JP2600288B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2600288B2 JP63127003A JP12700388A JP2600288B2 JP 2600288 B2 JP2600288 B2 JP 2600288B2 JP 63127003 A JP63127003 A JP 63127003A JP 12700388 A JP12700388 A JP 12700388A JP 2600288 B2 JP2600288 B2 JP 2600288B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転ヘッドによりテープ状記録媒体に信号
を記録し、又は当接記録媒体から信号を再生する磁気記
録再生装置に関する。
〔従来の技術〕
この種の磁気記録再生装置としては、8ミリVTRやDAT
(ディジタル・オーディオ・テープ・レコーダ)がある
が、これらの装置では、再生時に回転ヘッドを磁気テー
プの記録トラック上に正しくトレースさせることが必要
であり、従来は、再生信号から生成されるトラッキング
・エラー信号に基づきキャプスタン・モータの回転速度
を制御する方法、回転ドラムに取り付けられる磁気ヘッ
ドをバイモルフ素子により可動とし、当該バイモルフ素
子をトラッキング・エラー信号で制御する方法が知られ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前者の従来例では、キャプスタン・モータに
よりテープ走行速度を調節する方法であるので、テープ
・テンションが負荷になり、応答性を上げるのに高トル
ク・低イナーシャのモータを使用しなければならない。
それでも応答周波数はせいぜい数Hzであり、トラックの
曲がりには応答できなかった。
また、後者の従来例では、回転ヘッドを微小移動させ
るバイモルフ素子の負荷が小さいので、応答周波数を数
百Hz以上にすることができ、トラック曲がりに対応でき
る。しかし、バイモルフ素子の駆動電圧は数十〜千ボル
ト以上であり、この高電圧を回転ドラムに印加すること
になり、電気接続に貴金属ブラシなどを用いなければな
らず、安定接続が難しい。更には、磁気ヘッドがバイモ
ルフ素子に取り付けられて、可動状態にあることから、
取付け調整が面倒なものになり、特に、記録の際、磁気
ヘッドの位置再現性が問題になるので、可動ヘッドは再
生専用とし、記録用には別の可動でないヘッドを用いる
などの対策が必要になる。つまり、この従来例では、部
品コストの増大が著しく、また組み立ての作業性も悪く
なり、非常に高価で大型なものになってしまう。
更には、高密度記録への要求はますます強まり、特
に、ディジタルVTRは情報量が非常に多いので、この要
求が強い。トラック・ピッチを10μm以下にするには、
互換性を考慮すると、トラックのうねりに追従できるト
ラッキングが必須である。
そこで、本発明は、トラッキングの応答性が高くトラ
ックのうねりにも追従でき、安価で小型に製造できる磁
気記録再生装置を提示することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る磁気記録再生装置は、カセットからテー
プを引き出して回転ヘッド・ドラムに巻き付けるための
第1及び第2のポストと、前記第1及び第2のポストを
それぞれ支持し、前記カセットからテープを引き出して
前記回転ヘッド・ドラムに巻き付ける動作を可能とすべ
く、移動可能に設けられた第1及び第2のスケート・ユ
ニットと、前記第1及び第2のポストによって前記テー
プが前記回転ヘッド・ドラムに巻き付けられた際、前記
第1及び第2のスケート・ユニットをそれぞれ把持する
第1及び第2のキャッチャーと、前記第1及び第2のス
ケート・ユニットがそれぞれ前記第1及び第2のキャッ
チャーに把持された際に、前記第1及び第2のスケート
・ユニットにそれぞれ当接して変位させる第1及び第2
の駆動手段とを備え、前記第1及び第2のスケート・ユ
ニットは、それぞれ前記テープの走行前後方向に弾性を
