JP2601119Y2 - パイプカッタ - Google Patents

パイプカッタ

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JP2601119Y2
JP2601119Y2 JP1993032016U JP3201693U JP2601119Y2 JP 2601119 Y2 JP2601119 Y2 JP 2601119Y2 JP 1993032016 U JP1993032016 U JP 1993032016U JP 3201693 U JP3201693 U JP 3201693U JP 2601119 Y2 JP2601119 Y2 JP 2601119Y2
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智 小川
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はパイプカッタに係り、特
に、銅などの比較的軟質のパイプを良好に切断できるパ
イプカッタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】(a)本体ハウジングと、(b)その本
体ハウジングに配設されて一中心線まわりに回転駆動さ
れる回転部材と、(c)前記一中心線と略同心に配置さ
れたパイプの外周面に互いに反対側から接触させられる
ように前記回転部材に配設されたローラ刃および受けロ
ーラとを備え、そのローラ刃と受けローラとの間で前記
パイプを挟圧しつつ前記回転部材を回転駆動してパイプ
を切断するパイプカッタが知られている。特開昭61−
121813号公報に記載されているパイプカッタはそ
の一例であり、カム機構により回転部材の一回転毎にロ
ーラ刃を所定量ずつ送り込み、パイプに対して切り込ま
せるようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のパイプカッタは、ローラ刃がカム機構により強制
的に送り込まれるため、銅や銅合金,アルミニウム,薄
肉ステンレス鋼などから成る比較的軟質のパイプを切断
する場合には、ローラ刃の押圧でパイプが変形してしま
うことがあった。また、ローラ刃を送り込むためのカム
機構は複雑で部品点数が多いため、重量が重いとともに
高価になるという別の問題も含んでいた。
【0004】本考案は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、銅などの比較的軟質
のパイプを良好に切断できる軽量且つ安価なパイプカッ
タを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本考案は、前記(a)本体ハウジングと、(b)
回転部材と、(c)ローラ刃および受けローラとを備
え、そのローラ刃と受けローラとの間で前記パイプを挟
圧しつつ前記回転部材を回転駆動してパイプを切断する
パイプカッタにおいて、(d)前記ローラ刃と前記一中
心線とを結ぶ直線と平行なシフト方向の移動可能に前記
回転部材に配設されるとともに軸心まわりに回転操作さ
れるシフトロッドと、(e)前記シフト方向の移動可能
に前記回転部材に配設され、前記ローラ刃および受けロ
ーラの一方の部材を保持している保持部材と、(f)前
記シフト方向の移動可能且つ軸心まわりの回転不能に配
設されて前記シフトロッドに螺合され、そのシフトロッ
ドが回転操作されることにより螺合位置がシフト方向へ
移動させられるとともに、前記保持部材と係合させられ
て前記一方の部材が前記一中心線に接近する押圧側への
保持部材の移動を阻止するストッパ部材と、(g)その
ストッパ部材と前記保持部材との間に配設されて保持部
材を前記押圧側へ付勢し、保持部材をストッパ部材と係
合する押圧側の移動端に保持するばね部材と、(h)前
記シフトロッドを、前記ばね部材の作用によりシフトロ
ッドと一体的に移動する前記保持部材が保持している前
記一方の部材が前記パイプから離間する退避位置と、一
方の部材がパイプと係合することによりストッパ部材の
保持部材に対する移動量に対応して保持部材が前記ばね
部材の付勢力に抗して前記押圧側の移動端から離間し、
ばね部材の付勢力に従って一方の部材をパイプに押圧す
る押圧位置とへ移動させるシフト操作部材とを含み、
(i)前記パイプを前記一中心線と略同心に配置し、シ
フト操作部材により前記シフトロッドを前記押圧位置に
位置させた状態でそのシフトロッドを回転操作して、前
