JP2601318Y2 - 芳香剤 - Google Patents
芳香剤Info
- Publication number
- JP2601318Y2 JP2601318Y2 JP1993072787U JP7278793U JP2601318Y2 JP 2601318 Y2 JP2601318 Y2 JP 2601318Y2 JP 1993072787 U JP1993072787 U JP 1993072787U JP 7278793 U JP7278793 U JP 7278793U JP 2601318 Y2 JP2601318 Y2 JP 2601318Y2
- Authority
- JP
- Japan
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- cover body
- fragrance
- outer cover
- inner cover
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は周囲温度の変化に伴って
揮散量が自動的に変化する芳香剤に関し、更に詳しくは
温度が上昇すると揮散量が減少する芳香剤に関する。
揮散量が自動的に変化する芳香剤に関し、更に詳しくは
温度が上昇すると揮散量が減少する芳香剤に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】現在、室内や自動車内の
悪臭をマスキングしたり芳香を楽しむための商品すなわ
ち芳香剤が広く普及しており、これら芳香剤は生活に潤
いを与えるという意味でその必要性は年々増している。
しかし、現在市販されている芳香剤には種々の問題があ
り決して満足のできるものではない。そして種々の問題
のうち重要なものとして、環境温度によって揮散量が異
なり、そのため常に一定の強さの香りを得ることが困難
である等が挙げられる。特に、自動車内においては夏と
冬との温度差あるいは昼と夜との温度差が大きいため芳
香液の揮散量が大きく異なる。そのため夏の昼などは必
要以上に香りが強く成り過ぎて車内にいられないという
事がよくあった。
悪臭をマスキングしたり芳香を楽しむための商品すなわ
ち芳香剤が広く普及しており、これら芳香剤は生活に潤
いを与えるという意味でその必要性は年々増している。
しかし、現在市販されている芳香剤には種々の問題があ
り決して満足のできるものではない。そして種々の問題
のうち重要なものとして、環境温度によって揮散量が異
なり、そのため常に一定の強さの香りを得ることが困難
である等が挙げられる。特に、自動車内においては夏と
冬との温度差あるいは昼と夜との温度差が大きいため芳
香液の揮散量が大きく異なる。そのため夏の昼などは必
要以上に香りが強く成り過ぎて車内にいられないという
事がよくあった。
【0003】この問題を解決するために、容器の口部に
揮散窓を有する内カバー体と外カバー体を二重に被冠
し、固定している内カバー体に対して外カバー体を回動
させることによってそれぞれの揮散窓を合致させたりあ
るいはずらしたりして開口面積を調節するタイプの芳香
剤が市販されている。また揮散窓を有するカバー体の内
側に揮散窓を有する平板状のスライド板を設け、該スラ
イド板の端部に形状記憶合金やバイメタル等の温度の変
化によって形状が変化する部材を接続しておき、該部材
が変形することによってスライド板が水平面上にスライ
ドしてそれぞれの揮散窓を合致させたりあるいはずらし
たりして開口面積を自動的に調節するタイプの芳香剤に
関しては実願昭58−40551にて公知である。
揮散窓を有する内カバー体と外カバー体を二重に被冠
し、固定している内カバー体に対して外カバー体を回動
させることによってそれぞれの揮散窓を合致させたりあ
るいはずらしたりして開口面積を調節するタイプの芳香
剤が市販されている。また揮散窓を有するカバー体の内
側に揮散窓を有する平板状のスライド板を設け、該スラ
イド板の端部に形状記憶合金やバイメタル等の温度の変
化によって形状が変化する部材を接続しておき、該部材
が変形することによってスライド板が水平面上にスライ
ドしてそれぞれの揮散窓を合致させたりあるいはずらし
たりして開口面積を自動的に調節するタイプの芳香剤に
関しては実願昭58−40551にて公知である。
【0004】しかし、前記第1の芳香剤においては手動
で調節しなければならないので手間がかかり、また、適
正な香りの強さに調節できず弱く成り過ぎたり強くなり
