JP2600901B2 - 酸素吸収剤の製法 - Google Patents

酸素吸収剤の製法

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JP2600901B2 JP11747889A JP11747889A JP2600901B2 JP 2600901 B2 JP2600901 B2 JP 2600901B2 JP 11747889 A JP11747889 A JP 11747889A JP 11747889 A JP11747889 A JP 11747889A JP 2600901 B2 JP2600901 B2 JP 2600901B2
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【発明の詳細な説明】 (イ) 発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加工食品、農水産品、金属製品、精密部品
及び繊維製品などの保存に用いられる酸素吸収剤に関す
るものであり、各種産業で巾広く利用されるものであ
る。
〔従来の技術〕 加工食品、農水産品、金属製品、精密部品及び繊維製
品などの品質保持方法のひとつに、酸素吸収剤(脱酸素
剤)を用いる方法がある。この方法は、対象物を通気性
包材で包装された酸吸収剤と共に、ガスバリヤー性容
器、すなわち非通気性の包材で作られた袋、箱等に密閉
収納し、密閉容器内の酸素を酸素吸収剤により吸収させ
て無酸素(又は低酸素濃度)状態を作ることにより、対
象物を、酸素に起因する品質劣化から守ろうとするもの
である。
この方法は、昭和48年に日本の市場に登場してから、
その簡便さと、高い品質保持効果から、ここ15年間に急
速に普及してきた。かかる酸素吸収剤としては、酸素を
吸収する主剤により、有機系のもの及び無機系のものと
多くのものが提案されているが、機能及び経済性の優れ
ている鉄粉系のものが主流である。
鉄粉系の酸素吸収剤としては、古くは英国特許第553,
991号に示されている様に、水素ガス処理された活性な
鉄粉を主剤として乾燥状態でも酸素を吸収するものが提
案されている。しかしながら、この様な活性の高い鉄粉
は、発火の危険性を有しており、実用性に乏しいもので
ある。
従来、実用的に用いられている鉄粉系酸素吸収剤は、
すべて安定な鉄粉を主剤とし、例えば下記化学式に示さ
れる様な酸素吸収反応(即ち、鉄粉の酸化反応)を利用
したもので、水及び、ハロゲン化金属等を、必須成分と
するものである。
(ここで、X-は、反応促進剤であるハロゲンイオン等を
表わす) この様な実用的な鉄粉系酸素吸収剤においては、反応の
必須成分である水(H2O)を、どの様に反応系へ供給す
るかによって、通称自己反応型(又は、自力反応型)と
水分依存型との2つに大別される。
自己反応型の酸素吸収剤は、剤の中に水分が含まれて
おり、空気(厳密には酸素)に触れると、ただちに酸素
吸収反応を開始する。この自己反応型は、保存対象物が
水分を含んでいないかあるいは水分が少ない場合にも、
速く酸素吸収できるのが特色である。
一方、水分依存型自身は水分を持っていなく保存対象
物(例えば、食品)と共に容器に密封されたのち、保存
対象物から蒸散するわずかな水分を利用して酸素を吸収
する。この水分依存型は、空気に触れるだけではすぐに
反応しないので包装工程での作業性が非常に良いのが特
色である。
本発明の方法は、この様な鉄粉系酸素吸収剤の分類の
中で、自己反応型のものに関するものである。
自己反応型鉄粉系酸素吸収剤に関する従来技術として
は、西独特許869,042号(1953年)で提案されている亜
鉛、鉄などの金属と活性炭との混合物を塩化アンモニウ
ム又は塩化カリウム溶液で湿らせて、ガス体から酸素を
吸収する方法があるが、取扱い容易な小袋入りの酸素吸
収剤の製造方法としてはそのままでは応用できないもの
である。
また、西独特許1,109,499号(1961年)公開公報で
は、鉄粉および活性炭からなる乾燥物質を飽和の塩化カ
リウム溶液で湿らせ、十分に混合したのち、小袋に充填
して作成した酸素吸収剤を、炒ったコーヒ豆と共に缶内
に密封し、缶内の酸素を完全に吸収する方法が提案され
ている。しかし、ここで提案された酸素吸収剤の製造方
