5に13C−
NMRを図6に示す。
比較例 2 実施例4で使用したヒドロキシエチルセルロース20g
を水200mlに溶解し、1Nの水酸化ナトリウムでpHを9.85
に調整する。この溶液に35重量%のβ−クロロエチルア
ミン・塩酸塩水溶液50mlを25℃でゆっくり加えた。添加
終了後、室温で3時間反応させた後、酢酸でpH8に調整
した。反応液を純水で透析して塩を除いた後、エバポレ
ーターで濃縮した。濃縮した液はアセトン中に注入し、
黄白色の沈殿を得た。沈殿は濾別し、アセトンで洗浄
後、乾燥した。
このようにして得られたアミノエチルヒドロキシエチ
ルセルロースのN含量は高々0.08%であった。これより
アミノエチル基の含量が0.009モル/モルグルコース単
位であることがわかる。
実施例 5 ヒドロキシエチルセルロース(モル置換度MS2.1、分
子量12万、ダイセル化学製)21gを水酸化ナトリウム30.
9gを含む水100mlに溶解して得た溶液に、β−アミノエ
チル硫酸25.3gを窒素気流下で加え、さらに混合物を油
浴上110℃で攪拌しながら120分間加熱した。冷却後、酢
酸をゆっくりと加えpHを8.0に調整した後、透析チュー
ブに移し、純水で透析した。脱塩した反応液をエバポレ
ーターで濃縮した後、1のアセトン中に沈殿させた。
得られた沈殿を濾別し、アセトンで洗浄後、乾燥し、ア
ミノエチルヒドロキシエチルセルロースを得た。得られ
たアミノエチルヒドロキシエチルセルロースの元素分析
値は C;48.39% N;1.91% H;7.20% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.36モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
実施例 6 実施例4で使用したヒドロキシエチルセルロース20g
を水酸化ナトリウム30.9gを含む水100mlに溶解して得た
溶液に、β−アミノエチル硫酸52.3gを窒素気流下で加
え、さらに混合物を油浴上110℃で攪拌しながら150分間
加熱した。冷却後、酢酸をゆっくりと加えpHを8.0に調
整した後、透析チューブに移し、純水で透析した。脱塩
した反応液をエバポレーターで濃縮した後、1のアセ
トン中に沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、アセトン
で洗浄後、乾燥し、アミノエチル化ヒドロキシエチルセ
ルロースを得た。得られたアミノエチル化ヒドロキシエ
チルセルロースの元素分析値は C;49.15% N;4.54% H;7.85% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.95モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
実施例 7 ヒドロキシプロピルセルロース(モル置換度MS2.80、
分子量20万、信越化学工業製)10gを水酸化ナトリウム1
5.4gを含む水20mlに溶解して得た溶液に、β−アミノエ
チル硫酸7.8gを窒素気流下で加え、さらに混合物を油浴
上110℃で攪拌しながら120分間加熱した。冷却後、酢酸
をゆっくりと加えpHを8.0に調整した後、透析チューブ
に移し、純水で透析した。脱塩した反応液をエバポレー
ターで濃縮した後、1のアセトン中に沈殿させた。得
られた沈殿を濾別し、アセトンで洗浄後、乾燥し、アミ
ノエチルヒドロキシプロピルセルロースを得た。得られ
たアミノエチルヒドロキシプロピルセルロースの元素分
析値は C;53.3% N;1.12% H;8.15% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.27モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
比較例 3 実施例7で使用したヒドロキシプロピルセルロース10
gを水60mlに溶解し、1Nの水酸化ナトリウムでpHを9.84
に調整する。この溶液は25重量%のβ−クロロエチルア
ミン・塩酸塩水溶液60mlを25℃でゆっくり加えた。添加
終了後、室温で6時間反応させた後、酢酸でpH8に調整
した。反応液を純水で透析して塩を除いた後、エバポレ
ーターで濃縮した。濃縮した液はアセトン中に注入し、
黄白色の沈殿を得た。沈殿は濾別し、アセトンで洗浄
後、乾燥した。
このようにして得られたアミノエチルヒドロキシプロ
ピルセルロースのN含量は0.08%であった。これよりア
ミノエチル基の含量が0.019モル/モルグルコース単位
であることがわかる。
実施例 8 ヒドロキシプロピルセルロース(モル置換度MS2.80、
分子量20万、信越化学工業製)10gを水酸化ナトリウム1
5.4gを含む水50mlに溶解して得た溶液に、β−アミノエ
チル硫酸3.9gを窒素気流下で加え、さらに混合物を油浴
上110℃で攪拌しながら120分間加熱した。冷却後、酢酸
をゆっくりと加えpHを8.0に調整した後、透析チューブ
に移し、純水で透析した。脱塩した反応液をエバポレー
ターで濃縮した後、1のアセトン中に沈殿させた。得
られた沈殿を濾別し、アセトンで洗浄後、乾燥し、アミ
ノエチルヒドロキシプロピルセルロースを得た。得られ
たアミノエチルヒドロキシプロピルセルロースの元素分
析値は C;53.3% N;0.59% H;8.06% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.14モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
実施例 9 実施例7で使用したヒドロキシプロピルセルロース10
gを水酸化ナトリウム15.4gを含む水50mlに溶解して得た
溶液に、β−アミノエチル硫酸20.6gを窒素気流下で加