すぎたりしてしまうという問題があった。また、前記第
2の芳香剤においては自動的に調節できるので操作の手
間は省けるが、形状記憶合金やバイメタルを使用すると
いう機械的構造を有するので、故障して作動しなくなる
という問題があった。また、部品数が多くなるため製造
が複雑になり、そのためどうしても高価なものになって
しまうという問題もあった。
で調節しなければならないので手間がかかり、また、適
正な香りの強さに調節できず弱く成り過ぎたり強くなり
すぎたりしてしまうという問題があった。また、前記第
2の芳香剤においては自動的に調節できるので操作の手
間は省けるが、形状記憶合金やバイメタルを使用すると
いう機械的構造を有するので、故障して作動しなくなる
という問題があった。また、部品数が多くなるため製造
が複雑になり、そのためどうしても高価なものになって
しまうという問題もあった。
【0005】本考案はこれらの問題点を解消するもので
あり、形状記憶合金やバイメタル等の特別な部材を使用
せずに自動的に揮散量を調節でき、また、外カバー体を
回動させる形式とは異なり、常に適正な強さの香りが得
られる芳香剤を提供することを目的とするものである。
あり、形状記憶合金やバイメタル等の特別な部材を使用
せずに自動的に揮散量を調節でき、また、外カバー体を
回動させる形式とは異なり、常に適正な強さの香りが得
られる芳香剤を提供することを目的とするものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】前記の問題点を解決す
るために本考案にあっては、温度が上昇すると凝集又は
ゲル化する性質を有する感熱性ポリマーが含有された芳
香液と、該芳香液が収納された容器と、該芳香液の吸い
上げ芯体と、該吸い上げ芯体が挿入されるための連通孔
を有し前記容器の口部に嵌合される栓部材と、揮散孔を
有し前記口部を被冠する吸熱性部材からなる内カバー体
および断熱性部材からなる外カバー体とを備えている。
るために本考案にあっては、温度が上昇すると凝集又は
ゲル化する性質を有する感熱性ポリマーが含有された芳
香液と、該芳香液が収納された容器と、該芳香液の吸い
上げ芯体と、該吸い上げ芯体が挿入されるための連通孔
を有し前記容器の口部に嵌合される栓部材と、揮散孔を
有し前記口部を被冠する吸熱性部材からなる内カバー体
および断熱性部材からなる外カバー体とを備えている。
【0007】
【作用】前記構成において、芳香剤が設置されている周
囲の温度が上昇すると吸熱性部材からなる内カバー体が
吸熱することによって温められ該内カバー体内に蓄熱さ
れる。そして、蓄えられた熱は容器の口部と内カバー体
とで形成される空所内に徐々に放熱される。その結果、
該空所内の空気が温められて温度が上昇することにな
る。また、この時内カバー体と外カバー体とで形成され
る空所内の温度も上昇することになるが、外カバー体が
断熱性部材からなっているので該空所内の温度低下は長
時間をかけて行われることになる。そして周囲の温度が
高温にある間は蓄熱、放熱が繰り返し行われる。従っ
て、外カバー体と内カバー体および容器の口部とで形成
される空所内の温度が上昇する。そのため、容器の口部
に嵌合している栓部材の連通孔に挿入されている芳香液
の吸い上げ芯体の内部に存在する感熱性ポリマーが凝集
又はゲル化して該吸い上げ芯体の毛細管が目詰まりされ
ることになる。そのためにその後の芳香液の吸い上げが
抑制されるため揮散量が減少するのである。又、周囲の
温度が下がると空所内の温度も下がるので感熱性ポリマ
ーの凝集が解かれるので吸い上げがスムーズに行われ揮
散量が増加することになる。
囲の温度が上昇すると吸熱性部材からなる内カバー体が
吸熱することによって温められ該内カバー体内に蓄熱さ
れる。そして、蓄えられた熱は容器の口部と内カバー体
とで形成される空所内に徐々に放熱される。その結果、
該空所内の空気が温められて温度が上昇することにな
る。また、この時内カバー体と外カバー体とで形成され
る空所内の温度も上昇することになるが、外カバー体が
断熱性部材からなっているので該空所内の温度低下は長
時間をかけて行われることになる。そして周囲の温度が
高温にある間は蓄熱、放熱が繰り返し行われる。従っ
て、外カバー体と内カバー体および容器の口部とで形成
される空所内の温度が上昇する。そのため、容器の口部
に嵌合している栓部材の連通孔に挿入されている芳香液
の吸い上げ芯体の内部に存在する感熱性ポリマーが凝集
