JP2600383B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2600383B2
JP2600383B2 JP18807489A JP18807489A JP2600383B2 JP 2600383 B2 JP2600383 B2 JP 2600383B2 JP 18807489 A JP18807489 A JP 18807489A JP 18807489 A JP18807489 A JP 18807489A JP 2600383 B2 JP2600383 B2 JP 2600383B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、噴射燃料を微粒化するために燃料噴射弁の
噴射口付近に吸気を導くエアアシスト通路を備えた内燃
機関の空燃比制御装置に関する。
[従来の技術] 燃料噴射弁を用いて内燃機関に燃料を噴射供給する装
置では、燃料噴射弁の開弁時間を制御することにより内
燃機関への燃料供給量(燃料噴射量)を制御しているた
め、燃料噴射弁からの時間当りの燃料噴射量を常に一定
にしておく必要がある。そこで従来では、プレッシャレ
ギュレータを用いて、燃料噴射弁からの燃料噴射圧力が
吸気管圧力(即ち燃料噴射弁の噴射口周囲の圧力)に対
して所定値だけ高くなるように調圧している。
一方近年では、燃料噴射弁として、燃料の噴射口付近
に吸気の一部を導くエアアシスト通路を備えた、所謂エ
アアシストインジェクタが開発され、実用化されつつあ
る。
エアアシストインジェクタは、吸気の一部を燃料噴射
弁の噴射口近傍に送り込むことにより、吸気流速により
噴射燃料の微粒化を促進することを目的として開発され
たものであるが、このようなエアアシストインジェクタ
では、燃料噴射弁の噴射口付近に吸気が送り込まれるた
め、その噴射口周囲の圧力が吸気管圧力より高くなり、
上記のように燃料噴射圧力を吸気管圧力に対して所定値
だけ高くなるように調圧するだけでは、燃料噴射弁から
の時間当りの燃料噴射量を一定に制御することはできな
いといった問題があった。
つまり、エアアシストインジェクタの噴射口周囲の圧
力は、エアアシスト通路を介して送り込まれる吸気の圧
力と吸気管圧力とにより決定され、その値は吸気管圧力
より高くなるため、上記のように吸気管圧力に応じて燃
料噴射圧力を調圧するだけではエアアシストインジェク
タからの燃料噴射量が要求燃料量より少なくなって、内
燃機関に供給される燃料混合気の空燃比が希薄(リー
ン)になってしまうのである。
そこでこうした問題を解決するため、例えば実開昭58
−173767号公報に記載の如く、燃料噴射圧力を、エアア
シスト通路内の吸気圧力と内燃機関の吸気管圧力との差
圧を表す圧力(具体的にはこれら各圧力の合成圧力)を
基準に調圧するとか、或は実願昭63−46778号に記載の
如く、エアアシスト通路内の吸気圧力と内燃機関の吸気
管圧力との差圧に応じてエアアシストインジェクタの開
弁時間を補正するといったことが考えられている。つま
り、このようにエアアシストインジェクタの燃料噴射圧
力或は開弁時間を補正することにより、エアアシストイ
ンジェクタからの燃料噴射量を内燃機関の運転状態に応
じた所望の量に制御できるようにしているのである。
[発明が解決しようとする課題] ところが、エアアシスト通路は、内燃機関の吸気管に
比べて非常に細く、しかも燃料噴射弁の噴射口付近で開
口されているため、噴射燃料に含まれる粘性成分(所
謂,燃料のガム分)や、吸気管に還流される内燃機関の
シリンダから漏れ出たブローバイガス、或は水蒸気の氷
結等により、エアアシスト通路が詰まることがある。そ
してこのようにエアアシスト通路が詰まった場合にも、
上記のようにエアアシストインジェクタの燃料噴射圧力
或は開弁時間を補正していると、今度は、エアアシスト
インジェクタからの燃料噴射量が要求燃料量に対して多
くなり過ぎ、内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比
が過濃(リッチ)になってしまうといった問題があっ
た。
そこで本発明は、上記のようにエアアシストインジェ
クタを用いて内燃機関に燃料を噴射供給する装置におい
て、エアアシスト通路が詰まった場合にもエアアシスト
インジェクタからの燃料噴射量を良好に制御して、空燃
比を常に目標空燃比に制御できるようにすることを目的
としてなされた。
[課題を解決するための手段] 即ち上記目的を達するためになされた本発明は、第1
図に例示する如く、 燃料噴射弁M1からの燃料噴射圧力を内燃機関M2の吸気
管圧力より所定値だけ大きい値に調圧する調圧手段M3
と、 燃料噴射弁M1の燃料噴射口近傍に吸気を導き、噴射燃
料を微粒化させるエアアシスト通路M4と、 内燃機関M2の運転状態に応じて燃料噴射弁M1の開弁時
間を算出する開弁時間算出手段M5と、 内燃機関M2に供給された燃料混合気の空燃比を検出す
る空燃比検出手段M6と、 該空燃比検出手段M6の検出結果に基づき、空燃比が目
標空燃比となるよう、燃料噴射弁M1の開弁時間を補正す
る空燃比補正手段M7と、 上記エアアシスト通路M4を介して導入される給気の圧
力と吸気管圧力との差圧を表すパラメータに基づき、燃
料噴射弁M1の開弁時間又は燃料噴射圧力を補正する噴射
燃料補正手段M8と、 を備えた内燃機関の空燃比制御装置において、 内燃機関M2の低負荷運転領域及び高負荷運転領域の各
運転領域毎に、上記空燃比補正手段M7において燃料噴射
弁M1の開弁時間を補正するために算出される空燃比補正