え、さらに混合物を油浴上110℃で攪拌しながら150分間
加熱した。冷却後、酢酸をゆっくりと加えpHを8.0に調
整した後、透析チューブに移し、純水で透析した。脱塩
した反応液をエバポレーターで濃縮した後、1のアセ
トン中に沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、アセトン
で洗浄後、乾燥し、アミノエチルヒドロキシプロピルセ
ルロースを得た。得られたアミノエチルヒドロキシプロ
ピルセルロースの元素分析値は C:53.4% N;3.63% H;8.60% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.95モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
実施例 10 プルラン10gを水酸化ナトリウム15.4gを含む水50mlに
溶解して得た溶液に、β−アミノエチル硫酸13.9gを窒
素気流下で加え、さらに混合物を油浴上110℃で攪拌し
ながら120分間加熱した。冷却後、酢酸をゆっくりと加
えpHを8.0に調整した後、透析チューブに移し、純水で
透析した。脱塩した反応液をエバポレーターで濃縮した
後、1のアセトン中に沈殿させた。得られた沈殿を濾
別し、アセトンで洗浄後、乾燥し、アミノエチルプルラ
ンを得た。得られたアミノエチルプルランの元素分析値
は C;45.3% N;1.80% H;6.05% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.22モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
図7に赤外分光スペクトルを、図8に13C−NMRスペク
トルを示す。
比較例 4 実施例10で使用したと同じプルラン20gを水200mlに溶
解し、1Nの水酸化ナトリウムでpHを9.85に調整する。こ
の溶液に40重量%のβ−クロロエチルアミン・塩酸塩水
溶液50mlを25℃でゆっくり加えた。添加終了後、室温で
6時間反応させた後、酢酸でpH8に調整した。反応液を
純水で透析して塩を除いた後、エバポレーターで濃縮し
た。濃縮した液はアセトン中に注入し、黄白色の沈殿を
得た。沈殿は濾別し、アセトンで洗浄後、乾燥した。
このようにして得られたアミノエチルプルランのN含
量は0.11%であった。これよりアミノエチル基の含量が
0.013モル/モルグルコース単位であることがわかる。
実施例 11 プルラン20gを水酸化ナトリウム30.9gを含む水100ml
に溶解して得た溶液に、β−アミノエチル硫酸13.9gを
窒素気流下で加え、さらに混合物を油浴上110℃で攪拌
しながら120分間加熱した。冷却後、酢酸をゆっくりと
加えpHを8.0に調整した後、透析チューブに移し、純水
で透析した。脱塩した反応液をエバポレーターで濃縮し
た後、10のアセトン中に沈殿させた。得られた沈殿を
濾別し、アセトンで洗浄後、乾燥し、アミノエチルプル
ランを得た。得られたアミノエチルプルランの元素分析
値は C;45.01% N;0.93% H;5.82% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.11モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
実施例 12 プルラン20gを水酸化ナトリウム32.1gを含む水100ml
に溶解して得た溶液に、β−アミノエチル硫酸34.9gを
窒素気流下で加え、さらに混合物を油浴上110℃で攪拌
しながら150分間加熱した。冷却後、酢酸をゆっくりと
加えpHを8.0に調整した後、透析チューブに移し、純水
で透析した。脱塩した反応液をエバポレーターで濃縮し
た後、1のアセトン中に沈殿させた。得られた沈殿を
濾別し、アセトンで洗浄後、乾燥し、アミノエチルプル
ランを得た。得られたアミノエチルプルランの元素分析
値は C;46.66% N;6.28% H;7.18% であり、この値よりアミノエチル基の含量は0.90モル/
モルグルコース単位であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
図−1、図−4、図−7は夫々実施例で得られた生成物
の赤外分光スペクトルを示す図、図−2、図−5は夫々
実施例で得られた生成物の1H−NMRスペクトルを示す
図、図−3、図−6、図−8は夫々実施例で得られた生
成物の13C−NMRスペクトルを示す図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基を有する水溶性高分子化合物を2−
    アミノエチル硫酸とアルカリ水溶液中で反応させること
    を特徴とする水溶性高分子化合物のアミノ化方法。
  2. 【請求項2】水酸基を有する水溶性高分子化合物が、デ
    キストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
    プロピルセルロース及びプルランからなる群から選ばれ
    る請求項1記載のアミノ化方法。
  3. 【請求項3】アミノエチル基のグルコース単位当りの平
    均置換度が0.02〜1.0個で、分子量が5,000〜500,000で
    あるアミノエチル化された水酸基を有する水溶性高分子
    化合物。
  4. 【請求項4】水酸基を有する水溶性高分子化合物が、デ
    キストラン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
    プロピルセルロース及びプルランからなる群から選ばれ
    る請求項3記載の化合物。
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