JPH044541Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は香料、殺虫液等の薬液を加熱して蒸散
させる加熱蒸散装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種の加熱蒸散装置としては実開昭58
−45670号公報に記載されているように底蓋にボ
トルを載せ有蓋無底筒型の本体の無底側から底蓋
を嵌装する構造のものがあつたし、また実公昭44
−8361号公報に記載されているようにボトルを有
蓋無底筒型の本体の無底側から差し込みボトルの
口部をねじ込み本体に装着する構造のものがあつ
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕 実開昭58−45670号公報に記載された加熱蒸散
装置は、吸液芯を有するボトルは底蓋に載せら
れ、この底蓋を本体に嵌装するので本体に設けら
れた発熱体と吸液芯の関係は２段階の装着部分に
より固定されており、１段階に比べ発熱体と吸液
芯は正確に固定できにくい。このために吸液芯が
斜めに発熱体に対し固定されて薬液の蒸散が不良
になつたり、発熱体に接して吸液芯が高温になり
樹脂化が促進され目詰まりが発生し易いなどの問
題点があつた。

また、実公昭44−8361号公報は記載の加熱蒸散
装置は、底からボトルを差し込むため芯上部が内
部に入つたとき嵌挿部分が見えにくくなり芯上部
が内壁にぶつかることが多く破損し易く良好な蒸
散が得られず、またボトルの装着が難しいもので
ある。

〔考案の目的〕

本考案は上記の事情に鑑みなされたものでその
目的とするところは、吸液芯１６を具備するボト
ル３の装置本体１への出し入れが略水平方向から
行なうことができて簡便なものになるし、またボ
トルセツト時に吸液芯１６が発熱体８及び装置本
体１に干渉することがなく、この吸液芯１６の破
損を防止することができ更にはボトル３、発熱体
等に対し良好にセツトした状態に保つことができ
る加熱蒸散装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

上記の目的を達成するために本考案は、ボトル
３の薬液中に一部を浸漬した吸液芯１６を加熱す
ることにより吸液された薬液を蒸散させる加熱蒸
散装置において、装置本体１に前記ボトル３を略
水平方向から出し入れできるボトル挿入部４を設
け、このボトル挿入部４の上側部に発熱体８を設
け、この発熱体８に、前記ボトル３の吸液芯１６
を略水平方向から出し入れできる平面略Ｕ字形状
の吸液芯挿入部９を形成した構成にしてある。

そして、吸液芯１６を具備するボトル３の装置
本体１への出し入れを略水平方向から行うように
した。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図乃至第６図に本考案の一実施例に係る
加熱蒸散装置を示す。

第１図乃至第５図中１は装置本体であり、この
装置本体１の前面部２にはボトル３の形状に合わ
せた凹部より成るボトル挿入部４が形成してあ
る。このボトル挿入部４の上部にある装置本体１
の天井部５は前方に突出していて半円形状のひさ
し部６を形成している。そして、この天井部５に
はボトル挿入部４の真上に位置させる蒸散孔７が
形成してある。

このボトル挿入部４の上側部には発熱体８が前
方に突出させて設けてある。この発熱体８は平面
略Ｕ字形状を成していて、このＵ字溝部分が吸液
芯挿入部９になされている。また発熱体８は通電
により発熱するものであつて電源コード１０に接
続されている。

前記装置本体１の前面部２の上側には、その左
側縁部をヒンジ部材（図示省略）を介して装置本
体１に取付けられた前部扉１１が設けてあり、こ
の前部扉１１の内面部の中央上側には遮蔽部１２
が設けてあり、この遮蔽部１２は、前記前部扉１
１を閉めたとき、前記発熱体８の吸液芯挿入部９
の入口９ａを遮蔽するものである。また前記前部
扉１１の右側縁部には掛止部１３が設けてあり、
この掛止部１３は前部扉１１の閉塞時装置本体１
の前面部２の掛止孔１４に挿入係止されるもので
ある。

前記ボトル３はタンク１５内に揮散薬液を入れ
てタンク１５の口部１５ａから上方に薬液の揮散
のための吸液芯１６を突出させたものである。

前記発熱体８はPTC、抵抗コイル、面状発熱
素等の発熱部材のいずれでもよい。

前記遮蔽部１２は必ずしも必要ないが遮蔽部１
２を設ける場合、この遮蔽部１２は熱伝導体とし
て発熱体８に密着するもの、熱反射板として幅射
熱を反射するもの、発熱体として発熱するものが
ある。

前記熱伝導体にはアルミニウム、真鍮、銅など
の熱伝導性の高い材質を用いるのが好ましい。

また熱反射板にはステンレス、クロムメツキ部
材、鏡など反射率の高いものが用いるのが好まし
い。

発熱体には上記した発熱体８と同様のものが用
いられる。

次に作動を説明する。

前記装置本体１のボトル挿入部４に前記ボトル
３を挿入する。この場合、ボトル３の吸液芯１６
を発熱体８の吸液芯挿入部９に挿入する。次に前
部扉１１を閉めて掛止部１３を掛止孔１４に掛止
めし、前記遮蔽部１２で吸液芯挿入部９の入口９
ａを閉塞する。

この状態で発熱体８に通電して発熱させ、吸液
芯１６を加熱し蒸散液を蒸散させて前記蒸散孔７
より大気に放出させる。

蒸散液は加熱により蒸散するものならば良く例
えば殺虫目的での殺虫液、芳香目的での芳香液等
である。

前記発熱体８における吸液芯挿入部９の形状は
平面略Ｕ字形状であればよく、第７図、第１０
図、第１１図に示す類似Ｕ字形状、コ字形状を含
むものである。

また前記遮蔽部１２の平面形状は第７図乃至第
１１図に示すように前記吸液芯挿入部９の入口９
ａの形状に合つたものであればよい。

また前記前部扉１１は上記した側方拡開形のも
のに限らず第１２図に示すように左右方向に移動
できるようにしたものでもよい。この前部扉１１
の横引き構造の詳細な実施例を第１３図に示す。

すなわち、第１３図において装置本体１の天井
部５のひさし部６の下面には左右方向に沿うガイ
ド溝１７とストツパ受部１７ａとが形成してあ
り、また装置本体１の前面部２には左右方向に沿
う水平なガイド１８が設けてある。また前部扉１
１の上縁部には扉側ガイド１９とストツパ２１と
が形成してあり、前部扉１１の内面部には左右方
向に沿うガイド溝２０が形成してある。そして、
扉側ガイド１９を前記ガイド溝１７に、ガイド溝
２０を前記ガイド１８にそれぞれ摺動自在に挿
入、嵌合して前記前部扉１１が装置本体１に設け
てある。

そして、前部扉１１を第１３図において右側に
移動させることによりストツパ２１をストツパ受
部１７ａに挿入し前部扉１１を閉じるものであ
る。

また前記前部扉１１は第１４図に示すように上
下方向に移動させるものでも、また第１５図に示
すように前部扉１１の上縁部をヒンジを介して装
置本体１の前部２の上縁部に連結し、前部扉１１
を上方に拡開するものでもよいしまた図示しない
が前部扉１１が装置本体１から完全に分離し、嵌
着できるものでもよい。

第１６図に本考案の他の実施例を示す。この実
施例は装置本体１の前面部２にボトル挿入部４の
後半部４ａを形成し、前部扉１１の内面にボトル
挿入部４の前半部４ｂを形成し、前、後半部４
ｂ，４ａの上端部分で蒸散孔７を形成し、装置本
体１にボトル受部２２を設けたものであり、ボト
ル挿入部４の後半部４ａの上部には発熱体８が設
けてあり、またボトル挿入部４の前半部４ｂの上
部には遮蔽部１２が設けてあり、前半部４ｂの下
部には窓２３が設けてある。

この場合、前記ボトル挿入部４の後半部４ａに
ボトル３を挿入すると共に吸液芯１６を発熱体８
の吸液芯挿入部９に挿入し前部扉１１を閉じるこ
とによりボトル挿入部４の前半部４ｂにボトル３
を挿入し、前記遮蔽部１２で発熱体８の入口８ａ
を閉塞する。

通電により発熱体８を発熱させて前記吸液芯１
６を加熱し、蒸散液を蒸散させて蒸散孔７より外
部に放出する。

なお、装置本体１には一般的な通気孔を任意に
設けてボトル３の冷却や蒸散した薬剤の熱上昇等
を促進するようにしてもよいし、スイツチ、ラン
プ、ヒユーズ等を設けるようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案に係る加熱蒸散装
置は、ボトル３の薬液中に一部を浸漬した吸液芯
１６を加熱することにより吸液された薬液を蒸散
させる加熱蒸散装置において、装置本体１に前記
ボトル３を略水平方向から出し入れできるボトル
挿入部４を設け、このボトル挿入部４の上側部に
発熱体８を設け、この発熱体８に、前記ボトル３
の吸液芯１６を略水平方向から出し入れできる平
面略Ｕ字形状の吸液芯挿入部９を形成したことを
特徴とするものである。

したがつて、吸液芯１６を具備するボトル３の
装置本体１への出し入れが略水平方向から行うこ
とができて簡便なものになるし、またボトルセツ
ト時に吸液芯１６が発熱体８及び装置本体１に干
渉することがなく、この吸液芯１６の破損を防止
することができる。

またボトル３は装置本体１のボトル挿入部４に
挿入されるためにボトル３を傾けたり回転したり
して位置がずれることがなく良好にセツトした状
態を保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の平面図、第２図は同
側面図、第３図は本考案一実施例において前部扉
を拡開した状態の側面図、第４図は第３図方向
からの矢視図、第５図は第３図方向からの矢視
図、第６図は発熱体の斜視図、第７図乃至第１１
図は発熱体と遮蔽部とのそれぞれ異なる形状説明
図、第１２図は本考案の他の実施例の斜視図、第
１３図は同正面図、第１４図乃至第１６図は本考
案のそれぞれ異なる他の実施例の斜視図である。 １は装置本体、３はボトル、４はボトル挿入
部、８は発熱体、９は吸液芯挿入部、１６は吸液
芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボトル３の薬液中に一部を浸漬した吸液芯１６
   を加熱することにより吸液された薬液を蒸散させ
   る加熱蒸散装置において、装置本体１に前記ボト
   ル３を略水平方向から出し入れできるボトル挿入
   部４を設け、このボトル挿入部４の上側部に発熱
   体８を設け、この発熱体８に、前記ボトル３の吸
   液芯１６を略水平方向から出し入れできる平面略
   Ｕ字形状の吸液芯挿入部９を形成したことを特徴
   とする加熱蒸散装置。