値の基準値からのずれを表す学習値を算出する学習値算
出手段M9と、 該学習値算出手段M9にて算出された各運転領域毎の学
習値の偏差が所定値以上であるとき、上記噴射燃料補正
手段M8による開弁時間又は燃料噴射圧力の補正値を、内
燃機関M2の高負荷運転領域に対応した所定の値に変更す
る補正値変更手段M10と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置
を要旨としている。
[作用] 以上のように構成された本発明の空燃比制御装置にお
いて、まず開弁時間算出手段M5が、内燃機関M2の運転状
態に応じて燃料噴射弁M1の開弁時間を算出し、空燃比補
正手段M7が、その算出結果を空燃比が目標空燃比となる
ように補正する。一方燃料噴射弁M1からの燃料噴射圧力
は、調圧手段M3によって吸気管圧力に対して所定値だけ
高い値に調圧されると共に、その燃料噴射口には、エア
アシスト通路M4を介して、噴射燃料を微粒化させるため
の吸気が導入される。
このようなエアアシスト通路M4を備えた装置では、開
弁時間算出手段M5及び空燃比補正手段M7のみによって算
出される開弁時間により燃料噴射弁M1を開弁制御してい
ると、エアアシスト通路M4内の吸気圧力と吸気管圧力と
の差圧によって、燃料噴射弁M1からの燃料噴射量が変動
し、空燃比を安定して目標空燃比に制御できなくなる。
しかし本発明では、噴射燃料補正手段M8が、燃料噴射
弁M1の開弁時間又は燃料噴射圧力を、エアアシスト通路
M4内の吸気圧力と吸気管圧力との差圧を表すパラメータ
に基づき補正するので、エアアシスト通路M4内の吸気圧
力と吸気管圧力との差圧によって生ずる燃料噴射弁M1か
らの燃料噴射量の変動を補償し、空燃比を安定して目標
空燃比に制御することが可能となる。
また次に本発明では、学習値算出手段M9が、内燃機関
M2の低負荷運転領域及び高負荷運転領域の各運転領域毎
に、空燃比補正手段M7において開弁時間を補正するため
に算出される空燃比補正値の基準値からのずれを表す学
習値を算出し、この各運転領域毎の学習値の偏差が所定
値以上である場合には、補正値変更手段M10が、噴射燃
料補正手段M8による燃料噴射弁M1の開弁時間又は燃料噴
射圧力の補正値を、内燃機関M2の高負荷運転領域に対応
した所定の値に変更する。
つまり、既述したように、燃料噴射弁M1の開弁時間又
は燃料噴射圧力をエアアシスト通路M4内の吸気圧力と吸
気管圧力との差圧に応じて補正している場合に、エアア
シスト通路M4が詰まると、空燃比を良好に制御すること
ができなくなるが、その制御誤差は、吸気管圧力とエア
アシスト通路M4内の吸気圧力との偏差が大きくなる内燃
機関M2の低負荷運転域程大きくなるため、本発明では、
内燃機関M2の低負荷運転時と高負荷運転時の空燃比学習
値の偏差が所定値以上となるとエアアシスト通路M4が詰
まったとして、噴射燃料補正手段M8の補正値を内燃機関
M2の高負荷運転領域に対応した所定の値に変更するので
ある。
尚噴射燃料補正手段M8の補正値を内燃機関M2の高負荷
運転領域に対応した値に変更するのは、内燃機関M2の高
負荷運転域では、吸気管圧力とエアアシスト通路M4の吸
気圧力との偏差が小さく、従って補正値も小さくなるた
めである。即ち、本発明では、エアアシスト通路M4が詰
まった場合の、燃料噴射弁M1の開弁時間又は燃料噴射圧
力の補正値として、内燃機関高負荷運転時の小さい値を
設定することにより、開弁時間又は燃料噴射圧力を補正
し過ぎて、空燃比がオーバーリッチになるのを防止する
のである。
[実施例] 以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず第2図は本発明が適用された内燃機関2及びその
周辺装置を表す概略構成図である。
図に示す如く内燃機関2の吸気管4には、内燃機関に
吸入される空気量(吸気量)を調整するスロットルバル
ブ6,吸気量を検出するエアフロメータ8,吸気温を検出す
る吸気温センサ10,スロットルバルブ6の開度(スロッ
トル開度)を検出するスロットル開度センサ12,及び吸
気の脈動を抑制するサージタンク14が備えられ、排気管
16には、排気中の酸素濃度から内燃機関2に供給された
燃料混合気の空燃比を検出する空燃比センサ18が備えら
れている。
また吸気管4には、外部からの開弁信号を受けて内燃
機関2に燃料を噴射供給する燃料噴射弁20が設けられて
いる。燃料噴射弁20には、燃料タンク22から燃料ポンプ
24を介して圧送され、プレッシャレギュレータ26により
圧力がサージタンク14内の吸気管圧力より所定値だけ高
くなるように調圧された燃料が供給されている。また燃
料噴射弁20の燃料噴射口20a周囲には、吸気の吹出口20b
が形成され、エアアシスト通路28を介してスロットルバ
ルブ6より上流側から吸気の一部が導入される。
このため燃料噴射弁20の開弁時には、噴射口20aから
吸気管圧力より所定値だけ高い燃料圧力で燃料が噴射さ
れると共に、その噴射燃料は、エアアシスト通路28を介
して吹出口20bから吹き出される吸気によって微粒化さ
れて、内燃機関2に供給されることとなる。
また次に吸気管4のスロットルバルブ6近傍には、ス
ロットルバルブ6の開弁時に生ずる負圧によってキャニ
スタ30に蓄積された燃料タンク22内の蒸発燃料を吸入す
るための燃料通路32、及び、同じく負圧によって内燃機
関2の圧縮或は爆発行程時にピストンリング2aの間隙よ
りクランクケース2bへ漏れ出たブローバイガス(図に矢
印で示す)を吸入するためのブローバイガス通路34が接
