JP2599921Y2 - 自動販売機の商品サンプル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、商品ディスプレイ内の
商品サンプルを、下側に照明器具が配設された棚板上に
飾り置くようにした自動販売機の商品サンプル装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の自動販売機の商品サンプル装置
として、例えば特開昭６３−２９１１９０号公報に記載
のものが知られている。この商品サンプル装置は、サン
プル台内に蛍光灯を備え、サンプル台の上板（棚板）の
開口部に、商品サンプルが嵌め込まれるようにして載置
固定されている。商品サンプルは、外周面を該当する缶
飲料と全く同一のデザインとした透光性の材料で構成さ
れており、上部が反射鏡により閉塞され、かつ下部が開
放されている。蛍光灯の光は、サンプル台の開口部から
商品サンプル内に導かれ、一部は直接商品サンプルの周
壁を透過し、また一部は反射鏡で反射した後、商品サン
プルの周壁を透過することにより、商品サンプルのライ
トアップが行なわれるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このような従来の商品
サンプルでは、蛍光灯の光をその内部に導き入れ、商品
サンプルの内部から外部に透過する透過光により、商品
サンプルのライトアップが行なわれるので、透過光によ
るライトアップを効果的にするために、商品サンプルの
構造が制約を受ける問題がある。すなわち、商品サンプ
ルの材料はもとより、その外周部のデザインを構成する
印刷仕様などにも制約が生じ、商品サンプルがコスト高
になる問題があった。また、内側からの透過光によるラ
イトアップであるため、看者は、商品サンプルの外周面
のデザインを、陰影で認識することになるため、材質に
もよるが、色彩などが不鮮明になり、肝心な商品サンプ
ルのデザインのアピール度が低下する問題があった。一
方で、商品サンプルを斜め上方や斜め下方からライトア
ップすることも行われているが、商品サンプルが平面的
なものでない限り、商品サンプルの側面から後面にかけ
て影が生じ、このような商品サンプルもアピール度が低
下するものとなっていた。

【０００４】本考案は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、商品サンプルの構造に制約を受けるこ
となく、商品サンプルのアピール度を高めるようなライ
トアップが可能な自動販売機の商品サンプル装置を提供
することををその目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
考案の商品サンプル装置は、下側に照明器具が配設され
た商品ディスプレイ内の棚板上に、商品サンプルを飾り
置くようにした自動販売機の商品サンプル装置におい
て、棚板に貫通状態で取り付けられた台座を備え、台座
は、商品サンプルが載置される載置部と、載置部を囲う
周縁部とを有し、周縁部が、透光性の材料で構成される
とともに、周縁部を透過する、照明器具からの光を反射
し、商品サンプルに照射する反射部を外周面に備えてい
ることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本考案の自動販売機の商品サンプル装置によれ
ば、棚板に貫通状態で取り付けられた台座を備え、台座
が、商品サンプルが載置される載置部を有することによ
り、商品サンプルは、棚板上に浮き上がった状態に飾り
置かれる。また、台座が、載置部を囲う周縁部を有し、
この周縁部が透光性の材料で構成されるとともに、周縁
部の外周面に反射部が設けられているので、商品サンプ
ルは、下方の照明器具からの光、すなわち、周縁部を直
接透過した光（以下「透過光」という）および反射部で
反射した光（以下「反射光」という）により、照明され
る。つまり、商品サンプルは、透過光および反射光が商
品サンプルの外周面に外側から照射され、反射すること
により照明される。したがって、商品サンプルの材質な
どに影響されることなく、商品サンプルのデザイン部分
を鮮明に映し出すことができ、また、その周囲を外側か
ら均一かつ直接的に照明するため、商品サンプルのデザ
イン部分に影が生じ難く、商品サンプルを浮き立つよう
にライトアップすることができる。また、透過光および
反射光により、商品サンプルの外周面を外側から照明す
るので、光を内部に導くような専用の商品サンプルでな
くても、通常の販売用の商品を商品サンプルとして使用
することができる。これにより、装置全体の製造コスト
を低減できるとともに、販売商品の変更に対し、柔軟に
かつ低コストで対応することができる。

