JP2601456Y2 - アクアエアガン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は，池水等に鉛直の対流・
攪拌を生起させて活性化を図る間欠式のアクアエアガン
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来，比較的浅水域の湖・沼又は池，河
川或いは浄水目的の貯水場等では，適所に直立設置した
揚水筒内に，間欠的に上昇する空気塊により上昇水流を
発生させ，揚水筒付近の池水に上下循環流動を生起さ
せ，浄水を行なうようにしたアクアエアガンが使用され
ている（例えば特開昭６３−２４０９８９号公報参
照）。

【０００３】該アクアエアガンは，揚水筒の複数本を並
列して一体化してなる複合筒の下方に，前記各単一揚水
筒毎に夫々空気を間欠的に供給する空気室を設け，各空
気室を蓄気室に連結したものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで，上記従来技
術では，構造が複雑で大重量となり，コスト高になると
共に，空気室が揚水筒毎に独立しているので，空気塊の
上昇時期にバラツキが生じ，安定性に問題がある。本考
案は，上述のような実状に鑑みてなされたもので，その
目的とするところは，装置全体の構造を簡単にしてその
軽量化及びコスト低下を図ると共に，安定した揚水を実
現できるアクアエアガンを提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案では，上記目的を
達成するために，次の技術的手段を講じた。即ち，本考
案は，水中に鉛直状に保持した複数本の揚水筒の下部
に，１個の空気室を設けると共に吸水口を設け，空気室
に外部から空気を供給して，複数本の給気短管を介して
前記揚水筒内を間欠的に上昇する空気塊により，揚水筒
内の水を上昇させると共に，吸水口から水を吸入するよ
うにしたアクアエアガンであって，複数本の前記給気短
管を相互に連通孔により連通連結したことを特徴として
いる。

【０００６】

【作用】本考案によれば，１個の空気室から複数本の各
給気短管内に流入した空気は，連通孔によって連通する
ので同一圧力となり，したがって該各短管上端から各揚
水筒内に上昇する時期が同じで，空気塊が各揚水筒内を
同時に上昇するので，揚水が安定よくかつ効率よく行な
われる。

【０００７】

【実施例】以下，本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。図面において，（１）は円筒状の揚水筒で，４本が
平行にかつ所定の間隔をもって水平連結部材（２）によ
り，上下方向複数個所で相互に連結されて一本化されて
いる。前記各揚水筒（１）には，上端部にフロート
（３）が装着され， その上端が水面（ＷＬ）下所定の
深さに位置するように浮上せられる。

【０００８】揚水筒（１）の下端外周には吸水案内盆
（４）及び盆天板（５）が固着され，吸水案内盆（４）
の下側が共通の吸水口（６）とされており， 該吸水口
（６）から各揚水筒（１）内に池水が取入れられる。そ
して，該吸水案内盆（４）の下面には， 複数の整流板
（７）が周方向等間隔で上下方向に固着され，該整流板
（７）の下端に空気室（８）を構成する傘形天板（９）
が固着連結され，前記吸水口（６）が環状に形成されて
いる。

【０００９】前記空気室（８）は，前記天板（９）と，
該天板（９）の下面に固着された外筒（１０）と，該外
筒（１０）内に整流板（１１）を介して同心状に固着さ
れ，かつ天端と前記天板（９）との間が通気路とされ
た，有底筒状の内筒（１２）とからなり，前記天板
（９）の中央に貫通状に固着された４本の給気短管（１
３）の下端部が，内筒底板（１２Ａ）上所定間隔をもっ
て位置せられている。

【００１０】前記各短管（１３）は，上端部が各揚水筒
（１）内下部中央に同心状に位置し，かつ下端部が密着
状に溶着されているため，一体化されて空気室（８）中
央に位置するように屈曲成形され，上端部は，盆天板
（５）直下において連通管（１５）により相互に連通状
に連結されており，下端部は，各連通孔（１６），（１
７）により連通されて，各短管（１３）内で空気圧力が
均等になるようにしてある。 （１８）は圧縮空気供給
ホースで，地上に設けたコンプレッサー（図示省略）に
接続されている。

