JP2594915Y2 - 増幅回路のオートバランス調整装置 - Google Patents

増幅回路のオートバランス調整装置

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JP2594915Y2
JP2594915Y2 JP11122491U JP11122491U JP2594915Y2 JP 2594915 Y2 JP2594915 Y2 JP 2594915Y2 JP 11122491 U JP11122491 U JP 11122491U JP 11122491 U JP11122491 U JP 11122491U JP 2594915 Y2 JP2594915 Y2 JP 2594915Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は増幅回路のオートバラン
ス調整装置に係り、特に計測機器に内蔵された増幅回路
のオートゼロ調整に適用され、1回毎の手動指示による
調整だけでなく、現象波形信号の非入力状態を確認しな
がら適時的に自動調整させるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ディジタルマルチメータ等の
計測機器に内蔵されている増幅回路にはオートバランス
回路が設けられており、オートバランス調整モードの
設定によってゼロ点のドリフトを補償している。
【0003】図5はその代表的なオートバランス回路5
0の構成を示し、増幅器51の出力とゼロ電圧を比較す
るコンパレータ52と、その比較値をカウントするカウ
ンタ53と、カウンタ53のカウント値をD/A変換し
て増幅器51の入力側へ加算出力させるD/A変換器5
4とからなる制御ループが構成されており、入力がない
状態でオートバランス調整モードを指定して増幅器51
の出力電圧をゼロへ調整するようになっている。尚、5
5はカウンタ53の同期をとる発振器である。
【0004】また、計測機器には、増幅される信号の基
準値を設定するためのキャリブレイション回路56が付
加されていることが多く、その基準値を選択する各スイ
ッチ57と高精度抵抗58の直列回路から得られる電圧
値を増幅器59を介して前記の増幅器51の入力側へ加
算出力させるようになっている。
【0005】しかし、前記のようなハードウェア構成に
よるオートバランス調整においては、商用電源や計測機
器内部の要因により、増幅器51の出力電圧にはドリフ
ト以外にノイズが発生していることが多く、コンパレー
タ52の比較値をカウンタ53で量子化した場合には前
記のノイズに起因して制御値に誤りが発生する。特に、
量子化後のデータのLSBの近傍ではその誤りが顕著と
なる傾向にあり、その結果、迅速且つ正確なゼロ点補償
ができなくなるという問題がある。また、前記のキャリ
ブレイション回路56には多数の高精度抵抗58とスイ
ッチ57が必要になり、計測機器の組立て工程や調整段
階で非常に煩雑な手間を要する。
【0006】そこで、図2に示すように、増幅回路の制
御ループに積分形A/D変換器とマイクロコンピュータ
回路(以下、 マイコン回路 という)を適用することによ
り、ノイズの影響をなくしてゼロ点補償を行なう方式が
考えられる。 同図は、計測機器に内蔵された増幅回路の
オートバランス調整装置をシステム回路として示したも
のであり、21は増幅器、22は積分形A/D変換器、
23はマイコン回路、24はD/A変換器であり、増幅
器21の出力電圧が積分形A/D変換器22でA/D変
換された後、マイコン回路23へ取込まれ、同マイコン
回路23がバランス調整データを作成してD/A変換器
24へ出力し、更にD/A変換器24が調整データをD
/A変換して増幅器21の入力側へ加算出力させてい
る。即ち、積分形A/D変換器22とマイコン回路23
とD/A変換器24で制御ループが構成されている。
【0007】また、マイコン回路23は、CPU31,
ROM32,RAM33,I/Oポート34がバス接続
された通常の構成からなり、ROM32に格納されてい
るオートバランス制御用プログラムをCPU31が実行
することにより各制御データを作成する。尚、35は計
測機器の操作部、36は操作部35からの入力をマイコ
