JP2598002B2 - マイクロ波プラズマcvd法による機能性堆積膜の形成方法 - Google Patents

マイクロ波プラズマcvd法による機能性堆積膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (1)発明の属する分野の説明 本発明は非晶質シリコン、非晶質ゲルマニウム、非晶
質シリコンゲルマニウム、非晶質炭化シリコン、非晶質
窒化シリコン、非晶質酸化シリコンなどの非晶質半導体
やその合金や、それらの非晶質半導体合金を利用した電
子写真用感光体、太陽電池、薄膜トランジスターセンサ
などの半導体素子、などの機能性堆積膜の形成方法に関
するものである。
特に本発明は、従来の原料ガスをマイクロ波エネルギ
ーで分解して、前記堆積膜を形成する形成方法をさらに
改良した堆積膜形成方法に関するものである。
(2)従来の技術の説明 従来、マイクロ波プラズマCVD法は、非晶質半導体合
金などの機能性堆積膜の形成方法として、利用されてい
る。
たとえば、USP4504518には、非晶質シリコン膜などの
形成方法としてマイクロ波プラズマCVD法が示されてい
る。
該USPには、特に0.1Torr以下の堆積圧力で、マイクロ
波プラズマCVD法で堆積を行なえば、高堆積速度、また
高い原料ガスの利用効率が可能で、かつ膜特性の良い非
晶質半導体膜が得られることが開示されている。
一方、電子写真用感光体や太陽電池、撮像管、薄膜ト
ランジスターなどの半導体素子にはより一層の特性の向
上、生産コストの低減、が望まれている。
本発明者達は、前記半導体素子の特性の向上と生産コ
ストの低減という点から、前記USPに示されている非晶
質半導体膜の形成方法の追試を行なった。
その結果、前記USPに開示されているように50Å/S以
上の堆積速度、約100%の原料ガスの利用効率は得られ
た。しかし、膜特性に関しては、前記半導体素子に関す
る特性の向上に対する要求を満すものではなかった。
たとえば、現在の水素化非晶質シリコンを用いた電子
写真用感光体をより高速の複写機やレーザービームプリ
ンターに利用しようとする場合、現像が大きな問題とな
っている。
前記USPに記されている方法で堆積した水素化非晶質
膜は、堆積速度、暗導電率、光導電率は電子写真用感光
体に使用し得る条件を満足してはいるが、光導電率の応
答速度が遅く電子写真に使用した場合残像の多い特性で
あった。
また同様に光導電率の応答速度が遅い膜は、センサ
ー、太陽電池、薄膜トランジスターに応用しても現在の
高速化の要求を満しうるものではなかった。
(3)発明の目的 本発明の目的は、マイクロ波プラズマCVD法により、
より一層電気特性の優れた非晶質半導体合金などの機能
性堆積膜を形成することである。
本発明の他の目的はマイクロ波プラズマCVD法により
高堆積速度で、電気的特性の優れた非晶質半導体やその
合金などの機能性堆積膜を形成することである。
本発明の更に他の目的は、原料ガスの重合によるポリ
シラン粉を発生させることなく非晶質半導体やその合金
などの機能性堆積膜を形成することである。
本発明のまた更に他の目的は、原料ガスをほぼ100%
利用し、かつ優れた電気特性の非晶質半導体やその合金
などの機能性堆積膜を形成することである。
(4)発明の構成 前記した目的を達成するために、本発明の堆積膜形成
方法は、堆積膜形成用の支持体を配置した減圧にし得る
堆積膜形成装置に堆積膜形成用の原料ガスを導入し、マ
イクロ波エネルギーでプラズマを発生させ、前記原料ガ
スを分解し、前記支持体上に機能性堆積膜を形成する堆