又はゲル化して該吸い上げ芯体の毛細管が目詰まりされ
ることになる。そのためにその後の芳香液の吸い上げが
抑制されるため揮散量が減少するのである。又、周囲の
温度が下がると空所内の温度も下がるので感熱性ポリマ
ーの凝集が解かれるので吸い上げがスムーズに行われ揮
散量が増加することになる。
【0008】
【実施例】以下、本考案の一実施例について図にしたが
って説明する。すなわち、図1は本考案の一実施例を示
す分解斜視図であり、図2は全体斜視図、および図3は
断面図であり、第4図はカバー体の断面図であり、容器
(1)は容器本体(2)に周面に螺溝が設けられた筒状
の口部(3)が一体形成されており、前記容器本体
(2)の肩部には複数の断面コ字状の溝(4)が形成さ
れている。
って説明する。すなわち、図1は本考案の一実施例を示
す分解斜視図であり、図2は全体斜視図、および図3は
断面図であり、第4図はカバー体の断面図であり、容器
(1)は容器本体(2)に周面に螺溝が設けられた筒状
の口部(3)が一体形成されており、前記容器本体
(2)の肩部には複数の断面コ字状の溝(4)が形成さ
れている。
【0009】容器(1)には温度が上昇すると凝集する
性質を有する感熱性ポリマーが含有された芳香液(5)
が収納され、該容器(1)の口部(3)には栓部材
(6)が液密状に嵌合されている。また、該栓部材
(6)には嵌合された時に容器(1)の内部と外部とを
連通する連通孔(7)が設けられている。そして、該連
通孔(7)には芳香液(5)を吸い上げるための吸い上
げ芯体(8)が、その下端が容器(1)の内底壁に接す
るように挿入され、また、吸い上げ芯体(8)の上端部
は栓部材(6)から突出している。
性質を有する感熱性ポリマーが含有された芳香液(5)
が収納され、該容器(1)の口部(3)には栓部材
(6)が液密状に嵌合されている。また、該栓部材
(6)には嵌合された時に容器(1)の内部と外部とを
連通する連通孔(7)が設けられている。そして、該連
通孔(7)には芳香液(5)を吸い上げるための吸い上
げ芯体(8)が、その下端が容器(1)の内底壁に接す
るように挿入され、また、吸い上げ芯体(8)の上端部
は栓部材(6)から突出している。
【0010】内カバー体(9)は下方が開口された椀形
状を有しており内カバー体(9)の上壁(10)の中央
部が外方に向かって膨出することによって膨出部(1
1)が形成されている。また、内カバー体(9)の側壁
(12)から上壁(10)にかけて芳香液(5)の揮散
孔(13)が開穿されている。また、側壁(12)の互
いに対向する位置にそれぞれ凹陥部(14)が形成さ
れ、該凹陥部(14)の中央には略馬蹄形状の隆起部
(15)が形成されている。そして、該隆起部(15)
の下端には複数の凸状の張出部(16)が形成されてい
る。
状を有しており内カバー体(9)の上壁(10)の中央
部が外方に向かって膨出することによって膨出部(1
1)が形成されている。また、内カバー体(9)の側壁
(12)から上壁(10)にかけて芳香液(5)の揮散
孔(13)が開穿されている。また、側壁(12)の互
いに対向する位置にそれぞれ凹陥部(14)が形成さ
れ、該凹陥部(14)の中央には略馬蹄形状の隆起部
(15)が形成されている。そして、該隆起部(15)
の下端には複数の凸状の張出部(16)が形成されてい
る。
【0011】外カバー体(17)は内カバー体(9)と
同様に下方が開口された椀形状を有しており、外カバー
体(17)の上壁(18)の中央には前記内カバー体
(9)の膨出部(11)が合致される大きさを有する開
口部(19)が開穿されている。また、外カバー体(1
7)の側壁(20)から上壁(18)にかけて芳香液
(5)の揮散孔(21)が開穿されている。さらに、側
壁(20)の内面下端には前記溝(4)と係合するため
の複数の突起(22)が形成されている。また、側壁
(20)の互いに対向する位置に凹陥部(23)が設け
られており、該凹陥部(23)の中央には略馬蹄形状の
窓部(24)が形成されている。そして、凹陥部(2
3)の下方テーパ部には内面に、隆起部(15)の下端
に形成された凸状張出部(16)が係合される固定部
(25)が形成されている。
同様に下方が開口された椀形状を有しており、外カバー
体(17)の上壁(18)の中央には前記内カバー体
(9)の膨出部(11)が合致される大きさを有する開
口部(19)が開穿されている。また、外カバー体(1
7)の側壁(20)から上壁(18)にかけて芳香液
