JP2595675Y2 - 倍速送り装置 - Google Patents

倍速送り装置

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JP2595675Y2
JP2595675Y2 JP1992082273U JP8227392U JP2595675Y2 JP 2595675 Y2 JP2595675 Y2 JP 2595675Y2 JP 1992082273 U JP1992082273 U JP 1992082273U JP 8227392 U JP8227392 U JP 8227392U JP 2595675 Y2 JP2595675 Y2 JP 2595675Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は移動部材を直線移動させ
る送り装置に係り、特に、小さな配設スペースで高速長
距離移動を行うことが可能な倍速送り装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】移動部材を直線移動させる送り装置とし
て、従来より送りねじ機構を利用した種々の装置が考え
られている。図7はその一例であり、送りねじ軸110
を回転可能に支持したベース部材112に対し、その送
りねじ軸110に螺合したナット部材114を備えた移
動部材116が送りねじ軸110と平行な方向の移動可
能に配設され、送りねじ軸110が回転駆動されること
により、移動部材116が送りねじ軸110に沿って直
線移動させられるようになっている。これとは逆に、ナ
ット部材114をベース部材に固定するとともに送りね
じ軸110を移動部材に保持させる場合もある。また、
これ以外にも、送りねじ軸を回転不能に移動部材に保持
させるとともに、ナット部材を回転可能且つ軸方向の移
動不能にベース部材に配設し、そのナット部材を回転駆
動することにより移動部材を直線移動させたり、送りね
じ軸をベース部材に固設するとともにナット部材を移動
部材に保持させて駆動することもできる。上記の送り装
置において、送りねじ機構としてボールねじ機構を用い
た場合には、ねじ溝内を転動する多数の鋼球を介して動
力が変換されることから、少ない動力損失で通常ねじの
場合よりも高速長距離の送り移動を行うことが可能とな
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如く送りねじ機構を用いて構成した従来の送り装置にお
いては、ねじ軸を長くしたり駆動回転速度を速くしたり
すると、ねじ軸の振れ回り現象などが生じることにより
振動や騒音が激しくなるため、予め軸径、軸材質、軸受
スパンなどから算出される危険回転速度を考慮したり、
ボール中心径×毎分回転数で表されるDN値(一般には
70000mm・rpm が上限)、ねじ軸の座屈に対する許
容スラスト荷重などの制限条件を考慮したりする必要が
あり、移動速度の高速化および移動距離の長距離化が必
ずしも容易ではなかった。また、送りねじ軸やその送り
ねじ軸を保持する部材は、移動部材の移動ストロークよ
り長くなるため、移動距離を長くするとそれに伴って装
置全体が大型化し、その配設スペースの確保が困難とな
ることがあった。
【0004】本考案は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、配設スペースを小さ
く維持しつつ高速長距離移動を可能にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本考案の要旨とするところは、一直線方向へ移動さ
せられる第1移動部材の移動に伴って、その第1移動部
材の移動速度の2倍の速度で第2移動部材を上記一直線
方向へ移動させる倍速送り装置であって、(a)前記一
直線方向と平行に位置固定に配設される固定側ラック
と、(b)前記一直線方向と平行に位置固定に配設され
る固定側ガイドレールと、(c)前記第1移動部材に配
設されるとともに前記固定側ガイドレールに係合させら
れ、その第1移動部材を前記一直線方向へ案内する第1
