JP2600479B2 - 電圧制御発振器 - Google Patents

電圧制御発振器

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JP2600479B2 JP29932290A JP29932290A JP2600479B2 JP 2600479 B2 JP2600479 B2 JP 2600479B2 JP 29932290 A JP29932290 A JP 29932290A JP 29932290 A JP29932290 A JP 29932290A JP 2600479 B2 JP2600479 B2 JP 2600479B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電圧制御発振器に関し、特に90゜位相の異
なる2つの発振出力を得る電圧制御発振器に関する。
〔従来の技術〕 従来、この種の電圧制御発振器としては、第3図に示
される回路がある。この回路は、抵抗R10,R11コンデン
サC1,C2からなる移相回路と水晶振動子X1と、トランジ
スタQ4,Q5負荷抵抗R2定電流源I12からなる第2の差動増
幅器と、トランジスタQ6,Q7、負荷抵抗R3、定電流源I11
からなる第1の差動増幅器と、トランジスタQ21〜Q24
らなる加算器と、トランジスタQ1、定電流源I5からなる
第1のエミッタフォロア回路と、トランジスタQ3、定電
流源I3からなる第2のエミッタフォロア回路と、トラン
ジスタQ2定電流源I4からなる第3のエミッタフォロア回
路とによって構成される。
この電圧制御発振器の動作を、第4図のベクトル図を
用いて説明する。
端子T1に現われる発振器の出力信号をv1とすると、v1
は抵抗R10コンデンサC1の移相回路により45゜遅相され
て水晶振動子X1に印加される。この信号をv2とする。水
晶振動子X1を通った出力はR11,C2からなる移相回路に正
帰還される。
今、水晶振動子X1によって45゜遅相すると仮定すると
(水晶振動子の位相推移特性による)、トランジスタQ2
のベースにはv1から90゜遅相した信号v3が加えられ、ま
たv3は抵抗R11、コンデンサC2によって45゜遅相されト
ランジスタQ3のベースに加えられる。この信号をv4とす
ると、v4はv1に対して135゜遅相されている。
これら2つの信号v3,v4は、トランジスタQ6,Q7によっ
て構成される差動増幅器に入力され、v4は、トランジス
タQ4,Q5によって構成される差動増幅器に入力されるこ
とになる。
従って、トランジスタQ7の同相出力にはv5が出力さ
れ、トランジスタQ5のコレクタには、v4の反転増幅され
た信号v6が出力される。これら出力は、トランジスタQ
21,Q22,Q23,Q24からなる加算器に印加される。ここで
は、v5はv1に対して−45゜,v6はv1に対して+45゜の位
相差を有している。
この加算器において制御端子T2,T3によってv5,v6の合
成比を変化させて得られた出力は、トランジスタQ10
よって構成されたエミッタフォロア回路を通って端子T1
に出力される。
従って、この出力がv1と位相が一致していれば水晶振
動子の共振周波数で正帰還となり、発振が生じ、ある位
相差をもっていれば水晶振動子の位相推移特性によって
決まる周波数で発振することになる。
また、トランジスタQ6,Q7によって構成される差動増
幅器におけるトランジスタQ7のコレクタ出力には、v5
逆相の出力が得られ、トランジスタQ4,Q5によって構成
される差動増幅器のトランジスタQ4のコレクタ出力には
v6と逆相の出力が得られる。従って、端子T4,T5には、9
0゜の位相差を有する2つの発振出力を得ることができ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕 上述した従来の電圧制御発振器では、差動増幅器と加
算器とが必要であるが、この差動増幅器のコレクタ出力
を加算器を構成するトランジスタのエミッタに接続して
いるために、電源電圧としては、少なくともトランジス
タのベースエミッタ間電圧の3倍分に負荷抵抗での電圧
降下分を加えた電圧が必要であった。従って、電源電圧
の低いIC,MOSトランジスタを用いてこの回路を構成する