有し、前記第1及び第2の駆動手段は、前記第1及び第
2のスケート・ユニットに同量で逆方向の変位をそれぞ
れ与えることで前記第1及び第2のポストを移動させ、
前記回転ヘッド・ドラム上で前記テープをその走行方向
の前又は後に移動させることを特徴とする。
〔作用〕
上記第1及び第2の駆動手段は、回転ヘッド・ドラム
のような回転部分ではなく、非回転部分に配置すること
ができるので、その給電路は安価で安定なものにでき
る。また、上記手段により、特にテープ走行負荷が著し
く増加することはないので、トラッキングの応答周波数
も高くでき、従ってトラックうねりにも追従できる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は、本発明の一実施例の平面図であり、テープ
走行機構部分を示している。10は回転ヘッド・ドラム、
12はテープ・カセット、14,15,16,17,18,19,20,21,22は
ガイド・ポスト、24はキャプスタン、26はピンチ・ロー
ラ、28は消去ヘッド、30,31,32は固定ヘッド、34は入口
側スケート・ユニット、36は出口側スケート・ユニッ
ト、38は入口側キャッチャー、40は出口側キャッチャ
ー、42は入口側レール、44は出口側レール、46,48はリ
ール、50は磁気テープである。ポスト17,20はポスト18,
19と共に、スケート・ユニット34,36上に取り付けられ
ている。
テープ50のローディング動作は、このスケート・ユニ
ット34,36、ポスト15,22及びピンチ・ローラ26を不図示
のレバー等により移動させ、キャッチャー38,40がスケ
ート・ユニット34,36を把持することにより完了する。
この動作は、従来例と同様である。但し、回転ヘッド・
ドラム10の直前のポスト17,18及び直後のポスト19,20を
高精度で位置決めできるように、キャッチャー38,40及
びスケート・ユニット34,36を構成してある。第1図に
示すローディング完了状態では、磁気テープ50は回転ヘ
ッド・ドラム10にヘリカルに巻き付いている。キャプス
タン24により磁気テープ50をリール46からリール48へと
走行させる際に、記録又は再生で行われる。なお、参考
のため、テープ収納状態でのポスト15,22及びピンチ・
ローラ26の移動軌跡を一点鎖線で示してある。
本実施例では、記録又は再生の際に、ポスト17及び同
20をそれぞれ第1図の矢印Yi,Yoの方向に同時に移動さ
せることにより、テープ50に対する磁気ヘッドの相対位
置を調節し、適切なトラッキングを実現する。ポスト1
7,20の位置を調節する機構を説明する。入口側におい
て、51,52はレバーであり、ローディング動作に伴い、
不図示のレバーなどによりレバー52上のピン53を軸54を
中心に図中Xi方向に回動させる。すると、捩じりバネ55
の作用下で、レバー51が、スケート・ユニット34の、ポ
スト17を植立した腕部56の根元にある支点57に付近に押
し当てられる。支点57の付近は弾性材料で形成してあ
る。レバー51には積層型圧電素子58が固着されており、
この圧電素子58には回路基盤59から給電可能である。
レバー51を支点57の付近に押し当てた状態で圧電素子
58に駆動電圧を印加すると、支点57を中心に腕部56が回
動し、これにより、ポスト17を図中Yi方向に位置調節す
ることができる。積層型圧電素子は一般に、高々数十μ
mの変位しか発生させられないので、腕部56を梃とし
て、変位量を約10倍に拡大している。
出口側も、同様の構成をしており、71,72がレバー、7
3がピン、74はピン73の回動中心軸、75が捩じりバネ、7
6がスケート・ユニット36の腕部、77が腕部76の回動支
点、78は積層型圧電素子、79は圧電素子78への駆動電圧
供給のための回路基盤である。支点77の付近は、支点57
と同様に、弾性材料で形成してある。
第2図はテープ・アンロード状態を示す。第1図と同
じ部材には同じ符号を付してある。入口側のレバー52及
び出口側の第1のレバー72を、ピン53,73により図中の
矢印Xi,Xoとは逆の方向に回動させると、レバー51,71