積膜形成方法において、前記原料ガスを100%分解し、
膜形成を可能にするマイクロ波エネルギーを前記原料ガ
スに与え、かつ堆積時の内圧を10mTorr以下にすること
を特徴としている。
以下本発明の堆積膜形成方法を説明する。
第1図は、堆積速度とマイクロ波エネルギーとの関係
を、原料ガスをパラメータに示した模式的なグラフであ
る。原料ガス流量は、流量(1)が最も多く、流量
(2),流量(3)の順に減少している。
ある原料ガスの流量において、堆積速度はマイクロ波
エネルギーの増加に対して、堆積速度が一次に増加する
領域と、マイクロ波エネルギーを増加しても堆積速度が
増加しない領域とに分離できる。
本発明では、堆積速度がマイクロ波エネルギーに対し
て増加する領域から堆積速度が飽和する領域へ変化する
点を臨界点と呼ぶことにする。
また、前記臨界点は、原料ガス流量の増加とともに、
マイクロ波エネルギーの大きい方へ移動する。
(第1図で流量(1)に対して臨界点はA1、流量
(2)に対して臨界点はA2、流量(3)に対しては臨界
点はA3である。) 本発明者達は、第1図の堆積速度とマイクロ波エネル
ギーとの関係において堆積速度がマイクロ波エネルギー
に比例する領域(領域1)と、臨界点近傍の領域(領域
2)と、堆積速度が飽和している領域(領域3)との3
つの領域について、堆積膜形成条件と、堆積膜との特性
について総合的にかつ詳細に検討した。
以下に水素化非晶質シリコン(A−Si:H)を例にとっ
て本発明の堆積膜形成方法を説明する。
水素化非晶質シリコンの堆積に、シランガス(SiH4
を原料ガスとした。堆積速度がマイクロ波エネルギーに
比例して増加する領域1においては、形成した水素化非
晶質シリコン膜は、光導電率と、暗導電率の比が小さい
特性であった。又、赤外吸収のスペクトルによれば[Si
H2]に基づく吸収が[SiH]に基づく吸収よりも非常に
大きい堆積膜中にポリシリコンがかなり多く含まれてい
ることがわかった。
さらに電子スピン共鳴によれば、スピン密度が非常に
大きく、シリコンの末結合手の多い膜であることがわか
った。
領域1の成膜条件では、プラズマ発光の分析の結果に
よると、SiH*の発光がH*の発光よりも強く観測された。
また領域1の成膜条件では、原料のシランガスは、十
分には分解されていなかった。
従って、領域1で高速堆積(50Å/sec以上)で成膜を
行なうと、分解が不十分で、あまり活性化されていない
分解種が支持体上に多量に堆積し、かつ支持体表面上の
表面反応に影響するH*(水素活性種)が少ないために、
堆積膜に三次元的なシリコン同志の結合が形成されにく
い。その結果領域1での堆積膜の電気的特性が悪いもの
となっていた。
臨界点近傍の領域2においては、形成した水素化非晶
質シリコン膜は、光導電率と暗導電率の比は、電子写真
用感光体に使用するには十分な値であった。しかし、光
導電率の光照射に対する応答速度は遅く、膜中に多くの
トラップがあることがわかった。
領域2の成膜条件では、原料ガスはほぼ100%分解さ
れるものの、高速堆積に適した形に分解されていない活
性種や、十分に内部エネルギーを持っていない活性種が
多くあり、50Å/sec以上の高速堆積する場合、支持体表
面での良質膜への緩和が十分に行なわれにくい。
すなわち支持体表面での構造緩和が不十分であること
で、水素化非晶質シリコン膜の内には、二面角のゆらぎ
や、シリコン−シリコンの弱結合(Weak bond)が多く
なり、そして多くのトラツプが形成されていた。
その結果領域2では、光電流の光照射に対する応答速
