JP2596854Y2 - 2室式容器兼用注射器用のコネクター - Google Patents

2室式容器兼用注射器用のコネクター

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JP2596854Y2 JP1993031352U JP3135293U JP2596854Y2 JP 2596854 Y2 JP2596854 Y2 JP 2596854Y2 JP 1993031352 U JP1993031352 U JP 1993031352U JP 3135293 U JP3135293 U JP 3135293U JP 2596854 Y2 JP2596854 Y2 JP 2596854Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、注射器外筒が前室部外
筒と後室部外筒とに分割されており、凍結乾燥手段等で
製造される所定量の粉末状薬剤等が前室部外筒内に無菌
状態で密閉され、該薬剤等を溶解させる所定量の溶解液
等が後室部外筒内に無菌状態で密閉されて、1本の注射
器に組み立てられる組立式の2室式容器兼用注射器にお
いて、該注射器の組立に使用される2室式容器兼用注射
器用のコネクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体状態では薬効成分が不安定で変質し
やすい薬液は、一般的に、凍結乾燥処理で粉末状薬剤と
されて無菌保管されている。この粉末状薬剤を医療現場
等において注射液として使用するには、粉末状薬剤を溶
解させる溶解液と粉末状薬剤とを医師等が注射に際して
注射器外筒内で混和させて使用している。
【0003】しかし、この混和を一般的な注射器で行な
うと、大気中の細菌による注射液の汚染等の危険性が生
じてしまう。このため、粉末状薬剤を注射するための特
殊注射器として、粉末状薬剤と溶解液とをあらかじめ注
射器外筒内に所定量づつ個別に無菌保持することがで
き、かつ、注射に際して粉末状薬剤と溶解液とを注射器
外筒内で混和させることができる2室式容器兼用注射器
が開発されており、2室式容器兼用注射器として、平成
3年実用新案登録願第57218号に開示されている組
立式の2室式容器兼用注射器も開発されている。
【0004】図10に示されている組立式の2室式容器
兼用注射器1は、前室部外筒2と後室部外筒3とが従来
のコネクター4で連結されて組み立てられており、前室
部外筒2内には、中央部にゴム製の第1密封栓5が密嵌
され、後端部にゴム栓6が密嵌されて、第1密封栓5と
ゴム栓6との間の第1内室7に所定量の粉末状薬剤8が
無菌状態で密閉され、後室部外筒3内には、先端部にゴ
ム製の第2密封栓10が密嵌され、後端部にゴム製のプ
ランジャー11が密嵌されて、第2密封栓10とプラン
ジャー11との間の第2内室13に所定量の溶解液14
が無菌状態で密閉されている。
【0005】なお、図10において、符号20はバイパ
ス溝を、符号21aは筒先部を、符号21bは筒先部2
1aの針基部を、符号22は筒先部21aの内壁面に凹
設されている導通溝を、符号23は針基部21bに取り
付けられたキャップをそれぞれ示している。
【0006】この2室式容器兼用注射器1に使用されて
いる従来のコネクター4は、図11に示されるように、
無底円筒形の周壁部33が、2室式容器兼用注射器1の
前室部外筒2が密嵌される第1嵌合部31と、2室式容
器兼用注射器1の後室部外筒3が密嵌される第2嵌合部
32とを有しており、第1嵌合部31には、前室部外筒
2を凹凸嵌合させる第1凹部34が形成され、第2嵌合
部32には、後室部外筒3を凹凸嵌合させる第2凹部3
5が形成されている。
【0007】このコネクター4を使用した2室式容器兼
用注射器1の組立方法の一例は図12に示されており、
この方法では、無菌環境下において、コネクター4の第
1嵌合部31内に前室部外筒2を密嵌させて、前室部外
筒2内に所定量の粉末状薬剤8を無菌状態で密閉した
後、所定量の溶解液14が無菌状態で密閉されている後
