JP3580972B2 - 能動振動抑制装置 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフィードフォワード制御とフィードバック制御を併合した2自由度型の能動振動抑制装置に関し、さらに詳細には、フィードフォワード制御部に入力される信号の標本化の周期とフィードバック制御部に入力される信号の標本化の周期を異ならせた能動振動抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本明細書における「振動」の語は「騒音」も含めた意味で使用する。
【0003】
従来、フィードフォワード制御を前提として周波数帯域毎にサンプリング周波数を変えて制御性能の向上を図って、音場内の振動を抑制する能動振動抑制装置がある。
【0004】
振動抑制のために、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを用いた2自由度型の能動振動抑制装置が知られている。たとえば図3に示す如くである。図3に示したように、音場R内に設けた振動打ち消しのためのスピーカ4から音場R内の消音点に設置されたマイクロフォン5までをプラントとみなし、振動検出器1からの出力信号を参照信号として入力するフィードフォワードコントローラ2とマイクロフォン5にて検出した残留音信号を入力とするフィードバックコントローラ6とを備え、フィードフォワードコントローラ2からの出力を演算器3に供給して、フィードバックコントローラ6からの出力を演算器3にてフィードフォワードコントローラ2の出力に加算し、演算器3の出力によってスピーカ4を駆動して消音点の振動を抑制している。
【0005】
この場合、プラント入力すなわちスピーカ4の入力は、参照信号と残留信号との2つの独立した信号の関数であることが許容されるため2自由度コントローラと呼ばれている。
【0006】
上記した能動振動抑制装置において、フィードフォワードコントローラ2に出力される参照信号の標本化の周期およびフィードバックコントローラ6に入力される残留音信号の標本化の周期の上界はサンプリング定理を満たす周期である必要があるが、標本化の周期の下界についてはサンプリング定理に対応するようなものは存在しない。
【0007】
一方、フィードフォワード制御においては、因果律を満たすために参照信号の標本化の周期は短い程よいとされ、フィードバック制御においてはフィードバックする速度が速い程よいということから残留音信号の標本化の周期は短い程よいとされて、共に短い周期に設定されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィードフォワード制御部へ入力する入力信号の標本化の周期を短くし、フィードバック制御部へ入力する入力信号の標本化の周期を短くすると、離散時間システムの極がZ平面の単位円上のZ=1に近づき、同定問題が数値的に悪条件となって、数値計算上の問題からフィードフォワード制御の性能が劣化するという問題点があった。
【0009】
また、これを解決するために入力信号の標本化の周期を長くすると、フィードフォワード制御の性能はよくなるが、フィードバック制御の性能が劣化するという問題点が発生する。
【0010】
本発明はかかる相反する条件を満たして音場における消音量が大きくできる能動振動抑制装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる能動振動抑制装置は、振動発生源からの振動に基づく参照信号を発生する第1振動検出手段と、音場内に設けた振動源と、前記音場内に設けられて該音場内の振動を検出する検出手段と、前記参照信号を入力して前記音場内の振動を抑制するためのフィードフォワード制御部と、前記検出手段から出力される信号を受けて前記音場内の振動を抑制するためのフィードバック制御部と、フィードフォワード制御部からの出力信号とフィードバック制御部からの出力信号とを加算してその加算出力で前記振動源を駆動する加算手段とを備え、前記フィードフォワード制御部に入力される信号の標本化の周期を前記フィードバック制御部に入力される信号の標本化の周期よりも長くすると共に、前記フィードフォワード制御部に入力される信号は、前記参照信号をA/D変換したデジタルデータを間引き回路によって間引くことによって生成し、前記フィードバック制御部に入力される信号は、前記検出手段の出力を前記参照信号のA/D変換と同一の標本化の周期でA/D変換して生成したことを特徴とする。この場合、前記フィードフォワード制御部を制御する信号は、前記フィードバック制御部に入力される信号を、前記間引き回路とは異なる他の間引き回路で間引くことによって生成する。
【0012】
本発明にかかる能動振動抑制装置は、フィードフォワード制御部に入力される入力信号の標本化の周期をフィードバック制御部に入力される入力信号の標本化の周期よりも長くしたため、フィードフォワード制御の性能はよくなり、かつフィードバック制御の性能もよくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる能動振動抑制装置を実施の形態によって説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