は、レバー54,74の突起部60,80に押されて回動し、各
々、スケート・ユニット34,36の移動を妨げない位置に
退避する。勿論、ピン53,73の移動は、スケート・ユニ
ット34,36がキャッチャー38,40に押し当てられた後、バ
ネ等でチャージされる期間ないしはその後に行われるよ
うに構成してある。なお、スケート・ユニット34,36の
移動はレバーなどによりピン61,81を押すことにより行
われるが、第1図のローディング完了状態においてレバ
ー51,71の押圧力と逆方向にならないようにしてあるこ
とはいうまでもない。
次に再生時のトラッキング動作を説明する。第3図は
磁気テープ50のトラック・パターンを示す。第3図でT
は記録済みのトラック、lは磁気ヘッド90の軌跡、tは
トラックTの中心の軌跡である。軌跡l,tは直線に対し
て数μmのうねりを持っており、現在の技術レベルで
は、3〜10μm程度に抑えるのが限界であり、従って、
これよりもトラック幅を狭くすると、第3図に示すよう
に、磁気ヘッドが簡単に目的のトラックから外れてしま
う。本実施例では、ポスト17,20の位置調節により、第
3図の矢印92に示すように磁気テープ50を移動させる。
他方、従来例では、第4図の矢印94に示すように磁気ヘ
ッド90を移動させる。
一般にトラックのうねりは、1トラックにつき1〜2
周期程度の成分がほとんどであり、トラックにヘッドを
追従させるのに必要な応答特性は回転ヘッド・ドラムの
回転数の1〜2倍である。また、磁気テープ50の振れ幅
は、トラックの傾き角θを6°、lとtのずれを10μm
p-pとすると、10μmp-p/sin6°≒96μmp-p程度であり、
前述のようにポスト17,20の最大移動距離を100μmp-p
すれば、充分に追従できることになる。
ヘッド90を動かす場合と、テープ50を動かす場合とで
は、トラック上のヘッド位置がそれぞれ第3図のS1,S2
であり、再生信号の時間軸のずれになって現れる。従っ
て、アナログ記録方式の記録再生装置では、ジッターを
生じ不都合であるので、時間軸補正回路を用いるか、回
転ドラムの回転数を変化させるなどの処理を講ずる必要
がある。他方、ディジタル記録方式の場合には、再生信
号に対してPLLにより追従するクロックでデータを再生
する構成を採用するのが普通であるので、何ら問題はな
い。
第4図はトラッキングのための回路構成を含む記録再
生回路の構成ブロック図である。但し、トラッキングの
ために、8ミリVTRで採用されている4周波パイロット
方式を用いる場合を例にとる。先ず、記録時の動作を説
明すると、アナログ入力信号をA/D変換器100でディジタ
ル化し、ディジタル信号処理回路102で誤り訂正符号の
付加、インターリーブなどの処理をする。変調回路104
で磁気記録に適した信号に変調して、記録アンプ106で
適当に増幅して、磁気ヘッド108に印加し、磁気テープ5
0に記録する。いうまでもないが、磁気ヘッド108は複数
個であってもよい。記録の際には、圧電素子58,78には
電圧を印加する必要は無く、キャプスタン24も磁気テー
プ50を一定速度で走行させればよい。
再生時には、ヘッド108の再生出力は再生アンプ110で
増幅された後、イコライザ112で波形整形され、PLL検波
復調回路114により記録時とは逆の動作で復調され、デ
ィジタル信号処理回路116が誤り訂正,デインターリー
ブなどの処理を行う。回路116の出力をD/A変換器118で
アナログ信号に変換する。ここで、再生信号中の低周波
域にディジタル信号と重畳して記録されているパイロッ
ト信号をバンド・パス・フィルタ(BPF)120で取り出
し、トラッキング・エラー信号生成回路122はBPF120の
出力から公知の方法でトラッキング・エラー信号を生成
する。回路122から出力されるトラッキング・エラー信
号は、ロー・パス・フィルタ124を介してキャプスタン
・サーボ回路126に印加され、キャプスタン24の制御を
通してテープ50の走行速度を制御する。
しかし、キャプスタン24によりトラッキング・サーボ
の応答周波数は、キャプスタン・モータのイナーシャや