室部外筒3をコネクター4の第2嵌合部32内に密嵌さ
せ、更に、前室部外筒2の先端部に筒先部21aを密嵌
させて、筒先部21aの針基部21bにキャップ23を
取り付けている。
【0008】そして、この方法では、前室部外筒2内に
所定量の粉末状薬剤8を無菌密閉するために、無菌環境
下において、栓5が密嵌された前室部外筒2をコネクタ
ー4の第1嵌合部31内に密嵌させた後、コネクター4
の第2嵌合部32側の開口部から所定量の薬液を前室部
外筒2内に注入して、ゴム栓6を周壁部33内に挿入
し、次に、このコネクター4を無菌状態に保持されてい
る凍結乾燥装置内に移し、この装置内において、凍結処
理で前室部外筒2内の薬液を凍結させ、続いて真空下で
の乾燥処理で凍結した薬液から水分を蒸散させて、前室
部外筒2内の薬液を粉末状薬剤8となし、最後にゴム栓
6を、打栓して前室部外筒2内に密嵌させている。
【0009】また、この方法では、後室部外筒3内に所
定量の溶解液14を無菌密閉するために、後室部外筒3
内に所定量の溶解液14を密閉した後、後室部外筒3に
加熱処理を施している。
【0010】ところで、以上説明したこの組立方法にお
いて重要なことは、ゴム栓6をコネクター4の第2開口
部37から周壁部33内に挿入する際に、コネクター4
の周壁部33内へのゴム栓6の挿入によって前室部外筒
2内が密閉されず、前室部外筒2の内部と凍結乾燥装置
の内部とが連通されているところの、いわゆる半打栓の
状態にするということである。
【0011】しかし、従来のコネクター4には、ゴム栓
6を周壁部33内に挿入する際に、図13に示すよう
に、ゴム栓6の挿入が前室部外筒2内にまで至り、前室
部外筒2内がゴム栓6によって封止されて、破線矢印B
で示すように、真空乾燥処理における凍結薬液からの水
分の蒸散が正常に行なわれない危険性があった。
【0012】もし、この水分の蒸散が正常に行なわれな
いと、安定した品質を有する粉末状薬剤の製造ができな
いという事態が生じる。
【0013】もう一つ、以上説明した組立方法において
重要なことは、図14に示すように、前室部外筒2内に
所定量の粉末状薬剤8を無菌状態で密閉した後、所定量
の溶解液14が無菌状態で密閉されている後室部外筒3
をコネクター4の第2嵌合部32内に密嵌させる際に、
周壁部33内の空気の圧縮によってゴム栓6が前室部外
筒2内をバイパス溝20に向かって矢印Cの方向へ移動
させられても、ゴム栓6がバイパス溝20にまで至らな
いということである。
【0014】しかし、従来のコネクター4には、周壁部
33内の空気の圧縮によって、ゴム栓6がバイパス溝2
0にまで至る危険性があった。
【0015】もし、ゴム栓6の移動がバイパス溝20ま
で至って前室部外筒2内の密封状態が破れると、前室部
外筒2内の粉末状薬剤8が吸湿して、粉末状薬剤8が変
質や効力低下をきたす危険性が生じる。
【0016】ただし、後室部外筒3をコネクター4の第
2嵌合部32内に密嵌させる際に、ゴム栓6が前室部外
筒2内をバイパス溝20に向かって移動させられても、
ゴム栓6の移動がバイパス溝20まで至らなければ、2
室式容器兼用注射器1の使用に問題は生じない。
【0017】なんとなれば、図15に示すように、ゴム
栓6の移動によって2室式容器兼用注射器1内における
第2密封栓10とゴム栓6との間に第3の内室が形成さ
れても、2室式容器兼用注射器1の使用に際しプランジ
ャー11を押進させて、ゴム栓6がバイパス溝20の長
さ範囲内に入れば、第1及び第3内室7,25が連通さ
れるため、ゴム栓6の移動が停止して、第2密封栓10
のみが押進させられ、やがて第2密封栓10がゴム栓6
に当接させられて、ゴム栓6及び第2密封栓10がバイ
パス溝20の長さ範囲内に入るからである。
【0018】
【考案が解決しようとする課題】従来のコネクターが有
する前記危険性に鑑み、本考案では、凍結乾燥装置内に
おける2室式容器兼用注射器の前室部外筒内の凍結薬液
からの水分の蒸散を確実に行なうことができ、かつ、所
定量の溶解液が無菌状態で密閉されている2室式容器兼