スライド部材と、(d)前記第2移動部材に前記一直線
方向と平行に一体的に設けられる可動側ガイドレール
と、(e)前記第1移動部材に配設されるとともに前記
可動側ガイドレールに係合させられ、前記第2移動部材
を前記一直線方向へ案内する第2スライド部材と、
(f)前記第1移動部材を挟んで前記固定側ラックと対
向する姿勢で前記第2移動部材に一体的に設けられる
動側ラックと、(g)前記第1移動部材に回転可能に配
設されるとともに、前記固定側ラックおよび可動側ラッ
クの双方に噛み合わされるピニオンギヤとを有すること
にある。
【0006】なお、上記第1移動部材を移動させるため
の駆動手段は、上記一直線方向に設けられたボールねじ
機構やシリンダ等のアクチュエータ、或いは第1移動部
材に配設されて上記ピニオンギヤを回転駆動する駆動モ
ータなどにより構成される。
【0007】
【作用】このような倍速送り装置においては、第1移動
部材を挟んで一対の固定側ラックおよび可動側ラックが
互いに対向する姿勢で配設されるとともに、可動側ラッ
クは一直線方向と平行な方向の移動可能とされており、
且つ第1移動部材にはそれら固定側ラックおよび可動側
ラックの双方に噛み合うピニオンギヤが配設されている
ため、第1移動部材が一直線方向へ移動させられると、
それに伴って固定側ラックと噛み合っているピニオンギ
ヤが回転させられ、そのピニオンギヤと噛み合わされた
可動側ラックは第1移動部材の2倍の速度で2倍の距離
を同じ方向へ移動させられる。このため、その可動側ラ
ックが一体的に設けられている第2移動部材は、第1移
動部材が一方の移動端から他方の移動端まで移動するの
に伴って、その第1移動部材の2倍の速度で2倍の移動
ストロークを移動させられることになる。
【0008】
【考案の効果】したがって、例えば第1移動部材がボー
ルねじ機構により移動させられる場合であっても、その
第1移動部材は要求される第2移動部材の移動ストロー
クの半分の距離を半分の速度で移動させられればよく、
前記危険回転速度や負荷荷重等の制限条件を満足しつつ
第2移動部材を高速長距離移動させることができる。こ
のため、従来のように送りねじ機構において単純に高速
化および長距離化を図る場合に比べて、容易に高速長距
離移動を行う送り装置を構成することが可能となる。
【0009】また、上記固定側ラックおよび可動側ラッ
クは、第2移動部材の移動ストロークの略1/2の長さ
良い一方、第1移動部材は、自身に設けられた第1ス
ライド部材と位置固定に設けられた固定側ガイドレール
との係合によって案内され、第2移動部材は、自身に設
けられた可動側ガイドレールと第1移動部材に設けられ
た第2スライド部材との係合によって案内されるため、
それ等のガイドレールについても、全移動ストロークに
亘って配設する必要がなく、装置の配設スペースを移動
ストロークより小さくできる。第2移動部材は、第2ス
ライド部材によって片持ち状態で支持されることになる
が、例えば前記一直線方向が鉛直方向である場合には、
小さなスライド部材でも第2移動部材を良好に案内する
ことができる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0011】図2および図3は、本考案の一実施例であ
る倍速送り装置10を備えて構成された移載ロボット1
2の正面図および平面図である。それらの図において、
複数の支柱14および16により水平な四角枠形状を成
すベースフレーム18が所定の高さに支持されている。
ベースフレーム18上には、図2および図3の左右方向
であるX軸方向の移動を行うための一対のガイドレール
20および22とラック24とが備えられている。図3
から明らかなように、それら一対のガイドレール20,
22は図における上下に離間して互いに平行に固設され
ている一方、略四角枠形状を成すX軸テーブル26の下
面には複数のスライド部材28が設けられて、それらガ
イドレール20,22上の2箇所ずつに係合させられて
おり、それらを介してX軸テーブル26がX軸方向へ案
内されるようになっている。また、X軸テーブル26の
