JP2597241B2 - はねかけ潤滑式エンジン - Google Patents

はねかけ潤滑式エンジン

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JP2597241B2
JP2597241B2 JP3076867A JP7686791A JP2597241B2 JP 2597241 B2 JP2597241 B2 JP 2597241B2 JP 3076867 A JP3076867 A JP 3076867A JP 7686791 A JP7686791 A JP 7686791A JP 2597241 B2 JP2597241 B2 JP 2597241B2
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oil
crankcase
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信治 中井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、はねかけ潤滑式エンジ
ンに関する。
【0002】
【従来技術】はねかけ潤滑式エンジンの従来技術とし
て、図3に示すものがある。これは、クランクケース1
01内のコンロッド大端部102からオイルパン103
内に向けてオイルデッパ104を導出し、シリンダ軸心
105を横断して回動するオイルデッパ先端部106で
オイルパン103内の潤滑油107をクランクケース1
01内に跳ね上げるように構成し、このオイルデッパ先
端部106の回動軌跡108の横側に一軸バランサ10
9を設けて構成している。
【0003】この構成によれば、オイルデッパ104を
コンロッド大端部102に設けるだけの簡単な構造でク
ランクケース101内の潤滑を行うことができ、圧送ポ
ンプ等を要する圧送潤滑式のものに比べ、エンジンの低
コスト化を図ることができる利点がある。また、高重量
の一軸バランサ109をエンジンの低位置に配置するた
め、エンジンの重心が低くなり、エンジンの安定化を図
ることができる利点がある。
【0004】ところで、この従来技術では、オイルデッ
パ先端部106の回動軌跡108の中心点110は、シ
リンダ軸心105からみて一軸バランサ109側に偏心
しているため、この回動軌跡108の横端部111はシ
リンダ軸心5から横に大きく離れる。このため、この回
動軌跡108の横端部111との干渉を避けてその横側
に配置される一軸バランサ109もシリンダ軸心105
から横に大きく遠ざかることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には、次
の問題がある。
【0006】オイルデッパ先端部106の回動軌跡1
08の中心点110がシリンダ軸心105からみて一軸
バランサ109側に偏心しているため、一軸バランサ1
09はシリンダ軸心105から横に大きく遠ざかること
になる。このため、一軸バランサ109と対向するクラ
ンクケース横壁112がこれに対応して横に大きく張り
出し、エンジンが大型となる。
【0007】一軸バランサ109がシリンダ軸心10
5から横に大きく遠ざかることになるので、一軸バラン
サ109による偏荷重で、エンジンの左右バランスが悪
くなる。
【0008】本考案は、一軸バランサをシリンダ軸心に
接近させることができるようにすることを、その課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案は、図1に例示す
るように、クランクケース1内のコンロッド大端部2か
らオイルパン3内に向けてオイルデッパ4を導出し、シ
リンダ軸心5を横断して回動するオイルデッパ先端部6
でオイルパン3内の潤滑油7をクランクケース1内に跳
ね上げるように構成し、このオイルデッパ先端部6の回
動軌跡8の横側に一軸バランサ9を設けた、はねかけ潤
滑式エンジンにおいて、次の構成を特徴とする。
【0010】すなわち、上記オイルデッパ先端部6の回
動軌跡8の中心点10を、上記シリンダ軸心5からみて
一軸バランサ9側とは反対側に偏心させ、上記回動軌跡
8の横端部11に上記一軸バランサ9を接近させて配置
したことを特徴とする。
【0011】
【作用】オイルデッパ先端部6の回動軌跡8の中心点
10を、シリンダ軸心5からみて一軸バランサ9側とは
反対側に偏心させ、回動軌跡8の横端部11に一軸バラ
ンサ9を接近させて配置したので、回動軌跡8の中心点
10がシリンダ軸心5からみて一軸バランサ9側に偏心
している場合に比べ、一軸バランサ9の配置がシリンダ
軸心5に近づくことになる。このため、一軸バランサ9
の配置がシリンダ軸心5に近づく分だけ一軸バランサ9
と対向するクランクケース横壁12を横に大きく張り出
す必要がなくなり、エンジンの小型化を図ることができ
る。
【0012】一軸バランサ9の配置がシリンダ軸心5
に近づく分だけ、一軸バランサ9による偏荷重が少なく
なり、エンジンの左右バランスが良好になる。
【0013】
【発明の効果】オイルデッパ先端部の回動軌跡の中心
点を、シリンダ軸心からみて一軸バランサ側とは反対側
に偏心させ、回動軌跡の横端部に一軸バランサを接近さ
せて配置したので、回動軌跡の中心点がシリンダ軸心か
らみて一軸バランサ側に偏心している場合に比べ、一軸
バランサの配置がシリンダ軸心に近づくことになる。こ
のため、一軸バランサの配置がシリンダ軸心に近づく分
だけ、一軸バランサと対向するクランクケース横壁を横
に大きく張り出す必要がなくなり、エンジンの小型化を
図ることができる。
【0014】一軸バランサの配置がシリンダ軸心に近
づく分だけ、一軸バランサによる偏荷重が少なくなり、
エンジンの左右バランスが良好になる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】図1及び図2は本発明の実施例に係るエン