度が遅くなっていた。
本発明の堆積膜形成方法である臨界点のマイクロ波エ
ネルギーより以上のエネルギーを原料ガスに与えている
領域3においては、形成した水素化非晶質シリコン膜は
光導電率と暗導電率の比は、電子写真感光体に使用する
に十分な値であり、しかも光導電率の光照射に対する応
答速度は非常に速いものであった。膜中のトラツプが少
ないことがわかった。電子写真感光体の様に一次光電流
を使用する素子の場合、膜中のトラツプが少ないことは
必須条件である。
領域3の成膜条件では、原料ガスはほぼ100%分解さ
れている。さらに原料ガスを分解する以上のマイクロ波
エネルギーを原料ガスに与えるので、原料ガスは50Å/s
ec以上の高速堆積に適した形に分解される。その上、分
解種はマイクロ波エネルギーや、電子によってより内部
エネルギーの高い状態に活性化される。またプラズマ発
光で観測すると、SiH*の発光とH*の発光を比較するとH*
の発光が非常に強くなっている。すなわち水素が非常に
活性化されている。
したがって領域3では高速堆積に適した内部エネルギ
ーの高い活性種そして多量の活性化された水素がうまく
作用して、支持体上に堆積する膜が構造緩和してトラツ
プの少ない良質膜が得られる。
本発明は以上の様に高速堆積で電気特性の優れた膜
を、マイクロ波プラズマCVD法で成膜する場合、堆積速
度とマイクロ波エネルギーの関係で領域3で成膜するこ
とが良質膜堆積の必須条件であることを見い出したこと
によるものである。
本発明の先願であるUSP4504518においては、本発明で
説明した領域2、領域3が良いと示されているだけであ
る。本発明者達は、領域2と領域3で成膜した膜には電
気特性に明確な差があり、領域3が良質膜形成には必須
であることを見い出したものである。
また更に本発明の堆積膜形成方法によれば、非常に活
性化された活性種が支持体上に堆積するため、支持体材
料と活性種との化学反応が進み、そのうえ非常に活性化
された水素や、電子によって支持体材料と活性種との化
学反応が促進されるため、堆積膜と支持体材料の密着性
が非常に向上する。
加えて、本発明の堆積膜形成方法によれば、非常に活
性化し、非常な低圧で堆積するため、支持体上での緩和
が十分に進み、堆積膜の応力は非常に減少する。
本発明の堆積膜形成方法において必要なマイクロ波の
エネルギーは、原料ガスの流量によって変化するが、本
発明の堆積膜形成方法に適したマイクロ波エネルギー
は、ある流量の原料ガスに対して堆積速度が飽和するに
必要なマイクロ波エネルギーの1.1倍以上、5倍以上で
あり、より好ましくは飽和するに必要なマイクロ波エネ
ルギーの1.15倍以上、4倍以下、最適には1.2倍以上、
3倍以下である。
マイクロ波エネルギーが、堆積速度が飽和するに必要
なマイクロ波エネルギーの5倍を越えると、プラズマ内
のイオンの衝突によって堆積膜の電気的特性が低下す
る。
また本発明者達は、堆積時の内圧について、さらに検
討した。内圧は気相反応やプラズマの広がりに関係する
重要なパラメーターである。
前記USPには内圧の範囲は100mTorr以下で好適な範囲
として1mTorrから100mTorrと示されている。また実施例
は20mTorr以上で成膜した特性のみ示されている。
本発明者達の検討によれば、高速堆積および原料ガス
の高利用効率で成膜し、電気的特性のより優れた堆積膜
を得るためには、マイクロ波エネルギーは臨界点のエネ
ルギーの1.1倍以上で、内圧は好ましくは10mTorr以下、
より好ましくは、3mTorr以下、最適には1mTorr以下〜0.