法では、粉の混合段階で酸素吸収反応が進行し、小袋へ
の充填までに、かなりの性能が失なわれるという欠点が
あり、これを防止するためには不活性ガス置換等の特殊
な方法を採用しなければならないという欠点を有すもの
である。
特公昭57−31449号では、上記の様な自己反応型酸素
吸収剤製造上の問題点を解決する方法としては該酸素吸
収剤の必須成分である、鉄粉、水及びハロゲン化金属の
三成分を鉄粉(A)とハロゲン化金属水溶液を含浸させ
たフィラー(B)とに二分割し包装前にあらかじめ接触
させることなく、通気性包材に、二段に充填し一緒に包
装する方法が示されている。この方法では、酸素吸収機
能成分が包装前にあらかじめ接触しないので、酸素吸収
性能の低下をほとんど伴わずに製造できる長所はある
が、酸素吸収反応の必須成分の混合状態が悪い為、酸素
吸収速度が遅くかつ性能のバラツキが大きいという欠点
を有する。又、多孔質なフィラーにハロゲン化金属水溶
液を含浸させたフィラーの製造に手間がかかという欠点
を有するものである。
すなわち、同公報で流動性が悪化しない程度の液を混
合する、ろ別、遠心分離等の方法によって表面の液を取
除く、ぬれた表面を冷風又は温風で乾燥させる、微細フ
ィラーで被覆するという様な方法を、粒状物の流動性を
良好するために採用すると提案している様に、ハロゲン
化金属水溶液のフィラーへの含浸には長時間かかるうえ
に、粒状物の流動性を阻害するため、種々の工程を検討
採用しなければならないというものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような従来の鉄粉系自己反応型酸素吸収剤の製
造方法の問題点を再度まとめると、次の様になる。
(1) 酸素吸収反応の必須成分を混合した後、通気性
包材に充填する方法では、酸素吸収性能の低下が著し
い。
(2) 酸素吸収反応の必須成分を分割し、包装前に予
め接触しないで、通気性包材に充填する方法では、高品
質の酸素吸収剤が得られない。
又、品質のバラツキも大きい。
(3) 酸素吸収反応の必須成分である水を、ハロゲン
化水溶液にした後、多孔質のフィラーに含浸させる方法
では、工程が複雑なうえ流動性を損いやすく、製造に長
時間を必要とする。
本発明者等はこれらの問題点を解決すべく鋭意検討を
行なったのである。
(ロ) 発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明者等は種々の検討を行ない、自己反応型酸素吸
収剤の製造方法においては、水溶液として使用されてい
たハロゲン化金属を粉末のままで、水は多孔性粒状物に
含浸させて、かつそれ等を鉄粉と収納前には出来る限り
接触させることなく、通気性を有する容器に収納すると
いう方法を採用することによって、前記問題点が解消す
ることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記2成分を通気性を有する容器
に、収納直前に接触させるかあるいは収納前には接触さ
せることなく収納することを特徴とする酸素吸収剤の製
法に関するものである。
(A) 鉄 粉 (B) 水を含浸させた多孔性粒状物とハロゲン化金属
粉末の混合物 以下に本発明の方法を更に詳しく説明する。
○ 鉄 粉 (A) 成分として用いられる鉄粉は還元鉄粉、噴霧鉄
粉、電解鉄粉、搗砕鉄粉など、各種製法で製造されたも
のが、これら単独または併用して用いられる。鉄粉は、
酸素との接触をよくする為、通常平均粒径400μ以下、
好ましくは、200μ以下のものが用いられるが、あまり
微粉のものは、混合及び充填などの製造工程において粉
立ちしたり、流動性が悪くなるので、平均粒径30μ以上
のものが好ましい。
○ 多孔性粒状物 (B)成分に用いられる多孔性粒状物とは、多孔性
で、吸水性の良い粒状物であればいずれでも使用できる
が、BET表面積10m2/g以上、吸水率:10%以上、粒度:0.1
〜5m/mのものが好ましく使用できる。
かかる多孔性粒状物としては、天然ゼオライト、合成
ゼオライト、ケイソウ土、パーライト、活性アルミナ、
シリカゲル、活性白土、ケイ酸マグネシウム、セピオラ
イト、各種粘土鉱物、活性炭その他の粒状の物質が例示
される。
○ ハロゲン化金属粉末 (B)成分で多孔性粒状物と共に用いられるハロゲン
