JP2598873B2 - リパーゼ阻害剤およびこれを添加した飲食品 - Google Patents
リパーゼ阻害剤およびこれを添加した飲食品Info
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Description
し、更に詳しくは、生体内で脂質の消化吸収に関与する
膵リパーゼを有効に阻害して、肥満の抑制や予防に寄与
し得る安全性の高いリパーゼ阻害剤に関する。また、こ
のリパーゼ阻害剤は、リパーゼに起因する飲食品等の劣
化や悪臭発生の防止に利用することができる。
は、脂質の消化吸収の最初の酵素であり、膵リパーゼを
阻害して、肥満症を抑制したり予防する薬剤の開発が既
に試みられている。例えば、特開昭55−98114号
に記載された抗肥満及びトリグリセリド減少剤、特開昭
61−152663号に記載されたオキセタノン類およ
び特開平1−102022号に記載された肥満予防剤等
を例示することができる。
した阻害物質を添加した飲食品(特開昭64−3426
4号)や、脂肪に富んだ種子からの阻害物質の抽出法
(特開昭49−41580号)等が開示されている。
t)のタンニン類が、リパーゼを阻害することが知られ
ている(British J. Nutrition,
60,275(1988))。また、大豆や穀類、大根
種子からの蛋白質が、これを阻害することが報告されて
いる(Agric. Biol. Chem.,37,
1225,(1973)、Nurt. Rep. In
t.,32,1107(1985)、日本食品工業会
誌、35,430(1988))。また、ヘミセルロー
スや小麦ふすま等(J. Food Sci.,49,
956(1984)、Am. J.Clin. Nut
r.,42,629(1985))、大根種子のフォス
ファチジルコリン(明治大学農学部研究報告、73、9
(1986))、ミオイノシトール(J. Food
Sci.,53,250(1988))等によるリパー
ゼ阻害に関する報告がある。
るものとして、シャクヤク、オオレン、オオバク、ボタ
ンビ、ゲンノショウコ、茶等の14種の生薬の抽出物が
開示されている(特開昭64−90131号)。また、
各種天然物抽出物に関して、リパーゼ阻害作用を調べた
結果が報告されている(明治大学農学部研究報告、6
9、15(1985))。
めじ、まいたけ、ひじき、緑茶、紅茶、ウーロン茶の水
抽出物からなるリパーゼ阻害剤(特開平3−21987
2号)および緑茶中の主要な成分であるエピガロカテキ
ンガレートを配合することを特徴とする脂質吸収抑制食
品に関する特許(特開平3−228664号)が公示さ
れている。
糖尿病予防を目的として、ラット小腸α−グルコシダー
ゼに対するフラボン類の影響が調べられており、ミリセ
チンや合成のフラボン類に阻害効果があることが報告さ
れている(Chem.Pharm.Bull.,34,
838(1986))。また、虫歯予防を目的として、
フラボノール類であるケルセチンがS.Mutansデ
キストランシュクラーゼを阻害することが報告されてい
る(Agric.Biol.Chem.,48,214
3(1984))。また、炎症反応に関与するグリオキ
サラーゼIの活性をケルセチン、フィセチン、モリン、
ミリセチン等のフラボノール類が阻害すること(農化
誌、57、765(1983))、また痛風に関与する
とされるキサンチンオキシダーゼに対し、アピゲニン、
ルテオリンのフラボン類およびその一部の配糖体、並び
にケンフェロールおよびケルセチンなどのフラボノール
類およびその配糖体による阻害が報告されている(生薬
学雑誌、41、116(1987))。その他、酵母α
−グルコシダーゼ(Agric.Biol.Che
m.,48,1559(1984))、アルカリ性フォ
スファターゼ(農化誌、54、171(1980))に
対する作用が報告されている。
ついては、大豆のイソフラボンに関する研究のみであ
り、この場合大豆イソフラボンが大豆発芽のリパーゼを
阻害するが、膵臓リパーゼに対しては弱い阻害を示すこ
とが報告されているのみである(熊本女大学紀要、3
3、60(1981))。
告は多数あるが、本発明のフラボノイド類がリパーゼ阻
害効果を有することを記載した文献はない。
質の消化吸収を司り、肥満症の鍵を握る膵リパーゼに対
して著しく高い阻害作用を示し、これを阻害して肥満の
抑制や予防に寄与し得ると共に、リパーゼに起因する食