続されている。このため、燃料タンク22からの蒸発燃料
及び内燃機関2から漏れ出たブローバイガスは、外部に
排出されることなく、内燃機関2で全て消費されること
となる。
一方当該内燃機関2には、その運転状態を検出するセ
ンサとして、上述のエアフロメータ8,吸気温センサ10,
スロットル開度センサ12,及び空燃比センサ18の他に、
冷却水温を検出する水温センサ36,内燃機関2の各気筒
に設けられた点火プラグ38に点火信号を分配するディス
トリビュータ40の回転に同期して内燃機関2の所定の回
転角度(例えば30℃A)毎に内燃機関2の回転数を検出
するためのパルス信号を発生する回転数センサ42,及
び,同じくディストリビュータ40の回転に同期して内燃
機関2の2回転に1回の割でパルス信号を発生する気筒
判別センサ44が備えられており、これら各センサからの
検出信号を電子制御回路50に出力するようにされてい
る。
電子制御回路50は、上記各センサからの検出信号に基
づき燃料噴射弁20の開弁時間を算出して、燃料噴射弁20
を駆動制御するためのもので、CPU50a,ROM50b,RAM50c,
バックアップRAM50d,入力ポート50e,出力ポート50f,及
びこれら各部を結ぶバスライン50g等からなる周知の論
理演算回路として構成されている。尚入力ポート50eに
は、上記各センサからの検出信号を入力するための信号
線が接続され、出力ポート50fには、制御対象となる燃
料噴射弁20及び制御系の異常を運転者に報知するための
異常表示灯52が接続されている。
次に上記電子制御回路50で実行される燃料噴射制御
を、第3図乃至第7図に示すフローチャートに沿って説
明する。
まず第3図は、内燃機関2の始動後、上記電子制御回
路50で繰り返し実行され、内燃機関2の運転状態に応じ
て燃料噴射弁20の開弁時間を燃料噴射量τとして算出す
る燃料噴射量算出処理を表すフローチャートである。
図に示す如くこの燃料噴射量算出処理が開始される
と、まずステップ100にて、後述の処理で使用されるフ
ラグやカウンタを初期化する初期化の処理を実行する。
そして続くステップ105では、上記各センサからの検出
信号により得られる内燃機関2の回転速度Nや吸気量Q
等の各種検出データを読み込み、ステップ110に移行
し、ステップ105にて読み込んだ内燃機関2の回転速度
N及び吸気量Qに基づき、予め設定されたマップまたは
演算式を用いて内燃機関2の負荷(Q/N)に対応した基
本燃料噴射量(時間)τpを算出する。
次にステップ115では、ステップ105にて読み込んだ吸
気温THA、スロットル開度θ、冷却水温THW等からの検出
信号に基づき、現在内燃機関2が定常運転されており、
空燃比センサ18からの検出信号に基づき空燃比を目標空
燃比に制御する空燃比のフィードバック制御条件が成立
しているか否かを判断する。
即ち、吸気温THAが低い場合、スロットル開度θの急
増して内燃機関2が加速運転されている場合、或は冷却
水温THWが低い場合等には、周知の吸気温補正、出力増
量補正、或は暖気増量補正等によって、基本燃料噴射量
τpを補正し、内燃機関の運転性を向上する必要がある
ので、このステップ115では、内燃機関2の運転状態が
これら燃料の補正制御実行条件を満足しているか否かを
判断することによって実行される。
そして上記ステップ115にて空燃比のフィードバック
制御条件が成立していると判断されると、続くステップ
120に移行して、後述の第4図に示す空燃比補正係数算
出処理で算出された空燃比のフィードバック制御のため
の空燃比補正係数FAFを読み込み、続くステップ125に移
行して、空燃比のフィードバック制御の実行を表す空燃
比制御実行フラグXAFをセットする。
一方上記ステップ115にて、空燃比のフィードバック
条件が成立していないと判断されると、ステップ130に
移行して空燃比補正係数FAFに基準値1をセットし、続
くステップ135に移行して、空燃比制御実行フラグXAFを
リセットする。
ステップ125又はステップ135にて空燃比制御実行フラ
グXAFがセット又はリセットされると、続くステップ140
に移行し、今度は、後述の汚れ学習値算出処理(第5図
に示す)にて,内燃機関2の始動後エアフロメータ8の
汚れによる空燃比の制御誤差を表す汚れ学習値FGAFMが
所定回更新されたときにセットされる,汚れ学習実行フ
ラグXAFMがセットされているか否かを判断する。
そしてこの汚れ学習実行フラグXAFMがセットされてい
る場合には、続くステップ145にて、汚れ学習値算出処
理にて算出され,バックアップRAM50dに格納されている
汚れ学習値FGAFMと、ステップ105にて読み込んだ吸気量
Qとに基づき、次式 FAFM=K1・FGAFM/Q (但し,K1:定数) を用いて、エアフロメータ8の汚れに対する空燃比の補
正係数(エアフロメータ汚れ補正係数)FAFMを算出した
後、ステップ150に移行し、汚れ学習実行フラグXAFMが
リセット状態であれば、そのままステップ150に移行す
る。
尚ステップ145では、汚れ学習値FGAFMの誤学習等によ
り補正係数FAFMが大きくなり過ぎることのないよう、補
正係数FAFMの上限値Kxを設定し、上式で算出されたエア
フロメータ汚れ補正係数FAFMが上限値Kxを越えるとエア
フロメータ汚れ補正係数FAFMとしてこの上限値Kxの値を
設定するようにされている。
次にステップ150では、後述の第7図に示すエアアシ
スト補正係数算出処理を実行して、エアアシスト通路28
を介して流入する吸気の圧力に起因した空燃比の制御誤