振動発生源からの振動に基づく参照信号を発生する振動検出器1によって検出し、参照信号はエイリアシング防止のためのローパスフィルタ21に供給して高域周波数成分を制限し、ローパスフィルタ21からの出力信号はA/D変換器22に供給してデジタルデータに変換する。
【0016】
A/D変換器22から出力されたデジタルデータはサンプリングデータ間引きのためのローパスフィルタ23に供給し、ローパスフィルタ23の出力デジタルデータを間引き回路24に供給してサンプリングデータを間引く。したがって、間引き回路24から出力されるデジタルデータの標本化の周期は長い状態に変換されている。
【0017】
間引き回路24からの出力は適応デジタルフィルタからなるフィードフォワードコントローラ2に供給し、フィードフォワードコントローラ2からの出力デジタルデータは補間回路26に供給して間引き回路24による間引き部分を補間し、補間用のローパスフィルタ27を介して出力する。
【0018】
ローパスフィルタ27からの出力デジタルデータは演算器3に供給して後記のフィードバックコントローラ6からの出力デジタルデータを減算し、演算器3からの演算出力デジタルデータはD/A変換器28に供給してアナログ信号に変換し、平滑のためのローパスフィルタ29を介して送出して音場R内に設けたスピーカ4を駆動する。スピーカ4からは、振動検出器1によって振動が検出される振動発生源による音場R内の振動と逆位相の振動を発生して、音場R内の振動を抑制する。
【0019】
一方、音場R内の消音点に設けたマイクロフォン5によって消音点の振動を検出する。ここで、スピーカ4からマイクロフォン5まではプラントとみなし、振動検出器1によって振動が検出される振動発生源による消音点の振動とスピーカ4によって発生させられた振動との差が残留音としてマイクロフォン5によって検出される。
【0020】
残留信号であるマイクロフォン5からの出力信号はエイリアシング防止のためのローパスフィルタ61に供給して高域周波数成分を制限し、ローパスフィルタ61からの出力信号はA/D変換器62に供給してデジタルデータに変換し、フィードバックコントローラ6に供給し、フィードバックコントローラ6からの出力デジタルデータは演算器3に供給してローパスフィルタ27からの出力デジタルデータから減算する。ここで、A/D変換器22における標本化の周期とA/D変換器62における標本化の周期とは等しく設定してあり、フィードバックコントローラ6は、プラントの伝達関数に基づく伝達関数に伝達関数が固定されたデジタルフィルタから構成してある。
【0021】
したがって、フィードフォワードコントローラ2に入力される入力信号の標本化の周期は、フィードバックコントローラ6に入力される入力信号の標本化の周期よりも長く設定された状態となっている。
【0022】
A/D変換器62から出力されたデジタルデータはサンプリングデータ間引きのためのローパスフィルタ64に供給し、ローパスフィルタ64からの出力デジタルデータは間引き回路65に供給して、ローパスフィルタ64からの出力デジタルデータを間引いて、出力によってフィードフォワードコントローラ2のフィルタ係数を制御する。
【0023】
この場合に、間引き回路65による間引きの結果、間引き回路65から出力されるデジタルデータの標本化の周期と間引き回路24から出力されるデジタルデータの標本化の周期とは同一になるように設定してある。
【0024】
したがって、フィードフォワードコントローラ2に入力される信号の標本化の周期はフィードバックコントローラ6に入力される信号の標本化の周期よりも長くされている。
【0025】
上記のように構成された本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置は2自由度型の能動振動抑制装置であって、フィードフォワードコントローラ2からの出力信号とフィードバックコントローラ6からの出力信号とによって音場の振動が抑制される。
【0026】
横軸に周波数を縦軸にとり、音圧レベルをとった図2によって本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置の作用を説明する。
【0027】
仮に、フィードフォワードコントローラ2のみによる振動抑制の場合は、図2(a)において実線で示す振動に対して、入力信号の標本化の周期が短い場合は図2(a)において2点鎖線に示すように抑制され、入力信号の標本化の周期が長い場合は図2(a)において破線に示すように抑制される。
【0028】
また、フィードバックコントローラ6のみによる振動抑制の場合は、図2(b)において実線で示す振動に対して、入力信号の標本化の周期が短い場合は図2(b)において2点鎖線に示すように抑制され、入力信号の標本化の周期が長い場合は図2(b)において破線に示すように抑制される。
【0029】