ン回路23が処理し得る信号に変換するI/Fである。
【0008】次に、このオートバランス装置の制御動作
図6のフローチャートを参照しながら説明する。先
ず、操作部35からオートバランス調整モードが指示さ
れると、マイコン回路23はI/Oポート34を通じて
積分形A/D変換器22の量子化データを取込む(S1
〜S3)。ここに、積分形A/D変換器22は増幅器2
1の出力電圧を量子化しているが、その積分期間内にお
ける増幅器21の出力電圧の平均値を量子化するため、
積分期間内の出力電圧にノイズが混在していても平均値
には殆ど影響がなくなる。即ち、正確な量子化出力電圧
データV(x)が作成される。
【0009】そして、マイコン回路23では取込まれた
電圧データV(x)がゼロか否かを直ちに判定し、V(x)=
0であれば制御手順を実行することなくこのモードを抜
けるが、V(x)≠0であった場合には次の制御手順を実
行する(S4)。
【0010】マイコン回路23では、前記に取込まれた
V(x)を用いて{−(1/G)・V(x)}を演算し、そのデ
ータをRAM33へセーブすると共に、直ちにI/Oポ
ート34を通じてD/A変換器24へ出力させる(S5
〜S7)。但し、Gは増幅器21の利得である。そし
て、この制御用電圧データ:−(1/G)・V(x)はD
/A変換器24でD/A変換されて、増幅器21の入力
電圧に加算出力される。その結果、増幅器21の出力電
圧は変化することになるが、その出力電圧は再び積分形
A/D変換器22でA/D変換されて、その量子化デー
タV(x+1)がマイコン回路23へ取込まれる(S7,S
8→S3)。
【0011】以降、マイコン回路23は前記のV(x+1)
について再びゼロか否かを判定し、V(x+1)≠0であれ
ば、前記のステップS3〜S8を繰返す。そして、この
制御ループはフィードバック系であるために、増幅器2
1の出力電圧はゼロに近付くことになるが、積分形A/
D変換器22の量子化データV(i+1)がゼロと判定され
ると、その時点でRAM33にセーブされている直前の
制御用電圧データ:−(1/G)・V(i)を以降の固定制
御電圧データとしてセットし、D/A変換器24には継
続的にそのデータが出力されて、増幅器21の入力側へ
それに対応した固定アナログ電圧が加算出力される(S
9)。即ち、増幅器21の入力端子に電圧が印加されて
いない状態で、出力電圧が常にゼロにセットされる状態
を構成してオートバランス調整モードを抜ける。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
に、増幅回路のオートバランス調整装置の制御ループに
積分形A/D変換器とマイコン回路を適用すると、増幅
器の出力電圧に発生するノイズに起因したゼロ調整の誤
りを有効に防止できることになるが、その調整は現象波
形の非入力状態において手動操作で指示 実行される。
即ち、計測機器の場合であれば、計測開始前の初期設定
時等に実行され、以降、その調整設定された状態で計測
が行われることになる。
【0013】しかし、計測機器の場合には、計測時間帯
に温度や湿度等の外的条件が変化し、また長期にわたる
継続的な計測では経時的に回路特性が変化してしまう等
の理由から、増幅器のゼロ点がドリフトして計測データ
に誤差が発生することがある。 一方、計測機器では、現
象波形の信号が連続的に増幅回路へ入力するような状態
で使用する場合は少なく、周期的に又は予め設定された
時間に指示を与えて計測を実行させたり、計測対象とな
る現象波形の信号が間歇的に計測機器へ入力されるよう
な場合が多い。
【0014】そこで、本考案は、計測機器に用いられる
ような増幅回路のオートバランス調整装置において、単
に外部から単回の調整指示がなされた場合だけでなく、
現象波形信号が入力状態にあるか否かを監視しながら、
その非入力状態が確認された場合に自動的にオートバラ
ンス調整モードを設定し、常に高精度なゼロ点補償を行
なえるようにすることを目的として創作された。
【0015】
【課題を解決するための手段】本考案の基本的構成は図
1に示され、増幅回路1の出力電圧をA/D変換する積
分形A/D変換器2と、積分形A/D変換器2の変換出
力データを処理して制御用電圧データを作成するマイコ