差を補正するためのエアアシスト補正係数FHACを算出す
る。つまり燃料噴射弁20からの燃料噴射圧力は、プレッ
シャレギュレータ26によりサージタンク14内の吸気管圧
力に対して所定値だけ高くなるように調圧されており、
エアアシスト通路28を介して燃料噴射弁20の噴射口20a
に吸気が導入されると、その周囲の圧力が吸気管圧力と
は対応しなくなり、燃料噴射弁20からの時間当りの燃料
噴射量を所望の値に制御できなくなるので、このばらつ
きを補正するための補正値をエアアシスト補正係数FHAC
として算出するのである。
このように、空燃比補正係数FAF,エアフロメータ汚れ
補正係数FAFM,エアアシスト補正係数FHACが設定される
と、次にステップ155に移行し、今度は、ステップ105に
て読み込んだ吸気温THA,スロットル開度θ,冷却水温TH
W等に基づき、空燃比のフィードバック制御非実行時の
基本燃料噴射量τpに対する各種補正係数FXを算出し、
ステップ160に移行する。
するとステップ160では、ステップ110にて求めた基本
燃料噴射量τpを上記設定された各種補正係数に基づ
き、次式 τ=τp・FAF・FAFM・FHAC・FXを用いて補正すること
で、燃料噴射弁20を実際に制御するための燃料噴射量
(開弁時間)τを算出し、再度ステップ105に移行す
る。
次に第4図は、空燃比補正係数FAFを算出するため、
上記燃料噴射量算出処理に対するタイマ割込処理として
電子制御回路50で所定時間毎に実行される空燃比補正係
数算出処理を表すフローチャートである。
図に示す如くこの空燃比補正係数算出処理が開始され
ると、まずステップ210を実行し、上記燃料噴射量算出
処理実行時にセット・リセットされる空燃比制御実行フ
ラグXAFがセットされているか否か,即ち現在空燃比の
フィードバック制御条件が成立しているか否かを判断す
る。そして空燃比制御実行フラグXAFがリセット状態で
空燃比のフィードバック制御条件が成立していないと判
断されると、そのまま本ルーチンの処理を終了する。
一方空燃比制御実行フラグXAFがセット状態で、ステ
ップ210にて空燃比のフィードバック制御条件が成立し
ている旨判断されると、ステップ215に移行し、空燃比
センサ18からの検出信号に基づき現在内燃機関2に供給
されている燃料混合気の空燃比が目標空燃比(理論空燃
比)に対してリッチか否かを判断する。そしてこのステ
ップ215にて空燃比がリッチである旨判断されると、次
ステップ220にてフラグXFLをリセットし、続くステップ
225にてフラグXFRがリセット状態であるか否かを判断す
る。
このフラグXFRは以降の処理で空燃比がリーン域にあ
る時リセットされるもので、フラグXFRがリセット状態
にある場合には、上記ステップ225にて、現在空燃比が
リーンからリッチに切り替わった直後であると判断し
て、ステップ230に移行する。するとステップ230では、
現在の空燃比補正係数FAFから予め設定されているスキ
ップ定数RSを減算して空燃比補正係数FAFの値を更新
し、次ステップ235にてフラグXFRをセットした後、本ル
ーチンの処理を一旦終了する。
尚、スキップ定数RSは、周知のように、空燃比がリー
ンからリッチ、或はリッチからリーンに切り替わったと
き、空燃比補正係数FAFをスキップ的に変化させて、空
燃比をリーン側、或はリッチ側に速やかに移行させるた
めのものである。
次にステップ225にてフラグXFRがリセット状態にない
と判断された場合、即ち空燃比がリーンからリッチに切
り替わった直後でない場合には、ステップ240に移行す
る。そしてステップ240では、現在の空燃比補正係数FAF
から予め設定された積分定数K1を減算して空燃比補正係
数FAFの値を更新し、一旦本ルーチンの処理を終了す
る。
尚、積分定数K1は、周知のように、スキップ定数RSに
よって空燃比補正係数FAFをスキップ的に変化させた
後、空燃比補正係数FAFを徐々に変化させて空燃比をリ
ーン側或はリッチ側に制御し過ぎないようにするための
もので、スキップ定数RSに対して小さい値が設定されて
いる。
次にステップ215にて空燃比がリッチ域にないと判断
された場合、即ち空燃比がリーン域にある場合には、ス
テップ245に移行して、フラグXFRをリセットし、続くス
テップ250にて、フラグXFLがリセット状態にあるか否か
によって、現在空燃比がリッチからリーンに切り替わっ
た直後であるか否かを判断する。そしてフラグXFLがリ
セット状態であり、ステップ250にて現在空燃比がリッ
チからリーンに切り替わった直後であると判断される
と、次ステップ255に移行して、現在の空燃比補正係数F
AFにスキップ定数RSを加算して空燃比補正係数FAFを更
新し、その後ステップ260にてフラグXFLをセットした
後、当該処理を一旦終了する。
またフラグXFLがリセット状態でなく、ステップ250に
て、現在空燃比がリッチからリーンに切り替わった直後
でないと判断されると、ステップ265に移行し、現在の
空燃比補正係数FAFに積分定数K1を加算して空燃比補正
係数FAFを更新し、当該処理を一旦終了する。
次に第5図は、上記空燃比補正係数算出処理で算出さ
れる空燃比補正係数FAFに基づき、前述のステップ145に
てエアフロメータ汚れ補正係数FAFMを算出するのに使用
する汚れ学習値FGAFMを求めるための汚れ学習値算出処
理を表すフローチャートである。尚この汚れ学習値算出
処理も、上記空燃比補正係数算出処理と同様に、燃料噴
射量算出処理に対するタイマ割込処理として電子制御回
路50で所定時間毎に実行される。
