JP2594603B2 - ベアリングの嵌装方法 - Google Patents

ベアリングの嵌装方法

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信行 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は転動体を焼嵌するベアリングの嵌装方法に係
り、特に複数段の誘導加熱コイルを設けて、その最終段
に共振回路を構成する誘導加熱コイルを備えた誘導加熱
装置を用いて加熱を行うベアリングの嵌装方法に関す
る。
B.発明の概要 本発明は複数段に施す誘導加熱を用いてベアリング外
輪を均熱に加熱昇温して転動体を焼嵌すると共に、ベア
リングの残留磁気を消去する嵌装方法の提供を図ったも
ので、複数段から成る誘導加熱コイルを設けて、その最
終段には共振回路を構成する誘導加熱回路を備えてベア
リングの外輪を所定温度に昇温し、続けて共振回路の減
衰波形によりベアリングの在留磁気を消磁すると共に、
転動体を外輪の内周面へ嵌装することにより、外輪は均
熱に加熱昇温して、表面上昇温度が限定され、ベアリン
グの消磁と転動体の焼嵌を同時に行うと共に温度制御を
容易にして自動化を可能とするものである。
C.従来の技術 従来よりベアリングは負担する荷重の大きさ,方向,
回転数等種々の荷重の形態に対応して多数なものが提供
されている。ベアリングには負担する荷重の方向によ
り、大別してラジアルベアリングとスラストベアリング
に分けられるが、ラジアル荷重を負担するベアリングに
キーストンベアリングがある。第1図(a),(b)は
その外形を示したもので、キーストンベアリング1は重
荷重に用いられるラジアルベアリングで、その基本構造
はベアリング外輪2に内接して転動体である円筒状のこ
ろ(以下ローラと記す)3が全周にわたって連設され
る。キーストンベアリング1はローラ3の脱落防止を図
るリテーナを不要として、作動中ローラが抜け落ちるこ
とがないように外輪2のローラを収納する部分の内径は
ローラ3が内径側に脱落する最小径より小に構成されて
いる。
上記のキーストンベアリング1の製造において、ベア
リング外輪2に内接して全周にわたってローラ3を連設
して嵌入する嵌装方法には外輪2を焼嵌する方法が用い
られていた。即ち所定温度に加温した油槽を加熱手段と
して用い、ベアリング外輪を油槽に浸漬して加熱昇温
し、所定温度になった時点でローラを嵌入する方法が行
われていた。
しかし、上記の加熱方法には生産性の低さやエネルギ
ーのロスの大きい点、温度制御の困難性、等により自動
製造ラインに組み込むことが困難で、製品の品質のバラ
ツキが大きい等の種々の問題点から誘導加熱装置による
ベアリング外輪(以下外輪と記す)の加熱昇温方法が提
供されるようになった。
即ち、一般に外輪2の外周側に誘導加熱コイルを配設
し、誘導加熱によって外輪2を加熱昇温してローラを嵌
入する方法である。第9図は外輪着座台14に載置した外
輪2とその外周側に配設した誘導コイル8aを示す。誘導
コイル8aに通電して外輪2を誘導加熱する。外輪2は回
転させて周方向の均熱化を図る。第8図に外輪2の外周
表面温度θo及び内周表面温度θiの上昇曲線の例を示
す。この方法で外輪2を誘導加熱する場合に、外輪2に
好適な焼嵌温度θa(℃)に対して、生産タクトH(se
c)が決定された条件下では投入すべき電力は物理常数
から自動的に算出される。従って被加熱材である外輪2
の外周表面に投入する電力密度(W/m2)が決定され、誘
導加熱開始直後においては、第8図に示すように外輪2
の外周表面温度θo(℃)と内周表面温度θi(℃)
は、θo>θa,θi<θaの状態となる。誘導コイル8a
への通電をt0にて開始して、t1にて終了したものであ
る。その後熱伝導による均熱化が進み、t2では全体の温
度がほぼ焼嵌温度θaとなる。