ン回路3と、マイコン回路3が作成した制御用電圧デー
タをD/A変換して増幅回路1の入力側へ加算出力する
D/A変換器4と、マイコン回路3へのモード指示部5
とからなり、マイコン回路3が、モード指示部5からの
オートバランス調整モード指示に基づいて積分形A/D
変換器2の変換出力データがゼロか否かを判定する判定
手段6と、判定手段6の判定結果がゼロでない場合に積
分形A/D変換器2の量子化データを(−1/G)倍
(但し、Gは増幅回路1の利得)して制御用電圧データ
を作成する第1演算手段7と、第1演算手段7が演算し
た制御用電圧データを記憶する第1記憶手段8と、判定
手段6の判定結果がゼロである場合に第1記憶手段8が
直前に記憶した制御用電圧データを以降の制御用電圧デ
ータとして設定する電圧データ設定手段9を具備した増
幅回路のオートバランス調整装置において、モード指示
部5にオートバランス調整モードの単回調整指示手段5
aと適時調整指示手段5bを設け、マイクロコンピュー
タ回路3に、前記モード指示部5から適時調整指示がな
された場合に積分形A/D変換器2の積分期間より長い
周期で同A/D変換器2から前後して得られる2つの変
換出力データを記憶する第2記憶手段10と、第2記憶
手段10の各変換出力データの差を求める第2演算手段
11と、第2演算手段11が一定期間内に求めた複数の
差が一定範囲内か否かを監視する監視手段12と、監視
手段12が複数の差が一定範囲内であることを検出した
場合にマイクロコンピュータ回路3をオートバランス調
整モードに自動設定するモード設定手段13を具備させ
たことを特徴とする増幅回路のオートバランス調整装置
に係る。
【0016】また、前記のオートバランス調整装置で
は、マイコン回路3にキャリブレイション値を記憶した
第3記憶手段14を設け、モード指示部5からのキャリ
ブレイションモード指示とその値の指定があった場合に
は、判定手段6が積分形A/D変換器2の変換出力デー
タとキャリブレイション値が同一か否かを判定し、判定
手段6が同一でないと判定した場合に第1演算手段7が
キャリブレイション値から積分形A/D変換器2の変換
出力データを減算すると共に、その減算結果を(−1/
G)倍した制御用電圧データを作成し、第1記憶手段8
が第1演算手段7が演算した制御用電圧データを記憶
し、判定手段6が同一であると判定した場合に電圧デー
タ設定手段9が第1記憶手段8に直前に記憶せしめられ
た制御用電圧データを以降の制御用電圧データとして設
定することとすれば、キャリブレイション機能をも併有
させることができる。
【0017】
【作用】先ず、増幅回路1の出力電圧を積分形A/D変
換器2でA/D変換してマイコン回路3へ取込んでいる
ため、出力電圧は積分形A/D変換器2の積分期間で平
均化された量子化データとしてマイコン回路3へ取込ま
れ、出力電圧に含まれているノイズの影響が除去され
て、優れたS/N比での量子化データが得られる。
、マイコン回路3は積分形A/D変換器2の量子化デ
ータを(−1/G)倍した制御用電圧データを作成して
D/A変換器4へ出力させるが、その演算等は全てディ
ジタル処理で実行されるためにノイズの影響も受けず、
正確な制御用電圧データが得られる。そして、オートバ
ランス調整モードの単回調整指示がなされると、マイコ
ン回路3は、前記の制御用電圧データの出力と積分形A
/D変換器2からの出力電圧データの取込みを実行しな
がら、判定手段6が出力電圧データのゼロを判定した時
点で、第1記憶手段8に記憶せしめられているその時点
での制御用電圧データを以降の固定データとして設定す
る。従って、調整残りの発生しない正確で迅速なゼロ点
補償制御が可能になる。
【0018】ところで、本考案の特徴は、モード指示部
5にオートバランス調整モードの単回調整指示手段5a
だけでなく適時調整指示手段5bが設けられており、ま
たマイコン回路3が第2記憶手段10と第2演算手段1
1と監視手段12とモード設定手段13とを備えてお
り、適時調整指示手段5bから指示がなされている場合
に、信号の入力状態か非入力状態かを監視し、非入力状
態が確認された際に、前 記のオートバランス調整モード
を自動設定する点にある。 即ち、第2記憶手段10に対
