JP2601787B2 - 磁歪測定部材 - Google Patents
磁歪測定部材Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸にトルクが加えられ
た際に当該軸の表面で生じる磁歪(磁気歪み)を検出す
ることにより前記軸に加えられたトルクを測定するのに
利用される磁歪測定部材に関するものである。
た際に当該軸の表面で生じる磁歪(磁気歪み)を検出す
ることにより前記軸に加えられたトルクを測定するのに
利用される磁歪測定部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸に加えられたトルクを当該軸の表面で
の磁歪を検出することにより測定するのに用いられる磁
歪測定部材としては、従来より、種々の構造をなすもの
がある。
の磁歪を検出することにより測定するのに用いられる磁
歪測定部材としては、従来より、種々の構造をなすもの
がある。
【0003】例えば、軸の表面に、前記軸に貼着した状
態において、当該軸方向に対し所定の角度(例えば、+
45°および−45°)をなすスリットを円周方向に複
数形成した高磁歪材料よりなる膜を貼着し、前記軸に対
してトルクが加えられたときに、軸の表面で前記高磁歪
材料の膜において生ずる磁歪を検出することによって、
前記軸に加えられたトルクを検出するようにした磁歪測
定部材があった。
態において、当該軸方向に対し所定の角度(例えば、+
45°および−45°)をなすスリットを円周方向に複
数形成した高磁歪材料よりなる膜を貼着し、前記軸に対
してトルクが加えられたときに、軸の表面で前記高磁歪
材料の膜において生ずる磁歪を検出することによって、
前記軸に加えられたトルクを検出するようにした磁歪測
定部材があった。
【0004】しかしながら、このような高磁歪材料より
なる膜を軸の表面に貼着する構造では、高磁歪材料が剥
離してしまうことがあって耐久性に劣ったものになるこ
とがあるという不具合があった。
なる膜を軸の表面に貼着する構造では、高磁歪材料が剥
離してしまうことがあって耐久性に劣ったものになるこ
とがあるという不具合があった。
【0005】そこで、このような膜の貼着により生ずる
不具合を解消するため、軸の表面に、高磁歪材料よりな
る帯状肉盛層を前記軸素材に対して金属的に融合した状
態で形成し、この帯状肉盛層の部分のみないしは帯状肉
盛層を含む部分に、軸方向に対して所定の角度(例え
ば、+45°および−45°)をなす凹状部を形成する
ことにより相対的に凸状部を形成し、このような凹凸状
部の形成によって形状磁気異方性をもたせるようにした
磁歪測定部材があった。
不具合を解消するため、軸の表面に、高磁歪材料よりな
る帯状肉盛層を前記軸素材に対して金属的に融合した状
態で形成し、この帯状肉盛層の部分のみないしは帯状肉
盛層を含む部分に、軸方向に対して所定の角度(例え
ば、+45°および−45°)をなす凹状部を形成する
ことにより相対的に凸状部を形成し、このような凹凸状
部の形成によって形状磁気異方性をもたせるようにした
磁歪測定部材があった。
【0006】この場合、軸の素材としては、特に機械構
造用部材としての要求強度および靭性等をも満足しうる
ように、機械構造用炭素鋼ないしは機械構造用合金鋼を
用い、この鋼製軸素材の表面に、高磁歪材料であるFe
−Ni系合金や、Fe−Co系合金などの帯状肉盛層を
前記鋼製軸素材に対して金属的に融合した状態で設け、
この帯状肉盛層のみの部分ないしは帯状肉盛層を含む部
分に凹凸状部を形成することによって形状磁気異方性を
もたせるようにしたものがあった。
造用部材としての要求強度および靭性等をも満足しうる
ように、機械構造用炭素鋼ないしは機械構造用合金鋼を
用い、この鋼製軸素材の表面に、高磁歪材料であるFe
−Ni系合金や、Fe−Co系合金などの帯状肉盛層を