化金属としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨ
ウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化
カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バ
リウム等で示されるアルカリ金属又はアルカリ土類金属
のハロゲン化物の一種又は二種以上の粉末が好ましく用
いられる。
ハロゲン化金属粉末の混合工程での分散性を考慮する
と、粒径1000μ以下の微粉末が本発明にとり好ましく、
特に200μ以下のものが好ましい。
○ B成分の調製方法 (B)成分の調製手順は、特に重要で本発明の方法の
特徴のひとつであるので詳しく説明する。
即ち、本発明の方法では、水を含浸させた多孔性粒状
物を調製した後、これにハロゲン化金属粉末を添加し、
混合することにより(B)成分を調製する。本発明の方
法を同一材料を用いて、ハロゲン化金属粉末を水に溶解
し、ハロゲン化金属水溶液として多孔性粒状物に含浸さ
せる方法と比らべると、本発明の方法は品質の安定した
製品の製造に要する時間が短く、かつ、ハロゲン化金属
水溶液を溶解させる為の装置を必要としないという優れ
た利点を有する。
水を含浸させた多孔性粒状物の調製方法には、特に限
定がなく各種の方法が用いられる。例えば、混合機に多
孔性粒状物を投入した後、所定量の水を散布し、混合−
静置を数回繰返すことにより、均一に水を含浸させた粒
状物を得ることができる。ここで水の散布を分割し、散
布混合を2回以上繰返すことも均一な水含浸粒状物を得
るのに有効である。
水含浸多孔性粒状物にハロゲン化金属粉末を添加、混
合する方法にも特に限定がなく各種の方法が用いられ
る。例えば、水含浸多孔性粒状物を混合機に入れ、ハロ
ゲン化金属粉末を添加し、混合する方法をとることがで
きる。
又、活性炭等の消臭剤、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム等の反応調製剤をはじめ、各種補助添加剤
を、(B)成分に添加することも有効で、かかる補助添
加剤粉末は、水含浸多孔性粒状物を製造したのち、ハロ
ゲン化金属粉末添加の前あるいは後のいずれにも添加す
ることが可能であるが、各添加剤の均一分散を考慮に入
れ、ハロゲン化金属粉末及び各種補助添加粉末を予め混
合しておき、混合粉の形で、水含浸多孔性粒状物に添
加、混合することが特に好ましい。
多孔性粒状物に含浸させる水の量の上限は、粒状物の
飽和吸水量以下が好ましく、飽和吸水量のごく近傍では
得られた含水粒状物の表面に水が露出した状態となり、
粒状物の流動性が悪くなるので、飽和吸水量の0.95倍以
下であることがより好ましい。水の量の下限値は、粒状
物の乾燥重量の1%以上が好ましく、原料の粒状物が既
に1%以上の水分を含んでいる場合には、その水分量を
考慮に入れる必要がある。
(B) 成分を構成するハロゲン化金属粉末の量は多孔
性粒状物の水含浸前の100重量部当り、1〜100重量部が
好ましく、2〜60重量部が特に好ましい。ハロゲン化金
属粉末の量が下限値より少ない場合には、最終的に
(A)成分及び(B)成分を充填して得られる酸素吸収
剤の酸素吸収性能が悪く、上限値より多いと(B)成分
の流動性を損う恐れがある。
○ 通気性を有する容器 本発明の方法で用いられる通気性を有する容器とは通
気性包装材料で作られた小袋あるいは成形された小容量
の箱状の容器等のことであり、通気性包装材料には、格
別に限定はなく、通気性を有する包装材料であれば、い
ずれでも使用できる。ここで、通気性とは例えばJISP−
8117に示されるガーレ式透気度で測定可能な通気性をい
みし、本発明にとり好ましいものはガーレ式透気度:0.1
〜100,000秒/100mlの範囲のものである。
又、包装材料そのものがガーレ式透気度が測定できな
いものでも(例えば、包材表面は実質的に非通気性の層
で覆われていても)、容器形成後、接着面の断面より通
気する様に構成された容器も本発明の方法で使用できる
通気性を有する容器である。
通気性包装材料の具体的なものとしては、下記のもの
が例示される。1紙あるいは不織布等の通気性気材と通
