JP2600984Y2 - 分割型軸受軌道輪の分割溝構造 - Google Patents

分割型軸受軌道輪の分割溝構造

Info

Publication number
JP2600984Y2
JP2600984Y2 JP1993058661U JP5866193U JP2600984Y2 JP 2600984 Y2 JP2600984 Y2 JP 2600984Y2 JP 1993058661 U JP1993058661 U JP 1993058661U JP 5866193 U JP5866193 U JP 5866193U JP 2600984 Y2 JP2600984 Y2 JP 2600984Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
face
split
ring
slit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1993058661U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0728226U (ja
Inventor
兆 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP1993058661U priority Critical patent/JP2600984Y2/ja
Publication of JPH0728226U publication Critical patent/JPH0728226U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2600984Y2 publication Critical patent/JP2600984Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、軸端からの組付が不可
能又は困難な箇所に使用される分割型軸受の軌道輪を自
然分割するに際し、くさび工具によるくさび応力を作用
させるために設けられる分割溝構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図3に示すような球面すべり軸
受は、内輪31の凸球状外径面32を外輪33の凹球状
内径面34で接触案内することによって調子性をもたせ
たものであるが、内輪31と外輪33とが球面嵌合であ
り、そのままの状態では組立ができないので、通常、外
輪33を分割して、組立可能な構造としてある。分割手
段には、大別して、切断等による機械分割と破断による
自然分割とがあり、材料歩留まり良さ、組立後の密着度
の良さなどの点から、自然分割が採用される場合が多
い。
【0003】従来、上記のような外輪33を自然分割す
る場合、図4に示すように、一方の端面に旋削工程で予
め断面略V字状の分割溝35を形成しておき、熱処理及
び研削加工後に、分割溝35のV字角より大きなくさび
角を有するくさび工具36で分割溝35の底にくさび応
力を作用させ、この応力集中を利用して分割溝35の底
から他方の端面側に向かって破断していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、外輪33の
端部内径には図3に示すシール37を装着するためのシ
ール溝38が環状に形成されているが、従来の分割溝3
5では、図5に拡大して示すように、シール溝38の軸
受中心側のスミアール38bに沿って割れC1が起こ
り、所望の方向に分割できない場合があった。これは、
分割溝35の底がアール形状になっているため、底に応
力が集中しにくく(特に、アールを大きく取った場
合)、そのために、割れの起点が不安定になりやすいこ
とに起因している。また、図6に示すように、くさび工
具36からの破断荷重によってシール溝38の山部38
a(シール溝38の側壁と端面との間の肉厚部分)の端
面に欠けC2が生じる場合があった。
【0005】本考案の目的は、軸受軌道輪を自然分割す
る際の割り損じや端面の欠けを防止し得る分割溝構造を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案の分割型軸受軌道
輪の分割溝構造は、端部の内径又は外径に環状溝を有す
る軸受軌道輪を自然分割するために設けられるものであ
って、軸受軌道輪の端面に切欠き形成された断面略V字
状のノッチ部と、このノッチ部の底から分割方向に沿っ
て上記環状溝の略中央まで延びたスリット部と、上記環
状溝の側壁と端面との間の肉厚部分の端面側全領域をぬ
すむ環状のぬすみ部とを備えたものである。
【0007】
【0008】
【作用】ノッチ部の底から分割方向に沿ってスリット部
を形成することにより、くさび工具によるくさび応力が
スリット部の先端に集中するので、スリット部の先端を
起点として割れが発生する。そのため、割れの方向が安
定し、割り損じが生じにくい。スリット部の形成領域を
環状溝の略中央までとしたのは、割れの起点(スリット
部の先端)を環状溝のスミ(環状溝の溝底部両側)から
離すためである。また、環状溝の側壁と端面との間の肉
厚部分の端面側全領域をぬすむ環状のぬすみ部を形成す
ることにより、上記肉厚部分の端面がくさび工具の破断
荷重によって欠けてしまう弊害を防止することができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に従って説明す
る。
【0010】図1は、本考案を図3に示すような球面す
べり軸受における分割型外輪1の分割溝構造に適用した
ものである。外輪1は、内輪の凸球状外径面(図示省
略)に嵌合する凹球状内径面2と、両端部の内径に設け
られた環状のシール溝3とを備え、その一方の端面の1
80度対向位置に設けられた一対の分割溝5から軸線に
沿って半円状に2分割されている。
【0011】図2に拡大して示すように、分割溝5は、
外輪1の端面に切欠き形成された断面略V字状のノッチ
部5aと、ノッチ部5aの底から軸方向に連続して形成
されたスリット部5bとからなる。ノッチ部5aは、外
輪1の熱処理前に形成したもので、その底はアール形状
をなしている。スリット部5bは、外輪1の熱処理後に
(薄肉ホイル等を用いて)形成したもので、その先端
(この実施例ではアール形状になっている)はシール溝
3の略中央まで至っている。スリット部5bを外輪1の
熱処理後に形成したのは、熱処理前に形成すると、熱処
理時にスリット部5bから割れが発生し、その後の研削
加工ができなくなる場合があるからである。また、スリ
ット部5bの形成をシール溝3の略中央までとしたの
は、割れの起点をシール溝3の軸受中心側のスミアール
3bから離し、割れがスミアール3bに沿って走るのを
確実に防止するためである。
【0012】さらに、図1に示すように、外輪1の端面
に環状のぬすみ部6を設けてある。ぬすみ部6の設けら
れている領域は、外輪1の端部内径D1から直径D3ま
での領域である。直径D3はシール溝3の径D2よりも
大きい。そのため、シール溝3の側壁と端面との間の肉
厚部分3a端面側全領域が、ぬすみ部6によりぬすま
れた状態になる。
【0013】外輪1の分割は、図2に示すように、外輪
1の最終研削加工後に、ノッチ部5aのV字角よりも大
きなくさび角を有するくさび工具7をノッチ部5aにあ
てがい、分割方向(軸方向)に破断荷重Pを作用させる
ことにより行なう。ノッチ部5aの底にスリット部5b
が設けられているので、くさび工具7によるくさび応力
がスリット部5bの先端に集中し、スリット部5bの先
端から割れが起こる。従来構成に比べ、割れの起点が安
定しているので、シール溝3のスミアール3bに沿って
割れが発生するといった弊害は生じにくい。また、外輪
1の端面にぬすみ部6が設けられているので、破断初期
時(スリット部5bの先端から割れが起こるまでの間)
における破断荷重Pの多くがぬすみ部6よりも外径側の
領域に作用し、肉厚部分3aの端面に大きな破断荷重P
が加わらなくなる。そのため、肉厚部分3aの端面がく
さび工具7の破断荷重Pによって欠けるといった弊害も
生じにくい。
【0014】尚、本考案は、軸受形式、内外輪の如何を
問わず、広く端部に環状溝を有する軸受軌道輪一般に適
用することができる。例えば、端部内径又は外径に輪溝
(止め輪を装着するための環状溝)を有する外輪、端部
外径にシール面(シールの先端が接触する、又は、シー
ルの先端とラビリンスを形成するための環状溝)を有す
る内輪等にも同様に適用することができる。端部外径に
環状溝を有する軸受軌道輪に上述したぬすみ部を設ける
場合は、外径から環状溝の溝径を越えた(つまり、環状
溝径より小径の)領域にぬすみ部を設ける。
【0015】また、本考案は、半円状に2分割するタイ
プの軸受軌道輪に限らず、一ヶ所において分割するタイ
プの軸受軌道輪(分割部から押し広げて組立るタイプの
もの)にも同様に適用することができる。この場合、分
割溝は軸受軌道輪の端面の一ヶ所にのみ設ける。
【0016】
【考案の効果】以上説明したように、ノッチ部の底から
分割方向に沿ってスリット部を形成することにより、く
さび工具によるくさび応力がスリット部の先端に集中
し、スリット部の先端を起点として割れが発生するの
で、割れの方向が安定し、割り損じを防止することがで
きる。
【0017】また、環状溝の側壁と端面との間の肉厚部
分の端面側全領域をぬすむ環状のぬすみ部を形成するこ
とにより、上記肉厚部分の端面がくさび工具の破断荷重
によって欠けてしまう弊害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係わる外輪を示す断面図(図a)、図
aの外輪を端面側からみた図である(図b)。
【図2】分割溝周辺を内径側から見た拡大図である。
【図3】球面すべり軸受を示す断面図である。
【図4】従来構成に係わる外輪を示す断面図である。
【図5】従来の分割溝周辺を内径側から見た拡大図であ
る。
【図6】従来の分割溝周辺を内径側から見た拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 外輪 3 シール溝 5 分割溝 5a ノッチ部 5b スリット部 6 ぬすみ部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部の内径又は外径に環状溝を有する軸
    受軌道輪を自然分割するために設けられるものであっ
    て、上記 軸受軌道輪の端面に切欠き形成された断面略V字状
    のノッチ部と、このノッチ部の底から分割方向に沿って
    上記環状溝の略中央まで延びたスリット部と、上記環状
    溝の側壁と端面との間の肉厚部分の端面側全領域をぬす
    む環状のぬすみ部とを備えたことを特徴とする分割型軸
    受軌道輪の分割溝構造。
JP1993058661U 1993-10-29 1993-10-29 分割型軸受軌道輪の分割溝構造 Expired - Fee Related JP2600984Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993058661U JP2600984Y2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 分割型軸受軌道輪の分割溝構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993058661U JP2600984Y2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 分割型軸受軌道輪の分割溝構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0728226U JPH0728226U (ja) 1995-05-23
JP2600984Y2 true JP2600984Y2 (ja) 1999-11-02