下面側には、そのX軸テーブル26上に固設されたX軸
モータ30の出力軸に取り付けられたピニオンギヤ32
が上記ラック24と噛み合わされており、X軸モータ3
0が駆動されることにより、X軸テーブル26がX軸方
向に移動させられるようになっている。
【0012】X軸テーブル26上には、図3の上下方向
であるY軸方向の移動を行うための一対のガイドレール
34および36とラック38とが備えられている。図3
から明らかなように、それら一対のガイドレール34,
36は図における左右に離間して互いに平行に固設され
ている一方、四角平板状を成すY軸テーブル40の下面
には複数のスライド部材42が設けられて、それらガイ
ドレール34,36上の2箇所ずつに係合させられてお
り、それらを介してY軸テーブル40がY軸方向へ案内
されるようになっている。また、Y軸テーブル40の下
面側には、そのY軸テーブル40上に固設されたY軸モ
ータ44の出力軸に取り付けられたピニオンギヤ46が
上記ラック38と噛み合わされており、Y軸モータ44
が駆動されることにより、Y軸テーブル40がY軸方向
に移動させられるようになっている。Y軸テーブル40
には、中央部に切欠き穴48が形成されているととも
に、その切欠き穴48を上下に挿通した状態で前記倍速
送り装置10が取り付けられている。倍速送り装置10
には、図2において一点鎖線で示すワーク54を把持す
るためのロボットハンド50が設けられており、上記X
軸テーブル26およびY軸テーブル40がそれぞれ移動
させられることにより、そのロボットハンド50の挿入
ヘッド部52の軸心が、図3に示す4つの位置A,B,
C,Dを四隅とする方形領域内の任意の場所に位置する
ようにY軸テーブル40と共に移動させられる。そし
て、上記任意の場所においては、ロボットハンド50に
より上記ワーク54の把持動作や昇降動作が行われる。
【0013】倍速送り装置10の詳細な正面図を、他の
部材を一部省略して図1に示す。倍速送り装置10は、
前記ロボットハンド50をZ軸方向すなわち鉛直方向に
昇降移動させるためのZ軸駆動ユニットであり、その駆
動によりロボットハンド50は、図2に示す鉛直方向の
比較的長距離のストロークSを比較的高速で昇降移動さ
せられるようになっている。本実施例では、Z軸すなわ
ち鉛直方向が一直線方向に相当する。
【0014】図1における倍速送り装置10の一部を切
り欠いて図4に示すとともに、図1におけるV−V断面
を図5に示す。前記Y軸テーブル40には、その下面か
ら下方に延びる縦壁56を介して固定側フレーム58が
一体的に固設されているとともに、その固定側フレーム
58には、ボールねじ機構により鉛直方向に昇降移動さ
せられる第1移動部材としての中間スライダ60が配設
されている。中間スライダ60は、固定側フレーム58
に鉛直方向に沿って互いに平行に配設された一対の固定
側ガイドレール62aおよび62bと、中間スライダ6
0の鉛直方向に所定距離離間した上下2箇所ずつに取り
付けられ、それら固定側ガイドレール62a,62bに
それぞれ摺動可能に係合した4個のスライド部材64と
を介して、鉛直方向へ案内されるようになっている。
ライド部材64は第1スライド部材に相当する。
【0015】固定側フレーム58には、鉛直方向にボー
ルねじ軸66が回転可能且つ軸方向の移動不能に配設さ
れているとともに、中間スライダ60には、そのボール
ねじ軸66のボールねじ溝に多数の鋼球を介して螺合す
るボールナット68が軸心まわりの回転不能に保持され
ている。ボールねじ軸66のY軸テーブル40上に突き
出した軸端には、従動側プーリ71が相対回転不能に固
設されているとともに、Y軸テーブル40上に固設され
たZ軸モータ70の出力軸には、駆動側プーリ72が相
対回転不能に固設されており、それら従動側プーリ71
および駆動側プーリ72間にはタイミングベルト74が
巻き掛けられている。これにより、そのZ軸モータ70
が所定の正回転方向および逆回転方向へ駆動されると、
ボールねじ軸66が回転駆動されてボールナット68が
軸心方向に上下移動させられ、そのボールナット68と