気性及び熱融着性とを有するプラスチックフィルとから
なるもの。
かかる構成における紙あるいは不織布としては、一般
的に包装材料として使用されているものが適用され、例
えば、紙の例としては、和紙、クラフト紙、純白包装
紙,純白ロール紙、耐水紙、耐油紙、耐油・耐水紙、薄
葉紙等を挙げることができるが、これだけに限定される
ものではない。また、不織布としては後述する通気性と
熱融着性とを有するプラスチックフィルムよりも高融点
のものであれば、原料繊維、製造法による制限を受ける
ことなく使用可能で、原料繊維としては、例えばポリエ
ステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、
アクリル等が挙げられ、製造法としては、乾式法、湿式
法、スパンボンド法、ニードルパンチ法等が挙げられ、
それらを組み合わせて製造されたものが使用可能であ
る。また、各種の方法でフィルムに微細孔を形成させ微
多孔膜と称して市販されているものも、本発明では紙あ
るいは不織布として使用される。
又、通気性と熱融着性を有するプラスチックフィルム
は、脱酸素様用装体とされたとき、内層を構成するもの
で、一般的にシーラントとして使用されるもので、熱シ
ール出来るためには基材の軟化点よりも低い軟化点を有
するものが好ましく、また貫通孔により通気性を持たせ
たものが好ましく、厚さとしては10μ以上50μ以下であ
るものが好ましい。
具体的なものとしては、ポイエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィ
ルム、アイオノマーフィルム等を挙げることができる。
細孔を貫通孔とするフィルムにおける、細孔の形状、数
等の条件として格別なものはないが、直径3mm以下好ま
しくは0.5mm程度の細孔で、その数が好ましくは1cm2
り2から300個、より好ましくは2から100個あるものが
本発明により好ましく、細孔の大きさと種類は、所望す
る脱酸素速度に応じて選定できる。
通気性基材及び通気性シーラントを積層する方法とし
ては、ウエットラミネーション、ドライラミネーショ
ン、ホットメルトラミネーション、熱ラミネーション等
の通常のフィルムの積層方法が適用できる。又、通気性
基材及び通気性シーラントを積層する際、両層を貼合わ
せることなく、中間に空間層を設けて積層する方法も適
用できる。
2. 上記1.の構成の外側にプラスチックフィルム層をプ
ラスしたもの。即ち、プラスチックフィルム層、紙
あるいは不織布等の通気性基材通気性及び熱融着性フ
ィルムからなるもの。ここで、のプラスチックフィル
ムとしては、の通気性及び熱融着性フィルムよりも軟
化点が高いものであり、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、セ
ロハン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルのフィルムの単
層及びこれらのフィルムを2種以上積層したフィルムな
どが適用できる。のプラスチックフィルムは通気性を
付与する為に、のシーラント層と同様に貫通した細孔
を穿ったものも適用できる。又、のプラスチックフィ
ルムに細孔を設けなく、実質的に非通気性のまゝで使用
することも可能であり、この場合には、包装体形成後の
ヒートシール層の断面が通気面となる。
のプラスチックフィルム層と紙あるいは不織布層と
を積層する方法は、押出しラミネーション、ウエットラ
ミネーション、ドライラミネーション、ホットメルトラ
ミネーション、熱ラミネーション等通常のフィルムの積
層方法が適用される。又、のプラスチック層との紙
あるいは不織布層とを積層する際に、両層を貼合せるこ
となく、中間に空間層を設けて積層する方法も適用でき
る。
3. ポリオレフィン系樹脂の不織布あるいはその繊維を
混抄した紙の如く通気性でかつ、熱融着性を有するも
の。原料のポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどが挙げられ、製造法としては、
乾式法、湿式法、スパンボンド法、ニードルパンチ法等
が挙げられ、それらを組み合わせて製造されたものが使
用可能である。また、各種の方法でフィルムに微細孔を
形成させ微多孔膜と称して市販されているものを、不織
