JPH06319537A - 修飾ペプチドおよびその製造方法 - Google Patents

修飾ペプチドおよびその製造方法

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JPH06319537A
JPH06319537A JP11615793A JP11615793A JPH06319537A JP H06319537 A JPH06319537 A JP H06319537A JP 11615793 A JP11615793 A JP 11615793A JP 11615793 A JP11615793 A JP 11615793A JP H06319537 A JPH06319537 A JP H06319537A
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JP
Japan
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peptide
modified
uro
modified peptide
polyethylene glycol
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JP11615793A
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English (en)
Inventor
Atsushi Mizusawa
厚志 水沢
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性が高い修飾ペプチドを得、しかも修飾ペ
プチドを得るための操作性を高めるとともに、所要時間
を短縮する。 【構成】 ペプチドのアミノ基及び/または水酸基を、
2価のグリシジルエーテル型の低分子を架橋剤としてポ
リエチレングリコール誘導体で部分的に置換して修飾ペ
プチドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は修飾ペプチドおよびそ
の製造方法に関し、さらに詳細にいえば、ペプチド中の
アミノ基及び/または水酸基を架橋剤を介してポリエチ
レングリコール誘導体で部分的に置換されてなる修飾ペ
プチドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からエラスターゼ、α−メラノトロ
ピン、ウリカーゼ等のペプチド中のアミノ基をポリエチ
レングリコール誘導体(以下、PEGと略称する)で置
換して修飾ペプチドを得ることが提案されている(例え
ば、特開昭55−99189号公報参照)。
【0003】特開昭55−99189号公報に開示され
ている方法は、先ず、PEGとトリアジンとを反応させ
て反応生成物を得、次いで、反応生成物とウリカーゼと
を反応させて修飾ウリカーゼを得る方法であり、後段の
反応の条件として、蛋白質の変性を起こさない条件が選
択されている。そして、この方法により、ウリカーゼ中
のアミノ基の一部がトリアジンを架橋剤としてPEGで
修飾された修飾ウリカーゼを得たことが開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の方法
は、著しく反応性が高いトリアジンを架橋剤として採用
している関係上、上述のように2段階に分けて反応を行
なわざるを得ない。また、第1段階の反応を行なわせた
時点において未反応のトリアジンが存在し、また反応に
より塩酸が生成されるのであるから、ウリカーゼの失活
を防止するために、各段階毎に反応生成物を分離生成し
なければならない。この結果、修飾ウリカーゼを得るた
めの操作が複雑化するという不都合がある。また、この
ような操作の複雑化に伴なって、修飾ウリカーゼを得る
ために、両段階を通して約2週間程度の時間がかかって
しまう。具体的には、第1段階の反応に約2日、分離精
製に3〜5日、反応の確認に数日、第2段階の反応は3
7℃で1時間、4℃で12〜16時間、限外濾過に数日
が必要であり、全体として約2週間程度の時間がかかっ
てしまう。
【0005】さらに、トリアジンを架橋剤としてPEG
でアミノ基を置換してなる修飾ウリカーゼの酵素活性は
著しく低下していることが特開昭55−99189号公
報に開示されている。尚、以上にはトリアジンを架橋剤
としてPEGでウリカーゼのアミノ基を置換する場合に
ついてのみ説明したが、他のペプチドのアミノ基をトリ
アジンを架橋剤としてPEGで置換する場合にも同様の
不都合が生じることが予想される。
【0006】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、ペプチトの活性を殆ど低下させることの
ない修飾ペプチドを提供することを第1の目的とし、操
作を著しく簡素化できる修飾ペプチドの製造方法を提供
することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るための、請求項1の修飾ペプチドは、ペプチド中のア
ミノ基及び/または水酸基が、2価のグリシジルエーテ
ル型の低分子を架橋剤としてポリエチレングリコール誘
導体で部分的に置換されてなるものである。ここで、ペ
プチドとしては、エラスターゼ、α−メラノトロピン、
ウリカーゼ等種々のペプチドが例示でき、2価のグリシ
ジルエーテル型の低分子としては、端部にジグリシジ
ル、エポキシ、イソシアネート等を有するものであれば
使用可能である。
【0008】上記第2の目的を達成するための、請求項
2の修飾ペプチドの製造方法は、溶媒中にペプチド、2