【００１１】前記空気室（８）の外筒（１１）下端部に
は，係留チエン（１９）が接続され， 該チエン（１
９）の下端が池底（２０）に沈設された鉄筋コンクリー
ト製のシーアンカ（２１）に係着されている。（２２）
は浮標で，ロープ（２３）により揚水筒（１）の上端に
接続されている。

【００１２】上記実施例において，前記圧縮空気供給ホ
ース（１８）から空気室（８）の外筒（１０）内に供給
された圧縮空気は，水圧に抗して空気室（８）内上部空
間に順次溜められ，一定量に達すると逆サイホンの作用
で，各給気短管（１３）の下端から同時に給気短管（１
３）内に空気塊となって噴出し，各給気短管（１３）内
を上昇中に各連通孔（１７），（１６）及び連通管（１
５）により，各給気短管（１３）内の空気圧力が均一に
なり，各給気短管（１３）の上端から同時に揚水筒
（１）内に噴出し，大きな空気塊（Ａ）となって揚水筒
（１）内の水を急速にかつ安定よく押し上げて，揚水筒
（１）の上端から池水中に放出し，水面にぶつかって水
平に拡がり，同時に吸水口（６）から池水が吸込まれ
る。

【００１３】このようにして，各揚水筒（１）内を池等
の下層水が上昇して，水中上層に放出されて水平に広が
ることにより水中に鉛直方向下方に向かう対流が生じる
と共に攪拌が生起し，温度成層を破壊し，かつ発生を防
止する。即ち，池水の全層循環又は躍層低下循環をする
ことで，水温の上下均一化，溶存酸素量の増加，プラン
クトンの異常発生の抑制等，池水の活性化を行なう。

【００１４】なお，揚水筒（１）は，図５に示すよう
に，夫々密着状に並設すると共に，その上部外周に多数
の円栓状フロート（３Ａ）を固縛装着することができ
る。本考案は，上記実施例に限定されるものではなく，
適宜設計することができ，例えば，揚水筒（１）の数を
増減し，或いは，空気室（８）の直径を大きくしてその
高さを低くすることができる。

【００１５】

【考案の効果】本考案は，水中に鉛直状に保持した複数
本の揚水筒の下部に，１個の空気室を設けると共に吸水
口を設け，空気室に外部から空気を供給して，複数本の
給気短管を介して前記揚水筒内を間欠的に上昇する空気
塊により，揚水筒内の水を上昇させると共に，吸水口か
ら水を吸入するようにしたアクアエアガンであって，複
数本の前記給気短管を相互に連通孔により連通連結した
ものであるから，装置全体の構造が非常に簡単で，大幅
に軽量化でき，．コスト低下することが可能であるう
え，空気塊を均等量同時に生成させて急速上昇させうる
ので揚水作用を安定化させかつ効率的に揚水することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】図２のＣ−Ｃ線断面拡大図である。

【図５】本考案の他の実施例の要部を示す平面図であ
る。

【図６】本考案の他の実施例の要部を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 揚水筒 ６ 吸入口 ８ 空気室 １３ 給気短管 １５ 連通管 １６，１７ 連通孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) C02F 3/22 ZAB B01F 3/04 C02F 7/00

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水中に鉛直状に保持した複数本の揚水筒
   の下部に，１個の空気室を設けると共に吸水口を設け，
   空気室に外部から空気を供給して，複数本の給気短管を
   介して前記揚水筒内を間欠的に上昇する空気塊により，
   揚水筒内の水を上昇させると共に，吸水口から水を吸入
   するようにしたアクアエアガンであって，複数本の前記
   各給気短管を相互に連通孔により連通連結したことを特
   徴とするアクアエアガン。