1mTorr以上である。
この様な条件で行なうことによって気相中での重合反
応をおさえ、かつプラズマを維持するに必要なイオンお
よび電子密度を保持することができ、さらに堆積膜に対
するプラズマダメージとプラズマによる支持体表面反応
の促進との兼ね合いを最も良くすることができる。
またさらに一般のプラズマCVD法では、高周波(たと
えば13.56MHz)が使用されている。高周波プラズマCVD
法で非晶質半導体合金を高速堆積するために、普通容量
結合型の堆積装置が使われている。該堆積装置に高周波
で高エネルギーを導入すると、該堆積装置内の電極間に
高電圧が印加される。そのため電子の電極間の移動時間
が、高周波の電界の変化する時間より短くなる。その結
果、電極間で火花放電の様な異常放電しやすい。したが
って、高周波プラズマCVD法では、高エネルギーを堆積
装置に導入することが困難である。
一方マイクロ波プラズマCVD法ではマイクロ波(2.45G
Hzが適する。)が使用される。
マイクロ波の周期は高周波より2ケタ以上周期が短い
ため、堆積装置内に高エネルギーのマイクロ波を導入し
ても電界による電子の堆積装置内の移動時間がマイクロ
波の周期よりも長いために火花放電の様な異常放電は生
ぜず安定した放電が依持できる。
したがって、本発明の方法はマイクロ波を用いて初め
て可能となる方法である。
本発明の堆積膜形成方法は、A−Si:H膜に限定される
ものではなく、A−Ge:H,A−SiGe:H,A−SiC:H,A−GeC:
H,A−SiGeC:H,A−SiN:H,A−SiGeN:H,A−GeN:H,A−SiO:
H,A−GeO:H,A−SiGeO:H,A−SiSn:H,A−SiPb:H,A−C:Hな
どの非晶質半導体合金の形成に適用できる。
シリコンの原料ガスにはSiH4,Si2H6,Si3H8,…など
のシラン系のガスが利用できる。
ゲルマニウムの原料ガスにはSeH4,Ge2H6…などのゲ
ルマン系のガスが利用できる。
炭素の原料ガスには、CH4,C2H6,C3H8…,C2H4,C3H
6…,C2H2…,C6H6,…などのガスが利用できる。
錫の原料ガスにはSnH4,Sn(CH3)4…などのガスが利用
できる。
錫の原料ガスには、Pb(CH3)4,Pb(C2H5)6,などのガ
スが利用できる。
前記、非晶質半導体合金にドーピングを行ってp,n制
御をする場合、前記原料ガスと共に周期律表の第III族
(P型にする場合)第V族(n型にする場合)を添加す
れば良い。
第III族原子としては、B,Al,Ga,In,Tlが利用でき、そ
れらの供給用原料ガスとしては、B2H6,B4H10,B5H9,B
5H11,B6H10,B6H12,B6H4等の水素化硼素が挙げられ
る。
この他AlCl3,GaCl3,Ga(CH3)3,InCl3,TlCl3等も挙
げる事ができる。
第V族原子としては、P,As,Sb,Biが利用できる。それ
らの供給用原料ガスとしては、PH3,P2H4等の水素化
燐、その他AsH3,SbH3,BiH3等を挙げることができる。
窒素の原料ガスには、N2,NH3,等が利用できる。
酸素の原料ガスには、O2,CO,CO2,NO2,N2O等が利用
できる。
特に本発明の堆積膜形成方法は、A−SiGe:Hなどの半
導体合金や、A−Si(B:H)などのドーピングの場合に
従来のマイクロ波プラズマCVD法より非常に良質な膜が
得られる。
従来の方法は、マイクロ波エネルギーが不充分である
ため、半導体合金やドーピングを行う場合、原料ガスの
分解エネルギーの違いを反映し、プラズマ内の活性種の
内部エネルギーが原料ガスによって異なっている。
その結果、支持体上に堆積してからの構造緩和が十分
に行われず、膜中の欠陥は多くなつていた。
本発明の堆積膜形成方法は、堆積速度が飽和するマイ
クロ波エネルギーよりも、より大きなマイクロ波エネル
ギーを原料ガスに与えるため、分解エネルギーの異なる
原料ガスの混合系であっても、すべての原料ガスに対し
て十分なエネルギーが与えられ、すべての分解種が成膜
に適した形に活性化される。また原料ガスから分解して
生じた水素原子が活性化され、支持体表面での反応を補
助することができる。