図に示す如く汚れ学習値算出処理が開始されると、ま
ずステップ310を実行し、空燃比制御実行フラグXAFに基
づき、現在空燃比のフィードバック制御が実行されてい
るか否かを判断する。そして空燃比制御実行フラグXAF
がリセット状態で、現在空燃比のフィードバック制御が
実行されていなければ、当該処理をそのまま一旦終了
し、そうでなければ,即ち空燃比制御実行フラグXAFが
セットされており、現在空燃比のフィードバック制御が
実行されている場合には、続くステップ315に移行し
て、スロットル開度θが0(スロットルバルブ6が全
閉)で、内燃機関2がアイドル運転状態にあるか否かを
判断する。
このステップ315にて、内燃機関2がアイドル運転状
態にはないと判断されると、そのまま当該処理を一旦終
了し、そうでなければ、次ステップ320に移行する。ス
テップ320では、空燃比補正係数算出処理で空燃比補正
係数FAFがスキップ定数RSにより更新されたか否かを判
断する。そして空燃比補正係数FAFがスキップ定数RSに
より更新された場合には、次ステップ325に移行し、ス
キップ定数RSによる更新前の空燃比補正係数FAFを汚れ
学習値算出用の補正係数FAFoとして読み込み、ステップ
330に移行し、逆に空燃比補正係数FAFがスキップ定数RS
により更新されていなければ、そのまま当該処理を一旦
終了する。
次にステップ330では、上記ステップ325で今回読み込
んだ補正係数FAFoと、前回読み込んだ補正係数FAFo(n
−1)とに基づき補正係数FAFoの平均値FAFAVoを算出す
る。そして続くステップ335ではこの算出された平均値F
AFAVが予め設定された上限値KU(例えば1.02)を越えた
か否かを判断し、上限値を越えているような場合にはス
テップ340に移行する。
ステップ340では、現在バックアップRAM50dに格納さ
れている汚れ学習値FGAFMを読み込み、その値に予め設
定された所定値αoを加算して汚れ学習値FGAFMを更新
する。そして、続くステップ345に移行して、この更新
した汚れ学習値FGAFMをバックアップRAM50d内に格納
し、ステップ350に移行する。
一方ステップ335で平均値FAFAVoが上限値以下である
旨判断されると、今度はステップ355を実行し、平均値F
AFAVoが予め設定された下限値KD(例えば0.98)を下回
ったか否かを判断する。そしてこのステップ355にて、
平均値FAFAVoが下限値を下回っていないと判断された場
合,即ち平均値FAFAVoが上下限値で決定される空燃比補
正値の基準値1近傍の値である場合には、ステップ350
に移行する。
またステップ355にて、平均値FAFAVoが下限値を下回
ったと判断された場合には、ステップ360に移行して、
現在バックアップRAM30dに格納されている汚れ学習値FG
AFMを読み込み、その値から予め設定された所定値βo
を減算して汚れ学習値FGAFMを更新する。そして、続く
ステップ365に移行して、この更新した汚れ学習値FGAFM
をバックアップRAM50d内に格納し、ステップ350に移行
する。
次にステップ350では、カウンタCoの値をインクリメ
ントし、続くステップ370にて、このカウンタCoの値が
所定値KCを越えたか否かによって制御開始後、ステップ
335〜ステップ365の処理により所定回以上汚れ学習値FG
AFMの更新がなされたか否かを判断する。そしてステッ
プ370にて、カウンタCoの値が所定値KCを越えており、
内燃機関2の始動後汚れ学習値FGAFMの更新が所定回以
上(即ち,充分)なされていると判断された場合には、
続くステップ375に移行して汚れ学習実行フラグXAFMを
セットした後、当該処理を一旦終了し、そうでなければ
そのまま当該処理を一旦終了する。
ここで、この汚れ学習値算出処理は、エアフロメータ
8の汚れにより吸気量Qを正確に検出できなくなった場
合に生ずる空燃比の制御誤差を汚れ学習値FGAFMとして
算出するための処理で、前述のステップ145にて汚れ学
習値FGAFMと吸気量Qとに基づき算出されるエアフロメ
ータ汚れ補正係数FAFMを用いて、基本燃料噴射量τpを
補正することにより、エアフロメータ8が汚れて吸気量
Qを正確に検出できなくなった場合にも燃料噴射量τを
実際の吸気量Qに対応した値に補正することが可能とな
る。
尚この汚れ学習値算出処理は、ステップ315の処理に
より、内燃機関2のアイドル運転時にのみ汚れ学習値FG
AFMの更新処理を実行するようにしているが、これは内
燃機関2のアイドル運転時には、吸気量Qが少なく、エ
アフロメータ8の汚れに伴う空燃比の制御誤差が大きく
なるからである。
次に第6図は、上記空燃比補正係数算出処理で算出さ
れる空燃比補正係数FAFに基づき、内燃機関2の高負荷
運転領域及び低負荷運転領域の各運転領域毎の空燃比の
基準値からのずれ(即ち,空燃比の制御誤差)を表す学
習値FGHACa及びFGHACbを算出するエアアシスト学習値算
出処理を表すフローチャートである。
尚このエアアシスト学習値算出処理は、前述の学習値
算出手段M9に相当するもので、その算出結果は、ステッ
プ150(処理の詳細は後述する)にてエアアシスト補正
係数FHACを算出する際に使用される。またこのエアアシ
スト学習値算出処理も、前述の汚れ学習値算出処理や空
燃比補正係数算出処理と同様に、燃料噴射量算出処理に
対するタイマ割込処理として電子制御回路50で所定時間
毎に実行される。
図に示す如くエアアシスト学習値算出処理が開始され
ると、まずステップ410を実行し、空燃比制御実行フラ