記ローラ刃と受けローラとの間で前記パイプを挟圧する
まで前記ストッパ部材の螺合位置を移動させた後、前記
シフト操作部材により前記シフトロッドを前記退避位置
に位置させた状態で前記シフトロッドを回転操作して、
前記ストッパ部材の螺合位置を送込み量に相当する前記
移動量だけ移動させることにより、前記ストッパ部材の
前記シフトロッドに対する螺合位置を調節するようにし
ことを特徴とする。
【0006】
【作用および考案の効果】このようなパイプカッタにお
いては、シフト操作部材によりシフトロッドを退避位置
に位置させた状態で切断すべきパイプを一中心線と略同
心に配置し、その状態でシフト操作部材によりシフトロ
ッドを押圧位置へ移動させれば、保持部材が保持してい
るローラ刃および受けローラの一方の部材がパイプと係
合させられて、ストッパ部材の保持部材に対する移動量
に対応してその保持部材がばね部材の付勢力に抗して押
圧側の移動端から離間させられるとともに、そのばね部
材の付勢力に従って一方の部材がパイプに押圧される。
一方の部材がローラ刃の場合には、そのローラ刃がパイ
プに押圧され、パイプは上記ばね部材の付勢力に従って
そのローラ刃と受けローラとの間で挟圧される。また、
一方の部材が受けローラの場合には、その受けローラが
パイプに押圧され、パイプは上記ばね部材の付勢力に従
ってその受けローラとローラ刃との間で挟圧される。そ
して、その状態で回転部材を回転駆動すれば、ローラ刃
はパイプの外周を転動しつつ上記ばね部材の付勢力に従
って保持部材がストッパ部材と係合する押圧側の移動端
に移動するまで外周面に切り込み、そのパイプを切断す
る。したがって、カム機構を用いてローラ刃を強制的に
送り込む従来装置に比較して、銅などの比較的軟質のパ
イプに対しても、それを変形させることなく良好に切断
できるようになる。また、カム機構に比較して部品点数
を少なくでき、装置を軽量且つ安価に構成できる。
た、シフト操作部材によりシフトロッドを退避位置へ移
動してパイプをセットし、その後シフトロッドを押圧位
置へ移動して回転部材を回転駆動するだけでパイプを切
断できるので、切断作業を容易且つ迅速に行うことがで
きる。 一方、シフトロッドが回転操作されることによっ
てストッパ部材の螺合位置がシフト方向へ移動させら
れ、それに伴って保持部材もシフト方向へ移動させられ
るため、切断すべきパイプの直径寸法や肉厚寸法に応じ
てストッパ部材の螺合位置を調整することにより、直径
寸法が異なるパイプに対しても所定の押圧力で一方の部
材をパイプに押圧して、常に良好な切断加工を行うこと
ができる。
【0007】ここで、前記保持部材には前記シフト方向
にアジャスタナットが螺合され、そのアジャスタナット
と前記ストッパ部材との間に前記ばね部材が介在させら
れていることが望ましい。すなわち、一方の部材のパイ
プに対する押圧力は、保持部材に対するアジャスタナッ
トの螺合位置によって異なり、この螺合位置を切断すべ
きパイプの材質に応じて調整できるのである。
【0008】
【0009】
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本考案の一実施例であるパイプ
カッタ10の一部を切り欠いた正面図で、図2は平面
図、図3は図1の III− III断面を示す図である。図3
において、本体ハウジング12には電動ドライバ14が
着脱可能に取り付けられるようになっており、電動ドラ
イバ14から入力軸16に伝達された回転力は、傘歯車
18,20,クラッチシャフト22,一方向クラッチ2
4,歯車26,28を介してリング歯車30に伝達され
る。電動ドライバ14としては、バッテリパックなどの
電源を一体的に備えた携帯用のものが好適に用いられる
が、電源コードによってコンセントから電力供給を受け
るものでも良い。一方向クラッチ24は、歯車26が電
動ドライバ14によるクラッチシャフト22の回転方向
と逆方向へ相対回転することを阻止し、クラッチシャフ
ト22の回転方向と同じ方向へ相対回転することを許容
するもので、電動ドライバ14の停止時でも手動でリン
グ歯車30を回転させることができる。リング歯車30
は、本体ハウジング12およびその本体ハウジング12
に固設されるカバー32により、一中心線cまわりの回
転可能に保持されているとともに、カバー32を取り除
いた図6から明らかなように切欠34が設けられ、切断
すべきパイプ36(図1参照)を図の上方から内部に挿
入したり抜き出したりできるようになっている。本体ハ