したがって、本発明の堆積膜形成方法によれば、半導
体合金やドーピングがよりよい電気特性を維持しながら
高堆積速度で成膜できる。
また、本発明の堆積膜形成方法をより効果的にするた
めに支持体温度は重要な因子である。本発明の堆積膜形
成方法に適した支持体温度は20℃〜400℃である。より
トラツプの少ない堆積膜を形成する為には、100℃〜350
℃である。
以下、本発明の堆積膜形成方法について具体的に説明
する。
第2図、第3図は本発明の堆積膜形成方法を実施する
にあたって使用した堆積形成装置の模式的な側面断面図
と平面断面図である。
本発明の堆積膜形成方法で使用した堆積膜形成装置は
減圧にし得る反応炉容器201,301、アルミナセラミック
ス製のマイクロ波導入窓202,302、マイクロ波の導波管2
03、排気管204,304、円筒状支持体205,305(小さい支持
体の場合、円筒状支持体表面に溝をほり、そのみぞに小
さい支持体を密着させてその小さい支持体上に堆積膜を
形成する)、支持体加熱用ヒータ207,307、ガス導入用
パイプ208,308、支持体回転用モータ210から構成されて
いる。不図示ではあるがガス導入用パイプ208,308は、S
iH4,GeH4,H2,CH4,B2H6などの前記原料ガスのボンベ
にバルブとマスフローコントローラを介して接続されて
いる。又、排気管204は不図示の拡散ポンプに接続され
ている。
本発明の堆積膜形成方法は、前記堆積膜形成装置で以
下の様にして行った。
まず、反応炉容器201,301内に、円筒状支持体205,305
を設置し、支持体回転用モータ210で支持体を回転し、
拡散ポンプ(不図示)で10-6Torr以下に減圧した。続い
て、円筒状支持体加熱用ヒータ207,308で円筒状支持体
の温度を20℃から400℃に制御した。円筒状支持体205,3
05が所定の温度になった後ガスボンベ(不図示)から所
定のガスをガス導入パイプ208,308を介して放電空間20
6,306に導入した。放電空間206,306の圧力を0.1Torr以
下の所定の圧力にした。
内圧が安定した後、マイクロ波電源(不図示)から導
波管、マイクロ波導入窓を介して、放電空間206,306に
マイクロ波エネルギーを導入した。マイクロ波エネルギ
ーは、堆積速度が飽和するに必要なエネルギーの1.1倍
以上を導入した。このマイクロ波エネルギーによって、
前記原料ガスが分解され円筒状支持体上に、所定の良質
な非晶質半導体合金が形成された。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
〈実施例1〉 第2図、第3図に示す堆積膜形成装置を使って本発明
の堆積膜形成方法に従ってA−Si:H膜を形成した。
A−Si:H膜はコーニング社製7059ガラス上に堆積した。
7059ガラスは、1inch×2inchの大きさで、円筒状Alシリ
ンダーに溝を掘ってセツトした。
7059ガラスをセツトした円筒状Alシリンダーを第2図
に示す円筒状支持体25の位置に設置した。
A−Si:H膜の堆積用原料ガスにSiH4ガスを使用した。Si
H4ガスの流量は250SCCMとした。円筒状Alシリンダーの
温度は200℃とした。他の条件は第1表に示す条件で行
った。
第4図にはA−Si:H膜堆積時の内圧を50mTorrとした
場合の、堆積速度とマイクロ波エネルギーの関係を示
す。第1表のサンプルNo.101と102は、従来技術の条件
により比較用のサンプルである。
サンプルNo.103〜108は、本発明の堆積膜形成方法に
よるサンプルである。
明導電率及び暗導電率はA−Si:H膜を堆積した7059ガ
ラス上にAlのギヤツプ電極を真空蒸着し、微小電流計
(YHP製4140B)で導電率を測定した。暗導電率測定用の
光源には、7mWのHe−Neレザーを使用した。
また、光電流の応答速度は、750nmの発光ダイオード
をパルスジエネレーターでパルス状に発光させ、得られ
た光電流をストレージオシロスコープに記録し測定し
た。
本発明の堆積膜形成方法によるサンプル(No.103〜10
8)は比較サンプル(No.101〜102)よりも明導電率/暗
導電率及び応答速度が非常に改善されている。また原料
のガスの堆積効率はほぼ100%であった。