共に中間スライダ60が下降および上昇させられる。こ
のときの中間スライダ60の移動速度は、ボールねじ軸
66の回転速度およびボールねじ溝のリードにより定ま
る速度V1 である。
【0016】中間スライダ60の固定側フレーム58と
反対側には、前記ロボットハンド50が一体的に固定さ
れた第2移動部材としての可動側フレーム76が配設さ
れている。可動側フレーム76は、鉛直方向に沿ってそ
の可動側フレーム76に互いに平行に配設された一対の
可動側ガイドレール78aおよび78bと、中間スライ
ダ60の鉛直方向に所定距離離間した上下2箇所ずつに
取り付けられてそれら可動側ガイドレール78a,78
bにそれぞれ係合した4個のスライド部材80とを介し
て、鉛直方向へ案内されるようになっている。スライド
部材80は第2スライド部材に相当する。
【0017】前記固定側フレーム58には、一対の固定
側ラック82aおよび82bがそれぞれスペーサ84
a,84bを介して鉛直方向に位置固定に配設されてい
る。一方、前記可動側フレーム76には、中間スライダ
60を挟んで上記固定側ラック82a,82bと対向す
る姿勢で、一対の可動側ラック86aおよび86bが鉛
直方向に一体的に配設されている。そして、それらの中
間に位置する中間スライダ60には、上記固定側ラック
82aおよび可動側ラック86aの双方に、および上記
固定側ラック82bおよび可動側ラック86bの双方
に、それぞれ噛み合わされる一対のピニオンギヤ88a
および88bが配設されている。ピニオンギヤ88a,
88bは、上記固定側ラック82a,82bおよび可動
側ラック86a,86bの対向方向および前記ボールね
じ軸66とそれぞれ直角な姿勢、すなわちY軸方向に中
間スライダ60の中央部を貫通して設けられたシャフト
90の軸まわりに、複数のベアリング92を介して回転
可能に軸支されている。上記の各歯車要素におけるそれ
ぞれの噛合歯のピッチやピッチ円直径は同一である。
【0018】このため、前記Z軸モータ70の駆動によ
り中間スライダ60が鉛直方向、例えば下方向へ移動さ
せられると、それに伴ってピニオンギヤ88a,88b
が図1における左まわりに回転させられ、そのピニオン
ギヤ88a,88bと噛み合わされた可動側ラック86
a,86bは、ピニオンギヤ88a,88bの回転に対
応する速度、すなわち中間スライダ60の移動速度V1
と同じ速度で中間スライダ60に対して下方へ相対移動
させられる。したがって、可動側ラック86a,86b
は、固定側ラック82a,82bに対して中間スライダ
60の2倍の速度(2V1 )で2倍の距離を同じ下方向
へ移動させられる。
【0019】つまり、このような倍速機構においては、
中間スライダ60が図4において実線で示された位置で
ある上側の移動端から、同図において一点鎖線で示され
た下側の移動端まで移動させられることにより、可動側
フレーム76が中間スライダ60の2倍の速度V2 (=
2V1 )で前記所定のストロークSを移動させられるの
である。なお、中間スライダ60は、図4および図5か
ら判るように、固定側フレーム58と反対側においてY
軸テーブル40および固定側フレーム58の下端部間に
配設された補助シリンダ(ロッドレスシリンダ)94に
連結されており、中間スライダ60、可動側フレーム7
6およびロボットハンド50等の重量の全部、若しくは
ある程度までを相殺するための上向きの付勢力が常に作
用させられることにより、Z軸モータ70の駆動力負担
が軽減されている。
【0020】上記固定側ラック82a,82bおよび可
動側ラック86a,86bとピニオンギヤ88a,88
bとの噛合いにおいては、図5における上側と下側とに
おける一対ずつの各要素の位置決め状態が調整されるこ
とにより、各要素の噛合歯相互のバックラッシに起因す
るがたつき量、具体的には中間スライダ60が静止して
いるにも拘らず可動側フレーム76が固定側フレーム5
8に対して移動可能な量が、略零となるように部材間相
互の位置関係が予め設定されて組み付けられている。
【0021】詳しく説明すると、例えば図5の下側にお
ける固定側ラック82a、ピニオンギヤ88a、可動側
