JP2602270B2 - プラズマエッチング方法及び装置 - Google Patents

プラズマエッチング方法及び装置

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JP2602270B2 JP5148288A JP5148288A JP2602270B2 JP 2602270 B2 JP2602270 B2 JP 2602270B2 JP 5148288 A JP5148288 A JP 5148288A JP 5148288 A JP5148288 A JP 5148288A JP 2602270 B2 JP2602270 B2 JP 2602270B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プラズマエッチング方法及び装置に関する
ものである。
〔従来の技術〕
減圧下でガスをプラズマ化し、該プラズマにより試料
をエッチングする技術としては、例えば、特公昭56-373
11号公報,特公昭58-13627号公報に記載のようなものが
知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の技術で、例えば、塩素を含むエッチングガ
スプラズマにてアルミニウムを主成分とする膜、例え
ば、アルミニウム含金膜、例えば、Al−Cu−Si合金膜の
エッチングを実施したところ、サイドエッチが無くまた
残渣の出ない条件ではAl配線側壁に付着物があり、この
付着物は、通常のホトレジストのドライアッシングプロ
セスでは、充分に除去できなかった。
従って、このような場合、付着物除去のためにウェッ
トエッチが必要となり工程を短縮できないといった問題
がある。
本発明の目的は、ウェットエッチによらず付着物を除
去できるようにすることで、工程を短縮できるプラズマ
エッチング方法及び装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、プラズマエッチング方法を、減圧下でガ
スをプラズマ化する工程と、前記プラズマにより試料を
エッチングする工程と、前記ガスのプラズマ化とは独立
調節可能な前記プラズマ中のイオンの前記試料への加速
量を前記試料のエッチング開始から途中までの加速量よ
りも前記試料のエッチング途中から終了までの加速量を
小さく調節する工程とを有する方法とし、プラズマエッ
チング装置を、減圧下でガスをプラズマ化する手段と、
前記プラズマ生成手段とは独立調節可能で前記プラズマ
でエッチングされる試料にバイアスを印加する手段と、
前記試料のエッチング終点を検出する手段と、前記エッ
チング終点検出手段からの終点検出信号を受け前記バイ
アスをそれまでのバイアスよりも小さく調節させる操作
信号を前記バイアス印加手段に出力する手段とを具備し
たものとすることにより、達成される。
〔作用〕
減圧下で生成されたプラズマにより試料をエッチング
するに際し、上記プラズマの生成とは独立調節可能な上
記プラズマ中のイオンの上記試料への加速量、つまり、
上記試料に位加されるバイアス量を大きくするとサイド
エッチが減少し、また、残渣も少なくなる。これは、バ
イアス量の増加に伴ない試料に入射するイオンのエネル
ギおよび量が増加するため、イオンのスパッタ作用が強
くなり残渣が少なくなると共に、例えば、ホトレジスト
を有する場合、該ホトレジストからのアウトガス量も増
加して側壁付着物が多くなるため、サイドエッチが少な
くなると考えられる。一方、上記試料に印加されるバイ
アス量を小さくするとホトレジストからのアウトガスが
少なくなり、側壁付着物が不足してサイドエッチが発生
する。
これらのことから、サイドエッチが無く、また、残渣
も無いバイアス量を試料に印加して該試料をエッチング
した後に、これよりも低いバイアス量、即ち、わずかに
サイドエッチが発生するバイアス量を印加して処理する
ことにより、側壁付着物を除去することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図,第2図により説明
する。
第1図で、放電管10は、その内部をバッファ室20内に
連通させ、バッファ室20に気密に構設されている。導波
管30は、放電管10と略同一軸心で放電管10の外側に配設
されている。マグネトロン40は、導波管31により導波管
30に連結されている。ソレノイドコイル50は、導波管30
の外側に環装されている。試料保持台60は、放電管10と
バッファ室20とでなる気密室内で、この場合、放電管10
の開放部に対応して位置可能に設けられている。この場
合、高周波電源70は、気密室外に設置され、試料保持台
60が電気的に接続されている。(例えば、特公昭56-372
11号、特公昭58-13627号参照)アース電極80は、この場
合、気密室内で試料保持台60の外側に配設されている。
エッチング終点検出手段は、この場合、発光分光法を用
いた終点検出装置90である。終点検出装置90は、放電管
10内での発光を採取可能に導波管30に形成された光採取
具91を介して導波管30,31外および気密室外に設けられ
ている。バイアス調節手段は、この場合、マイクロコン
ピュータ100である。マイクロコンピュータ100は、終点