〈実施例2〉 第2図、第3図に示す堆積膜形成装置を使って、本発
明の堆積膜形成方法に従って、A−Si:H膜を形成した。
A−Si:H膜はコーニング社製7059ガラス上に堆積した。
7059ガラスは1inch×2inchの大きさで、円筒状Alシリン
ダーに溝を掘ってセツトした。
7059ガラスをセツトした円筒状Alシリンダーを第2図
に示す円筒状支持体25の位置に設置した。
A−Si:H膜の堆積用原料ガスにSiH4ガスを使用した。Si
H4ガスの流量は750SCCMとした。
円筒状Alシリンダーの温度は200℃とした。他の条件
は第1表に示す条件で行った。
第2表のサンプルNo.201は、従来技術の条件による比
較用のサンプルである。
サンプルNo.202〜207は本発明の堆積膜形成方法によ
るサンプルである。
明導電率及び暗導電率は、A−Si:H膜を堆積膜した70
59ガラス上にAlのギヤツプ電極を真空蒸着し、微小電流
計(YHP製4140B)で導電率を測定した。暗導電率測定用
の光源には7mWのHe−Neレザーを使用した。
また、光電流の応答速度は、750nmの発光ダイオード
をパルスジエネレーターでパルス状に発光させ、得られ
た光電流をストレージオシロスコープに記録し、測定し
た。
本発明の堆積膜形成方法によるサンプル(No.202〜20
7)は比較サンプル(No.201)よりも明導電率/暗導電
率及び応答速度が非常に改善されている。
また原料ガスの堆積効率はほぼ100%であった。
〈実施例3〉 第2図、第3図に示す堆積膜形成装置を使用して、本
発明の堆積膜形成方法に従って、第5図に示す電子写真
用感光体505を作製した。
電子写真用感光体505は円筒状Alシリンダー501上に支
持体からの電荷の注入を阻止する第1層502と、感光層
の第2層と、表面保護層の第3層504とから構成されて
いる。
前記感光体は、第3表に示す作製条件で作製した。堆
積膜形成時の円筒状Alシリンダー温度は210℃とした。
この様にして得られた電子写真用感光体を、帯電能及
び感度が測定できるように改造した複写機(キヤノン製
NP7550)で評価した。帯電能は従来の感光体(比較例に
示す)と比較して17%向上し、感度も10%向上してい
た。
またさらに残像の非常に少ない特性であった。
比較例 第2図、第3図に示す堆積膜形成装置によって、第4
表に示す条件で従来の電子写真用感光体を作製した。
〈実施例4〉 第2図、第3図に示す堆積膜形成装置を使って、本発
明の堆積膜形成方法によって、A−SiGe:H膜を堆積し
た。
A−SiGe:H膜は、石英支持体上に、支持体温度200℃お
よび第5表の条件で1μm堆積した。
石英支持体上に堆積したA−SiGe:H膜はESR(電子ス
ピン共鳴、シリコンまたはゲルマニウム原子の未結合手
の数が測定できる)を測定した。
本発明の堆積膜形成方法によるA−SiGe:H膜は、第5
表に示すように従来の方法による膜よりESRは1/50と少
ない良好な特性が得られた。また、赤外吸収スペクトル
を測定したところ、本発明の堆積膜形成方法にA−SiG
e:H膜では、Si−HとGe−Hの吸収のみが観測された。
またさらに、前記と同様な作製条件でコーニング社製
7059ガラスに20μm堆積した。
従来例は、膜はがれを起したが、本発明による堆積膜
は膜はがれを起さなかった。
同様にAl支持体(厚さ1mm)上に20μm堆積して応力
を測定した。本発明の堆積膜は従来例より応力の少ない
特性であった。
〈実施例5〉 第2図、第3図に示す堆積膜形成装置を使って、本発
明の堆積膜形成方法によって、A−SiC:H膜を堆積し
た。
A−GiC:H膜は、石英支持体上に支持体温度290℃及び第
6表の条件で1μm堆積した。
石英支持体上に堆積したA−SiC:Hi膜は実施例4と同
様にESRを測定した。
本発明の堆積膜形成方法によるA−SiC:H膜は、第6
表に示すように、従来の方法による膜よりESRは1/200少
ない良好な特性が得られた。
また、前記と同様な作製条件でA−SiC:H膜をAl支持
体(厚さ1mm)上に30μm堆積した。
従来例は、膜はがれを起したが、本発明による堆積膜
は、膜はがれを起さなかった。さらにAl支持体のゆがみ