用注射器の後室部外筒をコネクターの第2嵌合部内に密
嵌させる際に、前室部外筒内のゴム栓が前室部外筒内を
バイパス溝に向かって移動させられても、ゴム栓の移動
が前室部外筒のバイパス溝まで至る危険性を従来のコネ
クターと比べて減少させることができる、2室式容器兼
用注射器用のコネクターの提供を課題としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本考案では、2室式容器兼用注射器の前
室部外筒が密嵌される第1嵌合部と、2室式容器兼用注
射器の後室部外筒が密嵌される第2嵌合部とを有する無
底筒状の周壁部が、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の
中間に、前記第2嵌合部を通って前記前室部外筒の内部
に密嵌させられるゴム栓を一時的に係止する第1係止部
を有し、前記第1嵌合部には、前記前室部外筒を一時的
に係止する第2係止部が前記第1嵌合部の内周壁面にお
ける軸方向の中間部に形成されていると共に、前記第2
係止部によって前記前室部外筒が前記第1嵌合部の内部
で一時的に係止された状態で、前記前室部外筒の内部と
前記第1嵌合部の外部とを連通させる第1脱気部も形成
されており、前記第2嵌合部には、前記後室部外筒を前
記第2嵌合部の内部に密嵌させる際の第2脱気部が形成
されている、という構成を採用している。
【0020】
【作用】前記構成が採用されている本考案では、図4に
示すように、2室式容器兼用注射器の前室部外筒2が第
2係止部111によって第1嵌合部101の内部で一時
的に係止された状態で、前室部外筒2の内部と第1嵌合
部101の外部とを連通させる第1脱気部113が第1
嵌合部101に形成されているので、第2嵌合部102
を通って前室部外筒2の内部に密嵌させられるゴム栓6
が周壁部104の第1係止部103によって第2嵌合部
102内で一時的に係止されて、ゴム栓6によって第1
及び第2嵌合部101,102の内部が互いに遮断され
ていても、前室部外筒2の内部は、第1嵌合部101の
第1脱気部113によって第1嵌合部101の外部と連
通させられている。
【0021】このため、無菌状態の凍結乾燥装置内にお
いて、前室部外筒2内の薬液に対する凍結乾燥処理を行
なえば、前室部外筒2内の真空度が充分上がり、図4の
破線矢印Gで示すように前室部外筒2内の凍結薬液から
の水分の蒸散が確実に行なわれて、所定量の薬液が所定
量の粉末状薬剤となる。
【0022】なお、本考案では、図9に示すように、ゴ
ム栓6の存在に拘らず第1及び第2嵌合部301,30
2の内部が互いに連通されている場合には、図4に示す
ように、ゴム栓6によって第1及び第2嵌合部101,
102の内部が互いに遮断されている場合と比べて、前
室部外筒2内の凍結薬液からの水分の蒸散をより早く行
なうことができる(図9と図4の破線矢印Gを比較参照
のこと)ので、凍結乾燥装置内における凍結乾燥処理に
要する時間をより短くすることができる。
【0023】凍結乾燥処理の後、凍結乾燥装置内におい
て、第2係止部111によって第1嵌合部101内で一
時的に係止されている前室部外筒2を第1嵌合部101
内に押し込んで密嵌させ、続いて、第1係止部103に
よって第2嵌合部102内で一時的に係止されているゴ
ム栓6を打栓して前室部外筒2内に密嵌させると、所定
量の粉末状薬剤が前室部外筒2内に無菌状態で密閉され
る。
【0024】この後、凍結乾燥装置内から取り出して、
無菌環境下において、図5に示すように、所定量の溶解
液14が無菌密閉されている2室式容器兼用注射器の後
室部外筒3を第2嵌合部102内に密嵌させてゆくと、
本考案では、後室部外筒3を第2嵌合部102の内部に
密嵌させる際の第2脱気部121が第2嵌合部102に
形成されているので、後室部外筒3が第2脱気部121
を密閉するまでは、第2嵌合部102内の空気は第2脱
気部121から脱気されて(破線矢印H)、後室部外筒
3の挿入によって圧縮されず、従って、前室部外筒2内