上記説明したように、フィードフォワードコントローラ2とフィードバックコントローラ6とを併合した本発明の実施の一形態にかかる2自由度型の能動振動抑制装置による振動抑制の場合は、図2(c)において実線で示す振動に対して、フィードフォワードコントローラ2とフィードバックコントローラ6と共に、入力信号の標本化の周期が短い場合は図2(c)において2点鎖線に示すように抑制され、フィードフォワードコントローラ2の入力信号の標本化の周期が長く1msecで、かつフィードバックコントローラ6の入力信号の標本化の周期が短く0.1msecの場合は図2(c)において破線に示すように抑制される。
【0030】
これからも明らかなように、フィードフォワードコントローラ2の入力信号の標本化の周期が長く1msecで、かつフィードバックコントローラ6の入力信号の標本化の周期が短く0.1msecの場合は良好に振動抑制が行われる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる能動振動抑制装置によれば、フィードフォワード制御部に入力される信号の標本化の周期をフィードバック制御部に入力される信号の標本化の周期よりも長くしたため、フィードフォワード制御による消費量とフィードバック制御による消音量とをそれぞれ大きくすることができて、2自由度型の能動振動抑制装置本来の制御性能の長所が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置の作用の説明に供する振動抑制の特性図である。
【図3】従来の能動振動抑制装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 振動検出器
2 フィードフォワードコントローラ
3 演算器
4 スピーカ
5 マイクロフォン
6 フィードバックコントローラ
21、23、27、29、61、64 ローパスフィルタ
22、62 A/D変換器
24、65 間引き回路
26 補間回路
28 D/A変換器
【発明の属する技術分野】
本発明はフィードフォワード制御とフィードバック制御を併合した2自由度型の能動振動抑制装置に関し、さらに詳細には、フィードフォワード制御部に入力される信号の標本化の周期とフィードバック制御部に入力される信号の標本化の周期を異ならせた能動振動抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本明細書における「振動」の語は「騒音」も含めた意味で使用する。
【0003】
従来、フィードフォワード制御を前提として周波数帯域毎にサンプリング周波数を変えて制御性能の向上を図って、音場内の振動を抑制する能動振動抑制装置がある。
【0004】
振動抑制のために、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを用いた2自由度型の能動振動抑制装置が知られている。たとえば図3に示す如くである。図3に示したように、音場R内に設けた振動打ち消しのためのスピーカ4から音場R内の消音点に設置されたマイクロフォン5までをプラントとみなし、振動検出器1からの出力信号を参照信号として入力するフィードフォワードコントローラ2とマイクロフォン5にて検出した残留音信号を入力とするフィードバックコントローラ6とを備え、フィードフォワードコントローラ2からの出力を演算器3に供給して、フィードバックコントローラ6からの出力を演算器3にてフィードフォワードコントローラ2の出力に加算し、演算器3の出力によってスピーカ4を駆動して消音点の振動を抑制している。
【0005】
この場合、プラント入力すなわちスピーカ4の入力は、参照信号と残留信号との2つの独立した信号の関数であることが許容されるため2自由度コントローラと呼ばれている。
【0006】
上記した能動振動抑制装置において、フィードフォワードコントローラ2に出力される参照信号の標本化の周期およびフィードバックコントローラ6に入力される残留音信号の標本化の周期の上界はサンプリング定理を満たす周期である必要があるが、標本化の周期の下界についてはサンプリング定理に対応するようなものは存在しない。
【0007】
一方、フィードフォワード制御においては、因果律を満たすために参照信号の標本化の周期は短い程よいとされ、フィードバック制御においてはフィードバックする速度が速い程よいということから残留音信号の標本化の周期は短い程よいとされて、共に短い周期に設定されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィードフォワード制御部へ入力する入力信号の標本化の周期を短くし、フィードバック制御部へ入力する入力信号の標本化の周期を短くすると、離散時間システムの極がZ平面の単位円上のZ=1に近づき、同定問題が数値的に悪条件となって、数値計算上の問題からフィードフォワード制御の性能が劣化するという問題点があった。
【0009】
また、これを解決するために入力信号の標本化の周期を長くすると、フィードフォワード制御の性能はよくなるが、フィードバック制御の性能が劣化するという問題点が発生する。
【0010】