ウジング12およびカバー32にも、切欠34と同様の
切欠38,40が設けられており、パイプ36を挿脱す
る際には、切欠34が切欠38,40と略一致するよう
に、必要に応じてリング歯車30を手で回せば良い。な
お、リング歯車30と噛み合う前記歯車28は、図6か
ら明らかなように切欠34の幅寸法よりも大きく離間し
て一対設けられており、切欠34の存在に拘らずリング
歯車30が連続回転させられるようになっている。
【0011】上記リング歯車30には板状の回転部材4
2が一体的に固設されており、その回転部材42にはロ
ーラホルダ44が図1の左右方向の移動可能に配設され
ている。ローラホルダ44は、回転部材42に固設され
たガイド46によって浮き上がりが防止されているとと
もに、図1のV−V断面を示す図5から明らかなよう
に、一対の受けローラ48を前記一中心線cと平行な軸
心まわりの回転可能に保持している。受けローラ48
は、図1において一中心線cを通る左右方向の直線を挟
んで対称位置に取り付けられており、ローラホルダ44
が図1の左方向へ移動させられた場合に、一中心線cと
略同心に配置されたパイプ36の外周面に略均等に接触
させられる。また、このローラホルダ44には、図1の
IV−IV断面を示す図4から明らかなように、回転部材4
2に固設されたブラケット50に軸方向の移動不能に取
り付けられているアジャスタボルト52が螺合されてお
り、アジャスタボルト52のノブ54が回転操作される
ことにより、ローラホルダ44は図1,図4の左右方向
へ移動させられる。ローラホルダ44の左右方向位置
は、一中心線cと略同心に配置されるパイプ36の外周
面に受けローラ48が接触するように、パイプ36の径
寸法に応じて調整される。
【0012】上記ローラホルダ44には、図4および図
5から明らかなように矩形の貫通孔56が形成されてお
り、その貫通孔56には、外形が矩形のカッタホルダ5
8が図4の左右方向の相対移動可能に嵌合されている。
カッタホルダ58は、図1において上方へ延び出すアー
ム60を一体に備えており、その先端部、すなわち一中
心線cを挟んで前記受けローラ48と反対側に位置する
部分には、その一中心線cと平行な軸心まわりの回転可
能にローラ刃62が取り付けられている。ローラホルダ
44には、アーム60が延び出す側の壁面に切欠63
(図2,図3参照)が形成されており、カッタホルダ5
8が図1,図4の左右方向へ移動することを許容するよ
うになっている。カッタホルダ58には、上記貫通孔5
6との嵌合部分に図4において右側に開口する有底穴6
4が形成されており、その開口部にはアジャスタナット
66が螺合されているとともに、有底穴64の底部68
には異形穴が形成されてナット70が回転不能に嵌合さ
れている。ナット70には、前記ブラケット50および
上記アジャスタナット66をそれぞれ軸方向の移動可能
且つ軸心まわりの回転可能に挿通させられたシフトロッ
ド72が螺合されており、そのシフトロッド72のノブ
74が回転操作されることにより、ナット70はシフト
ロッド72に対してその軸方向、すなわち図1,図4の
左右方向へ移動させられる。
【0013】上記ナット70はフランジ76を一体に備
えており、そのフランジ76とアジャスタナット66と
の間には圧縮コイルスプリング78が介在させられてい
る。この圧縮コイルスプリング78により、カッタホル
ダ58は図4の右方向、すなわちローラ刃62が一中心
線cに接近する押圧側へ付勢され、カッタホルダ58に
外力が作用しない場合には、図7の各図に示されている
ように底部68がフランジ76に当接する押圧側の移動
端に保持される。図4は、ローラ刃62がパイプ36と
係合させられることにより、カッタホルダ58が圧縮コ
イルスプリング78の付勢力に抗して相対的に押圧側の
移動端から寸法tだけ離間させられた状態、言い換えれ
ば、ローラ刃62が圧縮コイルスプリング78の付勢力
に従ってパイプ36の外周面に押圧されている状態であ
る。ローラ刃62のパイプ36に対する押圧力は、カッ
タホルダ58に対するアジャスタナット66の螺合位置
によって異なり、この螺合位置は切断すべきパイプ36
の材質に応じて調整される。
【0014】前記シフトロッド72のナット70から突
き出す先端部には、環状溝を有するシフトカラー80が
一体的に取り付けられており、そのシフトカラー80に
は、シフトヨーク82に立設された一対のシフトピン8
4が係合させられている。このシフトカラー80とシフ