には厳しい制限を受けるという問題点があった。
本発明の目的は、このような問題を解決し、低い動作
電圧で作動し、電源電圧の低いIC,MOSトランジスタにも
適用できるようにした電圧制御発振器を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の電圧制御発振器の構成は、振動子と、この振
動子の一端に接続された第1の移相器と、この第1の移
相器の入出力をそれぞれ第1,第2の入力とする第1の差
動増幅器と、前記第1の移相器の出力を第2の入力とし
第1の入力をバイアス電圧とする第2の差動増幅器と、
前記第1の差動増幅器の第1の入力と同相の第1の出力
および前記第2の差動増幅器の第2の入力と逆相の第2
の出力を共通に接続した第1の負荷と、2つの入力端に
外部からの制御電圧がそれぞれ供給される第3の差動増
幅器と、この第3の差動増幅器の2つの出力がそれぞれ
入力され出力が前記第1,第2の差動増幅器を構成するト
ランジスタの各共通エミッタにそれぞれ接続された第1,
第2のカレントミラー回路と、前記第1,第2の差動増幅
器の共通接続された出力が入力され出力が前記振動子の
他端に接続された第2の移相器とを備え、前記外部制御
電圧によって、前記第1,第2の差動増幅器の共通接続さ
れた出力の位相を変化させて出力周波数を制御し、前記
第1の差動増幅器の第2の入力と同相の出力および前記
第2の差動増幅器の第2の入力と同相の出力を、それぞ
れ90゜の位相差をもつ発振出力としたことを特徴とす
る。
〔実施例〕
次に本発明について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例の電圧制御発振器の回路図
である。この回路は、抵抗R10、コンデンサC1とによっ
て構成される第2の移相回路と、水晶振動子X1と、抵抗
R11、コンデンサC2とによって構成される第1の移相回
路と、トランジスタQ1、定電流源I5とによって構成され
る第1のエミッタフォロア回路と、トランジスタQ2、定
電流源I4とによって構成される第2のエミッタフォロア
回路と、トランジスタQ3、定電流源I3とによって構成さ
れる第3のエミッタフォロア回路と、トランジスタQ4,Q
5,Q13、負荷抵抗R1,R2、エミッタ抵抗R6によって構成さ
れる第2の差動増幅器と、トランジスタQ6,Q7,Q14負荷
抵抗R1,R3、エミッタ抵抗R7によって構成される第1の
差動増幅器と、トランジスタQ8,Q9,Q11,Q12、抵抗R8,R9
によって構成される第3の差動増幅器と、トランジスタ
Q10、定電流源I2によって構成される第4のエミッタフ
ォロア回路とで構成されている。なお、第1〜第3の差
動増幅器の負荷部分のトランジスタQ12,Q13、抵抗R6,R8
により第1のカレントミラー回路が、トランジスタQ11,
Q14、抵抗R9,R7により第2のカレントミラー回路が構成
されている。トランジスタQ8,Q9で構成される第3の差
動増幅器の入力は、制御端子T6,T7が接続されており、
この制御電圧によってトランジスタQ4,Q5で構成される
第2の差動増幅器と、トランジスタQ6,Q7で構成される
第1の差動増幅器の電流値を可変することができる。
この電圧制御発振器の動作を第2図のベクトル図を用
いて説明する。
端子T1に現われる発振器の出力信号v1をR10,C1の移相
回路により45゜遅相した信号v2として水晶振動子X1に印
加し、この水晶振動子X1を通った出力は、R11,C2からな
る移相回路に正帰還される。
今、水晶振動子X1によって45゜遅相すると仮定すると
(水晶振動子の位相推移特性による)、トランジスタQ2
のベースにはv1から90゜遅相した信号v3が加えられ、ト
ランジスタQ3のベースにはv1から135゜遅相した信号v4
が加えられることにより、トランジスタQ6,Q7により構
成される第1の差動増幅器にはv3,v4が入力され、トラ
ンジスタQ7の同相出力にはv5が出力され、トランジスタ
Q4,Q5によって構成される第2の差動増幅器にはv4が入
力され反転増幅された信号v6が出力される。それぞれの
出力v5,v6は、2つの差動増幅器の出力が共通となって
いるために加算されて、エミッタフォロア回路を構成す
るトランジスタQ10のベースに入力される。