【０００７】

【実施例】以下、添付図面を参照して、本考案の一実施
例に係る商品サンプルを、カップ式自動販売機に飾り置
くサンプルカップに適用した場合について説明する。図
１は、サンプルカップを組み込んだカップ式自動販売機
の正面図であり、この自動販売機は、コーヒー、コー
ラ、ジュースおよびウーロン茶などの多種類の飲料をカ
ップで販売するものである。

【０００８】同図に示すように、この自動販売機１は、
各種飲料の原料を貯蔵すると共に、飲料を調理する内部
装置を備えた自動販売機本体２と、自動販売機本体２の
前面開口を開閉するメインドア３とで構成されている。
メインドア３の前面は商品ディスプレイ４となってお
り、その上半部には、各５個のサンプルカップ５を３段
に飾り置く棚状の３個のサンプル台６と、各サンプルカ
ップ５に対応するようにサンプル台６に設けたセレクシ
ョンボタン７とが配設されている。また、商品ディスプ
レイ４の右部には、コイン投入口８、返却レバー９およ
び表示ランプ１０とから成る接客部が設けられている。
一方、商品ディスプレイ４の下側には、商品取出口１１
が設けられ、また、接客部の下方には、コイン返却口１
２が設けられている。

【０００９】図２は、商品ディスプレイ４の断面構造を
示しており、同図に示すように、商品ディスプレイ４
は、メーカー名などが印刷された後部側の看板１３と、
透明な樹脂などで構成された前部側の前面パネル１４と
の間に空間を有し、この空間内に、サンプル台６を配設
して構成されている。サンプル台６は、断面ほぼ「Ｌ」
字形の型材で構成され、横倒しの状態で看板１３に固定
されている。サンプル台６の前端には、前面パネル１４
のボタン穴１４ａを貫通してセレクションボタン７が取
り付けられており、このセレクションボタン７と背合わ
せに、サンプル台６の内部には、図示しないがセレクシ
ョンボタン７用の各種の配線が収容されている。サンプ
ル台６の内部中央には、看板１３に固定された照明器具
である蛍光灯１５が取り付けられており、この蛍光灯１
５の直上部には、サンプル台６の棚板１６に、サンプル
カップ５をセットするための台座１７が取り付けられる
開口１６ａが形成されている。

【００１０】図２および図３に示すように、サンプルカ
ップ５は、外周面に商品名やメーカー名などが印刷され
た販売用のカップと全く同一の形状およびデザインとな
っており、樹脂などで構成されている。サンプルカップ
５は、その下端部を台座１７に嵌合するようにしてセッ
トされ、商品ディスプレイ４内に飾り置かれる。

【００１１】台座１７は、透光性の樹脂などで構成さ
れ、サンプルカップ５の下端部が嵌め込まれる溝部１８
ａおよびこれと背合わせに設けた凹入部１８ｂを構成す
る載置部１８と、この載置部１８を囲う周縁部１９と
で、コースタ形状に一体に形成されている。図４（ａ）
および（ｂ）に示すように、台座１７の溝部１８ａ内に
は、円周方向に断面半円形の小溝１８ｃが形成されてお
り、この小溝１８ｃに、図５（ａ）および（ｂ）に示す
ゴムリング２０が嵌め込まれるようになっている。すな
わち、このゴムリング２０が嵌め込まれた溝部１８ａに
サンプルカップ５が嵌め込まれ、台座１７に着脱自在に
取り付けられるようになっている。なお、この場合、ゴ
ムリング２０に代えてリング状のばねなどを用いてもよ
い。

【００１２】一方、台座１７は、下部でサンプル台６の
開口１６ａに嵌め込まれるようにして固定され、この状
態で、直下に蛍光灯１５が位置するようになっている。
すなわち、透光性の台座１７に向かう蛍光灯１５の光
は、台座１７の載置部１８の部分ではサンプルカップ５
の底で遮光されるが、周縁部１９ではこれを透過してサ
ンプルカップ５の外周面５ａを照明する。なお、台座１
７の周縁部１９の外周面には、後述する光の反射が良好
に行われるように、メッキなどの表面処理が施され、ま
た、この外周面の蛍光灯１５に対する角度（反射角度）
が考慮されることが好ましい。