価のグリシジルエーテル型の低分子およびポリエチレン
グリコール誘導体を同時に混在させ、ペプチドが変性を
受けない温度範囲に保持することにより、ペプチド中の
アミノ基及び/または水酸基が、2価のグリシジルエー
テル型の低分子を架橋剤としてポリエチレングリコール
誘導体で部分的に置換されてなる修飾ペプチドを得る方
法である。
【0009】
【作用】請求項1の修飾ペプチドであれば、ペプチド中
のアミノ基及び/または水酸基が、2価のグリシジルエ
ーテル型の低分子を架橋剤としてポリエチレングリコー
ル誘導体で部分的に置換されてなるので、トリアジンを
架橋剤としてペプチド中のアミノ基及び/または水酸基
をポリエチレングリコール誘導体で部分的に置換した場
合と比較して修飾ペプチドの活性を殆ど低下しない状態
にできる。即ち、ペプチドの活性を殆ど低下させること
なく、耐pH性、耐熱性を高めることができる。また、
耐pH性、耐熱性が向上した修飾ペプチドを高分子担体
に対して包括固定し、架橋固定し、または結合固定する
ことにより、高出力、長期安定性を有する固定化ペプチ
ド膜を得ることができ、この固定化ペプチド膜を用いる
ことにより高性能のバイオセンサを得ることもできる。
さらに、ポリエチレングリコール誘導体で修飾されたペ
プチドは抗原性が著しく低下し、または全く失われるの
で、生理活性を有するペプチドを有効に医薬品として利
用することが可能になる。
【0010】請求項2の修飾ペプチドの製造方法であれ
ば、溶媒中にペプチド、2価のグリシジルエーテル型の
低分子およびポリエチレングリコール誘導体を同時に混
在させ、ペプチドが変性を受けない温度範囲に保持する
ことにより、ペプチド中のアミノ基及び/または水酸基
が、2価のグリシジルエーテル型の低分子を架橋剤とし
てポリエチレングリコール誘導体で部分的に置換されて
なる修飾ペプチドを得るのであるから、従来方法のよう
に反応を2段階に分ける必要がなく、操作性を著しく高
めることができる。また、未反応の2価のグリシジルエ
ーテル型の低分子およびポリエチレングリコール誘導体
を必ずしも除去する必要がないので、操作性を一層高め
ることができる。さらに、反応を1段階のみにでき、分
離精製等が不要になるので、修飾ペプチドを得るための
所要時間を著しく短縮できる。
【0011】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。ペプチドとしてウリカーゼ(東洋紡株式会社
製のUAO−211)(以下、UROと略称する)を用
い、2価のグリシジルエーテル型の低分子として化1に
示す分子構造のもの(ナガセ化成株式会社製のデナコー
ルEX−811)を用い、PEGとして化2に示す分子
構造を有し、かつ分子量が5000のもの(アルドリッ
チ社製のPEG)を用いた。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】具体的には、pH8.5のホウ酸水溶液
に、UROを60mg、デナコールEX−811を40m
g、PEGを120mg混入し、スターラーで撹拌しなが
ら室温で24時間反応させた。この結果、化3に示す分
子構造を有する修飾UROを得ることができた。
【0015】
【化3】
【0016】修飾UROが得られたことの確認は、電気
泳動により行なった。具体的には、電気泳動用のゲルと
してSDS(ドデシル硫酸ナトリウム:Sodium
Dodecyl Sulfate)−PAGEを用い、
電流を15mAに保持して7時間電気泳動を行なわせ、C
romassie Brilliant Blue0.
25%(エタノール:水:酢酸=9:9:2)を用いて
1時間30分染色し、エタノール:水:酢酸=25:6
5:8の溶液を用いて洗浄を行なった。また、試料とし
ては、Markerはそのまま用い、修飾UROは、液
体クロマトグラフィにて10μlずつ6回で抽出したも
のを脱塩したもの(ゲル濾過後のもの)および5ユニッ
ト/mlを100倍に希釈したもの(ゲル濾過なしのも
の)を用い、非修飾UROは、ゲル濾過なしの修飾UR
Oと同じ濃度のUROを用いた。この結果、図1に示す
ように、非修飾UROが約37000(図1中、A参
照)、修飾UROが共に約74000(図1中、B,C
参照、尚、Bがゲル濾過後のものを、CがCがゲル濾過
なしのものをそれぞれ示している)であった。したがっ
て、UROが約30本のPEGで修飾されていることが
分る。
【0017】さらに、耐pH性、耐熱性に関しても、図
2、図3に示すように、非修飾UROと比較して著しく
向上していることが分る。尚、両図共にAが修飾URO
を、Bが非修飾UROを示している。また、図2の横軸
はpH、縦軸は活性(ユニット/ml)であり、図3の横
軸は温度(℃)、縦軸は活性率(%)である。さらにま
た、UROを60mg、ホウ酸バッファ(pH8.5)を
6ml混合し、室温に保持したままスターラーで撹拌しな
がら24時間反応させた場合、UROを60mg、分子量
が5000のPEGを120mg、デナコールEX−81
0を42mg、ホウ酸バッファ(pH8.5)を6ml混合
し、室温に保持したままスターラーで撹拌しながら24
時間反応させた場合、UROを60mg、分子量が500
0のPEGを120mg、トリアジン(塩化シアヌル)を
44mg、ホウ酸バッファ(pH8.5)を6ml混合し、
室温に保持したままスターラーで撹拌しながら24時間
反応させた場合のそれぞれについて、反応開始後、6時
間経過時点、18時間経過時点および24時間経過時点
においてUROの活性を計測した。具体的には、尿酸1
5mg/dl(0.4ml)に対して上記それぞれの溶液0.