検出装置90を構成するマイクロコンピュータ(図示省
略)であっても良い。マイクロコンピュータ100は、終
点検出装置90並びに高周波電源70の出力制御部(図示省
略)にそれぞれ電気的に接続されている。マイクロコン
ピュータ100は、この場合、終点検出装置90からの終点
検出信号を受けオーバエッチング時間経過後に高周波電
源70の出力をそれぞれの出力より小さく調節させる操作
信号を高周波電源70の出力制御部に出力する機能を有し
ている。
第2図は、第1図の装置を用いた高周波バイアス出力
とサイドエッチング量,残渣数との関係である。この場
合、試料は、ホトレジストを有するAl−Cu−Si合金膜で
あり、エッチングガスは、BCl3とCl2との混合ガスであ
る。また、エッチングガス圧力は、10mTorrである。ま
た、マグネトロンとしては、2.45GHzのマイクロ波を発
生させるものであり、高周波電源としては、2MHzの周波
数を有するものである。
第2図に示すように、サイドエッチング量は、高周波
バイアス出力の増加に従って減少し、高周波バイアス出
力が約80Wで略0μmとなる。一方残渣数も高周波バイ
アス出力の増加に従って減少し、高周波バイアス出力が
約100Wで殆んどなくなる。従って、これらのことより、
この場合、高周波バイアス出力を約100Wにすれば、サイ
ドエッチング量が略0μmで、また、残渣も殆んどない
エッチングを行うことができる。また、高周波バイアス
出力を、この場合、約60Wにすれば、サイドエッチがわ
ずかに発生(サイドエッチング量≒0.1μm)するが、
しかし、側壁付着物は充分に除去される。
第1図,第2図で、試料、例えば、ホトレジストを有
するAl−Cu−Si合金膜が、ホトレジストを有する面を上
向きとして試料保持台60に保持される。放電管10内は、
バッファ室20内を介して減圧排気される。放電管10内に
は、ガス供給手段(図示省略)より、例えば、塩素を含
むガス、例えば、BCl3とCl2との混合ガスが所定流量で
供給される。このようにガスが供給されている放電管10
内は、供給されたガスを所定流量でバッファ室20を介し
て排気することで、所定のエッチング圧力、例えば、10
mTorrに調節される。この状態で、マグネトロン40から
は、例えば、2.45GHzのマイクロ波が発射され、該マイ
クロ波は、導波管31,30を伝播して放電管10に吸収され
てマイクロ波電界が発生させられる。また、ソレノイド
コイル50を作動させることで、マイクロ波電界と直交す
る成分を有する磁界が発生させられる。放電管10内のガ
スは、マイクロ波電界と磁界との作用によりプラズマ化
され、該プラズマによりホトレジストを有するAl−Cu−
Si合金膜はエッチングされる。Al−Cu−Si合金膜のエッ
チング時に発光が生じ、該発光の内から特定波長の発光
が選択され、該選択された発光強度の時間的変化により
Al−Cu−Si合金膜のエッチング終点が終点検出装置90に
より検出される。エッチング終点検出後、オーバーエッ
チングが所定時間実施される。このような、エッチング
終点検出までのエッチング並びにオーバーエッチング時
の高周波バイアス出力としては、第2図より、例えば、
100Wが選択される。つまり、エッチング終点検出までの
エッチング並びにオーバーエッチング時において、Al−
Cu−Si合金膜は、サイドエッチング量が略0μmで、ま
た、残渣も殆んどない状態でエッチングされる。但し、
この状態では、ホトレジストからのアウトガスが増加し
て側壁付着物が多くなる。終点検出装置90でエッチング
終点が検出された時点で終点検出装置90からは終点検出
信号がマイクロコンピュータ100に出力される。マイク
ロコンピュータ100が、終点検出信号を受け、さらに、
オーバーエッチング時間が経過した時点で、マイクロコ
ンピュータ100からは、操作信号が高周波電源70の出力
制御部に出力される。高周波電源70の出力制御部が操作
信号を受けた時点で高周波バイアス出力が、例えば、60
Wに選択されて調節される。オーバーエッチング後に、
この状態で、更にAl−Cu−Si合金膜はエッチングされ
る。このようなエッチングを実施することで、側壁付着
物は充分除去される。その後、プラズマの生成,高周波
バイアスの印加等が停止され、試料は試料保持台60から
除去されて気密室外へ搬出される。
本実施例では、次のような効果が得られる。
(1)サイドエッチおよび残査がなく、しかも側壁付着
物のないエッチングができるため、側壁付着物除去のた
めのウェットエッチングが不要となり工程を短縮するこ
とができる。
(2)エッチング後のドライアッシングにてホトレジス
トを完全に除去でき、完全ドライ化が可能となり防食性
も向上できる。
(3)ホトレジストを有するAl−Cu−Si合金膜をサイド
エッチおよび残渣がなく、しかも側壁付着物がない状態
でプラズマエッチングすることができる。
なお、上記一実施例において、オーバーエッチング後
のAl−Cu−Si合金膜のエッチングにおいて、放電管内に
供給されるガスに窒素ガスを添加することで、側壁付着
物の一構成成分である炭素を含むポリマーの除去を更に
速やかに実施することができる。
上記実施例においては、プラズマエッチング装置とし