して積分形A/D変換器2からその積分期間より長い周
期で得られる時系列的に前後した2つの変換出力データ
を逐次記憶させ、第2演算手段11で各データの差分を
逐次演算すると共に、監視手段12で一定期間内に得ら
れる前記の各差分データが全て一定範囲内にあるか否か
を監視し、一定範囲内にあれば信号の非入力状態と判定
してモード設定手段13により自動的にオートバランス
調整モードを設定させる。
【0019】従って、信号の非入力状態になった時点で
常にオートバランス調整モードが設定されることにな
り、温度や湿度等の外的条件の変化や経時的な回路特性
の変化によるゼロ点のドリフトに対してきめ細かな補償
がなされ、その機能によって常時最適化された動作状態
を保つことができる。
【0020】更にマイコン回路3にキャリブレイショ
ン値を記憶した第3記憶手段14を設け、モード指示部
5からのキャリブレイションモード指示とその値の指定
があった場合には、判定手段6が積分形A/D変換器2
の変換出力データとキャリブレイション値が同一か否か
を判定し、判定手段6が同一でないと判定した場合に第
1演算手段7がキャリブレイション値から積分形A/D
変換器の変換出力データを減算すると共に、その減算結
果を(−1/G)倍した制御用電圧データを作成し、第
1記憶手段8が第1演算手段7が演算した制御用電圧デ
ータを記憶し、判定手段6が同一であると判定した場合
に電圧データ設定手段9が第1記憶手段8に直前に記憶
せしめられた制御用電圧データを以降の制御用電圧デー
タとして設定することとすれば、ソフトウェアによるキ
ャリブレイション機能も付加できる。
【0021】
【実施例】以下、本考案の増幅回路のオートバランス調
整装置に係る実施例を図2から図4を用いて詳細に説明
する。 先ず、この実施例のオートバランス調整装置もマ
イコン回路を用いてゼロ点調 整を実行するものであり、
そのシステム回路は従来技術で説明した図2の構成と同
様である。 従って、ここでは各回路要素の説明を省略
し、主に適時調整指示がなされた場合におけるオートバ
ランス調整モードの設定制御手順及びキャリブレイショ
ンモードでの制御手順を説明する。
【0022】この実施例装置は、操作部35にオートバ
ランス調整モードを実行させる場合の《単回調整指示
部》と共に《適時調整指示部》が設けられており、また
《キャリブレイションモードの設定指示部》が設けられ
ている点、及びそれらの指示内容に対応して実行される
オートバランス制御用プログラムとキャリブレイション
制御プログラムが格納されている点に特徴がある。 尚、
単回調整に係るオートバランス調整は図6のフローチャ
ートで示された制御手順で実行され、既に説明したとお
りである。
【0023】次に、《適時調整指示部》からオートバラ
ンス調整モードが指示された場合の設定制御手順を図3
のフローチャートを参照しながら説明する。 この適時調
整指示に基づくオートバランス調整は、単回調整の場合
のように指示に基づく1回限りの調整と異なり、現象波
形信号の非入力状態が確認される度に調整制御手順を実
行させるものである。
【0024】先ず、操作部35の適時調整指示部からオ
ートバランス調整モードの指示があると、マイコン回路
23は積分形A/D変換器22の積分期間より長い周期
(Δt)で同変換器22からのデータの取込みを開始
し、取込まれたデータをRAM33へセーブさせる(S
11〜S17)。そして、前後して取込まれた前後のデ
ータ:V(p),V(p+1)の差分データを演算し、その差分デ
ータ(ΔVp)をRAM33へセーブする(S18,S1
9)。
【0025】この手順(S13〜S19)を一定時間:
Tだけ繰返すと、RAM33にはn個[=(T/Δt)-1]
差分データ[ΔV(1),ΔV(2),・・・・,ΔV(n)]がセー
ブされる。 ここで、CPU31は、前記の一定時間:T
が経過した時点で、直ちにRAM33にセーブされた
ての差分データの絶対値が一定値:Zより小さい値か否
かを監視し、0≦|ΔV(1)|,|ΔV(2)|, ・・・・ ,|ΔV(n)|
<Zの場合に図6のS1〜S9に示されたオートバラン
ス調整モードでのシーケンスを実行させる(S22,S
23)。即ち、一定値:Zは現象波形の変化より十分に