ラック86aのそれぞれの噛合いにおいて、予め設けら
れた所定のバックラッシの分だけ固定側ラック82aに
対してピニオンギヤ88aが微小量回転できるととも
に、そのピニオンギヤ88aに対して可動側ラック86
aが相対的に微小量上下移動できる。また、図5の上側
における固定側ラック82b、ピニオンギヤ88b、可
動側ラック86bのそれぞれの噛合いにおいて、同様に
所定のバックラッシの分だけ固定側ラック82bに対し
てピニオンギヤ88bが微小量回転できるとともに、そ
のピニオンギヤ88bに対して可動側ラック86bが相
対的に微小上下移動できる。したがって、例えば下側の
可動側ラック86aは最も下寄りに位置する一方、上側
の可動側ラック86bは最も上寄りに位置するように、
それら可動側ラック86a,86bの位相をずらして可
動側フレーム76に固設すれば、バックラッシに起因す
るがたつきを防止できる。上記の“ずらし”を固定側ラ
ック82aと82bとの間で設定しても同様の効果を得
ることができる。
【0022】図6は、ロボットハンド50の下端側に設
けられた前記挿入ヘッド部52を詳しく示す断面図であ
る。挿入ヘッド部52の軸心部分に配設されたロッド9
6は、上端側に設けられたシリンダ98により下方に向
かって突き出し駆動されるようになっている。ロッド9
6には、小径部100およびその小径部100から上方
に向かって拡径されたテーパ部102が、軸方向の2箇
所にそれぞれ設けられている。一方、図6のようにロッ
ド96が引込み位置にある状態において、挿入ヘッド部
52のシリンダ98側の小径部100に対応する位置に
は、周方向の3箇所に均等配置された係合ピン104が
それぞれ径方向外側へ突き出し可能に設けられている。
図6の状態では、各係合ピン104が退避位置にあって
それらの先端が挿入ヘッド部52の外周面から突出して
いないが、上記ロッド96が下方に突き出されると、各
係合ピン104がテーパ部102の斜面により押し出さ
れてそれらの先端部分が挿入ヘッド部52の外周面から
突出する係合位置に移動させられ、前記ワーク54の図
示しない挿通孔内周面に係合させられるようになってい
る。なお、ワーク54の種類によって、係合ピン104
がロッド96の先端側の小径部100に対応する位置に
組み付けられて用いられる。
【0023】次に、上述した如く構成された移載ロボッ
ト12の作動を、その一例として前記ワーク54を図3
における位置Aから位置Dまで移載する場合について説
明する。
【0024】図2において実線で示されている状態か
ら、倍速送り装置10のZ軸モータ70が所定の正回転
方向に駆動され、可動側フレーム76が中間スライダ6
0の下降に伴って倍速で下降させられると、ロボットハ
ンド50の挿入ヘッド部52が、位置Aの付近にある図
示しないパレット上に載置されたワーク54の挿通孔内
に挿し入れられる。続いて、シリンダ98が突き出し駆
動されると、複数の係合ピン104が係合位置に突き出
されてロボットハンド50がワーク54と鉛直方向の離
脱不能に係合させられる。次に、Z軸モータ70が逆回
転方向に駆動されると、可動側フレーム76が中間スラ
イダ60の上昇に伴って倍速で上昇させられ、ロボット
ハンド50が上側の移動端に位置させられる。そして、
前記X軸モータ30が駆動されることにより、X軸テー
ブル26が図3におけるX軸方向の右側へ移動させられ
るとともに、前記Y軸モータ44が駆動されることによ
り、Y軸テーブル40が図3におけるY軸方向の上側へ
移動させられ、位置Dに前記挿入ヘッド部52の軸心が
一致させられる。倍速送り装置10の平面移動が完了す
ると、Z軸モータ70が再び正回転方向に駆動されて可
動側フレーム76およびロボットハンド50が倍速下降
させられ、ワーク54が図示しない別のパレット上に載
置される。続いて、シリンダ98が引込み駆動される
と、複数の係合ピン104が係合位置から退避位置へ移
動させられ、ロボットハンド50とワーク54との係合
状態が解除される。その後、Z軸モータ70が逆回転方
向に駆動されて可動側フレーム76が倍速上昇させら