上記の誘導加熱装置による外輪の加熱昇温は、外輪2
の外周側に加熱コイルを配置して加熱するので、外輪2
の外周の表面層に誘導電流が流れてジュール発熱による
加熱昇温が起こると共にこの外周の表面層に発生した熱
が熱伝導により外周から内周へと熱拡散することによっ
て内周側の昇温が起こり外輪全体を焼嵌可能な温度θa
とすることになる。
D.発明が解決しようとする課題 しかし、上記の誘導加熱装置による加熱方法には外輪
2の内外径差が大きい場合や、外輪2を極めて短時間で
焼嵌温度θaまで昇温しようとする場合にはθo≫θi
となることから改善すべき課題が生じており、その対策
が求められていた。
第1に外輪には材質や前工程の処理等から決定される
昇温上限温度θ(℃)があり、外輪の加熱過程で外周
の温度θがθを越えると、予め熱処理が施されてい
る外輪の硬度や強度等の低下や、金属組織に変化を生じ
たり、または前工程で付加した圧縮応力の消失が生じ
て、ベアリングの特性や耐久性,寿命が低下するという
問題点が生じることである。例えば外輪は一般に前工程
で焼入れや焼戻し等の熱処理を施されているので、焼戻
し温度以上に昇温することは硬度,強度の低下や金属組
織の変化を生じて不可である。また外輪表面に焼入れを
施す等の方法で表面に圧縮応力を残留させて、耐疲労強
度を向上させている場合には、この圧縮残留応力が解放
されることのない温度が昇温上限温度θとなる。そし
て上記のθo≫θiの場合には、また第8図に示すよう
に外周面の最高温度θo(max)がθo(max)≫θaと
なり、θoがθを越えるという問題点が生じる。
第2には加熱コイルに投入する電力を減らす等によっ
て、加熱昇温時間を延長してゆっくりと加熱する方法を
用いれば、外周の加熱と共に外周から内周への熱伝導が
行われて、外周温度θoを焼嵌温度θaに対して著しく
高くする必要がなく、上限温度θ以下で加熱すること
が可能であるが、この場合には加熱昇温に要する時間が
長くなるという問題点が生じる。
即ち、外輪の内外径差が大となるベアリングレースの
厚い場合および、昇温時間を短縮したい場合に問題点が
生じる。
本発明は上記問題点に鑑み為されたもので、ベアリン
グの外輪を外周と内周の温度差が少ない安定した熱分布
で外周温度θoが昇温上限温度θを越えることなく加
熱昇温して且つ高精度の制御を実施してローラの嵌装の
自動化を図ると共に焼嵌の際に消磁を実施する嵌装方法
の提供を目的とするものである。
E.課題を解決するための手段と作用 本発明は焼嵌するベアリング外輪を複数段の誘導加熱
によって所定の温度範囲に高精度に加熱昇温し、続けて
共振回路による減衰波によって消磁を行うと共に転動体
の焼嵌を行うもので、具体的に用いられる手段は、複数
段の誘導加熱コイルを設け、少なくともその最終段に誘
導加熱コイルとコンデンサとの並列接続により共振回路
を構成する誘導加熱回路を備え、誘導加熱回路の負荷状
態における誘導加熱コイルの抵抗値をR、インダクタン
ス値をL、コンデンサの容量をCとしたとき、R2<4L/C
からなる負荷整合回路常数とした誘導加熱装置により、
外輪を誘導加熱コイル中に順次移送して複数段の加熱を
施し、最終段の誘導加熱コイルにて所定の温度に昇温せ
しめた後に、電源を断として外輪の磁化力を漸減せしめ
ると共に、組付装置によって外輪内周面への転動体の焼
嵌を行うことにより、外輪の金属組成の劣化を生じるこ
とのない安定した熱分布で加熱昇温が施されると共に、
ベアリングに消磁が施されることにより、前工程迄に外
輪に付与された残留磁気が消去されて、後工程やベアリ
ングの使用中に生じる虞れのある異物や金属粉の吸着等
の原因が取り除かれる。
F.実施例 以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。
本実施例に用いる誘導加熱装置の加熱部4の構成を第