本発明はかかる相反する条件を満たして音場における消音量が大きくできる能動振動抑制装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる能動振動抑制装置は、振動発生源からの振動に基づく参照信号を発生する第1振動検出手段と、音場内に設けた振動源と、前記音場内に設けられて該音場内の振動を検出する検出手段と、前記参照信号を入力して前記音場内の振動を抑制するためのフィードフォワード制御部と、前記検出手段から出力される信号を受けて前記音場内の振動を抑制するためのフィードバック制御部と、フィードフォワード制御部からの出力信号とフィードバック制御部からの出力信号とを加算してその加算出力で前記振動源を駆動する加算手段とを備え、前記フィードフォワード制御部に入力される信号の標本化の周期を前記フィードバック制御部に入力される信号の標本化の周期よりも長くすると共に、前記フィードフォワード制御部に入力される信号は、前記参照信号をA/D変換したデジタルデータを間引き回路によって間引くことによって生成し、前記フィードバック制御部に入力される信号は、前記検出手段の出力を前記参照信号のA/D変換と同一の標本化の周期でA/D変換して生成したことを特徴とする。この場合、前記フィードフォワード制御部を制御する信号は、前記フィードバック制御部に入力される信号を、前記間引き回路とは異なる他の間引き回路で間引くことによって生成する。
【0012】
本発明にかかる能動振動抑制装置は、フィードフォワード制御部に入力される入力信号の標本化の周期をフィードバック制御部に入力される入力信号の標本化の周期よりも長くしたため、フィードフォワード制御の性能はよくなり、かつフィードバック制御の性能もよくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる能動振動抑制装置を実施の形態によって説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
振動発生源からの振動に基づく参照信号を発生する振動検出器1によって検出し、参照信号はエイリアシング防止のためのローパスフィルタ21に供給して高域周波数成分を制限し、ローパスフィルタ21からの出力信号はA/D変換器22に供給してデジタルデータに変換する。
【0016】
A/D変換器22から出力されたデジタルデータはサンプリングデータ間引きのためのローパスフィルタ23に供給し、ローパスフィルタ23の出力デジタルデータを間引き回路24に供給してサンプリングデータを間引く。したがって、間引き回路24から出力されるデジタルデータの標本化の周期は長い状態に変換されている。
【0017】
間引き回路24からの出力は適応デジタルフィルタからなるフィードフォワードコントローラ2に供給し、フィードフォワードコントローラ2からの出力デジタルデータは補間回路26に供給して間引き回路24による間引き部分を補間し、補間用のローパスフィルタ27を介して出力する。
【0018】
ローパスフィルタ27からの出力デジタルデータは演算器3に供給して後記のフィードバックコントローラ6からの出力デジタルデータを減算し、演算器3からの演算出力デジタルデータはD/A変換器28に供給してアナログ信号に変換し、平滑のためのローパスフィルタ29を介して送出して音場R内に設けたスピーカ4を駆動する。スピーカ4からは、振動検出器1によって振動が検出される振動発生源による音場R内の振動と逆位相の振動を発生して、音場R内の振動を抑制する。
【0019】
一方、音場R内の消音点に設けたマイクロフォン5によって消音点の振動を検出する。ここで、スピーカ4からマイクロフォン5まではプラントとみなし、振動検出器1によって振動が検出される振動発生源による消音点の振動とスピーカ4によって発生させられた振動との差が残留音としてマイクロフォン5によって検出される。
【0020】
残留信号であるマイクロフォン5からの出力信号はエイリアシング防止のためのローパスフィルタ61に供給して高域周波数成分を制限し、ローパスフィルタ61からの出力信号はA/D変換器62に供給してデジタルデータに変換し、フィードバックコントローラ6に供給し、フィードバックコントローラ6からの出力デジタルデータは演算器3に供給してローパスフィルタ27からの出力デジタルデータから減算する。ここで、A/D変換器22における標本化の周期とA/D変換器62における標本化の周期とは等しく設定してあり、フィードバックコントローラ6は、プラントの伝達関数に基づく伝達関数に伝達関数が固定されたデジタルフィルタから構成してある。
【0021】
したがって、フィードフォワードコントローラ2に入力される入力信号の標本化の周期は、フィードバックコントローラ6に入力される入力信号の標本化の周期よりも長く設定された状態となっている。
【0022】
A/D変換器62から出力されたデジタルデータはサンプリングデータ間引きのためのローパスフィルタ64に供給し、ローパスフィルタ64からの出力デジタルデータは間引き回路65に供給して、ローパスフィルタ64からの出力デジタルデータを間引いて、出力によってフィードフォワードコントローラ2のフィルタ係数を制御する。
【0023】
この場合に、間引き回路65による間引きの結果、間引き回路65から出力されるデジタルデータの標本化の周期と間引き回路24から出力されるデジタルデータの標本化の周期とは同一になるように設定してある。
【0024】