れ、ロボットハンド50がワーク54から上方へ離脱し
て移載が終了する。
【0025】このように、倍速送り装置10を備えた移
載装置12においては、Z軸モータ70の駆動により中
間スライダ60が鉛直方向へ移動させられるのに伴って
ピニオンギヤ88a,88bが回転させられると、その
ピニオンギヤ88a,88bと噛み合わされた可動側ラ
ック86a,86bが、中間スライダ60の速度V1
2倍の速度V2 で2倍の距離を同じ方向へ移動させられ
る。このため、中間スライダ60が一方の移動端から他
方の移動端まで移動するのに伴って、可動側ラック86
a,86bが配設された可動側フレーム76が倍速で所
定のストロークSを移動させられる。
【0026】ここで、中間スライダ60はボールねじ軸
66およびボールナット68からなるボールねじ機構に
より昇降移動させられるが、中間スライダ60の移動ス
トロークは可動側フレーム76の移動ストロークSの1
/2で良いことから、ボールねじ機構における危険回転
速度や負荷荷重等の制限条件を満足しつつ可動側フレー
ム76を高速長距離移動させることができ、通常の送り
ねじ機構において単純に高速化および長距離化を図る場
合に比べて、高速長距離移動が可能な移載装置12が容
易に構成される。
【0027】また、固定側ラック82a,82bおよび
可動側ラック86a,86bは、可動側フレーム76の
移動ストロークSの略1/2の長さで良いとともに、そ
の可動側フレーム76を中間スライダ60に対して案内
する可動側ガイドレール78a,78bの長さ寸法は可
動側フレーム76の全長と略同じで、倍速送り装置10
の上下方向の配設スペースが上記移動ストロークSに比
較して小さくされている。このため、ワーク54を持ち
上げて水平方向へ移動する際に、倍速送り装置10の下
端部が他部材と干渉したりすることが良好に回避され、
移動経路の設定が容易となるなどの利点がある。なお、
本実施例では可動側フレーム76の移動方向が鉛直方向
であるため、可動側ガイドレール78a,78bと係合
している複数のスライド部材80により可動側フレーム
76を良好に案内できるのである。
【0028】また、一対ずつ配設された固定側ラック8
2a,82b、可動側ラック86a,86b、ピニオン
ギヤ88a,88bのバックラッシに起因するがたつき
が無くなるように、それらの相互の位置関係が調整され
ているため、駆動時の振動および騒音が効果的に抑制さ
れる。
【0029】また、ボールねじ軸66を回転駆動するZ
軸モータ70がY軸テーブル40上に配設されているた
め、中間スライダ60にその中間スライダ60を移動さ
せるための駆動手段、例えばボールナット68を回転駆
動する電動モータ等が設けられる場合に比較して、ケー
ブル類の処理が容易となるとともに、中間スライダ60
の重量増加を回避できる。加えて、上記ボールねじ軸6
6、Z軸モータ70はZ軸方向に配設されているため、
倍速送り装置10のX軸方向およびY軸方向における寸
法を小さくでき、それらX軸方向、Y軸方向への移動時
における他部材との干渉が抑制される。
【0030】以上、本考案の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本考案は他の態様で実施することも
できる。
【0031】例えば、前述の実施例においては、第1移
動部材である中間スライダ60を駆動する手段としてボ
ールねじ軸66およびボールナット68からなるボール
ねじ機構が採用されていたが、油圧シリンダ等のアクチ
ュエータの出力ロッドに中間スライダ60が連結されて
も良いし、或いは、ピニオンギヤ88a,88bの軸心
と平行な出力軸を備えて中間スライダ60に配設される
駆動モータによりそれらピニオンギヤ88a,88bが
直接回転駆動されるように構成されたりしても良い。
【0032】また、前述の実施例においては、中間スラ
イダ60および可動側フレーム76が鉛直方向に移動さ
せられる場合であったが、他の方向、例えば水平方向に
第1移動部材および第2移動部材が移動させられる場合
であっても良い。