のゴム栓6は前室部外筒2のバイパス溝20に向かって
移動しない。
【0025】なお、後室部外筒3が第2脱気部121を
密閉した後は、第2嵌合部102内の空気が圧縮され
て、前室部外筒2内のゴム栓6が前室部外筒2内をバイ
パス溝20に向かって移動させられるが、図14に示さ
れる従来のコネクター4と比べて、周壁部104内で圧
縮される空気の量が少ないので、空気の圧縮力が小さく
なって、前室部外筒2内においてゴム栓6がバイパス溝
20に向かって移動させられる距離は短くなる。
【0026】
【実施例】本考案の実施の一例を、図1〜図9に基づい
て以下に説明する。ただし、以下の説明において、図1
0〜図15に基づいて従来技術の項で既に説明した部品
等と同一の部品等に関しては、従来技術の項で使用した
と同一の符号を使用し、その説明を省略する。
【0027】図1〜図5に示されているように、本考案
の第1実施例である合成樹脂製のコネクター100は、
2室式容器兼用注射器の前室部外筒2が密嵌される第1
嵌合部101と、2室式容器兼用注射器の後室部外筒3
が密嵌される第2嵌合部102とを有する無底円筒状の
周壁部104が、第1嵌合部101と第2嵌合部102
の中間に、第2嵌合部102を通って前室部外筒2の内
部に密嵌させられるゴム栓6を一時的に係止する第1係
止部103を有している。
【0028】なお、コネクター100では、図4に示さ
れるように、第2嵌合部102の最小内径Nがゴム栓6
の最大外径Mより大きい径に選定され、第1係止部10
3の最小内径L(図1参照)が、ゴム栓6の最大外径M
より小さい径であって、所定圧以上の押圧力でゴム栓6
が第1係止部103を通過させられる径に選定されてい
る。
【0029】コネクター100の第1嵌合部101に
は、図2,図4に示されるように、2室式容器兼用注射
器の前室部外筒2を一時的に係止する凹部である第2係
止部111が、第1嵌合部101の内周壁面112にお
ける軸方向の中間部に周設されていると共に、この第2
係止部111によって前室部外筒2が第1嵌合部101
の内部で一時的に係止された状態で前室部外筒2の内部
と第1嵌合部101の外部とを連通させる4個の第1脱
気部113が、第1嵌合部101の周方向に等間隔で配
置されて、第1嵌合部101の開口部114から第1係
止部103に向かって走る切欠状に形成されている。
【0030】第2嵌合部102には、図2,図5に示さ
れるように、所定量の溶解液14が無菌密閉されている
2室式容器兼用注射器の後室部外筒3を第2嵌合部10
2の内部に密嵌させる際の4個の第2脱気部121が、
第2嵌合部102の周方向に等間隔で配置されて、第2
嵌合部102の開口部122から第1係止部103に向
かって走る切欠状に形成されている。
【0031】そして、図2に示されるように、第1及び
第2嵌合部101,102の外周壁面には何れも、軸方
向に走る多数の補強リブが周方向等間隔に形成されてお
り、第1嵌合部101の内周壁面112における第1係
止部103寄りの部位には、前室部外筒2を凹凸嵌合さ
せる第1凹部115が形成され、第2嵌合部102の内
周壁面123における第1係止部103寄りの部位に
は、後室部外筒3を凹凸嵌合させる第2凹部124が形
成されている。
【0032】ところで、コネクター100では、第1及
び第2脱気部113,121が何れも切欠状とされてい
るが、第1及び第2脱気部113,121の形状は、切
欠形状に限定されなず、例えば、図6に示される本考案
の第2実施例であるコネクター200のように、第1脱
気部213は、第1嵌合部201の第2係止部211よ
り周壁部204の第1係止部203寄りに配置された貫
通孔とされていても良いし、第2脱気部221は、第2
嵌合部202における周壁部204の第1係止部203
寄りに配置された貫通孔とされていても良い。
【0033】なお、コネクター100では、第1及び第
2脱気部113,121の個数が何れも4個とされてお
り、コネクター200では、図6に示されるように、第
1脱気部213の個数が6個とされ、第2脱気部221