小さい値として設定された閾値であり、全ての差分デー
タの絶対値が一定値Zより小さい場合には現象波形信号
の非入力状態であると判定でき、その状態が確認される
度に自動的にオートバランス調整を実行させる。 また、
前記の一定時間:Tは計測機器においては現象波形が存
在しないとみなせる時間として設定され、計測対象によ
って調整され得る。
【0026】従って、この実施例装置は、計測機器に対
して現象波形の入力がない期間を利用して、常に増幅器
21オートバランス調整を実行でき、計測機能に影響を与
えることなくゼロ点のドリフトをきめ細かに補償してゆ
くことができる。
【0027】次に、図はキャリブレイションモードで
の制御手順を示す。このモードでは、操作部35からキ
ャリブレイションモード指示とキャリブレイション値
(Vc)の指示があると、マイコン回路23ではROM3
2に固定データとして格納されているキャリブレイショ
ン値(Vc)がレディセットされる(S31〜S32)。
そして、図のオートバランス調整モードの場合と同様
に、積分形A/D変換器22から増幅器21の出力電圧
データV(x)を取込むが、このモードでは{V(c)−V
(x)}を演算し、その値がゼロでない場合には、更に−
(1/G)・{V(c)−V(x)}を演算してRAM33へセ
ーブすると共に、その演算結果をD/A変換器24へ制
御用電圧データとして出力させる(S33〜S38)。
【0028】以降の手順は、図におけるV(i)が{V
(c)−V(i)}に置き換えられるだけで、同図に示された
オートバランス調整モードと同様のデータ処理手順を実
行し、最終的に{V(c)−V(i)}がゼロになった段階でR
AM33にセーブされているデータ:−(1/G)・{V
(c)−V(x)}を固定制御電圧データとしてセットする
(S34〜S40)。当然に、固定制御電圧データのセ
ット後における増幅器21の出力電圧はV(c)に調整さ
れていることになる。
【0029】従って、マイコン回路23を制御ループに
用いていることにより、オートバランス調整機能だけで
なく、キャリブレイション動作もソフトウェアを追加す
るだけで自動的に実行させることが可能になる
【0030】
【考案の効果】本考案の増幅回路のオートバランス調整
装置は、以上の構成を有していることにより、次のよう
な効果を奏する。請求項1の考案は、現象波形信号の非
入力期間を利用してオートバランス調整を適時的に実行
させるものであり、計測機器に適用することで、従来の
ように調整指示に基づいた1回限りの調整だけでなく、
計測機能に影響が生じない期間に常にゼロ点のドリフト
を補償しながら高精度な計測を可能にする。 請求項2の
考案は、請求項1の考案がマイコン回路を利用した制御
であることから、キャリブレイション値の設定とキャリ
ブレイション制御手順をソフトウェアで実行させ、従来
のようにキャリブレイション回路を高精度抵抗群やスイ
ッチ群からなるハードウェアで構成した場合と比較し
て、組立て工数や調整手順の大幅な簡素化を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の基本的構成を示す図である。
【図2】マイコン回路を用いた場合の増幅回路のオート
バランス調整装置のシステム回路である(実施例及び従
来技術で共通)。
【図3】実施例において適時調整指示部からオートバラ
ンス調整モードが指示された場合の同モードの設定制御
手順を示すフローチャートである。
【図4】実施例に係るキャリブレイションモードでの制
御手順を示すフローチャートである。
【図5】従来技術のハードウェア構成による増幅回路の
オートバランス調整装置のシステム回路である。
【図6】マイコン回路を用いた増幅回路のオートバラン
ス調整装置における単回のオートバランス調整制御手順