前記鋼製軸素材に対して金属的に融合した状態で設け、
この帯状肉盛層のみの部分ないしは帯状肉盛層を含む部
分に凹凸状部を形成することによって形状磁気異方性を
もたせるようにしたものがあった。
【0007】そして、この際の肉盛手段としては、TI
G溶接,MIG溶接,プラズマ溶接,プラズマパウダー
溶接などが採用されていた。
G溶接,MIG溶接,プラズマ溶接,プラズマパウダー
溶接などが採用されていた。
【0008】また、高磁歪材料としては、上記Fe−N
i系合金や、Fe−Co系合金のほかに、Fe−Al系
合金も知られており、このFe−Al系合金は受容トル
クが大きいことから、とくに受容トルクが大きく磁歪感
度の高い磁歪測定部材の肉盛用高磁歪材料として期待さ
れている。
i系合金や、Fe−Co系合金のほかに、Fe−Al系
合金も知られており、このFe−Al系合金は受容トル
クが大きいことから、とくに受容トルクが大きく磁歪感
度の高い磁歪測定部材の肉盛用高磁歪材料として期待さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、Fe−Al
系合金は、それ自体が硬く且つ脆い性質を有しているこ
とから、肉盛溶接の際に割れが発生したり、場合によっ
ては肉盛溶接後に剥離を生じたりすることがあり、した
がって、受容トルクが大きいというトルク検出用の磁歪
測定部材にとって好ましい特性を有しているものの、実
用化の障害となっているという問題点を有しており、こ
のような問題点を解決することが課題となっていた。
系合金は、それ自体が硬く且つ脆い性質を有しているこ
とから、肉盛溶接の際に割れが発生したり、場合によっ
ては肉盛溶接後に剥離を生じたりすることがあり、した
がって、受容トルクが大きいというトルク検出用の磁歪
測定部材にとって好ましい特性を有しているものの、実
用化の障害となっているという問題点を有しており、こ
のような問題点を解決することが課題となっていた。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、肉盛溶接用高磁歪材料とし
てFe−Al系合金を用いたときでも、肉盛溶接の際に
割れが発生したり、肉盛溶接後に剥離を生じたりするこ
とがなく、したがって、肉盛溶接用高磁歪材料として受
容トルクの大きいFe−Al系合金を使用することによ
って、受容トルクが大きく磁歪感度の高い磁歪測定部材
を提供することを目的としている。
みてなされたものであって、肉盛溶接用高磁歪材料とし
てFe−Al系合金を用いたときでも、肉盛溶接の際に
割れが発生したり、肉盛溶接後に剥離を生じたりするこ
とがなく、したがって、肉盛溶接用高磁歪材料として受
容トルクの大きいFe−Al系合金を使用することによ
って、受容トルクが大きく磁歪感度の高い磁歪測定部材
を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる磁歪測定
部材は、炭素鋼ないしは合金鋼よりなる鋼製軸素材の外
周部に、Fe−5〜15重量%Al合金よりなる肉盛厚
さ3mm以下で且つビッカース硬さHv420以下の帯
状肉盛層を設けた構成としたことを特徴としており、実
施態様では、帯状肉盛層の金属組織において、Fe−
C,Al−C,Fe−Al−C等のFe,Al系炭化物
の占有面積が30面積%以下である構成としたことを特
徴としており、上記した磁歪測定部材に係わる発明の構
成をもって前述した従来の課題を解決するための手段と
している。
部材は、炭素鋼ないしは合金鋼よりなる鋼製軸素材の外
周部に、Fe−5〜15重量%Al合金よりなる肉盛厚
さ3mm以下で且つビッカース硬さHv420以下の帯
状肉盛層を設けた構成としたことを特徴としており、実
施態様では、帯状肉盛層の金属組織において、Fe−
C,Al−C,Fe−Al−C等のFe,Al系炭化物