の個数が1個とされているが、第1及び第2脱気部11
3,213,121,221の個数は何れも1個以上で
あれば良い。
【0034】ただし、図4に示されるように、2室式容
器兼用注射器の前室部外筒2が第1嵌合部101の第2
係止部111で一時的に係止された状態での第1脱気部
113の開口面積は、可能な範囲内で広い方が好まし
い。凍結乾燥装置内における前室部外筒2内の凍結薬液
からの水分の蒸散が早くなって、凍結乾燥装置内におけ
る凍結乾燥処理に要する時間が短くなるからである。
【0035】また、コネクター100では、第1嵌合部
101における2室式容器兼用注射器の前室部外筒2を
一時的に係止する第2係止部111が、第1嵌合部10
1の内周壁面112における軸方向の中間部に周設され
た凹部とされているが、第1嵌合部101の第2係止部
111は、図6に示されるコネクター200のように、
第1嵌合部201の内周壁面212における軸方向の中
間部に周設された凸部とされていても良い。
【0036】なお、コネクター100では、凹部である
第2係止部111が第1嵌合部101の内周壁面112
に連続的に周設され、コネクター200では、凸部であ
る第2係止部211が第1嵌合部201の内周壁面21
2に連続的に周設されているが、第2係止部111,2
11は、2室式容器兼用注射器の前室部外筒2を一時的
に係止できれば良いのであるから、連続的に周設されて
いる必要はなく断続的に周設されていても良い。
【0037】また、コネクター100では、図2に示さ
れるように、第1及び第2嵌合部101,102の各縦
断面形状が内周壁面側において波型形状とされている
が、第1及び第2嵌合部101,102の各縦断面にお
ける内周壁面側の形状は、図6のコネクター200のよ
うにストレート形状とされていても良い。
【0038】ただし、第1及び第2嵌合部101,10
2の各縦断面における内周壁面側の形状は、波型形状の
方がストレート形状の場合と比べて、2室式容器兼用注
射器を組み立てるときに、2室式容器兼用注射器の前室
部外筒2を第1嵌合部101に密嵌させる際の前室部外
筒2と第1嵌合部101との摩擦抵抗が減少し、2室式
容器兼用注射器の後室部外筒3を第2嵌合部102に密
嵌させる際の後室部外筒3と第2嵌合部103との摩擦
抵抗も減少して、2室式容器兼用注射器の組立が容易に
なるので好ましい。
【0039】ところで、コネクター100は、図2に示
されるように、その縦断面形状が上下対称とされてお
り、2室式容器兼用注射器を組み立てるときに、第1嵌
合部101であるか第2嵌合部102であるかの確認が
不要のものであるので、図6のコネクター200のよう
にその縦断面形状が上下非対称とされていて、前記確認
が必要であるものより好ましい。2室式容器兼用注射器
の組立の手間を削減できるからである。
【0040】以上説明したコネクター100では、図4
に示されるように、前室部外筒2の内部に密嵌させられ
るゴム栓6を第2嵌合部102の開口部122から第2
嵌合部102内に挿入して、第1係止部103で一時的
に係止させると、ゴム栓6によって第1及び第2嵌合部
101,102の内部が互いに遮断されるが、図7〜図
9に示される本考案の第3実施例であるコネクター30
0では、第1係止部303によってゴム栓6が第2嵌合
部302内で一時的に係止された状態で第1及び第2嵌
合部301,302の内部を互いに連通させる6個の連
通溝331が、第1係止部303の内周壁面332に、
周方向等間隔に配置されて凹設されている。
【0041】このため、コネクター300では、図9に
示されるように、図4のコネクター100と比べて、凍
結乾燥装置内における前室部外筒2内の凍結薬液からの
水分の蒸散をより早くすることが可能となり、従って、
凍結乾燥装置内における凍結乾燥処理に要する時間をよ
り短くすることが可能となる。
【0042】ところで、コネクター300では、第1係
止部303の内周壁面332に凹設されている連通溝3
31の個数が6個とされているが、連通溝331の個数
は、6個に限定されず1個以上であれば良い。