て、いわゆる有磁場型のマイクロ波プラズマエッチング
装置を用い説明したが、しかし、プラズマエッチング装
置としては、プラズマ生成手段とは独立調整可能でプラ
ズマによりエッチングされる試料にバイアスを印加する
手段を有する装置が問題なく使用できる。また、その他
のアルミニウムを主成分とする試料(例えば、アルミニ
ウム膜)を塩素を含むガスプラズマでエッチングする場
合や、シリコンを主成分とする試料をフッ素を含むガス
プラズマでエッチングする場合にも同様の効果が得られ
る。また、エッチング終点を検出する手段としては、発
光分光法を用いるもの以外のもの、例えば、電圧変化に
よりエッチング終点を検出するものや、時間制御により
エッチング終点を検出するもの等であっても勿論良い。
なお、エッチング終点は、実際のエッチング終点に必ず
しも一致していなくとも良い。例えば、実際のエッチン
グ終点に到達する以前にエッチング終点を検出し、それ
によって終点検出信号を出力するようにしても良い。ま
た、エッチング終点検出後のオーバーエッチングをする
ことなく、直ちに付着物除去のためのエッチングに移行
するようにしても良い。また、付着物除去時に添加され
るガスとしては、窒素ガスに特に限定されない。該添加
ガスとしては、試料と反応し難く付着物と反応し易いガ
スが選択し使用される。また、試料に印加されるバイア
スは、高周波バイアス(交流バイアス)に特に限定され
ない。試料の材質によって直流が使用できるものにおい
ては、試料に印加されるバイアスとして直流バイアスも
選択できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ウェットエッチによらず付着物を充
分に除去できるので、工程を短縮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例のプラズマエッチング装置
の構成図、第2図は、第1図の装置で得た高周波バイア
ス出力とサイドエッチング量、残渣数との関係線図であ
る。 10……放電管、30,31……導波管、40……マグネトロ
ン、50……ソレノイドコイル、60……試料保持台、70…
…高周波電源、80……アース電極、90……終点検出装
置、100……マイクロコンピュータ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧下でガスをプラズマ化する工程と、前
    記プラズマによりホトレジストを有するアルミニウムを
    主成分とする試料をエッチングする工程と、前記ガスの
    プラズマ化とは独立調節可能な前記プラズマ中のイオン
    の前記試料への加速量を前記試料のエッチング開始から
    エッチング終点までの加速量よりも前記試料のエッチン
    グ終点からエッチング終了までの加速量を小さく調節す
    る工程とを有することを特徴とするプラズマエッチング
    方法。
  2. 【請求項2】減圧下で塩素を含むガスをプラズマ化し、
    前記プラズマにより前記試料の膜をエッチングし、前記
    ガスのプラズマ化とは独立調節可能で前記膜に印加され
    る交流バイアス量を前記膜のエッチング開始からエッチ
    ング終点までの交流バイアス量よりも前記膜のエッチン
    グ終点からエッチング終了までの交流バイアス量を小さ
    く調節する第1請求項に記載のプラズマエッチング方
    法。
  3. 【請求項3】前記膜のエッチング終点検出後オーバーエ
    ッチングした後に、前記交流バイアス量を少なくとも前
    記膜のエッチング終点検出までの交流バイアス量よりも
    小さく調節して前記膜のエッチング終了までエッチング
    する第2請求項に記載のプラズマエッチング方法。
  4. 【請求項4】減圧下で塩素を含むガスをプラズマ化し、
    ホトレジストを有するアルミニウムを主成分とする膜を
    前記プラズマによりエッチングし、前記ガスのプラズマ
    化とは独立調節可能で前記膜に印加される交流バイアス
    量を前記膜のエッチング開始からエッチング終点までの
    交流バイアス量よりも前記膜のエッチング終点からエッ
    チング終了までの交流バイアス量を小さく調節し、前記
    塩素を含むガスに窒素ガスを添加したガスをプラズマ化
    し該プラズマにより前記膜を前記エッチング終点からエ
    ッチング終了までエッチングすることを特徴とするプラ
    ズマエッチング方法。
  5. 【請求項5】減圧下でガスをプラズマ化する手段と、前
    記プラズマ生成手段とは独立調節可能で前記プラズマで
    エッチングされるホトレジストを有するアルミニウムを
    主成分とする試料にバイアスを印加する手段と、前記試
    料のエッチング終点を検出する手段と、前記エッチング
    終点検出手段からの終点検出信号を受け前記バイアスを
    それまでのバイアスよりも小さく調節させる操作信号を
    前記バイアス印加手段に出力する手段とを具備したこと
    を特徴とするプラズマエッチング装置。
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