一方、制御端子T6,T7から入力される第3の差動増幅
器は、この制御電圧によってトランジスタQ11,Q12に流
す電流値を可変させるために、カレントミラー回路を構
成するトランジスタQ11,Q12,Q13,Q14によって、第1の
差動増幅器と第2の差動増幅器の電流値を可変させるこ
とができる。
従って、この制御電圧によってv5,v6の合成比を変化
させ、得られた出力信号がv1と一致していれば、水晶振
動子の共振周波数で正帰還となり発振を生じ、位相差を
もっていれば水晶振動子の位相推移特性によって決まる
周波数で発振する。従って、トランジスタQ4〜Q7で構成
される第1,第2の差動増幅器の出力端子T4,T5に−v5,−
v6という90゜位相差をもった2つの発振出力を得ること
ができる。
次に、トランジスタQ13,Q14に流れる電流によって周
波数が変わることを式を使って説明する。
今、トランジスタQ13,Q14に流れる電流をI1,I2とし、
v3,v4をそれぞれv3≡v3sinwt,v4≡v4sin(wt+θ)とお
く。
トランジスタQ5のコレクタ電流をi1とすると次式が得
られる。
トランジスタQ6のコレクタ電流をi2とすると次式が得
られる。
負荷抵抗R1にはi1+i2=i0が流れる為に次式が成立す
る。
従ってI1,I2の値が変わるとすなわち位相量が変わ
り、発振周波数が変わる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、制御電圧を電流に直し
電流値で発振周波数を可変することができるため、従来
の電圧制御発振器のように、差動増幅器のコレクタ出力
を加算器を構成するトランジスタのエミッタに接続する
という必要がない。従って、従来の電圧制御発振器と比
較して、トランジスタ1段分低い電源電圧で動作が可能
となり、電源電圧5Vにおいても容易に動作させることが
でき、またMOSトランジスタでの構成も可能であるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の回路図、第2図は第1図の
実施例のベクトル図、第3図は従来の電圧制御発振器の
一例の回路図、第4図は第4図の電圧制御発振器のベク
トル図である。 C1,C2……コンデンサ、I1〜I5,I11,I12……定電流源、Q
1〜Q14,Q21〜Q24……トランジスタ、R1〜R11……抵抗、
T1〜T7……端子、V1,V2……定電圧源、X1……水晶振動
子。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動子と、この振動子の一端に接続された
    第1の移相器と、この第1の移相器の入出力をそれぞれ
    第1,第2の入力とする第1の差動増幅器と、前記第1の
    移相器の出力を第2の入力とし第1の入力をバイアス電
    圧とする第2の差動増幅器と、前記第1の差動増幅器の
    第1の入力と同相の第1の出力および前記第2の差動増
    幅器の第2の入力と逆相の第2の出力を共通に接続した
    第1の負荷と、二つの入力端に外部からの制御電圧がそ
    れぞれ供給される第3の差動増幅器と、この第3の差動
    増幅器の2つの出力がそれぞれ入力され出力が前記第1,
    第2の差動増幅器を構成するトランジスタの各共通エミ
    ッタにそれぞれ接続された第1,第2のカレントミラー回
    路と、前記第1,第2の差動増幅器の共通接続された出力
    が入力され出力が前記振動子の他端に接続された第2の
    移相器とを備え、前記外部制御電圧によって、前記第1,
    第2の差動増幅器の共通接続された出力の位相を変化さ
    せて出力周波数を制御し、前記第1の差動増幅器の第2
    の入力と同相の出力および前記第2の差動増幅器の第2
    の入力と同相の出力を、それぞれ90゜の位相差をもつ発
    振出力としたことを特徴とする電圧制御発振器。
  2. 【請求項2】振動子が水晶振動子である請求項1.記載の
    電圧制御発振器。
  3. 【請求項3】第1,第2の移相器が抵抗およびコンデンサ
    による回路からなる請求項1.記載の電圧制御発振器。
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