トピン84との係合により、シフトロッド72の軸方向
すなわち図1,図4における左右方向の位置が規定され
る。シフトヨーク82は、回転部材42に固設されたヨ
ークブラケット86により、シフトロッド72と略直交
する軸心Oまわりの回動可能に保持されているととも
に、相対回転不能に取り付けられたレバー88により、
その軸心Oまわりに回動操作されるようになっている。
レバー88は、図2に実線で示す第1操作位置と一点鎖
線で示す第2操作位置との間を回動操作され、第1操作
位置では、図4に示されているように、シフトヨーク8
2はヨークブラケット86に一体に設けられたストッパ
90に当接させられ、シフトロッド72が右方向の押圧
位置に位置決めされる。また、第2操作位置では、図7
の(c)に示されているようにシフトロッド72は左方
向へ移動させられ、ノブ74がブラケット50に当接す
る退避位置に位置決めされる。
【0015】前記ナット70のシフトロッド72に対す
る螺合位置は、シフトロッド72が退避位置へ移動させ
られた時にはローラ刃62がパイプ36から離間し、シ
フトロッド72が押圧位置へ移動させられた時にはロー
ラ刃62がパイプ36と係合して、図4のようにカッタ
ホルダ58が押圧側の移動端から相対的に離間するよう
に、パイプ36の径寸法に応じて予め調整される。図4
のようにカッタホルダ58が押圧側の移動端から離間さ
せられると、圧縮コイルスプリング78の付勢力によ
り、シフトロッド72には左方向へ向かう力が加えられ
るが、シフトピン84はシフトヨーク82の軸心Oより
下方に位置させられているため、シフトヨーク82には
右まわりのモーメントが作用し、ストッパ90に当接す
る状態、言い換えればシフトロッド72を押圧位置に保
持する状態にロックされる。
【0016】上記カッタホルダ58,ナット70,シフ
トロッド72,圧縮コイルスプリング78,レバー88
は、それぞれ保持部材,ストッパ部材,シフト部材,ば
ね部材,シフト操作部材に相当し、それ等を含んで弾性
押圧手段が構成されている。また、シフトロッド72の
軸方向すなわち図1,図4の左右方向はシフト方向であ
る。
【0017】以上のように構成されたパイプカッタ10
を用いてパイプ36を切断する際には、先ず、パイプ3
6の直径寸法に応じてノブ54を回転操作し、パイプ3
6が一中心線cと略同心に配置された場合にその外周面
が受けローラ48と接触するように、ローラホルダ44
の位置調整を行う。パイプ36の直径に対応して、ノブ
54の回転位置やローラホルダ44の位置を指定する図
示しない目盛りが設けられている。また、カッタホルダ
58に螺合されているアジャスタナット66は、切断す
べきパイプ36の材質に応じてその螺合位置が調整さ
れ、例えば銅や銅合金等の軟質材を切断加工する場合に
は、ねじ込み量が少なくされる。
【0018】また、ノブ74を回転操作し、ナット70
のシフトロッド72に対する螺合位置を、パイプ36の
直径寸法や肉厚寸法に応じて調整する。この調整は、例
えば、図7の(a)に示すようにナット70をシフトカ
ラー80に当接する前端位置まで移動させ、その状態で
一旦レバー88を第2操作位置へ回してパイプ36を挿
入し、レバー88を第1操作位置へ戻す。ナット70が
前端位置に保持されている状態では、ローラ刃62は一
中心線cから最も離間させられるため、レバー88を第
1操作位置へ戻してシフトロッド72を押圧位置へ移動
しても、パイプ36がローラ刃62と受けローラ48と
の間で挟圧されることはない。そして、その状態でナッ
ト70が上記前端位置から後退するように、言い換えれ
ば図7の右方向へ移動するようにノブ74を回転操作
し、ローラ刃62が受けローラ48との間でパイプ36
を挟圧する位置で停止する。ローラ刃62を保持してい
るカッタホルダ58は、圧縮コイルスプリング78の付
勢力に従って底部68がフランジ76に当接する押圧側
の移動端に保持されているため、上記ナット70と一体
的に図7の右方向へ移動させられる。また、ローラ刃6
2が受けローラ48との間でパイプ36を挟圧するよう
になると、カッタホルダ58のそれ以上の移動が阻止さ
れるため、ナット70をそれ以上後退させるためには圧
縮コイルスプリング78の付勢力に抗して移動させる必
要があり、ノブ74の回転抵抗が急増する。このため、
その回転抵抗の変化から挟圧状態を認識できる。図7の
(b)は、ローラ刃62が受けローラ48との間でパイ
プ36を挟圧する位置までナット70が移動させられた