の占有面積が30面積%以下である構成としたことを特
徴としており、上記した磁歪測定部材に係わる発明の構
成をもって前述した従来の課題を解決するための手段と
している。
【0012】本発明に係わる磁歪測定部材は、炭素鋼な
いしは合金鋼よりなる鋼製軸素材を用いているが、この
場合、具体的には、機械構造用炭素鋼であるSC材,S
−CK材などのほか、機械構造用合金鋼であるSCr
材,SMn材,SCM材,SNC材,SNCM材などが
用いられる。
いしは合金鋼よりなる鋼製軸素材を用いているが、この
場合、具体的には、機械構造用炭素鋼であるSC材,S
−CK材などのほか、機械構造用合金鋼であるSCr
材,SMn材,SCM材,SNC材,SNCM材などが
用いられる。
【0013】このような鋼製軸素材の表面にFe−5〜
15重量%Al合金よりなる帯状肉盛層を設けるが、こ
の場合、Al含有量が少なすぎるとトルク検出の際のヒ
ステリシスのばらつきが大きくなってトルク検出精度が
低下することとなるので、トルクの検出精度を高めるた
めには5重量%以上とすることが必要である。しかし、
Al含有量が多すぎると感度が低下するので、トルクの
検出感度を高めるために15重量%以下とすることが必
要である。
15重量%Al合金よりなる帯状肉盛層を設けるが、こ
の場合、Al含有量が少なすぎるとトルク検出の際のヒ
ステリシスのばらつきが大きくなってトルク検出精度が
低下することとなるので、トルクの検出精度を高めるた
めには5重量%以上とすることが必要である。しかし、
Al含有量が多すぎると感度が低下するので、トルクの
検出感度を高めるために15重量%以下とすることが必
要である。
【0014】また、上記Fe−Al系合金よりなる帯状
肉盛層の厚さが大きすぎると肉盛層に割れを発生するお
それがでてくることとなるので、肉盛厚さは3mm以下
とする必要がある。そして、Fe−Al系合金による高
磁歪作用を有効に得ることができるようにするために
は、肉盛厚さが0.1mm以上であるようにすることが
望ましい。
肉盛層の厚さが大きすぎると肉盛層に割れを発生するお
それがでてくることとなるので、肉盛厚さは3mm以下
とする必要がある。そして、Fe−Al系合金による高
磁歪作用を有効に得ることができるようにするために
は、肉盛厚さが0.1mm以上であるようにすることが
望ましい。
【0015】さらに、上記Fe−Al系合金よりなる帯
状肉盛層の硬さが大きすぎると肉盛溶接によって割れを
発生することがあるので、帯状肉盛層の硬さはビッカー
ス硬さHv420以下とする必要がある。
状肉盛層の硬さが大きすぎると肉盛溶接によって割れを
発生することがあるので、帯状肉盛層の硬さはビッカー
ス硬さHv420以下とする必要がある。
【0016】このようにして鋼製軸素材の外周面に帯状
肉盛層を設けた磁歪測定部材の前記帯状肉盛層の金属組
織において、Fe−C,Al−C,Fe−Al−Cなど
のFe,Al系炭化物の占有面積が多すぎると、トルク
の検出感度を低下させることとなるので、上記Fe,A
l系炭化物の占有面積は30面積%以下であるようにす
ることが望ましい。
肉盛層を設けた磁歪測定部材の前記帯状肉盛層の金属組
織において、Fe−C,Al−C,Fe−Al−Cなど
のFe,Al系炭化物の占有面積が多すぎると、トルク
の検出感度を低下させることとなるので、上記Fe,A
l系炭化物の占有面積は30面積%以下であるようにす
ることが望ましい。
【0017】この場合、帯状肉盛層中への炭化物の多量
の析出をおさえるようにするためには、肉盛溶接時にお
ける入熱量を減らしたり、熱処理後の冷却速度を大きく
したりすることで可能となるので、その他の要因をも考
慮して、肉盛溶接時における入熱量や熱処理後の冷却速
度などを調整するようになすことが望ましい。
の析出をおさえるようにするためには、肉盛溶接時にお