(5)の揮散孔(21)が開穿されている。さらに、側
壁(20)の内面下端には前記溝(4)と係合するため
の複数の突起(22)が形成されている。また、側壁
(20)の互いに対向する位置に凹陥部(23)が設け
られており、該凹陥部(23)の中央には略馬蹄形状の
窓部(24)が形成されている。そして、凹陥部(2
3)の下方テーパ部には内面に、隆起部(15)の下端
に形成された凸状張出部(16)が係合される固定部
(25)が形成されている。
【0012】内カバー体(9)と外カバー体(17)と
が隆起部(15)の下端に設けられた凸状張出部(1
6)が外カバー体(17)の側壁(20)の内面に設け
られた固定部(25)に係合されることによってカバー
体(26)が構成されている。又、内カバー体(9)の
側壁(12)に設けられた略馬蹄形状の隆起部(15)
が外カバー体(17)の側壁(20)に設けられた略馬
蹄形状の窓部(24)に合致するように嵌合されてい
る。さらに、内カバー体(9)の膨出部(11)が外カ
バー体(17)の上壁(18)に設けられた開口部(1
9)に合致するように嵌合されている。なお、このとき
外カバー体(17)の揮散孔(21)と内カバー体
(9)の揮散孔(13)が互いに対向して位置してい
る。
が隆起部(15)の下端に設けられた凸状張出部(1
6)が外カバー体(17)の側壁(20)の内面に設け
られた固定部(25)に係合されることによってカバー
体(26)が構成されている。又、内カバー体(9)の
側壁(12)に設けられた略馬蹄形状の隆起部(15)
が外カバー体(17)の側壁(20)に設けられた略馬
蹄形状の窓部(24)に合致するように嵌合されてい
る。さらに、内カバー体(9)の膨出部(11)が外カ
バー体(17)の上壁(18)に設けられた開口部(1
9)に合致するように嵌合されている。なお、このとき
外カバー体(17)の揮散孔(21)と内カバー体
(9)の揮散孔(13)が互いに対向して位置してい
る。
【0013】カバー体(27)は外カバー体(17)の
側壁(20)の内面下端に設けられた複数の突起(2
2)が容器本体(2)の溝(4)に係合することによっ
て容器(1)に固定されており、また外カバー体(1
7)と内カバー体(9)とで及び内カバー体(9)と容
器(1)の口部(3)とで空所(27)、(28)が形
成されている。
側壁(20)の内面下端に設けられた複数の突起(2
2)が容器本体(2)の溝(4)に係合することによっ
て容器(1)に固定されており、また外カバー体(1
7)と内カバー体(9)とで及び内カバー体(9)と容
器(1)の口部(3)とで空所(27)、(28)が形
成されている。
【0014】以上の構成に係る本実施例において、この
芳香剤を使用するに際しては、まずカバー体(26)を
容器(1)から取り外しから、容器(1)の口部(3)
に螺合されていて吸い上げ芯体(8)が挿入されている
孔を有するキャップ(図示せず)を取り外して、次に前
記口部(3)から突出している吸い上げ芯体(8)の該
突出部を閉塞している蓋体(図示せず)を除去する。そ
して、再びキャップを口部(3)に取り付け、室内や自
動車内等の任意の場所に設置する。
芳香剤を使用するに際しては、まずカバー体(26)を
容器(1)から取り外しから、容器(1)の口部(3)
に螺合されていて吸い上げ芯体(8)が挿入されている
孔を有するキャップ(図示せず)を取り外して、次に前
記口部(3)から突出している吸い上げ芯体(8)の該
突出部を閉塞している蓋体(図示せず)を除去する。そ
して、再びキャップを口部(3)に取り付け、室内や自
動車内等の任意の場所に設置する。
【0015】設置後は芳香液(5)の揮散が開始される
が、使用開始直後に比べて周囲の温度が上昇した場合に
は吸熱性部材からなる内カバー体(9)が吸熱すること
によって温められ該内カバー体(9)内に蓄熱される。
そして、蓄えられた熱は容器(1)の口部(3)と内カ
バー体(9)とで形成される空所(28)内に徐々に放
熱される。その結果、該空所(28)内の空気が温めら
れて温度が上昇することになる。また、この時内カバー
体(9)と外カバー体(17)とで形成される空所(2
7)内の温度も上昇することになるが、外カバー体(1
7)が断熱性部材からなっているので該空所(28)内
の温度低下は長時間をかけて行われることになる。そし
て周囲の温度が高温にある間は蓄熱、放熱が繰り返し行
われる。従って、外カバー体(17)と内カバー体