2図(a),(b)を参照して説明する。
本発明は被加熱物のベアリング外輪を複数段の誘導加
熱コイルを備えた誘導加熱装置により加熱昇温すること
を第1の特徴としたものであり、第2図(a),(b)
に示すようにベアリングの組付装置は誘導加熱装置の加
熱コイルに近接して設けられる。誘導加熱装置の加熱部
4は、誘導加熱装置の加熱部に供給される三相交流電源
を可変電圧可変周波数の交流電源に変換するインバータ
5と、インバータ5の出力を変圧すると共に、インバー
タ5と加熱コイル部との回路構成を分離するトランス6
と、後述する消磁作用のために加熱コイル部の共振回路
に必要なインピーダンス整合を図る整合部7と、ワーク
であるベアリングの外輪2を誘導加熱する誘導加熱コイ
ル(以下誘導コイル8と称す)とから概ね構成してい
る。
本発明のベアリング外輪の磁気消去を実施する共振回
路の構成について第3図(a),(b)を参照して説明
する。第3図(b)は本実施例の誘導加熱コイル部の電
気回路を示したもので、整合部7および整合部7とトラ
ンス6により結合された誘導コイル8で構成されてい
る。第3図(a)は、第3図(b)の等価回路を示した
ものでインバータ5を電源としてコンデンサ41、コイル
42とそのコイル42の抵抗43とが並列に接続された並列回
路を構成している。第3図(a)において、電源を断と
すると、コンデンサ41、コイル42、抵抗43から成る回路
において、コンデンサ41の電荷がコイル42と抵抗43を通
じて放電されることになる。そして、コンデンサ41の電
荷がコイル42と抵抗43を通じて放電されると、振動回路
には共振による減衰振動波が発生する。この振動回路の
臨界条件は、R2=4L/Cとなり、また、振動条件はR2<4L
/Cで表されることが一般的に知られている。従って第3
図(a)における共振の振動波形を発生する臨界条件
は、振動波形の周波数,回路抵抗,インダクタンスの
値,整合用コンデンサの容量等の負荷整合回路常数を選
定して、誘導コイル8内に外輪2が存在する負荷状態で
上記 を満足する最適値に構成することにより実現される。
本実施例では第2図(b)に示すように誘導コイル8
は直列に接続したコイル8aおよびコイル8bで構成してお
り、誘導コイル8の下を回転するインデックステーブル
10には8等分された14a〜14bの各位置に、外輪2を載置
して位置決め固定する外輪着座台14が配設される。また
インデックステーブル10の14eの位置には、外輪着座台1
4の上部からローラ3を外輪2に嵌装する組付機構部20
が設けられている。
上記のように構成された装置における本実施例のベア
リングの嵌装方法について詳細に説明する。
ベアリング外輪2およびローラ3は夫々前工程より図
示しない移送手段によって搬入され、外輪2はインデッ
クステーブル10に載設している外輪着座台14に載置され
る。この時インデックステーブル10には8個の外輪着座
台14が設けられており、搬入された外輪2は14aの位置
にある外輪着座台14に載置されて、外輪着座台14の凸状
部と縁部内径を嵌合して固定される。
インデックステーブル10は第2図(b)に示す矢印方
向に回動して、外輪着座台14を14bの位置に移動する。
この場合に14aの位置に移動した次の外輪着座台14には
次の外輪2が載置されて固定され、以後同様に繰り返さ
れる。14bの位置に移動した外輪着座台14は、外輪2の
着座状態が着座確認部16によって確認され、正常な固定
状態の場合はインデックステーブル10の回動によって14
cの位置に移動する。外輪2を載置した外輪着座台14が
位置14cに移送されると、インデックステーブル10の下
方に設けられたシリンダ15から成る昇降手段によって、
外輪着座台14は外輪2を載置したままの状態で上昇し
て、上方に設けられている誘導加熱コイル8a内の略中央
位置において停止する。続いて図示省略した駆動源によ