ける入熱量を減らしたり、熱処理後の冷却速度を大きく
したりすることで可能となるので、その他の要因をも考
慮して、肉盛溶接時における入熱量や熱処理後の冷却速
度などを調整するようになすことが望ましい。
【0018】そして、このような帯状肉盛層を設けるに
際しては、TIG溶接,MIG溶接,プラズマ溶接,プ
ラズマパウダー溶接(PPW)等が採用され、鋼製軸素
材の円周方向に肉盛溶接を行うに際して、肉盛溶接を鋼
軸方向において複数パスに分けて行うことによって、1
パスあたりの肉盛溶接幅を例えば15mm以下程度に制
限し、鋼製軸素材への入熱量が過大なものにならないよ
うにして、帯状肉盛層での割れの発生ないしは鋼製軸素
材の過熱による強度および靭性等の低下を防止し、複数
パスの肉盛溶接によって必要幅の帯状肉盛層を設けるこ
とができるようにすることも必要に応じて望ましい。
際しては、TIG溶接,MIG溶接,プラズマ溶接,プ
ラズマパウダー溶接(PPW)等が採用され、鋼製軸素
材の円周方向に肉盛溶接を行うに際して、肉盛溶接を鋼
軸方向において複数パスに分けて行うことによって、1
パスあたりの肉盛溶接幅を例えば15mm以下程度に制
限し、鋼製軸素材への入熱量が過大なものにならないよ
うにして、帯状肉盛層での割れの発生ないしは鋼製軸素
材の過熱による強度および靭性等の低下を防止し、複数
パスの肉盛溶接によって必要幅の帯状肉盛層を設けるこ
とができるようにすることも必要に応じて望ましい。
【0019】さらにまた、鋼製軸素材の直径が大きい場
合などには、溶接応力による割れが発生するのを防止す
るため、肉盛溶接の前後に予熱および/または後熱を施
しておくことも必要に応じて望ましく、予熱を行う場合
には例えば50〜200℃に加熱し、後熱を行う場合に
は例えば500〜600℃に加熱保持した後炉冷,空
冷,水冷などを行うのがよい。
合などには、溶接応力による割れが発生するのを防止す
るため、肉盛溶接の前後に予熱および/または後熱を施
しておくことも必要に応じて望ましく、予熱を行う場合
には例えば50〜200℃に加熱し、後熱を行う場合に
は例えば500〜600℃に加熱保持した後炉冷,空
冷,水冷などを行うのがよい。
【0020】
【発明の作用】本発明に係わる磁歪測定部材は、炭素鋼
ないしは合金鋼よりなる鋼製軸素材の外周部に、Fe−
5〜15重量%Al合金よりなる肉盛厚さ3mm以下で
且つビッカース硬さHv420以下の帯状肉盛層を設け
た構成としていることから、材料自体が硬くて脆い性質
を有するFe−Al系合金の高磁歪材料よりなる帯状肉
盛層を鋼製軸素材の外周部に設けたときでも、肉盛溶接
の際に割れが発生したり、肉盛溶接後に剥離が生じたり
することがなく、トルク検出精度およびトルク検出感度
が高いと共に、受容トルクが大きいFe−5〜15重量
%Al合金よりなる高磁歪材料の帯状肉盛層を有する磁
歪測定部材となり、受容トルクが大きく磁歪感度の高い
磁歪測定部材が提供される。
ないしは合金鋼よりなる鋼製軸素材の外周部に、Fe−
5〜15重量%Al合金よりなる肉盛厚さ3mm以下で
且つビッカース硬さHv420以下の帯状肉盛層を設け
た構成としていることから、材料自体が硬くて脆い性質
を有するFe−Al系合金の高磁歪材料よりなる帯状肉
盛層を鋼製軸素材の外周部に設けたときでも、肉盛溶接
の際に割れが発生したり、肉盛溶接後に剥離が生じたり
することがなく、トルク検出精度およびトルク検出感度
が高いと共に、受容トルクが大きいFe−5〜15重量
%Al合金よりなる高磁歪材料の帯状肉盛層を有する磁
歪測定部材となり、受容トルクが大きく磁歪感度の高い
磁歪測定部材が提供される。
【0021】
【実施例】図1および図2に示す磁歪測定部材1を作製
するにあたり、鋼製軸素材2として、表1および表2の
鋼製軸素材の欄に示す鋼種でかつ直径が31mmのもの
を用いた。