【００１３】図６は、このように構成されたサンプルカ
ップ５の照明の状態を示している。同図に示すように、
サンプルカップ５は、サンプル台６の下側に設けた蛍光
灯１５で、透光性の台座１７を介して下方から照明され
ると共に、上方に位置する他のサンプル台６の蛍光灯１
５により上方からも照明される。すなわち、各蛍光灯１
５の上方に向かう光は、台座１７の周縁部１９を透過し
て上側のサンプルカップ５を照明し、また下方に向かう
光は、直接または看板１３や前面パネル１４で反射して
下側のサンプルカップ５を補助的に照明する。台座１７
内に入射した光は、台座１７の外周面で反射して台座１
７から投射され、サンプルカップ５の外周面５ａで更に
反射して、外部に投射され、サンプルカップ５を照明す
る。

【００１４】このように本実施例では、サンプルカップ
５を台座１７にセットするようにして飾り置くようにし
ているので、これを外部から見ると、カップがコースタ
に載せられて、サンプル台６上に載置されているように
見え、サンプルカップ５を十分にショウアップできる。
また、サンプルカップ５は、台座１７に対して簡単に着
脱できるようになっているので、交換などの作業を容易
に行うことができる。

【００１５】一方、サンプルカップ５を、主に、台座１
７の周縁部１９を透過した蛍光灯１５の光により、下方
から照明するようにしているので、サンプルカップ５の
デザインの主体を為すその外周面５ａを、影などを生ず
ることなく均一に照明でき、かつサンプルカップ５を浮
き立たせるように照明できる。また、サンプルカップ５
の外周面５ａを照らす照明方法であるため、サンプルカ
ップ５の内部から光を透過させる照明と異なり、サンプ
ルカップ５自体、その材質などの制約を受けることがな
く、かつそのデザインを鮮明に映し出すことができる。
したがって、ライティングによるサンプルカップ５のシ
ョウアップを、極めて効率よく行うことができ、商品を
十分にアピールすることができる。

【００１６】なお、本実施例では、商品サンプルをサン
プルカップに適用した場合について説明したが、サンプ
ル缶をはじめ、立体的な商品サンプルに適用できること
は、いうまでもない。また、台座を、積極的にデザイン
して、例えば紅茶グラスの取っ手金物のようなデザイン
にすることも可能であり、かつ、台座の載置部と周縁部
とを別部材で構成することも可能である。さらに、展示
用に製作された専用のサンプルカップによらず、通常の
販売用カップをそのままサンプルとして用いるようにし
てもよい。

【００１７】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、商品サン
プルを台座に載置した状態で飾り置き、かつ、台座の周
縁部を直接透過した光、およびその外周面の反射部で反
射した光で商品サンプルの外周面を照明するようにして
いるので、商品サンプルを、棚板上に浮き立つように均
一かつ直接的に照明できると共に、商品サンプルの材質
に関係なく、そのデザインを鮮明に映し出すことができ
る。加えて、通常の販売用の商品を商品サンプルとして
使用することができる。したがって、商品サンプルを効
率よくライトアップすることができ、商品のアピール性
を向上させることができるとともに、製造コストを低減
できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係るサンプルカップを組
み込こんだカップ式自動販売機の正面図である。

【図２】第１実施例のサンプルカップを設置した商品デ
ィスプレイの断面図である。

【図３】第１実施例のサンプルカップを台座にセットし
た状態の斜視図である。

【図４】台座の外観および断面を表した台座の構造図で
ある。

【図５】ゴムリングの外観および断面を表したゴムリン
グの構造図である。

【図６】第１実施例のサンプルカップの照明状態を表し
たサンプルカップ廻りの断面図である。

【符号の説明】

１ 自動販売機 ４ 商品ディスプレイ ５ サンプルカップ １５ 蛍光灯 １６ 棚板 １７ 台座 １８ 載置部 １９ 周縁部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下側に照明器具が配設された商品ディス
   プレイ内の棚板上に、商品サンプルを飾り置くようにし
   た自動販売機の商品サンプル装置において、 前記棚板に貫通状態で取り付けられた台座を備え、当該
   台座は、前記商品サンプルが載置される載置部と、当該
   載置部を囲う周縁部とを有し、当該周縁部が、透光性の
   材料で構成されるとともに、当該周縁部を透過する、前
   記照明器具からの光を反射し、前記商品サンプルに照射
   する反射部を外周面に備えていることを特徴とする自動
   販売機の商品サンプル装置。