JP2596127B2 - 電子消音システム - Google Patents

電子消音システム

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JP2596127B2
JP2596127B2 JP1150275A JP15027589A JP2596127B2 JP 2596127 B2 JP2596127 B2 JP 2596127B2 JP 1150275 A JP1150275 A JP 1150275A JP 15027589 A JP15027589 A JP 15027589A JP 2596127 B2 JP2596127 B2 JP 2596127B2
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健太郎 松本
龍介 後藤田
康史 吉村
卓 栗林
稔 高橋
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日立プラント建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子消音システムに係り、特に音波の伝播通
路を改善して高い消音効果を得るようにした電子消音シ
ステムに関する。
〔従来の技術〕
従来、管内騒音に対する消音を管構造による干渉や管
に内貼りした多孔質材による吸音等のげ現象を利用して
行う受動型消音器は広く実用されている。しかし、この
ような受動型消音器は、消音器のサイズ、圧力損失等の
点で、その改善に対する要求が多い。
一方、これに対して管内騒音を消音するもう一つの方
法として、古くから提案されていた能動型消音器、即ち
音源から伝播してきた騒音に対し、同一音圧、逆位相の
付加音を放射し、音波干渉によって消音効果を強制的に
生じさせる電子消音システムが着目されつつある。
前記電子消音システムは電子デバイス、信号処理技術
等の急速な発達に伴って、最近様々な観点からの研究成
果が次々と発表されている。
この電子消音システムについて、本出願人は既に特願
昭61−7115号明細書等に於いて実用化の為のシステム構
成を開示してきた。
かかる電子消音システムは、第2図に示すように音波
の伝播通路22内に於いて騒音源からの伝播音波を検出す
る2つのセンサマイクM1、M2が付加音源(スピーカ)S
を基準にして、その上流側と下流側の位置に夫々設置さ
れている。
一方、コントローラ24は、主として加算回路26、A/D
変換部28、30、D/A変換部32、アダプティブディジタル
フイルタ34及び制御部36から構成され、前記2つのセン
サマイクM1、M2からの入力に基づいてスピーカSを制御
する信号を出力する。
即ち、伝播通路22内に於いて騒音源より発させられた
伝播音波がセンサマイクM1、M2によって検出されると、
センサマイクM1、M2の出力信号はA/D変換部28を介して
ディジタルフイルタ34、制御部36に夫々入力される。制
御部36では、伝播通路22の外乱による伝播特性の変化及
び各電気音響変換器自体の特性変化等を考慮して、これ
らの特性を示す伝播関数を求め、これらの伝達関数に基
づいて消音効果、即ち騒音源からの伝播音波とスピーカ
Sから放射された音波との干渉状態を検出するセンサマ
イクM2の出力信号が最小になるようにディジタルフイル
タ34に付与すべき伝達関数を決定し、この伝達関数を特
定する為の制御パラメータをディジタルフイルタ34に設
定する。尚、制御部36は、伝播通路22の伝播特性の変化
及び制御系の特性変化に応じて前記制御パラメータの修
正を随時行う。この結果、センサマイクM1、M2によって
検出された騒音源からの伝播音波は電気信号に変換さ
れ、加算回路26、A/D変換部28を介してディジタルフイ
ルタ34に入力される。この入力信号は、ディジタルフイ
ルタ34によって、制御部36から与えられた伝播関数に基
づいて所定の振幅特性及び位相特性を有するディジタル
信号に変換される。前記ディジタル信号は、D/A変換部3
2によってD/A変換され、スピーカSの駆動信号としてス
ピーカSの駆動コイルに印加する。これによって、スピ
ーカSからは、騒音源から発せられた伝播音波を打ち消
す為の音波が放射される。この結果、センサマイクM2
設置位置に於いて、音波の干渉により騒音源からの伝播
音波は消去され、伝播通路22中に於けるセンサマイクM2
の設置位置より下流側では騒音源からの伝播音波は伝播
されなくなる。
このように、前記電子消音システムでは、第3図に示
すように伝播通路22を線形システムと扱い、固有の伝達
関数Gで表している。殆どの管路では、これを線形シス
テムとして扱うことが可能である。尚、同図に於いて、
Heはコントローラ24の制御特性を示す伝達関数であり、
X、YはセンサマイクM1、M2に於ける騒音を示す信号、
Eは残留騒音を示す信号である。
また、電子消音システムは、一次元音場の制御を前提
としているので、消音可能帯域は伝播通路22の口径で決
まる平面波伝播周波数以下まで消音可能である。これに
ついては、本出願人らが特開昭62−164400号公報明細書
に於いて既に開示している。しかし、伝播通路の口径が
大きくなるに伴い、前述した平面波伝播周波数が低下す
るので、広帯域周波数の消音効果を十分に得ることがで
きない。
〔発明が解決しようとする課題〕
この問題を解消する為に、大口径伝播通路を仕切板に
よって一次元音場を形成できる小口径伝播通路に分割
し、この分割伝播通路にセンサマイク、スピーカを夫々
取付け消音効果を図ることが考えられるが、各分割伝播
通路にセンサマイク、スピーカを夫々取付けると、仕切
板の末端から他の分割伝播通路に伝播する音による影響
で個々の分割伝播通路内で安定した消音効果を得ること
ができないという欠点がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、分
割伝播通路内を伝播する音波が相互に伝播通路に回り込
むことにより生じる、各々の制御系に与える影響をなく
し、広帯域周波数の消音効果を安定して得ることのでき