Family

ID=13090780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1993058661U Expired - Fee Related JP2600984Y2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 分割型軸受軌道輪の分割溝構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2600984Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0728226U (ja) 1995-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4611931A (en) Sealed roller bearing
US7510344B2 (en) Joint structure of ball joint and arm
JP3046645B2 (ja) 分割軸受の軌道輪製造方法
KR100505213B1 (ko) 리테이닝캠을가지는베어링쉘과이것의제조방법
JP2003097564A (ja) 4点接触ボールベアリング
US5846001A (en) Thrust bearing washer
JP2600984Y2 (ja) 分割型軸受軌道輪の分割溝構造
KR970704974A (ko) 등속조인트의 외륜과 축의 접합구조
JP4042999B2 (ja) 分割形転がり軸受の製造方法
US4149760A (en) Snap cage of synthetic material
JPH0478376A (ja) 薄幅3ピースオイルリング
JP2001317616A (ja) 軸受付き樹脂プーリ
JPH10184698A (ja) 円すいころ軸受
JPH0234516Y2 (ja)
JP2563841Y2 (ja) クロスローラベアリング
JPH0610218Y2 (ja) 十字軸自在継手
JPH0229234Y2 (ja)
JPH09273546A (ja) 樹脂製軸受
JP4161175B2 (ja) 十字軸自在継手
JP3142752B2 (ja) 軸部の固定構造
JPH0512490Y2 (ja)
JPS60249728A (ja) 等速ジヨイント
JPH0434963Y2 (ja)
JPH0694056B2 (ja) セグメント式金型およびその製造方法
JP2538769Y2 (ja) 調心輪付転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990713

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080903

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees