JP2598695B2 - 印刷配線板の製造方法 - Google Patents

印刷配線板の製造方法

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JP2598695B2
JP2598695B2 JP1046486A JP4648689A JP2598695B2 JP 2598695 B2 JP2598695 B2 JP 2598695B2 JP 1046486 A JP1046486 A JP 1046486A JP 4648689 A JP4648689 A JP 4648689A JP 2598695 B2 JP2598695 B2 JP 2598695B2
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好伸 伊東
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秀夫 武吉
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ニッポン高度紙工業 株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な印刷配線板用積層体を用いたサブトラ
クティブ法による印刷配線板製造方法に関する。
〔従来の技術〕
サブトラクティブ法(エッチドホイル法ともいう)は
印刷配線板の主流をなす製造方法であり、銅箔を接着剤
で基材上に接着した銅箔積層板にレジストで所望のパタ
ーンを形成し、エッチング液で不必要な銅箔を除去した
後、レジストを剥離し、次いでカバーレイフィルムを接
着剤で接着する方法である。この方法で両面露出構造フ
レキシブル印刷配線板を製造する場合には上記工程の他
に、更に基材となるベースフィルムに対しレジスト形成
−エッチング−レジスト剥離という工程の付加が必要と
なる。この様に従来のサブトラクティブ法は複雑で多工
程を要する方法となっていたため以前より当業界ではよ
り簡便で経済的な印刷配線板の製造方法が希求されてい
たのである。
ところで、従来このサブトラクティブ法には前述のよ
うに基材を接着剤で積層した上に銅箔を張り合わせた銅
箔積層板が用いられてきた。
このうち、近年その需要がとみに高まってきたフレキ
シブルプリント配線板(以下FPCという)の場合にはそ
の基材としてポリエステル、ポリイミド等のフィルムを
用い、エポキシ系等の接着剤で銅箔を張り合わせた銅張
り積層板が一般に使用されている。
しかし、最近の電子、電気機器の小形化、高機能化の
傾向はFPCに対しても厳しい耐熱性、高機能性、易組立
性を求めており、上記フレキシブル銅張基板に介在する
接着剤の耐熱性が問題となっている。しかもこの接着剤
の問題点は配線板の接続、配線方法、及び組立て工程上
から開発された両面の任意の場所が露出されている両面
露出構造フレキシブルプリント配線板(以下DFPCと略記
する)の場合には特に顕著に表われるのである。
すなわち、該接着剤があるために通常のサブトラクテ
ィブ法をそのまま適用することができず、さりとて、こ
れを解決するため開発されたベースエッチング法は特別
に製造された高価な積層板が必要であり、また、後ラミ
ネート法或いは先ラミネート法をとったとしてもカバー
レイ又はベースフィルムを予め回路パターンに合せて穴
明け加工する必要があるとともに、位置合せ等の極めて
高度な技術が必要となり、いずれも工業的に優れた方法
とはなり得ていないからである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記した従来の印刷配線板の製造方法の問題
点、すなわち工程が長く且つ複雑で効率もよくないとい
う、製造上の問題点を解決するとともに、印刷配線板特
にFPCに対して最近強く希求されている接着剤による耐
熱性及び電気特性の低下がなく、且つ高密度な実装を可
能にする例えばDFPC等の簡便な工業的製法を実現し、し
かも製法上数々の利点を有する印刷法によるカバーレイ
を可能にする製造方法を確立し、同時に従来の硬質印刷
配線板の製造設備の転用も可能にする新たな印刷配線板
用の製造方法を提供することを課題とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題を解決するため印刷配線板の製
造方法、特にこれらに用いられる銅張積層体について鋭
意研究を重ねた結果、印刷配線板を製造する際、金属導
体層に特殊な裏打ち材を積層した印刷配線板用積層体を
用い、所定の工程で導体パターンを形成し、ついで溶剤
可溶性耐熱樹脂でオーバーコートをした後で該裏打ち材
を引き剥がすという方法をとることにより上記課題を達
成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は基材に180度ピール強度で50〜2
500g/25mmの接着力を有し、80℃/45分〜130℃/20分の耐
熱性があり、且つ溶剤可溶性耐熱性樹脂溶液の溶剤に耐
性を有し、各工程で使用する薬剤に対し耐薬品性がある
可剥離性接着剤を積層してなる裏打ち材層と金属層から
なる印刷配線板用積層体上にレジストパターンを形成す
る工程と、該金属層の露出部分をエッチングする工程
と、パターン上のレジストを除去する工程と、得ら
れた配線パターン上に耐熱性樹脂を印刷法により所望の
パターンにオーバーコートする工程と、上記工程終了
後工程で用いた積層体の裏打ち材層を金属層から剥離
する工程、とその剥離面に工程と同様にオーバーコ
ートを施す工程を有することを特徴とするフレキシブル
印刷配線板の製造方法を提供するものである。
以下、本発明の製造方法を工程順に説明する。
(1) まず本発明方法の出発材料である特殊な印刷配
線板用積層体を調製しなければならない。
この印刷配線板用積層体は導体層と裏打ち材層とから
構成されており、その裏打ち材は特定の基材と一定の要
件を有する可剥離性接着剤とから出来ている。
本発明の特徴の1つはこの裏打ち材を積層体に用いる
点にある。すなわち、従来の同張積層板の基板及び接着
剤は製品である印刷配線板の中に製品の一部として残る
のに対し、本発明の裏打ち材は印刷配線板の製造工程の
途中、すなわち表側のオーバーコートを施した後に、金
属導体層から剥離され、製品である印刷配線板の中には
全く残存しないのである。
この特徴があるために従来のサブトラクティブ法では
実現不可能であった接着剤のない絶縁層と導体層のみか
らなる印刷配線板が具現化したのである。
加えて、基材に適当な剛性と靭性を備えたものを用い
た場合には、従来の硬質プリント配線板用の設備を転用
することが可能となり、設備費の点からも作業性の点か
らも大幅な合理化を実現したのである。又、本発明者ら
が先に開発したポリイミド系溶剤可溶性耐熱性樹脂をこ
れに併用した場合には、当業界の夢であった耐熱性低下
の原因となっていた接着剤のない印刷配線板を具現化す
るとともに該接着剤の使用を不要とする印刷法によるオ
ーバーコートを実現し、且つ、DFPCを極めて簡単且つ容
易に製造することも可能としたのである。
したがって、このような効果の源ともいうべき裏打ち
材中に使用される可剥離性接着剤は極めて重要であり、
次の条件を満たすものでなければならない。
導体パターンが形成され第1のオーバーコートが施
されるまでの間、金属箔などの導体層が支持体である基
材層に充分保持される程度の接着力を有していること、 しかも第1のオーバーコートがなされ予備乾燥工程
が終了した時点で当該裏打ち材全体が後に残るオーバー
コート層と導体パターンを破壊することなくきれいに剥
離できる程度の接着力であること、 溶剤可溶性耐熱性樹脂溶液の溶剤に耐性を有してい
ること、 且つそれを用いたオーバーコート(パターンコー
ト)後の乾燥工程に耐え得る耐熱性を有すること、 導体パターン形成に用いられる各種薬剤例えばレジ
スト現像液、レジスト剥離液、導体エッチング剤に対す
る耐薬品性を有すること、 である。
具体的には上記及びを充足するためには導体層の
表面状態等により変動があるが、一般的には180度ピー
ル強度で50g/25mm〜2500g/25mm、好ましくは200〜1000g
/25mmの接着力が必要である。また、に関しては後で
詳述するようにポリイミド系樹脂溶液、特に本発明者ら
が先に開発した優れた特徴を有する極性有機溶媒可溶性
芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液を用いた場合に最もよ
い効果が得られるのでこれらを溶解する溶剤、例えばN,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2ピロリド
ン、ヘキサメチルホスホルアミド、ハロゲン化クレゾー
ル又はこれらの混合溶媒等に対し耐溶剤性を有している
ことが好ましい。
さらに耐熱性としては80℃/45分〜130℃/20分程度の
耐熱性が必要である。
パターン形成等の工程では、耐薬品性としては具体的
にはレジストがアルカリ現像タイプのものにあってはNa
2CO3、CaCO3等の水溶液からなる現像液、NaOH、KOH等の
水溶液からなる剥離液に耐性を有する必要性があり、ま
た溶剤現像タイプの場合には1,1,1−トリクロロエタン
等の現像液及び塩化メチレン等の剥離液に耐えるもので
なくてはならない。同様に金属エッチング剤である過酸
化水素−硫酸系、過硫酸系塩、アンモニウム複塩等のア
ルカリ系、塩化第二鉄系、塩化第二銅系等のエッチング
剤に耐える必要がある。
本発明で用いる可剥離性接着剤は上記した要件を具備
するものであればいずれも使用可能であり、市販のポリ
エチレン系、ポリアミド系、ポリエステル系等のホット
メルト接着剤及びアクリル系、ポリビニルアルコール
系、シリコーン系等の粘接着剤の中から該要件に適合す
るものを選出して使用することもできる。
本発明で用いる基材は導体層の支持体としての強度及
び剛性と印刷配線板製造工程中で上記可剥離剤とともに
剥離できる程度の曲げ強度、靭性及び柔軟性を有してい
る必要がある。
また、該基材は本発明の印刷配線板製造工程中で熱変
形、破損を生じない耐熱性を必要とし、上述した可剥離
性接着剤と同様工程中使用される溶剤、薬品類に耐性を
有するものでなければならない。
以上の要件を満足するものなら金属、プラスチック
ス、紙、不織布、セラミックス、又なそれらを適宜組み
合わせた積層体等いずれの材質、構造のものも使用でき
る。好ましくはアルミニウム、銅、ステンレススチール
等の金属シートもしくは金属箔(より好ましくは耐薬品
性向上のため、その外面をプラスチックス等でコーティ
ングしたもの)か、ポリエステル、ポリプロピレン、FP
R等のプラスチックフィルム又はシートである。厚みは
使用目的により選択されるが、通常は0.03〜3mmのもの
が使いやすい。
基材を一定の強度があり剛性及び靭性を有するものに
したときには、従来の硬質(リジット)印刷配線板の製
造設備を用いることが可能になる。従来よりFPC用の製
造設備はコストが高く信頼性に欠ける点があったが、旧
来の硬質PC板製造設備が利用できるということは工業的
に大きな利点といえる。
本発明で用いる導体層は一般に導体として用いられて
いる金属の箔又はシートの層が好ましい。金属としては
銅が最も一般的であるが、他に金、銀、アルミニウム、
錫、ニッケル、錫−鉛、ステンレス鋼等も適宜目的に合
わせて使用できる。
以上の例は良導電体回路板に使用されるものの例であ
るが、本発明は銅−ニッケル、ニッケル−クロム等を導
体とした抵抗回路板にも適用される。
本発明に用いる印刷配線板積層体は上記の構成をとる
が、これを製造するには次の方法をとればよい。
まず前述した基材となる箔、フィルム、シート又は薄
板の上に前記の可剥離性接着剤を塗着、展着、貼着、融
着、その他の方法により積層する。この際、接着剤がホ
ットメルト系の接着剤である場合には加熱溶融してコー
トする方法をとる。
以上によって本発明でいう裏打ち材が得られたら、次
にこれの粘、接着剤層側に導体例えば銅等の金属箔を重
ね、ラミネーターを用いて該接着剤に適合した温度、圧
力のもとにラミネートすることにより目的とする印刷配
線板用積層体が得られる。
(2) 次にこの印刷配線板用積層体の導体側、即ち金
属層の面にレジストを用い目的とするパターンを印刷又
は写真の技術で形成する。使用するレジストは該積層
体、即ち基板上のパターンをエッチングから保護する働
きを有するものならいずれも使用できるが、通常は市販
のスクリーンインク、液体レジスト、又はドライフィル
ムフォトレジスト(DFR)等の中から適宜選択して使用
する。
(3) 続いてレジストが覆っていない部分、即ち導体
(EX.銅箔)が露出している部分をエッチング剤を用い
てエッチングする。
エッチング剤は一般に使用されているもの、例えば過
酸化水素−硫酸系もしくは過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩又は塩化第二
鉄もしくは塩化第二銅等から目的に合わせて選択し使用
することができる。
(4) 続いてレジストパターン上のレジストを剥離剤
により除去する。
ここで用いるレジスト剥離剤も苛性ソーダ、苛性カ
リ、又は塩化メチレン等公知のレジスト剥離剤を使用す
ればよい。
(5) 次の工程は(4)で得た導体パターン上に印刷
法により所定のパターンのオーバーコート(カバーレ
イ)を施す工程である。
オーバーコートを行うには従来ポリエステル、ポリイ
ミド等のフィルムにエポキシ系、ポリエステル系等の接
着剤を積層したカバーレイを所定のパターンに穴明け加
工した後、張り合わせて行うか、レジストインク又は感
光性樹脂を印刷もしくはコーティングして行うのが一般
であったが、前者は工程が多く煩雑な上に耐熱性が不十
分という問題点があり、一方、後者のほうにも適当なイ
ンク又は樹脂がなかったため耐熱性その他の特性が不十
分であるという問題点を有していた。
本発明者らは原理的には印刷法が優れている点に着目
し、これに用いる耐熱性樹脂溶液について鋭意研究した
結果、これに好適な極性有機溶媒可溶性芳香族ポリアミ
ドイミド樹脂(以下PAIと略記する)及び該PAIとフィラ
ーとの組成物を開発し先に出願した(特願昭60−244066
号、特願昭61−106698号、その他)。
このPAI(組成物)溶液を用いて印刷法でオーバーコ
ートした場合当業界で希求されていた耐熱性、可撓性、
電気特性等が優れた印刷配線板が得られることを見出し
たのである。
すなわち本工程でPAI又はその組成物の溶液をスクリ
ーン印刷などの印刷法により(4)で得た導体パターン
上に所望のパターンで印刷塗布し、これを加熱乾燥して
溶媒を除去することにより行われる。
該方法で使用されるPAIは例えば4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフイ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジア
ミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、アミノフェノキシベンゼン類等の芳香族ジアミンと
無水トリメリット酸クロリドとを、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性有機溶
媒中で反応させて得られる次に示す一般式 (但し、Xは酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カル
ボニル基、メチレン基又は−O−C6H4−O−を表わし、
nは2以上の整数を表わす)で示されるPAI、又はその
混合物が用いられる。
当該PAIの極性有機溶媒としては、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチル
ホスホルアミド、ハロゲン化クレゾールまたはこれらの
混合溶媒、或いはこれ等と他の慣用溶媒との混合系溶媒
を使用することができる。
又、この方法で用いられるPAI組成物に添加されるフ
ィラーは次の3種類の中から適宜選択して使用する。
高熱伝導性フィラー:熱伝導度が0.05cal/cm.sec.℃
以上の高熱伝導性無機フィラーである。具体例として
は、ベリリヤ(BeO)、マグネシア(MgO)、窒化ホウ素
(BN)、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化
ケイ素(Si3N4)、カーボン(C)及びこれらの混合物
をあげることができる。また、毒性、耐湿性、絶縁性の
点を考慮すると、窒化ホウ素若しくはアルミナが特に好
ましいフィラーとして推奨される。
導電性金属微粉体:具体的には金、銀、白金、銅、ニ
ッケル、アルミニウム、珪素、モリブデン、鉄、コバル
ト、タングステン、チタン、亜鉛及びこれらの合金並び
にこれらの混合物から選ばれた微粉体を用いる。
雲母:天然雲母或いは合成雲母 これらフィラーの配合割合は、組成物において1〜35
容量%であり、好ましくは5〜25容量%である。なお、
印刷塗工後に行われる加熱乾燥は通常80℃/45分〜130℃
/20分程度行う。
(6) 次に、出発材料として用いた印刷配線板用積層
体の裏打ち材を剥離する。
この工程は従来の印刷配線板製造工程中には全く存在
しなかった工程であり、本発明方法の最も特徴的な工程
といえる。
剥離は手で行っても又、機械で自動的に行ってもよ
い。
なお、本工程を行うにあたり、工程上支持体の剛性が
必要な場合、例えば従来の硬質(リジット)印刷配線板
の製造設備を用いる場合には補強用の裏打ち材をオーバ
ーコート層の上に接着してから本工程を実施することも
できる。
(7) (6)で剥離した面に(5)と同様にしてオー
バーコート(カバーレイ)を施す工程を行う。
なお、前記の支持補強用の裏打ち材を接着した場合に
は最終的にその裏打ち材を剥離する工程が必要になる。
以上により耐熱性を阻害する接着剤のない印刷配線板
の製造が一挙に実現した。しかもこの方法は極めて簡便
な方法であり、従来のリジット配線板装置の利用も可能
とし、とりわけDFPCの製造には著効のある方法である。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 厚さ50μmのアルミ箔(住軽アルミ箔(株)製)と
厚さ25μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製)を
ドライラミネートし、次にそのアルミ箔側にポリエチレ
ン系接着剤(東京セロファン紙(株)製:商品名リニア
ローデンTUX−TC)をホットメルト法で約30μmの厚さ
にコーティングする。
次いで得られた積層体のポリエチレン系接着剤層側に
厚さ35μmの電解銅箔(三井金属鉱業(株)製:商品名
3EC−DT35)をラミネーター(旭化成工業(株)製HL−7
00)を使用して、ラミネートロール圧力5Kg/cm2、ラミ
ネートロール温度120℃、ラミネートロールスピード1.5
m/分の条件で貼り合わせて印刷配線板用積層体を製造す
る。
で製造した印刷配線板用積層体の銅箔面に市販の
ドライフィルムフォトレジストを用いてレジストパター
ンを形成する。
市販の銅エッチング剤でで得られたレジストパタ
ーンの露出部分の銅をエッチアウトした後、レジストを
剥離剤で除去し、銅箔回路パターンを得る。
スクリーン印刷法により、この銅箔回路パターン上
に溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂を所望の形にオーバ
ーコートし、130℃で20分間乾燥する。
可溶性ポリアミドイミドでオーバーコートされた
の面にシリコーン系接着剤20μmを用いてステンレスス
チールの100μm箔を貼り合せる。
次に、これから前記の印刷配線板用積層体中のアル
ミ箔とポリエステルフィルムとポリエチレン系感熱接着
剤とからなる裏打ち材を引き剥がし銅箔パターンを露出
させる。
で得たステンレススチールで支持された銅箔回路
の露出した面をスクリーン印刷法により、溶剤可溶性ポ
リアミドイミド樹脂溶液で所望な形にオーバーコート
し、130℃で20分間乾燥する。
ステンレススチール箔とシリコーン系接着剤を同時
にのポリアミドイミド系樹脂でコートされた銅箔パタ
ーンから引き剥がす。
さらにこのポリアミドイミド樹脂でコートされた銅
箔パターンを200℃5分間、次いで300℃10分間乾燥する
ことにより、ポリアミドイミド樹脂で直接銅回路をカバ
ーした両面端子出しのフレキシブル印刷配線板(DFPC)
が得られる。
なお、以上の工程はリジット印刷配線板の装置を用い
て実施することもできる。
以上の様にして得られたフレキシブル印刷配線板は40
℃90%RHに16時間放置後取り出し、300℃の半田に20秒
間浸漬しても何等異状な認められない。又、耐電圧テス
トにおいても、表面、端面とも、AC1KVで異状は認めら
れない。なお、この場合のポリアミドイミド樹脂の厚さ
は表裏とも15μmである。又、両面端子出し部分の半田
付けの信頼性は100%で接続不良は認められない。
実施例2 厚さ125μmのポリエステルフィルム(東レ(株)
製ルミラー)にアクリル系粘着剤をブレードコートし乾
燥させる。次にその粘着剤に保護PPフィルムを貼り合わ
せて積層物とする(このものは保存可)。
次にこれに銅箔を積層するため、上記積層物から保護
フィルムを剥がし、その剥離後の面に厚さ35μmの圧延
銅箔(三井金属鉱業(株)製BSH35)をラミネーター
(旭化成工業(株)製HL−700)を用いて、ラミネート
ロール圧力5Kg/cm2、ラミネートロール温度21℃(室
温)、ラミネートロールスピード1.5m/分の条件で貼り
合わせて印刷配線板用積層体を得る。
で得られた印刷配線板用積層体の銅箔面に市販の
ドライフィルムフォトレジストを用いてレジストパター
ンを形成する。
で得られたレジストパターンを用いて、市販の銅
エッチング剤で露出部分の銅をエッチアウトした後、レ
ジストを剥離剤で除去し、銅箔回路パターンを得る。
スクリーン印刷法により、該銅箔回路パターン上に
可溶性ポリアミドイミド樹脂溶液を所望の形にオーバー
コートし、130℃で20分間乾燥する。
しかる後、最初の印刷配線板用積層体のポリエステ
ルフィルムとアクリル系粘着剤からなる裏打ち材を引き
剥がしてポリアミドイミド樹脂に保持された銅箔印刷板
を得る。
さらに該印刷板の銅箔回路の露出した面にと同様
にしてオーバーコートを施す。
このものを200℃で5分300℃で10分の乾燥を行うこ
とにより銅パターンを直接ポリアミドイミド樹脂でカバ
ーた両面端子出しフレキシブルプリント回路板(DFPC)
が得られる。
以上のようにして得られたフレキシブル印刷配線板
は、40℃90%RHに16時間放置後取り出し、300℃の半田
に20秒間浸漬しても何等異状は認められない。又、耐電
圧テストにおいても、表面、端面とも、AC1KVで異状は
認められない。
なお、この場合のポリアミドイミドの樹脂の厚さは表
裏とも15μmである。又、両面端子出し部分の半田付け
の信頼性は100%で接続不良は認められない。
実施例3 厚さ5μmのニクロム箔(竹内金属箔工業(株)販
売品)とポリエステルフィルム(東レ−ルミラー125μ
m)をシリコーン系接着剤20μmを用いて貼り合わせ
る。
の積層体のニクロム箔にドライフィルムレジスト
(旭化成工業(株)製サンフォートAQ−3040)をヒート
ラミネートし、次にフォトマスクを透して、東プロMP−
600にて50カウントの露光を行った後、東プロMD−600を
用いて1%炭酸ソーダ水溶液でレジストの現像を行う。
で被覆されていない部分のニクロム箔を、塩化第
二鉄液(旭電化(株)製アデカ塩化第二鉄40゜BE′)を
用いてチェックアウトする。
で残ったニクロム箔パターン上のレジストを3%
苛性ソーダ水溶液にて除去する。
で得たニクロム箔パターン上へ、スクリーン印刷
法により、溶媒可溶ポリイミド系樹脂(ニッポン高度紙
工業(株)製SOXR)の溶液をオーバーコートし、120℃
にて20分間乾燥させる。
でオーバーコートを行った面に、ポリエチレン系
接着剤を用いて80μmのアルミ箔(住軽アルミ箔(株)
製)を張り合わせ、続いて反対面のポリエステルフィル
ムを接着層とともにニクロム箔パターンから引き剥が
す。
の積層体のニクロム箔パターンの露出した面に、
スクリーン印刷法によってポリアミドイミド樹脂溶液
(ニッポン高度紙工業(株)製SOXR)の溶液をオーバー
コートし、120℃にて20分間乾燥させる。
の積層体のアルミ箔を接着剤とともに引き剥が
し、200℃−5分間、続いて300℃で10分間乾燥を行い、
ニクロム箔パターンを直接ポリアミドイミド樹脂でカバ
ーされた低ニクロム箔配線基板を得る。