【0033】また、前述の実施例においては、それぞれ
一対ずつの固定側ラック82a,82b、可動側ラック
86a,86b、ピニオンギヤ88a,88bがバック
ラッシによるがたつきを生じないように配設されていた
が、両者を同じ位相で配設して均等に駆動力が伝達され
るようにしても良いし、ラックピニオン機構の数は必ず
しも一対である必要はない。ガイド部材としてのガイド
レールやスライド部材についても、それらの個数は適宜
変更され得る。
【0034】また、前述の実施例においては、中間スラ
イダ60、可動側フレーム76およびロボットハンド5
0等の重量を相殺してZ軸モータ70の駆動力負担を軽
減するための補助シリンダ94が配設されていたが、か
かる補助シリンダ94は本考案において必須ではなく、
省略されても差支えない。
【0035】また、前述の実施例においては、倍速送り
装置10が移載ロボット12におけるZ軸駆動ユニット
として用いられた場合であったが、例えばロボットハン
ド50を備えた可動側フレーム76とは異なる移動部材
を有する他のロボットや搬送装置などにも、本考案は同
様に適用され得る。
【0036】その他一々例示はしないが、本考案は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である倍速送り装置を示す正
面図である。
【図2】図1の倍速送り装置を備えた移載装置の正面図
である。
【図3】図2の移載装置の平面図である。
【図4】図1の倍速送り装置の一部を切り欠いて示す正
面図である。
【図5】図1におけるV−V断面図である。
【図6】図1の倍速送り装置に配設されたロボットハン
ドの要部を詳細に示す断面図である。
【図7】従来の送り装置の一例を説明する図である。
【符号の説明】
10:倍速送り装置 60:中間スライダ(第1移動部材)62a、62b:固定側ガイドレール 64:スライド部材(第1スライド部材) 76:可動側フレーム(第2移動部材)78a、78b:可動側ガイドレール 80:スライド部材(第2スライド部材) 82a,82b:固定側ラック 86a,86b:可動側ラック 88a,88b:ピニオンギヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−153860(JP,A) 特開 昭63−235753(JP,A) 実開 平3−126533(JP,U) 実開 昭55−120848(JP,U) 実開 昭61−45654(JP,U) 実開 昭58−192977(JP,U) 実開 昭61−88935(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 19/04

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一直線方向へ移動させられる第1移動部
    材の移動に伴って、該第1移動部材の移動速度の2倍の
    速度で第2移動部材を該一直線方向へ移動させる倍速送
    り装置であって、 前記一直線方向と平行に位置固定に配設される固定側ラ
    ックと、前記一直線方向と平行に位置固定に配設される固定側ガ
    イドレールと、 前記第1移動部材に配設されるとともに前記固定側ガイ
    ドレールに係合させられ、該第1移動部材を前記一直線
    方向へ案内する第1スライド部材と、 前記第2移動部材に前記一直線方向と平行に一体的に設
    けられる可動側ガイドレールと、 前記第1移動部材に配設されるとともに前記可動側ガイ
    ドレールに係合させられ、前記第2移動部材を前記一直
    線方向へ案内する第2スライド部材と、 記第1移動部材を挟んで前記固定側ラックと対向する
    姿勢で前記第2移動部材に一体的に設けられる可動側ラ
    ックと、 前記第1移動部材に回転可能に配設されるとともに、前
    記固定側ラックおよび可動側ラックの双方に噛み合わさ
    れるピニオンギヤとを有することを特徴とする倍速送り
    装置。
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