品等の劣化や悪臭発生の防止に利用することができる安
全性の高いリパーゼ阻害剤およびこれを添加した飲食品
を提供することを目的とする。
活性の阻害効果を有する成分を多年にわたり広く探索し
た結果、式(1)で示されるフラボノイド類に高いリパ
ーゼ阻害効果のあることを突き止めるに至った。
ゼ阻害剤の有効成分として、式(1)
立して、水素原子またはヒドロキシル基を示す。)で示
されるフラボノイド類を含有することを特徴とするリパ
ーゼ阻害剤が提供される。
種を混合して使用することができる。また、これらのフ
ラボノイド類は、そのままで、あるいは適切な溶媒で希
釈した溶液もしくは懸濁液として使用することができ
る。さらに、混合、乾燥等の通常の操作により、他の添
加物と配合して粉末状あるいはペースト状として使用す
ることができる。
て、リパーゼ阻害剤として使用することができる。ま
た、飲食品等に予め添加、混合して使用することができ
る。さらに、これらのフラボノイドは、適宜配糖化して
使用することも可能である。
阻害作用が高いとされる緑茶成分のエピガロカテキンガ
レートよりも阻害効果が高く、かつ天然の植物由来のも
のであるため安全性の高いリパーゼ阻害剤を提供するこ
とができる。
収の阻害に基く肥満予防に利用することができ、またリ
パーゼに起因する食品等の劣化、悪臭の発生の防止に利
用することができる。
するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるもので
はない。
ベリフェロンのオレイン酸エステル(4−MUO)を使
用し、反応によって生成した4−メチルウンベリフェロ
ンの蛍光を測定することによって行った。
100μl、ブタ膵リパーゼ(Sigma社製)溶液5
0μl、緩衝液50μlを採り、最終的に4−MUO
0.05mM、ブタ膵リパーゼ2.2μg、Mcllv
aine緩衝液(pH7.4)の条件で、37℃で20
分間反応させた。0.1N塩酸1mlを添加して反応を
停止させ、0.1Mクエン酸ナトリウムを2ml添加し
て、溶液のpHを4.3付近とした後、反応によって生
成した4−メチルウンベリフェロンの蛍光(励起波長3
20nm、蛍光波長450nm)を、蛍光光度計により
測定した。
1に示したリパーゼ活性の測定系に試料を添加して反応
させ、活性に対する影響を調べることにより行った。
HF)に溶解し、実施例1に示した反応系のMcllv
aine緩衝液5μlの代りに、試料の50%THF溶
液の5μlを添加して反応させた。対照は、50%TH
Fを5μlを添加して同様に反応させた。阻害活性は、
試料無添加の対照の活性を半分にする試料添加量(IC
50(μg))で示した。
ーゼ阻害効果を調べた。その結果を表1に示す。
ートは、リパーゼ阻害効果が高いことが知られている
が、本発明のフラボノール類には、エピガロカテキンガ
レートよりも明らかに高い阻害効果が認められた。
収を司り、肥満症の鍵を握る膵リパーゼに対して著しく
高い阻害作用を示し、これを阻害して肥満の抑制や予防
に寄与し得ると共に、リパーゼに起因する食品等の劣化
や悪臭発生の防止に利用することができる安全性の高い
リパーゼ阻害剤が提供される。
とするリパーゼ阻害剤は、リパーゼ阻害活性が知られて
いる緑茶成分エピガロカテキンガレートよりもリパーゼ
阻害効果が高く、消化酵素リパーゼの働きを阻害し、脂
質の消化吸収を抑制し、脂肪摂取による肥満を予防する
ことができる。。
とするリパーゼ阻害剤は、エピガロカテキンガレートの
ような著しい渋みはなく、食品などの味を劣化させるこ
となく、添加、配合、することができる。また、日常摂
取している野菜類や飲料にも少量含まれており、安全性
が高いリパーゼ阻害物質である。さらに、リパーゼに起
因する食品の劣化、悪臭の発生の防止にも利用すること
ができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 リパーゼ阻害剤の有効成分として、式
(1) 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は、各々独立して、水素
原子またはヒドロキシル基を示す。)で示されるフラボ
ノイド類を含有することを特徴とするリパーゼ阻害剤。 - 【請求項2】 請求項1記載のリパーゼ阻害剤を添加、
混合してなることを特徴とする飲食品。
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