したがって、フィードフォワードコントローラ2に入力される信号の標本化の周期はフィードバックコントローラ6に入力される信号の標本化の周期よりも長くされている。
【0025】
上記のように構成された本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置は2自由度型の能動振動抑制装置であって、フィードフォワードコントローラ2からの出力信号とフィードバックコントローラ6からの出力信号とによって音場の振動が抑制される。
【0026】
横軸に周波数を縦軸にとり、音圧レベルをとった図2によって本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置の作用を説明する。
【0027】
仮に、フィードフォワードコントローラ2のみによる振動抑制の場合は、図2(a)において実線で示す振動に対して、入力信号の標本化の周期が短い場合は図2(a)において2点鎖線に示すように抑制され、入力信号の標本化の周期が長い場合は図2(a)において破線に示すように抑制される。
【0028】
また、フィードバックコントローラ6のみによる振動抑制の場合は、図2(b)において実線で示す振動に対して、入力信号の標本化の周期が短い場合は図2(b)において2点鎖線に示すように抑制され、入力信号の標本化の周期が長い場合は図2(b)において破線に示すように抑制される。
【0029】
上記説明したように、フィードフォワードコントローラ2とフィードバックコントローラ6とを併合した本発明の実施の一形態にかかる2自由度型の能動振動抑制装置による振動抑制の場合は、図2(c)において実線で示す振動に対して、フィードフォワードコントローラ2とフィードバックコントローラ6と共に、入力信号の標本化の周期が短い場合は図2(c)において2点鎖線に示すように抑制され、フィードフォワードコントローラ2の入力信号の標本化の周期が長く1msecで、かつフィードバックコントローラ6の入力信号の標本化の周期が短く0.1msecの場合は図2(c)において破線に示すように抑制される。
【0030】
これからも明らかなように、フィードフォワードコントローラ2の入力信号の標本化の周期が長く1msecで、かつフィードバックコントローラ6の入力信号の標本化の周期が短く0.1msecの場合は良好に振動抑制が行われる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる能動振動抑制装置によれば、フィードフォワード制御部に入力される信号の標本化の周期をフィードバック制御部に入力される信号の標本化の周期よりも長くしたため、フィードフォワード制御による消費量とフィードバック制御による消音量とをそれぞれ大きくすることができて、2自由度型の能動振動抑制装置本来の制御性能の長所が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置の作用の説明に供する振動抑制の特性図である。
【図3】従来の能動振動抑制装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 振動検出器
2 フィードフォワードコントローラ
3 演算器
4 スピーカ
5 マイクロフォン
6 フィードバックコントローラ
21、23、27、29、61、64 ローパスフィルタ
22、62 A/D変換器
24、65 間引き回路
26 補間回路
28 D/A変換器
Claims (2)
- 振動発生源からの振動に基づく参照信号を発生する第1振動検出手段と、音場内に設けた振動源と、前記音場内に設けられて該音場内の振動を検出する検出手段と、前記参照信号を入力して前記音場内の振動を抑制するためのフィードフォワード制御部と、前記検出手段から出力される信号を受けて前記音場内の振動を抑制するためのフィードバック制御部と、フィードフォワード制御部からの出力信号とフィードバック制御部からの出力信号とを加算してその加算出力で前記振動源を駆動する加算手段とを備え、前記フィードフォワード制御部に入力される信号の標本化の周期を前記フィードバック制御部に入力される信号の標本化の周期よりも長くすると共に、前記フィードフォワード制御部に入力される信号は、前記参照信号をA/D変換したデジタルデータを間引き回路によって間引くことによって生成し、前記フィードバック制御部に入力される信号は、前記検出手段の出力を前記参照信号のA/D変換と同一の標本化の周期でA/D変換して生成したことを特徴とする能動振動抑制装置。
- 請求項1記載の能動振動抑制装置において、前記フィードフォワード制御部を制御する信号は、前記フィードバック制御部に入力される信号を、前記間引き回路とは異なる他の間引き回路で間引くことによって生成したことを特徴とする能動振動抑制装置。
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1997
- 1997-01-30 JP JP01697197A patent/JP3580972B2/ja not_active Expired - Fee Related
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