る電子消音システムを提供することを目的とする。
〔課題を解決する為の手段〕
本発明は、前記目的を達成する為に、音波の伝播通路
内に於ける騒音源からの伝播音波を第一、第二のセンサ
マイクによって検出し、この検出した伝播音波によって
逆位相で且つ同一音圧の音波をスピーカから発生させ、
前記伝播通路内の前記第二のセンサマイクの位置で騒音
が最小になるようにその音波干渉により消音を行う電子
消音システムに於いて、前記伝播通路(10)内を、一次
元音場を形成する口径の伝播通路(10a、10b)に分割
し、該分割した各伝播通路(10a、10b)毎に該伝播通路
(10a、10b)の入口から伝播音波の進行方向に向かって
前記第一のセンサマイク(12a、12b)、スピーカ(16
a、16b)を夫々取付け、分割した伝播通路(10a、10b)
の合流後の通路に共通の第二のセンサマイク(14)を取
付けたことを特徴とする。
〔作用〕
本発明によれば、伝播通路(10)内を一次元音場とな
る口径の伝播通路(10a、10b)に分割し、この分割伝播
通路(10a、10b)の入口(上流)側から伝播音波の進行
方向に向かって第一のセンサマイク(12a、12b)、スピ
ーカ(16a、16b)を取付け、分割伝播通路(10a、10b)
の合流後の通路に共通の第二のマイクセンサ(14)を取
付けて、分割伝播通路(10a、10b)内を伝播する音波が
相互に伝播通路(10a、10b)に回り込むことによって生
じる、各々の制御系に与える影響をなくしたので、広帯
域周波数の消音効果を安定して得ることができる。
〔実施例〕 以下添付図面に従って本発明に係る電子消音システム
の好ましい実施例を詳説する。
第1図は本発明に係る電子消音システムの実施例を示
す要部斜視図が示され、電子消音システム用ダクト10に
はセンサマイク12a、12b、14、スピーカ16a、16bが配設
されている。尚、ここでは第2図に示したコントローラ
部分の作用を省略し、またセンサマイク12a、12b、14、
スピーカ16a、16bの各作用についても省略する。
一般に、前記ダクト10は亜鉛鉄板で断面矩形状に構成
され、図示しない騒音源から発せられる伝播音波が矢印
A方向に伝播している。また、ダクト10の口径は、前記
伝播音波に対して一次元音場とならない大口径に形成さ
れている。
前記ダクト10内には矩形状の仕切板18が取付けられ、
ダクト10を2分割している。これによって、ダクト10は
一次元音場を形成することができる口径の分割ダクト10
a、10bに分割されている。
前記分割ダクト10a、10bの上面中央部には、スピーカ
16a、16bが取付けられている。また、スピーカ16a、16b
の上部にはコントローラ20a、20bが夫々設置されてい
る。
前記センサマイク12a、12bは、前記スピーカ16a、16b
を基準にして分割ダクト10a、10bに於ける伝播音波の上
流側に設けられ、分割ダクト10a、10b内に於ける騒音源
からの伝播音波を検出している。また、センサマイク14
は、前記スピーカ16a、16bを基準にして分割ダクト10
a、10bに於ける伝播音波の下流側後方で分割ダクト10
a、10bが合流する位置に設けられている。これによっ
て、前記センサマイク14は、ダクト10a、10bの下流側に
夫々設けられていた従来のセンサマイクと比較し、分割
ダクト10a、10b内を伝播する音波が相互に分割ダクト10
a、10b内に回り込んできても制御に影響されることなく
伝播音波を検出することができる。
また、本実施例ではダクト10を2分割するとしたが、
この分割数に限られるものではなく分割したダクトの口
径が一次元音場を形成できる大きさに、ダクト10の口径
に応じて適宜に分割すれば良い。また、分割したダクト
の口径形状は矩形状に限られるものではなく、例えば三
角形状等にしても良い。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明に係る電子消音システムに
よれば、大口径のダクトを一次元音場となる小口径ダク
トに分割し、この分割ダクトの上流側から伝播音波との
進行方向に向かって第一のセンサマイク、スピーカを夫
々取付け、分割ダクトの合流後のダクトに共通の第二の
センサマイクを取付け、分割ダクト内を伝播する音波が
相互に伝播通路に回り込むことによって生じる、各々の
制御系に与える影響をなくしたので、広帯域周波数の消
音効果を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る電子消音システムの実施例を示す
要部斜視図、第2図は従来の電子消音システムの基本構
成図、第3図は電子消音システムの概念を示す図であ
る。 10…ダクト、10a、10b…分割ダクト、12a、12b、14…セ
ンサマイク、16a、16b…スピーカ、18…仕切板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 稔 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 審査官 高橋 泰史

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音波の伝播通路内に於ける騒音源からの伝
    播音波を第一、第二のセンサマイクによって検出し、こ
    の検出した伝播音波によって逆位相で且つ同一音圧の音
    波をスピーカから発生させ、前記伝播通路内の前記第二
    のセンサマイクの位置で騒音が最小になるようにその音
    波干渉により消音を行う電子消音システムに於いて、 前記伝播通路内を、一次元音場を形成する口径の伝播通
    路に分割し、該分割した各伝播通路毎に該伝播通路の入
    口から伝播音波の進行方向に向かって前記第一のセンサ
    マイク、スピーカを夫々取付け、分割した伝播通路の合
    流後の通路に共通の第二のセンサマイクを取付けたこと
    を特徴とする電子消音システム。
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