から堆積膜の応力を測定したところ本発明の堆積膜は従
来例よりも応力が小さくなっていた。
〈実施例6〉 第2図、第3図に示す堆積膜形成装置を使って、本発
明の堆積膜形成方法によって、A−SiN:H膜を堆積し
た。
A−SiN:H膜は、石英支持体上に、支持体温度190℃及び
第7表の条件で1μm堆積した。
石英支持体上に堆積したA−SiN:H膜は、実施例4と
同様にESRを測定した。
本発明の堆積膜形成方法によるA−SiN:H膜は、第7
表に示すように、従来の方法による膜よりESRは1/20少
ない良好な特性が得られた。
また、前記と同様な作製条件でA−SiN:H膜をAl支持
体上に30μm堆積した。
従来例は、膜はがれを起したが、本発明による堆積膜
は、膜はがれを起さなかった。
〈実施例7〉 第2図、第3図に示す堆積膜形成装置を使って、本発
明の堆積膜形成方法によって、A−Si:H、A−SiGe:H膜
に不純物のドーピングを行った。
各ドーピング膜は、コーニング社製7059ガラスに、支
持体温度250℃及び第8表〜第10表の条件で1μm堆積
した。
各ドーピング膜についてくし型のAl電極を真空蒸着し
て、微小電流計(YHP製4140B)で暗導電率を測定した。
本発明の堆積膜形成方法によるドーピング膜は、第8
表〜第10表に示す様に、従来例より暗導電率が高く、ド
ーピング効率の良い結果が得られた。
(5)効果の説明 本発明の堆積膜形成方法によれば、高堆積速度ほぼ10
0%の原料ガスの利用効率、更に電気的特性の優れた機
能性堆積膜を形成することができる。特に光電流の応答
速度は非常に改善される。
また、高堆積速度ほぼ100%の原料ガスの利用効率で
あるので、各種の機能素子(電子写真用感光体、センサ
ー、太陽電池、薄膜トランジスターなど)の生産コスト
を非常に安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の原理の模式的説明図である。 第2図、第3図は本発明によるマイクロ波プラズマCVD
法による堆積膜形成装置の側面断面図、平面断面図の模
式的説明図である。 図において、 201,301……反応炉容器 202,302……マイクロ波導入窓 203……導波管 204,304……排気管 205,305……円筒状支持体 206,306……放電空間 207,307……ヒーター 208,308……ガス導入パイプ 209……移動フランジ 210……モーター 第4図は本発明の実施例1の堆積速度とマイクロ波エネ
ルギーの関係の説明図である。 第5図は、本発明の実施例で作製した電子写真用感光体
の模式的説明図である。 501……支持体 502……第1層 503……第2層 504……第3層 505……電子写真用感光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋爪 淳一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 武井 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−127647(JP,A) 米国特許4504518(US,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】堆積膜形成用の支持体を配置した減圧にし
    得る堆積膜形成装置に少なくともシリコン及び水素を含
    有する原料ガスを導入し、内圧を10mTorr以下に設定
    し、プラズマ中のH*の発光がSiH*の発光よりも強くなる
    マイクロ波エネルギーを前記原料ガスに印加することを
    特徴とする機能性堆積膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記マイクロ波エネルギーは、前記原料ガ
    スの分解生成物からの前記支持体上への堆積速度が飽和
    するマイクロ波エネルギーの1.1倍以上であることを特
    徴とする特許請求の範囲1記載の機能性堆積膜の形成方
    法。
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