以上のようにして得られるニクロム箔配線基板は250
℃,500時間放置後も何ら異状が認められない。
実施例4 35μm圧延銅箔(三井金属鉱業(株)製BSH35)と
ポリエステルフィルム(東レ(株)製ルミラー125μ
m)とをアクリル系粘着材20μmにより実施例2と同様
にして貼り合わせる。
で得た印刷配線板用積層体の銅箔面にドライフィ
ルム(旭化成工業(株)製サンフォートAQ−3040)をビ
ートラミネートする。これにフォトマスクを置き、東プ
ロMP−600によって露光を行う。次に東プロMD−600を用
いて1%炭酸ソーダ水溶液でレジストの現像を行う。
次いでレジストで覆われていない部分の銅箔を過酸
化水素−硫酸系エッチング(荏原電産製パーマエッチ)
によりエッチングする。
残存している銅箔パターン上のレジストを3%苛性
ソーダ水溶液に浸漬して除去する。
で得た銅箔パターン上にスクリーン印刷法によ
り、熱硬化型シリコーン樹脂(トーレ・シリコーン製CY
52−228)をオーバーコートした後、110℃・20分間で硬
化する。
シリコーン樹脂をオーバーコートした面に、アクリ
ル系接着剤を用いて住軽アルミ箔(株)製80μmのアル
ミ箔を張り合わせる。
反対面にあるポリエステルフィルムを接着層ととも
に銅箔パターンから引き剥がす。
得られた積層体の銅箔回路パターンの露出した面
に、再びスクリーン印刷法によって熱硬化型シリコーン
樹脂(トーレ・シリコーン製CY52−228)をオーバーコ
ートした後、80℃にて10分間予備硬化を行う。
これに予めシリコーン樹脂を全面コートし80℃−10
分の予備硬化を行ってある2.0mmのアルミ板上をでオ
ーバーコートした面に重ねて5Kg/mm2の圧力下で、110℃
−20分間プレスする。
で得られた積層体の80μmのアルミ箔をアクリル
系接着剤とともに引き剥がし、硬質のアルミベース印刷
配線板を得る。
以上のようにして得られた印刷配線板は40℃,90%RH
雰囲気下に16時間放置した後取り出し、300℃の半田に2
0秒間浸漬しても、何ら異状が認められない。
実施例5 市販の35μm圧延銅箔にポリエチレン系感熱接着剤
30μmを用いて実施例1のと同様にしてポリプロピレ
ンフィルム100μmを貼り合わせる。
この印刷配線板用積層体の銅箔面にドライフィルム
レジストを用いて、レジストパターンを形成し、次いで
市販の銅エッチング剤で露出部分の銅箔をエッチングす
る。続いてレジストパターンをレジスト剥離剤を用いて
除去し、銅箔回路パターンを得る。
スクリーン印刷法により該銅箔回路パターン上に溶
剤可溶性ポリイミド系樹脂を所望の形にオーバーコート
し、130℃で20分間乾燥する。
次にで得られた溶剤可溶性ポリイミド系樹脂をオ
ーバーコートした面にシリーコーン接着剤15μmを用い
てアルミ箔80μmを貼り合わせる。
この張り合わせたアルミ箔と反対面の裏打ち材、す
なわちポリプロピレンフィルムとポリエチレン系接着剤
をともに引き剥がす。
銅箔回路パターンで裏打ち材を引き剥がした面
に、再びスクリーン印刷法により溶剤可溶性ポリイミド
系樹脂を所望の形にオーバーコートし、続いて130℃で2
0分間の乾燥を行う。
このものからアルミ箔とシリコーン系接着剤からな
る裏打ち材を引き剥がすと、ホリイミド系樹脂に保持さ
れた銅箔印刷配線板がえられる。これを200℃5分間乾
燥し、次いで300℃で10分間乾燥を行うと銅箔回路を直
接ポリイミド系樹脂でカバーした両面端子出しフレキシ
ブル印刷板が得られる。
以上のようにして得られる印刷配線板は40℃,90%RH
に16時間放置後取り出し、300℃の半田に20秒間浸漬し
ても、何ら異状が認められない。又、耐電圧テストにお
いても、表裏面、端面ともにAC1KVで60秒間のテストで
異状が認められない。なお、テストしたピースのポリイ
ミド系樹脂の厚さは表裏とも15μmである。さらに半田
付けテストにおいても両面端子出し部分の半田付け信頼
性は100%の確率で確保できることが確認されている。
〔発明の効果〕
本発明の印刷配線板の製造方法の効果は、 従来、耐熱印刷配線板、特に耐熱性フレキシブル印