布として使用される。
以上、1.〜3.の通気性包材を使用しての酸素吸収剤用
の小袋の形成は、1.〜3.に例示した通気性包材の同種又
は異種のものの熱融着性面を内側にして対向させ合わせ
て、周縁部を熱シールすることによりなされる。
又、1.〜3.に例示した通気性包材の1種を片面にし、
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンまたは、ナ
イロン/ポリエチレン等、通常の非通気性積層フィルム
を他面として、上と同様に小袋を形成することにより、
片面のみ通気性を有する酸素吸収剤用小袋とすることも
可能である。
○ 収納方法 上記の様にして調製された(A)成分及び(B)成分
は、別々に接触させることなく保管し、通気性を有する
容器に充填収納し包装する際に別々に計量した後、通気
性を有する容器に充填収納し密閉することにより酸素吸
収剤が製造される。
ここで、(A)成分及び(B)成分との割合は特に制
限はなく、酸素吸収速度、酸素吸収容量、製造コスト等
を勘案して適宜選択されるが通常、酸素吸収反応の主剤
である(A)成分中の鉄粉100重量部当り、(B)成分
中の水分が、1〜200重量部、特に5〜150重量部かつ、
(B)成分中のハロゲン化金属が、1〜100重量部、特
に2〜50重量部になるような割合にするのが好ましい。
通気性容器に充填収納する際、接触させることなく
(A)成分と(B)成分を別々に充填収納し、(A)成
分と(B)成分とが容器内で二段に別れて存在する様に
充填する方法は前記した様に公知の方法であるが、貯槽
から容器内への充填用の管の一部を共通とし、さらに
は、ダンパー、撹拌羽根等を設けて容器内に充填収納さ
れる直前に、それまで接触していなかった(A)成分と
(B)成分が接触し混合されるようにするのが、製造さ
れた酸素吸収剤の性能の均一性を得るために好ましい方
法である。
〔作 用〕
鉄粉、水およびハロゲン化金属からなる酸素吸収剤の
製造において、小袋等の容器に収容されてそのまま使用
可能な状態の酸素吸収剤とする際に、鉄粉と水およびハ
ロゲン化金属を通気性を有する容器に、収納する前には
接触させることなく保管し、別々に計量し、出来る限り
それ等を接触させることなく収納させ、かつ水は多孔性
粒状物に含浸させた状態で、ハロゲン化金属は粉末とし
て水を含浸させた多孔性粒状物に混合して酸素吸収剤の
製造に供するという手段により、自己反応型酸素吸収剤
が従来有していた下記の問題点を解消するという作用を
奏するのである。
(1) 鉄粉と水およびハロゲン化金属を接触させずに
収納することによる分散度の不良に起因した品質の低
下、一定品質の製品の製造の困難性。
(2) ハロゲン化金属水溶液使用による工程の複雑化
と流動性喪失による製造時間の遅延。
なぜ、ハロゲン化金属を水溶液としてでなく粉末を使
用することによって以上の作用が奏されるのか不明であ
るが、従来の技術からは全く予測できないものである。
〔実施例〕
以下に比較例を含めて実施例に基づき本発明をより詳
細に説明する。
実施例1. (A)成分としては平均粒径:80μの還元鉄粉を用
い、(B)成分としては、粒径0.5〜3m/mの粒状セピオ
ライト(ケイ酸マグネシウム系鉱物、200℃焼成品)10K
gに対して、水4.6Kgを添加し、15分間V型混合機で混合
した後、8時間静置し、再び15分間混合し、全体が水分
が均一に含浸された流動性の良い粒状物を得てのち、こ
の混合機の中に、粒径100μの食塩粉末1.4Kgを添加し15
分間混合して得られた流動性の良い粒状物を用いた。
(A)成分及び(B)成分を夫々1.5gづつ計量し、紙
と有孔ポリエチレンをラミネートした通気性分包紙(ガ
ーレ透気度:約2,000秒/100ml)で作られた40×50m/mの
サイズの小袋の中に、別々に投入し、(A)成分と
(B)成分を各段とする二段に充填し、密封した。同一
のものを5個製造した。得られた容器入の酸素吸収剤
を、空気500ccと共にガスバリヤー性袋内に密封し、20
℃で放置し系内酸素濃度の変化を追跡分析したところ8
時間後には、4.8%、6.2%、3.2%、5.7%、4.0%(平
均4.8%標準偏差σn−1=1.22)16時間後には、いず
れも0%であった。
比較例1. 実施例1と同一の粒状セピオライト10Kgを、実施例1