(9)および容器(1)の口部(3)とで形成される空
所(27)、(28)内の温度が上昇する。そのため、
容器(1)の口部(3)に嵌合している栓部材(6)の
連通孔(7)に挿入されている芳香液(5)の吸い上げ
芯体(8)の内部に存在する感熱性ポリマーが凝集又は
ゲル化して該吸い上げ芯体(8)の毛細管が目詰まりさ
れることになる。そのためにその後の芳香液(5)の吸
い上げが抑制されるため揮散量が減少するのである。
又、周囲の温度が下がると前記空所(27)、(28)
内の温度も下がるので感熱性ポリマーの凝集又はゲル化
が解かれるので吸い上げがスムーズに行われ揮散量が増
加することになる。
が、使用開始直後に比べて周囲の温度が上昇した場合に
は吸熱性部材からなる内カバー体(9)が吸熱すること
によって温められ該内カバー体(9)内に蓄熱される。
そして、蓄えられた熱は容器(1)の口部(3)と内カ
バー体(9)とで形成される空所(28)内に徐々に放
熱される。その結果、該空所(28)内の空気が温めら
れて温度が上昇することになる。また、この時内カバー
体(9)と外カバー体(17)とで形成される空所(2
7)内の温度も上昇することになるが、外カバー体(1
7)が断熱性部材からなっているので該空所(28)内
の温度低下は長時間をかけて行われることになる。そし
て周囲の温度が高温にある間は蓄熱、放熱が繰り返し行
われる。従って、外カバー体(17)と内カバー体
(9)および容器(1)の口部(3)とで形成される空
所(27)、(28)内の温度が上昇する。そのため、
容器(1)の口部(3)に嵌合している栓部材(6)の
連通孔(7)に挿入されている芳香液(5)の吸い上げ
芯体(8)の内部に存在する感熱性ポリマーが凝集又は
ゲル化して該吸い上げ芯体(8)の毛細管が目詰まりさ
れることになる。そのためにその後の芳香液(5)の吸
い上げが抑制されるため揮散量が減少するのである。
又、周囲の温度が下がると前記空所(27)、(28)
内の温度も下がるので感熱性ポリマーの凝集又はゲル化
が解かれるので吸い上げがスムーズに行われ揮散量が増
加することになる。
【0016】ここで、感熱性ポリマーとは、水に溶解し
た状態で加熱した場合、熱可逆的凝集もしくはゲル化を
起こす性質を有するポリマーであり、低温では親水性で
あるが高温ではその親水性が失われる(疏水性に変わ
る)ポリマーであり、具体的にはメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニル
アルコール部分酢化物、ポリエチレンアキシドまたはポ
リ−N−イソプロピルアクリルアミドから選べばよい
が、特にこれらに限定される必要はなく、前記した性質
を有するものであればよい。感熱性ポリマーはある一定
の温度に達すると凝集を開始し、温度の上昇につれて凝
集度は高まっていき、ついにそれ以上凝集が進行しない
状態にまで達することになる。そしてこの過程におい
て、感熱性ポリマーが含有された芳香液の揮散量は徐々
に減少する訳である。感熱性ポリマーの種類あるいは該
感熱性ポリマーと共に含有される他の薬剤、たとえばア
ルコールや界面活性剤等の種類を変えることによって、
凝集開始温度や凝集終了温度あるいは揮散量の減少度合
いを種々変化させることができる。
た状態で加熱した場合、熱可逆的凝集もしくはゲル化を
起こす性質を有するポリマーであり、低温では親水性で
あるが高温ではその親水性が失われる(疏水性に変わ
る)ポリマーであり、具体的にはメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニル
アルコール部分酢化物、ポリエチレンアキシドまたはポ
リ−N−イソプロピルアクリルアミドから選べばよい
が、特にこれらに限定される必要はなく、前記した性質
を有するものであればよい。感熱性ポリマーはある一定
の温度に達すると凝集を開始し、温度の上昇につれて凝
集度は高まっていき、ついにそれ以上凝集が進行しない
状態にまで達することになる。そしてこの過程におい
て、感熱性ポリマーが含有された芳香液の揮散量は徐々
に減少する訳である。感熱性ポリマーの種類あるいは該
感熱性ポリマーと共に含有される他の薬剤、たとえばア
ルコールや界面活性剤等の種類を変えることによって、
凝集開始温度や凝集終了温度あるいは揮散量の減少度合
いを種々変化させることができる。
【0017】内カバー体を吸熱性部材で構成するために
は、たとえばアルミニウム等の吸熱効果のある金属粉を
混合した合成樹脂によって成形してもよいし、または合
成樹脂にて成形した後に内カバー体の表面に前記の金属
粉を塗装あるいはコーティングしてもよいし、あるいは
金属箔を貼り付けてもよい。さらに、前記の金属で鋳物
成形してもよい。要するに吸熱効果があれば他の材質の
ものでも代用できるものである。
は、たとえばアルミニウム等の吸熱効果のある金属粉を
混合した合成樹脂によって成形してもよいし、または合
成樹脂にて成形した後に内カバー体の表面に前記の金属
粉を塗装あるいはコーティングしてもよいし、あるいは
金属箔を貼り付けてもよい。さらに、前記の金属で鋳物
成形してもよい。要するに吸熱効果があれば他の材質の
ものでも代用できるものである。
【0018】また、外カバー体を断熱性部材で構成する
ためには、黒色系の色素を混合した合成樹脂によって成
形してもよいし、合成樹脂にて成形した後に外カバー体
の表面に前記の黒色系の色素をコーティングしてもよい
し、あるいは黒色系のフィルムを貼り付けてもよい。要
するに断熱効果があれば他の材質のものでも代用できる
ものである。
ためには、黒色系の色素を混合した合成樹脂によって成
形してもよいし、合成樹脂にて成形した後に外カバー体
の表面に前記の黒色系の色素をコーティングしてもよい
し、あるいは黒色系のフィルムを貼り付けてもよい。要
するに断熱効果があれば他の材質のものでも代用できる
ものである。
【0019】
【効果】以上説明したように本考案は、温度が上昇する
と凝集またはゲル化する性質を有する感熱性ポリマーが
含有された芳香液と、該芳香液が収納された容器と、該
芳香液の吸い上げ芯体と、該吸い上げ芯体が挿入される
ための連通孔を有し前記容器の口部に嵌合される栓部材
と、揮散孔を有し前記口部を被冠する吸熱性部材からな
る内カバー体および断熱性部材からなる外カバー体とを
備えているので、従来の揮散量が調節できる芳香剤容器
に比べて構成が全く異なるものである。すなわち、従来
の手動式の芳香剤容器のように、外カバー体を内カバー
体に対して回動させ互いの揮散窓を合致あるいはずらす
ことによって揮散量を調節するタイプのものに比べて、
調節の手間がかからず、また、適正に揮散量を調節出来
るという効果を有する。 また、形状記憶合金やバイメ
タル等の特殊な機械的部品を使用していないので、装置
の故障により調節機構が作動しなくなるということもな
く、また、部品点数も少なくて済むので安価であり製造
も簡単であるという効果を有する。
と凝集またはゲル化する性質を有する感熱性ポリマーが
含有された芳香液と、該芳香液が収納された容器と、該
芳香液の吸い上げ芯体と、該吸い上げ芯体が挿入される
ための連通孔を有し前記容器の口部に嵌合される栓部材
と、揮散孔を有し前記口部を被冠する吸熱性部材からな
る内カバー体および断熱性部材からなる外カバー体とを
備えているので、従来の揮散量が調節できる芳香剤容器
に比べて構成が全く異なるものである。すなわち、従来
の手動式の芳香剤容器のように、外カバー体を内カバー
体に対して回動させ互いの揮散窓を合致あるいはずらす
ことによって揮散量を調節するタイプのものに比べて、
調節の手間がかからず、また、適正に揮散量を調節出来
るという効果を有する。 また、形状記憶合金やバイメ
タル等の特殊な機械的部品を使用していないので、装置
の故障により調節機構が作動しなくなるということもな
く、また、部品点数も少なくて済むので安価であり製造
も簡単であるという効果を有する。
【図1】本考案の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】本考案の実施例を示す全体斜視図である。
【図3】本考案の実施例を示す断面図である。
【図4】本考案のカバー体の断面図である。
1 容器 2 容器本体 3 口部 4 溝 5 芳香液 6 栓部材 7 連通孔 8 吸い上げ芯体 9 内カバー体 10、18 上壁 11 膨出部 12、20 側壁 13、21 揮散孔 14、23 凹陥部 15 隆起部 16 張り出し部 17 外カバー体 19 開口部 22 突起 24 窓部 25 固定部 26 カバー体 27、28 空所
Claims (5)
- 【請求項1】 温度が上昇すると凝集又はゲル化する性
質を有する感熱性ポリマーが含有された芳香液と、該芳
香液が収納された容器と、芳香液の吸い上げ芯体と、該
吸い上げ芯体が挿入されるための連通孔を有し前記容器
の口部に嵌合される栓部材と、揮散孔を有し前記口部を