【0043】ただし、第1係止部303によってゴム栓
6が第2嵌合部302内で一時的に係止された状態で
の、連通溝331による第1嵌合部301と第2嵌合部
302との連通断面積は、可能な範囲内で広い方が好ま
しい。凍結乾燥装置内における前室部外筒2内の凍結薬
液からの水分の蒸散が早くなって、凍結乾燥装置内にお
ける凍結乾燥処理に要する時間が短くなるからである。
【0044】また、コネクター300では、第1係止部
303の内周壁面332に連通溝331が凹設されてい
る以外はコネクター100と同一構造とされており、図
9に示されるように、第2嵌合部302の最小内径Nは
ゴム栓6の最大外径Mより大きい径に選定されている。
【0045】ただし、コネクター100では、図4に示
されるように、第1係止部103によってゴム栓6が第
2嵌合部102内で一時的に係止されると、第1及び第
2嵌合部101,102内がゴム栓6によって互いに遮
断されるので、第2嵌合部102の最小内径Nがゴム栓
6の最大外径Mと同一あるいは少し小さい径に選定され
て、第2嵌合部102がゴム栓6によって封止されても
良いが、コネクター300では、図9に示されるよう
に、第1係止部303によってゴム栓6が第2嵌合部3
02内で一時的に係止された状態で、第1及び第2嵌合
部301,302内を互いに連通させる必要があるの
で、第2嵌合部302がゴム栓6によって封止されない
ように第2嵌合部302の内径を選定する必要がある。
【0046】なお、コネクター300でも、コネクター
100のように縦断面形状が上下対称とされて、2室式
容器兼用注射器を組み立てるときに、第1嵌合部301
であるか第2嵌合部302であるかの確認が不要である
方が、この確認が必要であるより好ましい。2室式容器
兼用注射器の組立の手間を削減できるからである。
【0047】ところで、以上説明したコネクター10
0,200,300は何れも、周壁部104,204,
304の形状が無底円筒形とされているが、周壁部10
4,204,304の形状は、無底筒状であれば良いの
であるから無底円筒形に限定されず、例えば、多角形か
らなる無底角筒形等であっても良い。
【0048】また、コネクター100,200,300
は何れも、第1係止部103,203,303の内周壁
面132(図2参照),232(図6参照),332側
の縦断面形状がストレート形状とされているが、この縦
断面形状は、ストレート形状に限定されず、例えば、波
型形状やテーパ形状であっても良い。なんとなれば、第
1係止部103,203,303の形状は、第2嵌合部
102,202,302を通って前室部外筒2の内部に
密嵌させられるゴム栓6を一時的に係止できる形状であ
れば良いからである。
【0049】なお、本考案に係るコネクター100,2
00,300は、凍結乾燥手段を用いて2室式容器兼用
注射器を組み立てる場合だけでなく、凍結乾燥手段を用
いないで2室式容器兼用注射器を組み立てる場合にも、
例えば、所定量の第1薬液等を予め無菌密閉した前室部
外筒2を第1嵌合部101,201,301内に密嵌さ
せ、所定量の第2薬液等を予め無菌密閉した後室部外筒
3を第2嵌合部102,202,302内に密嵌させ
て、2室式容器兼用注射器を組み立てる場合等にも、使
用され得るものである。
【0050】
【考案の効果】以上説明した構成・作用を有する本考案
では、2室式容器兼用注射器の前室部外筒が第2係止部
によって第1嵌合部内で一時的に係止され、かつ、第2
嵌合部を通って前室部外筒の内部に密嵌させられるゴム
栓が第1係止部によって第2嵌合部内で一時的に係止さ
れた状態で、凍結乾燥装置内において前室部外筒内の薬
液に対する凍結乾燥処理を行なえば、第1嵌合部の第1
脱気部によって前室部外筒の内部が第1嵌合部の外部と
連通されているので、前室部外筒内の凍結薬液からの水
分の蒸散が確実に行なわれ、従って、安定した品質を有
する粉末状薬剤を凍結乾燥装置内で確実に製造すること
ができる、という効果が得られる。
【0051】なお、本考案では、ゴム栓の存在に拘らず