ジンを説明する図で、図1はクランクケースの縦断面背
面図、図2はクランクケースの横断面平面図である。
【0017】図1において、符号13はエンジンを示し
ており、これは次のようになっている。図1に示すよう
に、クランクケース1の上側にシリンダ14を設け、ク
ランクケース1内にクランク軸15を収容し、シリンダ
14内のピストン(図外)とクランク軸15とをコンロ
ッド16で連結している。クランクケース1の下部をオ
イルパン3として利用しており、ここに潤滑油7を溜め
ている。
【0018】クランク軸15は、次のようになってい
る。図2に示すように、前後一対のクランク軸ジャーナ
ル17にそれぞれクランクアーム18を連接し、両クラ
ンクアーム18の先端部間にクランクピン19を介設し
ている。両クランクアーム18の基端部からバランスウ
ェイト20を導出している。クランク軸ジャーナル17
をクランクケース1の前後壁のクランク軸軸受部21に
軸受けさせて、クランク軸15をクランクケース1内に
架設している。このクランク軸15は、図1に示すよう
に、クランク軸ジャーナル17の軸心を回転中心22と
して回転することになる。このクランク軸15の回転中
心22はシリンダ軸心5よりも左側に偏心させている。
【0019】このクランク軸15のクランクピン19に
は、コンロッド大端部2を連結しており、これは次のよ
うになっている。コンロッド大端部2はロッド端部23
とコンロッドキャップ24とからなる。ロッド端部23
とコンロッドキャップ24とでクランクピン19を挟ん
で、コンロッド大端部2とクランクピン19との連結を
行っている。コンロッドキップ24はロッド端部23に
コンロッドボルト25で固定している。
【0020】コンロッド大端部2からオイルパン3内に
向けてオイルデッパ4を導出しており、これは次のよう
になっている。オイルデッパ4は、横長の基部26の右
端から縦長の垂設部27を導出したL字形のものであ
る。基部26には後側(紙面手前側)に折り曲げ形成し
た取付片28を設け、垂設部27の先端、すなわち、オ
イルデッパ先端部6には後側(紙面手前側)に折り曲げ
たオイルデッパ片29を設けている。取付片28をコン
ロッドボルト25でボルト締めして、オイルデッパ4を
コンロッド大端部2に固定している。オイルデッパ片2
9は、矢印36のようにシリンダ軸心5を横断して回動
し、オイルパン3内の潤滑油7をクランクケース1内に
跳ね上げることになる。オイルデッパ片29は、コンロ
ッド大端部2の左右方向中央部より右側に大きくオフセ
ットして配置されるため、その回動軌跡8の中心点10
はシリンダ軸心5からみて大きく右側に偏心することに
なる。
【0021】オイルデッパ片29の回動軌跡8の左横に
は一軸バランサ9を設けており、これは次のようになっ
ている。図2に示すように、前後一対のバランサ軸ジャ
ーナル30にそれぞれウェイト31を連接し、両ウェイ
ト31を連結軸32で連結している。クランクケース1
前後壁の両バランサ軸軸受部33に両バランサ軸ジャー
ナル30を軸受けさせて、一軸バランサ9をクランクケ
ース1内に回転自在に架設している。一軸バランサ9に
取り付けたバランサギヤ34とクランク軸15に取り付
けたクランクギヤ35とを噛合させ、図1に示すよう
に、一軸バランサ9がクランク軸15と同一周期で逆回
転するようにし、ピストン(図外)の往復慣性力が一軸
バランサ9の回転によって相殺され、エンジンの上下振
動が軽減されるようになっている。矢印37はクランク
軸15の回転方向、矢印38は一軸バランサ9の回転方
向を示している。
【0022】この一軸バランサ9は、オイルデッパ片2
9の回動軌跡8の左横端部11に接近させて配置してい
る。前述したように、オイルデッパ片29の回動軌跡8
の中心点10は、シリンダ軸心5からみて右側に大きく
偏心している。このため、回動軌跡8の中心点10が左
側に偏心している場合に比べ、一軸バランサ9の配置
は、シリンダ軸心5に近づくことになる。一軸バランサ
9の配置がシリンダ軸心5に近づく分だけ、一軸バラン
サ9と対向するクランクケース横壁12の張り出しは小
さくなっている。また、一軸バランサ9の配置がシリン
ダ軸心5に近づく分だけ、一軸バランサ9による偏荷重
は少なくなっている。
【0023】尚、図1・図2の符号39は動弁カム軸で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るエンジンのクランクケー
スの縦断面背面図である。
【図2】本発明の実施例に係るエンジンのクランクケー
スの横断面平面図である。
【図3】従来技術の図1相当図である。
【符号の説明】
1…クランクケース、2…コンロッド大端部、3…オイ
ルパン、4…オイルデッパ、5…シリンダ軸心、6…オ
イルデッパ先端部、7…潤滑油、8…6の回動軌跡、9
…一軸バランサ、10…8の中心点、11…8の横端
部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクケース(1)内のコンロッド大端
    部(2)からオイルパン(3)内に向けてオイルデッパ(4)
    を導出し、シリンダ軸心(5)を横断して回動するオイル
    デッパ先端部(6)でオイルパン(3)内の潤滑油(7)をク
    ランクケース(1)内に跳ね上げるように構成し、このオ
    イルデッパ先端部(6)の回動軌跡(8)の横側に一軸バラ
    ンサ(9)を設けた、はねかけ潤滑式エンジンにおいて、
    上記オイルデッパ先端部(6)の回動軌跡(8)の中心点
    (10)を、上記シリンダ軸心(5)からみて一軸バランサ
    (9)側とは反対側に偏心させ、上記回動軌跡(8)の横端
    部(11)に上記一軸バランサ(9)を接近させて配置し
    た、ことを特徴とするはねかけ潤滑式エンジン。
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