するにあたり、鋼製軸素材2として、表1および表2の
鋼製軸素材の欄に示す鋼種でかつ直径が31mmのもの
を用いた。
【0022】また、プラズマパウダー溶接用トーチ3に
供給する肉盛溶接用粉末4としては、表3および表4に
おける帯状肉盛層のAl含有量の欄に示す組成が得られ
るように肉盛溶接時の希釈を考慮して上記Al含有量よ
りも若干多いAl含有量のものを使用し、肉盛溶接用粉
末4の粒径が60〜350メッシュであるものを使用し
た。
供給する肉盛溶接用粉末4としては、表3および表4に
おける帯状肉盛層のAl含有量の欄に示す組成が得られ
るように肉盛溶接時の希釈を考慮して上記Al含有量よ
りも若干多いAl含有量のものを使用し、肉盛溶接用粉
末4の粒径が60〜350メッシュであるものを使用し
た。
【0023】さらに、プラスマガス量は1L/分とし、
プラズマ電流を表1および表2に示す値として、図1お
よび図2に示すように、溶接用トーチ3を矢印A方向に
ウイービングさせると同時に鋼製軸素材2を矢印B方向
に回転させながらプラズマパウダー溶接を行った。
プラズマ電流を表1および表2に示す値として、図1お
よび図2に示すように、溶接用トーチ3を矢印A方向に
ウイービングさせると同時に鋼製軸素材2を矢印B方向
に回転させながらプラズマパウダー溶接を行った。
【0024】このとき、帯状肉盛層5の幅を25mmと
大きなものとした実施例No.9においては、図2に示
すようにパス回数を2回とし、その他は図1に示すよう
にパス回数を1回とした。そして、肉盛溶接後には、同
じく表1および表2に示す熱処理を施すことによって、
帯状肉盛層5が形成された磁歪測定部材1を作製した。
大きなものとした実施例No.9においては、図2に示
すようにパス回数を2回とし、その他は図1に示すよう
にパス回数を1回とした。そして、肉盛溶接後には、同
じく表1および表2に示す熱処理を施すことによって、
帯状肉盛層5が形成された磁歪測定部材1を作製した。
【0025】なお、比較例No.17は、SCM420
よりなる鋼製軸素材の表面に高磁歪材料としてFe−5
重量%Ni合金を肉盛溶接した場合を示すものである。
よりなる鋼製軸素材の表面に高磁歪材料としてFe−5
重量%Ni合金を肉盛溶接した場合を示すものである。
【0026】このようにして、帯状肉盛層5の幅および
厚さが表3および表4に示す値の磁歪測定部材1を得
た。
厚さが表3および表4に示す値の磁歪測定部材1を得
た。
【0027】次いで、各帯状肉盛層5におけるAl含有
量およびビッカース硬さを調べると共に、割れ発生の有
無を調べ、さらに帯状肉盛層5中の炭化物量を調べたと
ころ、同じく表3および表4に示す結果であった。
量およびビッカース硬さを調べると共に、割れ発生の有
無を調べ、さらに帯状肉盛層5中の炭化物量を調べたと
ころ、同じく表3および表4に示す結果であった。
【0028】さらにまた、磁歪測定部材1の帯状肉盛層
5の部分において、軸心方向に対して+45°方向に傾
斜した凹状部を円周方向に多数形成すると共に、これと
対称に−45°方向に傾斜した凹状部を円周方向に多数
形成することによって、これら凹凸状部よりなる形状磁
気異方性部を設け、この形状磁気異方性部に近接して励
磁用コイルおよび磁歪検出用コイルを配設してトルクの
印加を行い、そのときのトルク検出感度を比較例No.
17を基準とする感度比で調べたところ、同じく表3お
よび表4に示す結果であった。
5の部分において、軸心方向に対して+45°方向に傾
斜した凹状部を円周方向に多数形成すると共に、これと
対称に−45°方向に傾斜した凹状部を円周方向に多数
形成することによって、これら凹凸状部よりなる形状磁
気異方性部を設け、この形状磁気異方性部に近接して励
磁用コイルおよび磁歪検出用コイルを配設してトルクの
印加を行い、そのときのトルク検出感度を比較例No.