負荷のために通常数Hz以下であり、トラックの曲がりに
は追従できない。なお、キャプスタン・モータに高トル
ク・低イナーシャのモータを採用して応答速度を速めて
も、テープ・パス内にある固定ヘッド30,31,32の再生信
号に変動を与えることになり、好ましくない。そこで、
本実施例では、BPF128により、トラッキング・エラー信
号からトラックのうねりに相当する周波数成分を取り出
し、それをアンプ130及びトランス132により昇圧し、圧
電素子58,78に印加する。圧電素子58,78により上述の如
くポスト17,20を同時に移動させることにより、ポスト1
8,19及び回転ヘッド・ドラム10と磁気テープ50との摺動
抵抗のみの負荷で磁気テープ50を走行させることができ
る。また、固定ヘッド30,31,32の再生信号にも影響を与
えない。
圧電素子は数百〜数千ボルトの高電圧で移動する必要
があるが、本実施例では、トラッキング・エラー信号の
高周波成分のみを圧電素子58,78に印加すればよいの
で、トランスを利用でき、回路部のコストを低く抑える
ことができる。テープ・ロード動作のたびに開閉される
電気接点部分がないので、ブラシなどと異なり安価な部
品で製造でき、寿命の問題も少ない。
上記実施例は、所謂Mロードの場合であるが、本発明
はいかなるローディング形式のものにも適用可能であ
り、特に、可動とするポストがローディング動作に応じ
て移動しない場合には特別な工夫を要しないが、上記実
施例のように移動する場合場合には、電気接点を必要と
しないという利点がある。
〔発明の効果〕
以上の説明から容易に理解できるように、本発明によ
れば、簡単な構成でトラック曲がりに追従するトラッキ
ングが可能になり、低いコストで狭トラックの、即ち高
密度記録の記録再生装置を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の回転ヘッド・ドラム付近の
構成図、第2図は第1図のアンロード状態の平面図、第
3図は磁気テープ50のトラック・パターンの模式図、第
4図は記録再生回路及びトラッキング制御回路の概略構
成ブロック図である。 10……回転ヘッド・ドラム、12……テープ・カセット、
14,15,16,17,18,19,20,21,22……ガイド・ポスト、24…
…キャプスタン、26……ピンチ・ローラ、28……消去ヘ
ッド、30,31,32……固定ヘッド、34,36……スケート・
ユニット、38,40……キャッチャー42,44……レール、4
6,48……リール、50……磁気テープ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カセットからテープを引き出して回転ヘッ
    ド・ドラムに巻き付けるための第1及び第2のポスト
    と、 前記第1及び第2のポストをそれぞれ支持し、前記カセ
    ットからテープを引き出して前記回転ヘッド・ドラムに
    巻き付ける動作を可能とすべく、移動可能に設けられた
    第1及び第2のスケート・ユニットと、 前記第1及び第2のポストによって前記テープが前記回
    転ヘッド・ドラムに巻き付けられた際、前記第1及び第
    2のスケート・ユニットをそれぞれ把持する第1及び第
    2のキャッチャーと、 前記第1及び第2のスケート・ユニットがそれぞれ前記
    第1及び第2のキャッチャーに把持された際に、前記第
    1及び第2のスケート・ユニットにそれぞれ当接して変
    位させる第1及び第2の駆動手段 とを備え、前記第1及び第2のスケート・ユニットは、
    それぞれ前記テープの走行前後方向に弾性を有し、前記
    第1及び第2の駆動手段は、前記第1及び第2のスケー
    ト・ユニットに同量で逆方向の変位をそれぞれ与えるこ
    とで前記第1及び第2のポストを移動させ、前記回転ヘ
    ッド・ドラム上で前記テープをその走行方向の前又は後
    に移動させることを特徴とする磁気記録再生装置。
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