グXAFに基づき現在空燃比のフィードバック制御が実行
されているか否かを判断する。そして空燃比制御実行フ
ラグXAFがリセット状態で、現在空燃比のフィードバッ
ク制御が実行されていなければ当該処理をそのまま一旦
終了し、そうでなければ、続くステップ415に移行し
て、内燃機関2の負荷(Q/N)が所定値A以上であるか
否かによって、内燃機関2が高負荷運転されているか或
は低負荷運転されているかを判断する。
次にステップ415にて、負荷(Q/N)が所定値A以上
で、内燃機関2が高負荷運転されていると判断される
と、ステップ420に移行して、空燃比補正係数算出処理
にて空燃比補正係数FAFがスキップ定数RSにより更新さ
れたか否かを判断し、空燃比補正係数FAFがスキップ定
数RSにより更新されていなければそのまま当該処理を終
了し、そうでなければステップ425に移行して、スキッ
プ定数RSによる更新前の空燃比補正係数FAFを高負荷運
転時の学習値算出用の補正係数FAFaとして読み込む。
そして、前述の汚れ学習算出処理におけるステップ33
0〜ステップ375と同様に実行されるステップ430〜ステ
ップ475の処理により、ステップ425にて読み込んだ補正
係数FAFaに基づき、内燃機関2の高負荷運転時の空燃比
の制御誤差を表す学習値(高負荷学習値)FGHACaを更新
し、その更新動作が所定回以上実行されたときに高負荷
学習実行フラグXHACaをセットするといった手順で、高
負荷学習値FGHACaの算出処理を実行する。
一方ステップ415にて、負荷(Q/N)が所定値Aより小
さく、内燃機関2が低負荷運転されていると判断される
と、ステップ520に移行して、空燃比補正係数算出処理
にて空燃比補正係数FAFがスキップ定数RSにより更新さ
れたか否かを判断し、空燃比補正係数FAFがスキップ定
数RSにより更新されていなければそのまま当該処理を終
了し、そうでなければステップ525に移行して、スキッ
プ定数RSによる更新前の空燃比補正係数FAFを低負荷運
転時の学習値算出用の補正係数FAFbとして読み込む。
そして、上記ステップ430〜ステップ475の処理と同様
に実行されるステップ530〜ステップ575の処理により、
ステップ525にて読み込んだ補正係数FAFbに基づき、内
燃機関2の低負荷運転時の空燃比の制御誤差を表す学習
値(低負荷学習値)FGHACbを更新し、その更新動作が所
定回以上実行されたときに低負荷学習実行フラグXHACb
をセットするといった手順で、低負荷学習値FGHACbの算
出処理を実行する。
このようにエアアシスト学習値算出処理では、内燃機
関2の高負荷運転領域及び低負荷運転領域の各運転領域
毎に、空燃比の制御誤差を表す高負荷学習値FGHACa及び
低負荷学習値FGHACbが算出される。
次に第7図は、前述のステップ150にて実行されるエ
アアシスト補正係数FHACの算出処理を表すフローチャー
トである。
図に示すようにエアアシスト補正係数算出処理では、
まずステップ610〜ステップ630の処理により、高負荷学
習実行フラグXHACa,低負荷学習実行フラグXHACb,汚れ学
習実行フラグXAFMが共にセットされており、制御開始
後、各学習値の更新が所定回以上なされているか否かを
判断する。
次にこれらステップ610〜ステップ630にて、高負荷学
習実行フラグXHACa,低負荷学習実行フラグXHACb,汚れ学
習実行フラグXAFMの何れかがリセット状態であると判断
されると、ステップ640に移行して、後述の処理でエア
アシスト通路28の詰まりが判定されたときにセットされ
る詰まり判定フラグXHACoがセットされているか否かを
判断する。
そしてこの詰まり判定フラグXHACoがリセット状態で
あり、エアアシスト通路28の詰まりが判定されていなけ
れば、ステップ650に移行して、第8図に示す如きマッ
プを用いて内燃機関2の負荷(Q/N)に基づきエアアシ
スト補正係数FHACを算出し、続くステップ660にて詰ま
り判定フラグXHACoをリセットし、続くステップ670にて
異常表示灯52へのエアアシスト通路28の故障表示を停止
した後、処理を終了する。
尚、ステップ650にて、第8図のマップを用いて、内
燃機関2の負荷(Q/N)に基づきエアアシスト補正係数F
HACを算出するのは、エアアシスト通路28の吸気圧力と
吸気管圧力との差圧は内燃機関2の負荷(Q/N)に応じ
て変化するためである。即ち、エアアシスト通路28の一
端はスロットルバルブ6よりも上流の吸気管4に連通し
ていることから、エアアシスト通路28を介して導入され
る吸気圧力は大気圧と略等しく略一定である。一方、吸
気管圧力は、内燃機関2の負荷(Q/N)により代表され
る。このため、吸気管圧力とエアアシスト通路28を介し
て導入される吸気圧力との差圧を表わすパラメータとし
て、内燃機関2の負荷(Q/N)を用いることができる。
そこで、本実施例では、ステップ650の処理(前述の
噴射燃料補正手段M8に相当する)において吸気管圧力と
エアアシスト通路28を介して導入される吸気圧力との差
圧を表すパラメータとして内燃機関2の負荷(Q/N)を
用いることにより、この差圧によって生ずる空燃比の制
御誤差を補正するためのエアアシスト補正係数FHACを算
出している。
次にステップ610〜ステップ630の処理により、高負荷
学習実行フラグXHACa,低負荷学習実行フラグXHACb,汚れ
学習実行フラグXAFMが全てセットされていると判断され
た場合には、ステップ680に移行して、エアフロメータ
汚れ補正係数FAFMに上限値Kxが設定されているか否かを