17を基準とする感度比で調べたところ、同じく表3お
よび表4に示す結果であった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】表1ないし表4に示す結果より明らかなよ
うに、本発明実施例No.1〜9では、帯状肉盛層5の
厚さが3mm以下、Al含有量が5〜15重量%、硬さ
がHv420以下であって、帯状肉盛層5に割れが発生
していないと共に、帯状肉盛層5中の炭化物量が少な
く、トルク検出感度が良好なものとなっていることが認
められた。
うに、本発明実施例No.1〜9では、帯状肉盛層5の
厚さが3mm以下、Al含有量が5〜15重量%、硬さ
がHv420以下であって、帯状肉盛層5に割れが発生
していないと共に、帯状肉盛層5中の炭化物量が少な
く、トルク検出感度が良好なものとなっていることが認
められた。
【0034】これに対して、比較例No.11〜16の
場合には、帯状肉盛層に割れが発生していたり、トルク
検出感度が低いものとなったりしていた。
場合には、帯状肉盛層に割れが発生していたり、トルク
検出感度が低いものとなったりしていた。
【0035】
【発明の効果】本発明に係わる磁歪測定部材では、肉盛
溶接用高磁歪材料としてFe−Al系合金を用いたとき
でも、肉盛溶接の際に割れが発生したり、肉盛溶接後に
剥離を生じたりすることがなく、また、肉盛溶接材料と
して、受容トルクの大きいFe−Al系合金を用いてい
るため受容トルクが大きく磁歪感度が高い磁歪測定部材
を得ることが可能であるという著しく優れた効果がもた
らされる。
溶接用高磁歪材料としてFe−Al系合金を用いたとき
でも、肉盛溶接の際に割れが発生したり、肉盛溶接後に
剥離を生じたりすることがなく、また、肉盛溶接材料と
して、受容トルクの大きいFe−Al系合金を用いてい
るため受容トルクが大きく磁歪感度が高い磁歪測定部材
を得ることが可能であるという著しく優れた効果がもた
らされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において鋼製軸素材の外周部に
帯状肉盛層を設けて磁歪測定部材を作製する状況を示す
説明図である。
帯状肉盛層を設けて磁歪測定部材を作製する状況を示す
説明図である。
【図2】本発明の実施例において鋼製軸素材の外周部に
帯状肉盛層を設けて磁歪測定部材を作製する状況を示す
説明図である。
帯状肉盛層を設けて磁歪測定部材を作製する状況を示す
説明図である。
1 磁歪測定部材 2 鋼製軸素材 5 帯状肉盛層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 田 宗 勝 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 永 田 雅 愛知県名古屋市緑区鳴海町字伝治山98番 地の3 (72)発明者 花 嶋 繁 雄 愛知県半田市宮本町6丁目17番地 (56)参考文献 特開 平3−269229(JP,A) 特開 平1−247530(JP,A) 特開 昭63−117230(JP,A) 特開 平2−197380(JP,A) 特公 平2−61010(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素鋼ないしは合金鋼よりなる鋼製軸素
材の外周部に、Fe−5〜15重量%Al合金よりなる
肉盛厚さ3mm以下で且つビッカース硬さHv420以
下の帯状肉盛層を設けたことを特徴とする磁歪測定部
材。 - 【請求項2】 帯状肉盛層の金属組織において、Fe,
Al系炭化物の占有面積が30面積%以下である請求項
1に記載の磁歪測定部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12490092A JP2601787B2 (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 磁歪測定部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12490092A JP2601787B2 (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 磁歪測定部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05322673A JPH05322673A (ja) | 1993-12-07 |
JP2601787B2 true JP2601787B2 (ja) | 1997-04-16 |
Family
ID=14896891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12490092A Expired - Lifetime JP2601787B2 (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 磁歪測定部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2601787B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006046987A (ja) * | 2004-08-02 | 2006-02-16 | Nissan Motor Co Ltd | トルクセンサ及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-05-18 JP JP12490092A patent/JP2601787B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05322673A (ja) | 1993-12-07 |
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