と同一のV型混合機に入れ、ここに食塩1.4Kgを水4.6Kg
に溶解した食塩水を注入し、15分間混合した後、8時間
静置し、再び15分間混合した後、混合機から粒状物を抜
き出そうとしたが、流動性が悪く抜き出せなかった。
更に16時間放置後、15分間混合した後も粒状物の流動
性が不良であったので、更に8時間(最初からは、延32
時間)放置した後、15分間混合したところ、流動性の良
い粒状物として抜き出すことができ、得られた粉を、
(B)成分とした。
一方で、実施例1で使用した鉄粉のみを(A)成分と
した。これらの(A)成分及び(B)成分を使用して、
その他は実施例1.と全く同様にして酸素吸収剤を5つ製
造した。
得られた酸素吸収剤の酸素吸収性能を、実施例1と同
一の方法で測定したところ、8時間後には7.0%、4.5
%、5.1%、7.0%、3.8%(平均5.5%、標準偏差σn-1
=1.46)で16時間後には、いずれも0%であった。
この8時間後の残存酸素濃度の5つの値の平均値は、
実施例1の平均値よりも高い値であり、かつ、データの
バラツキ(標準偏差)も大きい。
実施例2. (A)成分としては平均粒径80μの還元鉄粉を用い、
(B)成分としては粒径0.15〜1m/mの粒状ケイソウ土
(1,200℃、融剤焼成品)10Kgに対して、水8.0Kgを添加
し、15分間V型混合機で混合した後、8時間静置し、再
び15分間混合し、全体が水分が均一に含浸された流動性
の良い粒状物を得てのち、この混合機の中に粒径100μ
の食塩粉末2.3Kgを添加し、15分間混合して得られた流
動性の良い粒状物を用いた。
(A)成分及び(B)成分を夫々1.5gづつ計量し、紙
と有孔ポリエチレンをラミネートした通気性分包紙(ガ
ーレ透気度:約2,000秒/100ml)で作られた40×50m/mの
サイズの小袋の中に別々に投入し二段に充填し、密封し
た。同一のものを5個製造した。
得られた酸素吸収剤を、空気500ccと共にガスバリヤ
ー性袋内に密封し、20℃で放置し系内酸素濃度の変化を
追跡分析したところ3.6時間後には、5.2%、6.9%、7.0
%、4.1%、5.9%(平均5.8%標準標差σn-1=1.22)16
時間後には、いづれも0%であった。
比較例2. 実施例2と同一の粒状ケイソウ土10Kgを実施例2と同
一のV型混合機に入れ、これに食塩2.3Kgを、水8Kgを溶
解した食塩水を注入し、15分間混合した後、8時間静置
し再び15分間混合した後、混合機から粒状物を抜き出そ
うとしたが、流動性が悪く抜き出せなかった。
更に16時間放置後、15分間混合した後も粒状物の流動
性が不良であったので、更に8時間(最初からは、延32
時間)放置した後、15分間混合したところ、流動性の良
い粒状物として抜き出すことができ、得られた粉を、
(B)成分とした。
一方で、実施例2で使用した鉄粉のみを(A)成分と
した。これらの(A)成分及び(B)成分を使用して、
その他は実施例2と全く同様にして酸素吸収剤を5つ製
造した。
得られた酸素吸収剤の酸素吸収性能を、実施例2と同
一の方法で測定したところ、6時間後には、4.5%、8.2
%、5.7%、6.5%、7.0%(平均6.4%(標準偏差σn-1
=1.39)であり、16時間後には、いずれも0%であっ
た。
この6時間後の残存酸素濃度の平均値は、実施例2の
平均値よりも高い値であり、かつデータのバラツキ(標
準偏差)も大きい。
(ハ) 発明の効果 本発明によれば自己反応型酸素吸収剤の品質を低下さ
せることなく、品質一定の製品を定常的に、かつ複雑な
工程を要することなく、短時間に製造を可能とするもの
であり、脱酸素剤を製造する業界に、さらには脱酸素剤
を使用する各種の業界に大きく寄与することができるも
のである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記2成分を通気性を有する容器に、収納
    直前に接触させるかあるいは収納前には接触させること
    なく収納することを特徴とする酸素吸収剤の製法。 (A) 鉄粉 (B) 水を含浸させた多孔性粒状物とハロゲン化金属
    粉末の混合物
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