状態を示す図である。
【0019】その後、レバー88を第2操作位置へ回し
てシフトロッド72を退避位置へ移動させると、それに
伴ってカッタホルダ58も図7の左方向へ移動するた
め、ローラ刃62がパイプ36から離間する。その状態
でノブ74を回転操作し、パイプ36の肉厚に所定の余
裕量を加えた送込み寸法(切込み寸法)tだけナット7
0を後退させる。ノブ74の回転量に対するナット70
の移動量は、本体ハウジング12に貼付されたラベルや
使用説明書などに記載されており、送込み寸法tに対応
する回転量、例えば1〜2回転程度だけノブ74を回転
操作すれば良い。また、シフトロッド72のシフト量、
すなわち退避位置と押圧位置との間の移動ストローク
は、切断可能なパイプ36の最大肉厚寸法に上記所定の
余裕量を加えた寸法より大きい値に定められており、ナ
ット70の後退に伴ってカッタホルダ58が移動して
も、ローラ刃62がパイプ36と係合することはない。
図7の(c)はこの状態であり、その後レバー88を第
1操作位置へ戻してシフトロッド72を押圧位置へ戻す
と、途中でローラ刃62がパイプ36と係合させられ、
図4のようにシフトロッド72に対して相対的にカッタ
ホルダ58が押圧側の移動端から上記送込み寸法tだけ
離間させられるとともに、圧縮コイルスプリング78の
付勢力に従ってローラ刃62がパイプ36に押圧され
る。
【0020】これにより各部の調整作業は終了し、この
状態で電動ドライバ14によって回転部材42を回転駆
動すると、ローラ刃62はパイプ36の外周を転動しつ
つ圧縮コイルスプリング78の付勢力に従って徐々にそ
の外周面に切り込み、最終的にパイプ36を切断する。
この時、パイプ36が軸心まわりの回転自在の場合に
は、パイプ36が連れ回りしないように手で把持した
り、所定の回止め治具で回転を阻止しておく必要があ
る。また、同じ寸法のパイプ36を繰り返し切断する場
合には、2本目からは上述した調整作業は不要であり、
レバー88を第2操作位置へ回してパイプ36を交換し
た後、レバー88を第1操作位置へ戻して回転部材42
を回転駆動すれば良い。
【0021】ここで、かかる本実施例のパイプカッタ1
0によれば、圧縮コイルスプリング78の付勢力に従っ
てローラ刃62をパイプ36の外周面に押圧して切断す
るようになっているため、従来のようにカム機構を用い
てローラ刃62を強制的に送り込む場合に比較して、銅
や銅合金,アルミニウム、薄肉ステンレス鋼などから成
る比較的軟質のパイプに対しても、それを変形させるこ
となく良好に切断できるとともに、部品点数が少なくな
って装置が軽量且つ安価に構成される。なお、鉄等の硬
質パイプの切断にも、本実施例のパイプカッタ10は利
用され得る。
【0022】また、本実施例のパイプカッタ10は、レ
バー88を第2操作位置へ回してパイプ36をセットし
た後、レバー88を第1操作位置へ戻して回転部材42
を回転駆動するだけでパイプ36を切断できるため、切
断作業を容易且つ迅速に行うことができる。更に、本実
施例ではノブ74を回転操作することにより、パイプ3
6の直径寸法に応じてナット70、更にはカッタホルダ
58の位置を調整できるため、直径寸法が異なるパイプ
36に対してもローラ刃62を所定の押圧力でパイプ3
6に押圧して、常に良好な切断加工を行うことができ
る。
【0023】以上、本考案の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本考案は他の態様で実施することも
できる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】また、前記実施例では圧縮コイルスプリン
グ78の付勢力に従ってローラ刃62をパイプ36に押
圧するようになっていたが、受けローラ48を弾性体の
復元力によってパイプ36に押圧し、ローラ刃62との
間でパイプ36を挟圧するようにしても良い。
【0028】また、前記実施例ではパイプ36の材質に
応じてアジャスタナット66の位置を調整できるように
なっていたが、この位置調整機能は必ずしも請求項1に
記載の考案の必須要件ではない。
【0029】また、前記実施例では着脱可能な電動ドラ
イバ14によって回転部材42が回転駆動されるように
なっていたが、回転部材42を回転駆動する電動モータ
を本体ハウジングに一体的に組み込むことも可能であ
る。作業者のハンドル操作などで回転部材42を回転駆
動するようにしても良い。
【0030】また、前記実施例では弾性体として圧縮コ
イルスプリング78が用いられていたが、皿ばね等の他
のばね部材やゴム製ブロックなどを弾性体として採用す
ることも可能である。
【0031】その他一々例示はしないが、本考案は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるパイプカッタの一部を
切り欠いた正面図である。
【図2】図1のパイプカッタの平面図である。
【図3】図1における III− III断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1におけるV−V断面図である。
【図6】図1のパイプカッタのカバーより手前側の部材
を取り除いた正面図である。
【図7】図1のパイプカッタにおいてパイプの直径や肉
厚寸法に応じてナット位置を調整する工程を説明する図
である。
【符号の説明】
10:パイプカッタ 12:本体ハウジング 36:パイプ 42:回転部材 48:受けローラ 58:カッタホルダ(保持部材) 62:ローラ刃66:アジャスタナット 70:ナット(ストッパ部材) 72:シフトロッ 78:圧縮コイルスプリング(ばね部材) 88:レバー(シフト操作部材)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体ハウジングと、該本体ハウジングに配
    設されて一中心線まわりに回転駆動される回転部材と、
    前記一中心線と略同心に配置されたパイプの外周面に互
    いに反対側から接触させられるように前記回転部材に配
    設されたローラ刃および受けローラとを備え、該ローラ
    刃と受けローラとの間で前記パイプを挟圧しつつ前記回
    転部材を回転駆動して該パイプを切断するパイプカッタ
    において、 前記ローラ刃と前記一中心線とを結ぶ直線と平行なシフ
    ト方向の移動可能に前記回転部材に配設されるとともに
    軸心まわりに回転操作されるシフトロッドと、 前記シフト方向の移動可能に前記回転部材に配設され、
    前記ローラ刃および受けローラの一方の部材を保持して
    いる保持部材と、 前記シフト方向の移動可能且つ軸心まわりの回転不能に
    配設されて前記シフトロッドに螺合され、該シフトロッ
    ドが回転操作されることにより螺合位置が該シフト方向
    へ移動させられるとともに、前記保持部材と係合させら
    れて前記一方の部材が前記一中心線に接近する押圧側へ
    の該保持部材の移動を阻止するストッパ部材と、 該ストッパ部材と前記保持部材との間に配設されて該保
    持部材を前記押圧側へ付勢し、該保持部材を該ストッパ
    部材と係合する押圧側の移動端に保持するばね部材と、 前記シフトロッドを、前記ばね部材の作用により該シフ
    トロッドと一体的に移動する前記保持部材が保持してい
    る前記一方の部材が前記パイプから離間する退避位置
    と、該一方の部材が該パイプと係合することにより該ス
    トッパ部材の該保持部材に対する移動量に対応して該保
    持部材が前記ばね部材の付勢力に抗して前記押圧側の移
    動端から離間し、該ばね部材の付勢力に従って該一方の
    部材を該パイプに押圧する押圧位置とへ移動させるシフ
    ト操作部材とを含み、 前記パイプを前記一中心線と略同心に配置し、該シフト
    操作部材により前記シフトロッドを前記押圧位置に位置
    させた状態で該シフトロッドを回転操作して、前記ロー
    ラ刃と受けローラとの間で前記パイプを挟圧するまで前
    記ストッパ部材の螺合位置を移動させた後、前記シフト
    操作部材により前記シフトロッドを前記 退避位置に位置
    させた状態で前記シフトロッドを回転操作して、前記ス
    トッパ部材の螺合位置を送込み量に相当する前記移動量
    だけ移動させることにより、前記ストッパ部材の前記シ
    フトロッドに対する螺合位置を調節するようにした こと
    を特徴とするパイプカッタ。
  2. 【請求項2】前記保持部材には前記シフト方向にアジャ
    スタナットが螺合され、該アジャスタナットと前記スト
    ッパ部材との間に前記ばね部材が介在させられているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のパイプカッタ。
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