判断する。
そしてエアフロメータ汚れ補正係数FAFMに上限値Kxが
設定されている場合には、ステップ690に移行し、エア
アシスト学習値算出処理にて算出された高負荷学習値FG
HACaと低負荷学習値FGHACbとの偏差が所定値D以上とな
っているか否かを判断し、この偏差が所定値D以上とな
っている場合には、エアアシスト通路28が詰まってお
り、燃料噴射弁20の噴射口20aには吸気が良好に導入さ
れていないと判断して、続くステップ700に移行し、エ
アアシスト補正係数FHACとして、上記第8図に示す内燃
機関2の高負荷運転に対応した最小値Eを設定する、前
述の補正値変更手段M10としての処理を実行する。そし
て続くステップ710では、エアアシスト通路の詰まりを
表す詰まり判定フラグXHACoをセットし、次ステップ720
にて、エアアシスト通路が詰まっている旨を異常表示灯
52に表示した後、処理を終了する。尚、このステップ70
0〜ステップ720の処理は、上記ステップ640にて、詰ま
り判定フラグXHACoがセットされていると判断されたと
きにも実行される。
ここで、ステップ680及びステップ690の処理により、
エアフロメータ汚れ補正係数FAFMに上限値Kxが設定され
ているとき、高負荷学習値FGHACaと低負荷学習値FGHACb
との偏差が所定値D以上となっている場合に、エアアシ
スト通路28が詰まっていると判断するのは、エアアシス
ト通路28の詰まりによって生ずる空燃比の制御誤差は、
エアフロメータ汚れ補正係数FAFMによってある程度補償
されるためである。
即ち、エアアシスト通路28が詰まった場合の空燃比の
目標空燃比からのずれ量(即ち,空燃比の制御誤差)
は、第8図のマップから明かな如く、エアアシスト補正
係数FHACが大きい値に設定される内燃機関2の低負荷運
転領域程大きくなるが、こうした内燃機関2の低負荷運
転領域の制御誤差は、内燃機関2のアイドル運転時に算
出される汚れ学習値FGAFMに反映され、エアアシスト通
路28の詰まりの度合が小さい場合には、エアアシスト通
路28の詰まりによって生ずる空燃比の制御誤差は、エア
フロメータ汚れ補正係数FAFMによって補償される。この
ため、本実施例では、エアフロメータ汚れ補正係数FAFM
が上限に達している状態,即ちエアフロメータ汚れ補正
係数によりエアアシスト通路28の詰まりによって生ずる
空燃比の制御誤差を補償できない運転領域で、高負荷学
習値FGHACaと低負荷学習値FGHACbとの偏差に基づき、エ
アアシスト通路28の詰まりを判定するようにしている。
また高負荷学習値FGHACaと低負荷学習値FGHACbとの偏
差に基づきエアアシスト通路28の詰まりを判定するの
は、第8図のマップから明かな如く、エアアシスト補正
係数FHACは内燃機関2の負荷(Q/N)が高い程小さい値
に設定されため、エアアシスト通路28の詰まりによって
生ずる空燃比の制御誤差は、内燃機関2の負荷(Q/N)
が高い程小さくなって、エアアシスト通路28が詰まる
と、高負荷学習値FGHACaと低負荷学習値FGHACbとの偏差
が大きくなるからである。
次にステップ680にてエアフロメータ汚れ補正係数FAF
Mに上限値Kxが設定されていないと判断された場合に
は、ステップ730に移行し、高負荷学習値FGHACaと低負
荷学習値FGHACbとの偏差が所定値F(但し,F《D)以上
であるか否かを判断する。そしてこの偏差が所定値F以
上であれば、エアアシスト通路28が詰まっている可能性
があるので、続くステップ740に移行して、詰まり判定
フラグXHACoがセットされているか否かを判断し、詰ま
り判定フラグXHACoがセットされていればステップ700に
移行し、詰まり判定フラグXHACoがセットされていなけ
れば上述のステップ650に移行する。またステップ730に
て高負荷学習値FGHACaと低負荷学習値FGHACbとの偏差が
所定値F未満であると判断された場合には、そのままス
テップ650に移行する。
尚、エアフロメータ汚れ補正係数FAFMに上限値Kxが設
定されていない場合に、直接ステップ740に移行して詰
まり判定フラグXHACoがセットされているか否かの判断
を行わず、ステップ730にて高負荷学習値FGHACaと低負
荷学習値FGHACbとの偏差が所定値F以上となっている場
合にのみ、ステップ740を実行するのは、一旦エアアシ
スト通路28の詰まりが判定された後に、詰まりが解消さ
れることがあるためである。
即ち、例えばエアアシスト通路28が水蒸気の氷結によ
って詰まった場合等、その後温度上昇等によって詰まり
が解消することがあるので、一旦エアアシスト通路28の
詰まりが判定されても、ステップ680,ステップ730の処
理により、エアフロメータ汚れ補正係数FAFMに上限値Kx
が設定されておらず、しかも高負荷学習値FGHACaと低負
荷学習値FGHACbとの偏差が所定値F未満であれば、エア
アシスト通路28は詰まってないとして、ステップ650以
降の通常の処理に復帰できるようにしているのである。
以上説明したように、本実施例では、エアアシスト通
路28により燃料噴射弁20の噴射口20a付近の圧力が吸気
管圧力と対応しなくなり、プレッシャレギュレータ26に
よって燃料噴射弁20からの時間当りの燃料噴射量を所望
の値に制御できなくなったとしても、これによって生ず
る空燃比の制御誤差を、第8図のマップを用いて設定さ
れるエアアシスト補正係数FHACにより良好に補償するこ
とができる。また本実施例では、内燃機関2の高負荷運
転時の空燃比学習値(高負荷学習値)FGHACaと低負荷運