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 増幅回路 2 積分形A/D変換器 3 マイクロコンピュータ回路 4 D/A変換器 5 モード指示部5a 単回調整指示手段 5b 適時調整指示手段 6 判定手段 7 第1演算手段 8 第1記憶手段 9 電圧データ設定手段 10 第2記憶手段 11 第2演算手段 12 監視手段 13 モード設定手段 14 第3記憶手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 浅井 隆夫 東京都調布市調布が丘3丁目5番地1 株式会社共和電業内 (56)参考文献 特開 平3−48509(JP,A) 特開 昭64−17506(JP,A) 特開 昭63−224522(JP,A) 特開 昭59−147508(JP,A) 実開 昭62−103310(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03G 3/02 H03F 3/34

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増幅回路の出力電圧をA/D変換する積
    分形A/D変換器と、積分形A/D変換器の変換出力デ
    ータを処理して制御用電圧データを作成するマイクロコ
    ンピュータ回路と、マイクロコンピュータ回路が作成し
    た制御用電圧データをD/A変換して増幅回路の入力側
    へ加算出力するD/A変換器と、マイクロコンピュータ
    回路へのモード指示部とからなり、マイクロコンピュー
    タ回路が、モード指示部からのオートバランス調整モー
    ド指示に基づいて積分形A/D変換器の変換出力データ
    がゼロか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結
    果がゼロでない場合に積分形A/D変換器の量子化デー
    タを(−1/G)倍(但し、Gは増幅回路の利得)して
    制御用電圧データを作成する第1演算手段と、第1演算
    手段が演算した制御用電圧データを記憶する第1記憶手
    段と、判定手段の判定結果がゼロである場合に第1記憶
    手段が直前に記憶した制御用電圧データを以降の制御用
    電圧データとして設定する電圧データ設定手段を具備し
    増幅回路のオートバランス調整装置において、モード
    指示部にオートバランス調整モードの単回調整指示手段
    と適時調整指示手段を設け、マイクロコンピュータ回路
    に、前記モード指示部から適時調整指示がなされた場合
    に積分形A/D変換器の積分期間より長い周期で同A/
    D変換器から前後して得られる2つの変換出力データを
    記憶する第2記憶手段と、第2記憶手段の各変換出力デ
    ータの差分を求める第2演算手段と、第2演算手段が一
    定期間内に求めた複数の差分データが一定範囲内か否か
    を監視する監視手段と、監視手段が複数の差分データが
    一定範囲内であることを検出した場合にマイクロコンピ
    ュータ回路をオートバランス調整モードに自動設定する
    モード設定手段を具備させたことを特徴とする増幅回路
    のオートバランス調整装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のマイクロコンピュータ回路に
    キャリブレイション値を記憶した第3記憶手段を設け、
    モード指示部からのキャリブレイションモード指示とそ
    の値の指定があった場合には、判定手段が積分形A/D
    変換器の変換出力データとキャリブレイション値が同一
    か否かを判定し、判定手段が同一でないと判定した場合
    に第1演算手段がキャリブレイション値から積分形A/
    D変換器の変換出力データを減算すると共に、その減算
    結果を(−1/G)倍した制御用電圧データを作成し、
    第1記憶手段が第1演算手段が演算した制御用電圧デー
    タを記憶し、判定手段が同一であると判定した場合に電
    圧データ設定手段が第1記憶手段に直前に記憶せしめら
    れた制御用電圧データを以降の制御用電圧データとして
    設定することとした請求項1の増幅回路のオートバラン
    ス調整装置。
JP11122491U 1991-12-21 1991-12-21 増幅回路のオートバランス調整装置 Expired - Lifetime JP2594915Y2 (ja)

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