第1及び第2嵌合部の内部が互いに連通されている場合
(図9参照)には、ゴム栓によって第1及び第2嵌合部
の内部が互いに遮断されている場合(図4参照)と比べ
て、凍結乾燥装置内における前室部外筒内の凍結薬液か
らの水分の蒸散をより早く行なうことができるので、凍
結乾燥処理に要する時間をより短くすることができる、
という効果も得られる。
【0052】また、本考案では、所定量の粉末状薬剤を
前室部外筒内に無菌密閉した後、溶解液が無菌密閉され
ている2室式容器兼用注射器の後室部外筒を無菌環境下
で第2嵌合部内に密嵌させても、図17に示される従来
のコネクター4と比べて、周壁部内で圧縮される空気の
量が少ないので、空気の圧縮力が小さくなって、前室部
外筒内におけるゴム栓の移動がバイパス溝まで至る危険
性が減少し、その結果、ゴム栓がバイパス溝まで移動し
て前室部外筒内の粉末状薬剤が吸湿する危険性も減少
し、この吸湿に起因して粉末状薬剤に変質や効力低下が
発生する危険性も減少する、という効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示すもののX−X線断面図である。
【図3】図1に示すものを使用した2室式容器兼用注射
器を示す縦断面図である。
【図4】図3に示すものの組立工程における凍結乾燥処
理を示す縦断面図である。
【図5】図3に示すものの組立工程における密嵌工程を
一部断面で示す図である。
【図6】本考案の第2実施例を示す縦断面図である。
【図7】本考案の第3実施例を示す平面図である。
【図8】図7に示すもののY−Y線断面図である。
【図9】図7に示すものを使用した2室式容器兼用注射
器の組立工程における凍結乾燥処理を示す縦断面図であ
る。
【図10】従来例を使用した2室式容器兼用注射器を示
す縦断面図である。
【図11】従来例の縦断面図である。
【図12】図10に示すものの組立を一部断面で示す図
である。
【図13】図10に示すものの組立工程における凍結乾
燥処理を一部断面で示す図である。
【図14】図10に示すものの組立工程における密嵌工
程を一部断面で示す図である。
【図15】2室式容器兼用注射器の使用時の初期段階を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 2室式容器兼用注射器の前室部外筒 3 2室式容器兼用注射器の後室部外筒 6 ゴム栓 100,200,300 コネクター 101,201,301 第1嵌合部 102,202,302 第2嵌合部 103,203,303 第1係止部 104,204,304 周壁部 111,211 第2係止部 112,212 第1嵌合部の内周壁面 113,213 第1脱気部 121,221 第2脱気部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2室式容器兼用注射器の前室部外筒が密
    嵌される第1嵌合部と、2室式容器兼用注射器の後室部
    外筒が密嵌される第2嵌合部とを有する無底筒状の周壁
    部が、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の中間に、前記
    第2嵌合部を通って前記前室部外筒の内部に密嵌させら
    れるゴム栓を一時的に係止する第1係止部を有し、前記
    第1嵌合部には、前記前室部外筒を一時的に係止する第
    2係止部が前記第1嵌合部の内周壁面における軸方向の
    中間部に形成されていると共に、前記第2係止部によっ
    て前記前室部外筒が前記第1嵌合部の内部で一時的に係
    止された状態で、前記前室部外筒の内部と前記第1嵌合
    部の外部とを連通させる第1脱気部も形成されており、
    前記第2嵌合部には、前記後室部外筒を前記第2嵌合部
    の内部に密嵌させる際の第2脱気部が形成されている2
    室式容器兼用注射器用のコネクター。
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