4mlを混合し、所定時間(例えば、10秒間)における
波長305nmの吸収(absorbance)を分光光
度計を用いて計測することにより尿酸量の減少速度(a
bsobance/second)を計測した。尚、こ
の間の反応および測定は室温で行なった。
【0018】この結果、表1に示す計測結果が得られ
た。尚、表1には、尿酸量の減少を示す値と共にURO
の活性を示す百分率を表示してある。但し、デナコール
EX−810を混合した場合における6時間経過時点の
減少速度および活性率は測定誤差に起因するものと思わ
れる。なぜならば、6時間経過時点において低かったU
ROの活性がその後に高くなることは考えられないから
である。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、架橋剤としてト
リアジンを用いた場合にはUROの活性が0%になって
しまうことが分る。また、架橋剤としてトリアジンを用
いた場合には、混合直後に反応系がゲル化し、かつ発熱
があり、見かけからもUROが変性したことが確認でき
た。これに対して、架橋剤としてデナコールEX−81
0を用いた場合には、UROの活性がほぼ100%であ
ることが分る。
【0021】したがって、架橋剤としてデナコールEX
−810を採用すれば、URO、PEGおよびデナコー
ルEX−810を当初から混合して室温で反応させるだ
けで、UROの活性をほぼ100%に保持した修飾UR
Oを得ることができ、操作性を著しく高めることができ
るとともに、所要時間を大幅に短縮できる。また、架橋
剤としてデナコールEX−810を用いることにより、
修飾UROのURO活性を著しく高く維持できる。
【0022】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、ペプチ
ドの活性を殆ど低下させることなく、耐pH性、耐熱性
を高めることができるという特有の効果を奏する。請求
項2の発明は、ペプチドをポリエチレングリコール誘導
体で修飾する場合の操作性を著しく高めることができる
とともに、所要時間を大幅に短縮でき、しかも、ペプチ
ドの活性を殆ど低下させることなく、耐pH性、耐熱性
を高めた修飾ペプチドを得ることができるという特有の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気泳動結果を示す図である。
【図2】耐pH性向上を示す図である。
【図3】耐熱性向上を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプチド中のアミノ基及び/または水酸
    基が、2価のグリシジルエーテル型の低分子を架橋剤と
    してポリエチレングリコール誘導体で部分的に置換され
    てなることを特徴とする修飾ペプチド。
  2. 【請求項2】 溶媒中にペプチド、2価のグリシジルエ
    ーテル型の低分子およびポリエチレングリコール誘導体
    を同時に混在させ、ペプチドが変性を受けない温度範囲
    に保持することにより、ペプチド中のアミノ基及び/ま
    たは水酸基が、2価のグリシジルエーテル型の低分子を
    架橋剤としてポリエチレングリコール誘導体で部分的に
    置換されてなる修飾ペプチドを得ることを特徴とする修
    飾ペプチドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7547675B2 (en) 1997-06-06 2009-06-16 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Chemically modified polypeptides
CN111909906A (zh) * 2019-05-10 2020-11-10 重庆派金生物科技有限公司 聚乙二醇修饰的尿酸氧化酶

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US7547675B2 (en) 1997-06-06 2009-06-16 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Chemically modified polypeptides
CN111909906A (zh) * 2019-05-10 2020-11-10 重庆派金生物科技有限公司 聚乙二醇修饰的尿酸氧化酶
WO2020228618A1 (zh) * 2019-05-10 2020-11-19 重庆派金生物科技有限公司 聚乙二醇修饰的尿酸氧化酶
CN111909906B (zh) * 2019-05-10 2024-04-19 重庆派金生物科技有限公司 聚乙二醇修饰的尿酸氧化酶

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