被冠する吸熱性部材からなる内カバー体および断熱性部
材からなる外カバー体とを備えたことを特徴とする芳香
剤。 - 【請求項2】 内カバー体の上壁もしくは側壁の少なく
とも一部が外方へ膨出して膨出部が形成され、該膨出部
が外カバー体の上壁もしくは側壁に設けられた開口部に
嵌合されることによって内カバー体と外カバー体とが一
体的に構成されていることを特徴とする請求項第1項記
載の芳香剤。 - 【請求項3】 内カバー体がアルミニウムを混合した合
成樹脂によって成形されたものであることを特徴とする
請求項第1項または第2項記載の芳香剤。 - 【請求項4】 外カバー体が黒色系の色素を混合した合
成樹脂によって成形されたものであることを特徴とする
請求項第1項ないし第3項のいずれかの項記載の芳香
剤。 - 【請求項5】 感熱性ポリマーが、メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニ
ルアルコール部分酢化物、ポリエチレンオキシドまたは
ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドから選ばれたも
のであることを特徴とする請求項第1項ないし第4項の
いずれかの項記載の芳香剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993072787U JP2601318Y2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 芳香剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993072787U JP2601318Y2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 芳香剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0737191U JPH0737191U (ja) | 1995-07-11 |
JP2601318Y2 true JP2601318Y2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=13499456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993072787U Expired - Lifetime JP2601318Y2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 芳香剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2601318Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101223536B1 (ko) * | 2005-11-10 | 2013-01-23 | 주식회사 엘지생활건강 | 수성겔 방향제 조성물 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2003209782A1 (en) * | 2003-03-12 | 2004-09-30 | Zobele Espana, S.A. | Electrical device for the release of active substances |
JP5182898B2 (ja) * | 2010-03-10 | 2013-04-17 | 東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 | 加熱蒸散器 |
-
1993
- 1993-12-17 JP JP1993072787U patent/JP2601318Y2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR101223536B1 (ko) * | 2005-11-10 | 2013-01-23 | 주식회사 엘지생활건강 | 수성겔 방향제 조성물 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0737191U (ja) | 1995-07-11 |
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