刷配線板に於いて耐熱性及び電気特性のネックとなって
いた接着剤層を必要としない高耐熱性基板と導電層から
なる印刷配線板を簡便、経済的工程で製造することを可
能にしたこと。
従来、工程が極めて多く、且つ高度な技術を必要と
した両面露出構造フレキシブル印刷配線板の製造を極め
て簡便有利な方法にすることに成功したこと。
オーバーコート(カバーレイ)を自動化が困難で、
高度な技術と多工程を要していた従来のラミネート法に
かえてポリイミド系樹脂では実現が困難といわれていた
印刷法にすることに成功したこと。
基材を選択することにより、従来の硬質(リジッ
ト)印刷配線板用の製造設備を転用できるようにしたこ
と等にある。
而してこれらの効果はいずれも以前より当業界で長ら
く希求されていたものであり、その工業的効果は極めて
大なるものがあるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武吉 秀夫 高知県吾川郡春野町弘岡上648番地 ニ ッポン高度紙工業株式会社内 (72)発明者 麻田 俊浩 高知県吾川郡春野町弘岡上648番地 ニ ッポン高度紙工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−65397(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に180度ピール強度で50〜2500g/25m
    mの接着力を有し、80℃/45分〜130℃/20分の耐熱性があ
    り、且つ溶剤可溶性耐熱性樹脂溶液の溶剤に耐性を有
    し、フレキシブル印刷配線板製造の各工程で使用する薬
    剤に対し耐薬品性がある可剥離性接着剤を積層してなる
    裏打ち材層と金属層からなる印刷配線板用積層体上にレ
    ジストパターンを形成する工程と、 該金属層の露出部分をエッチングする工程と、 パターン上のレジストを除去する工程と、 得られた配線パターン上に耐熱性樹脂を印刷法により
    所望のパターンにオーバーコートする工程と、 上記工程終了後、工程で用いた積層体の裏打ち材層
    を金属層から剥離する工程と、 その剥離面に工程と同様にしてオーバーコートを施
    す工程 を有することを特徴とするフレキシブル印刷配線板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のフレキシブル印刷配線板の
    製造方法において、 工程終了後、該オーバーコート面に支持用可剥離性裏
    打ち材を接着せしめる工程を挿入し、 工程終了後、その支持用可剥離性裏打ち材を剥離する
    ことを特徴とする高耐熱性フレキシブル印刷配線板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】裏打ち材の基材に適度な剛性のある基材を
    用い、硬質印刷配線板用設備によって製造することを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のフレキシブル印刷
    配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】オーバーコートに用いる耐熱性樹脂がポリ
    イミド系樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載のフレキシブル印刷配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリイミド系樹脂が極性有機溶媒可溶性芳
    香族ポリアミドイミド樹脂又はこれを含む組成物である
    ことを特徴とする請求項4記載のフレキシブル印刷配線
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1又は請求項2記載の方法で製造さ
    れた接着剤層の存在しない片面もしくは両面露出構造高
    耐熱性フレキシブル印刷配線板。
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