転時の空燃比学習値(低負荷学習値)FGHACbとの偏差に
基づき、エアアシスト通路28が詰まっているか否かを判
断し、エアアシスト通路28が詰まっていると判断する
と、エアアシスト補正係数FHACを内燃機関2の高負荷運
転に対応した最小値に変更するようにしているため、エ
アアシスト通路28の詰まりによって生ずる空燃比の制御
誤差も良好に解消することができる。従って本実施例に
よれば、空燃比を常に所望の空燃比に制御することが可
能となる。
ここで上記実施例では、内燃機関2の負荷(Q/N)に
基づき設定されるエアアシスト補正係数FHACを用いて燃
料噴射弁20の開弁時間を補正することにより、エアアシ
スト通路28を介して導入される吸気によって生ずる空燃
比の制御誤差を補正するように構成された装置を例にと
り本発明を説明したが、吸気管圧力とエアアシスト通路
28内の吸気圧力との差圧を検出し、その差圧に応じて燃
料噴射弁の開弁時間、或は燃料噴射弁からの燃料噴射圧
力を補正するように構成された従来技術で例示した装置
であっても本発明を適用して、エアアシスト通路の詰ま
りによって生ずる空燃比の制御誤差を解消できる。
また上記実施例では、エアフロメータ8の汚れに伴う
空燃比の制御誤差を解消するためにエアフロメータ汚れ
補正係数FAFMを算出するように構成された装置に本発明
を適用し、この補正係数FAFMに上限値Kxが設定されてい
るときにエアアシスト通路28の詰まりを判定するように
構成したが、エアフロメータを使用しない内燃機関の制
御装置や、エアフロメータを使用してもエアフロメータ
汚れ補正係数FAFMを算出しない制御装置では、高負荷学
習値と低負荷運転学習値とを用いてエアアシスト通路の
詰まりを常時判定するようにすればよい。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の空燃比制御装置によれ
ば、内燃機関の低負荷運転時と高負荷運転時の空燃比学
習値の偏差からエアアシスト通路の詰まりを判定して、
エアアシスト通路内の吸気圧力と吸気管圧力との差圧に
よって生ずる空燃比の制御誤差を補正するための補正値
を、内燃機関の高負荷運転領域に対応した小さい値に変
更するようにされている。このためエアアシスト通路を
介して燃料噴射弁の噴射口付近に導入される吸気によっ
て生ずる空燃比の制御誤差を補正できるだけでなく、こ
の補正によってエアアシスト通路が詰まった場合に生ず
る空燃比の制御誤差を補正することもでき、空燃比を常
に目標空燃比に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を表すブロック図、第2図は実施
例の内燃機関及びその周辺装置を表す概略構成図、第3
図は電子制御回路で実行される燃料噴射量算出処理を表
すフローチャート、第4図は同じく空燃比補正係数算出
処理を表すフローチャート、第5図は同じく汚れ学習値
算出処理を表すフローチャート、第6図は同じくエアア
シスト学習値算出処理を表すフローチャート、第7図は
燃料噴射量算出処理のステップ150にて実行されるエア
アシスト補正係数算出処理を表すフローチャート、第8
図はエアアシスト補正係数処理にて内燃機関の負荷(Q/
N)に基づきエアアシスト補正係数FHACを算出するのに
使用されるマップを表す線図、である。 M1,20……燃料噴射弁、M2,2……内燃機関 M3……調圧手段(26……プレッシャレギュレータ) M4,28……エアアシスト通路 M5……開弁時間算出手段 M6……空燃比検出手段(18……空燃比センサ) M7……空燃比補正手段、M8……噴射燃料補正手段 M9……学習値算出手段、M10……補正値更新手段 50……電子制御回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴射弁からの燃料噴射圧力を内燃機関
    の吸気管圧力より所定値だけ大きい値に調圧する調圧手
    段と、 燃料噴射弁の燃料噴射口近傍に吸気を導き、噴射燃料を
    微粒化させるエアアシスト通路と、 内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射弁の開弁時間を算
    出する開弁時間算出手段と、 内燃機関に供給された燃料混合気の空燃比を検出する空
    燃比検出手段と、 該空燃比検出手段の検出結果に基づき、空燃比が目標空
    燃比となるよう、燃料噴射弁の開弁時間を補正する空燃
    比補正手段と、 上記エアアシスト通路を介して導入される吸気の圧力と
    吸気管圧力との差圧を表すパラメータに基づき、燃料噴
    射弁の開弁時間又は燃料噴射圧力を補正する噴射燃料補
    正手段と、 を備えた内燃機関の空燃比制御装置において、 内燃機関の低負荷運転領域及び高負荷運転領域の各運転
    領域毎に、上記空燃比補正手段において燃料噴射弁の開
    弁時間を補正するために算出される空燃比補正値の基準
    値からのずれを表す学習値を算出する学習値算出手段
    と、 該学習値算出手段にて算出された各運転領域毎の学習値
    の偏差が所定値以上であるとき、上記噴射燃料補正手段
    による開弁時間又は燃料噴射圧力の補正値を、内燃機関
    の高負荷運転領域に対応した所定の値に変更する補正値
    変更手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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