り外輪着座台14および外輪2を回転すると共に、誘導加
熱コイル8aに通電を行って、外輪2に誘導電流を発生せ
しめて第1段目の所定温度迄加熱を行い、1段目の誘導
加熱が実施される。
外輪2を第1段目の所定温度迄加熱昇温した後に電源
を断として、シリンダ15により外輪着座台14を下降せし
め、インデックステーブル10上の位置14cに戻す。外輪
2をインデックステーブル10上の定位置14cに載置した
外輪着座台14は移送されて位置14dに至り、インデック
ステーブル10の下方に設けられたシリンダ15によって再
び外輪2を載置したままの状態で上昇して、上方に設け
られている誘導加熱コイル8b内の中央の位置に停止す
る。続いて誘導加熱コイル8bに通電を行って所定の温度
迄誘導加熱による2段目の加熱昇温を実施する。なお、
この場合インデックステーブル10の14cの位置に移送さ
れた次の外輪2は、上述した1段目の誘導加熱が行われ
る。
続いて外輪2を所定の温度迄加熱昇温した後に、共振
回路を接続した回路構成の状態で電源を断とする。この
時誘導コイル8には、第4図に一例を示す共振による減
衰振動波が発生し、ベアリング外輪2に対して共振減衰
振動波を誘導して付与されていた残留磁気の消去を行
う。なお、本実施例ではインデックステーブル10の上方
に配設した誘導加熱コイル8a,8bは同一電源に整合部7
を介して直列に接続されているので、インデックステー
ブル10における位置14cと14dの位置にて外輪2は2回に
わたって消磁が施されることとなる。外輪着座台14はシ
リンダ15により下降して、インデックステーブル10上の
位置14dにおいて外輪2を載置して、再びインデックス
テーブル10の回動により位置14eに移送される。
インデックステーブル10の位置14eの上部には組付装
置の組付機構部20が配設され、インデックステーブル10
の下方に設けられたシリンダ15によって、外輪2は外輪
着座台14に載置されたまま上昇し、外輪2の内周面にロ
ーラ3が嵌装される。この場合ローラ3を外輪2へ嵌装
する嵌込代の算出方法は、本願の出願人が昭和63年2月
19日出願の特許願「ベアリングの嵌装方法」と同様であ
り、外力による押圧力を用いて強制的に嵌装する条件は
近似式として、 π(Di−DR)θa・α<2DR−(Di−DR)sinγであり、
焼嵌温度は で示される(但し、Diは外輪の内径,DRはローラの外
径,θaは焼嵌温度,αは熱膨張係数, でnは外輪2の内周面に嵌装されるローラの数を示
す)。なお、本実施例における組付装置としては、本願
出願人が本願と同日に出願した実用新案登録願「ベアリ
ングの嵌込機構」が好適である。
ローラ3を嵌装した外輪2は、シリンダ15によって下
降してインデックステーブル10上に戻り、インデックス
テーブル10の回動により位置14fに移送され放冷され
る。外輪着座台14に載置された外輪2は位置14fにおい
て自然放冷され、続いてインデックステーブル10の回動
によって移送される位置14gにおいて、空気またはガス
の吹き付けによる強制冷却によって、少なくともローラ
3が外輪2から脱出することのない温度まで冷却され
る。なお外輪2の厚さが薄い場合には位置14gにおいて
も自然放冷のままとしてもよい。そしてインデックステ
ーブル10の回動により位置14hに移送された外輪2は、
外輪着座台14から取り外されて搬出され、図示しない移
送手段により次工程へ至るのである。
上記の繰り返しによりベアリングの連続嵌装が全自動
で行われる。
次に本実施例による嵌装方法の作用について説明す
る。外輪2が外輪着座台14に載置されて、インデックス
テーブル10の回動により位置14c〜位置14eに移送される
過程における外輪2の外周面と内周面の温度上昇過程を
示したものが第5図である。図において横軸は時間を表
し、縦軸は温度を示している。外輪2はインデックステ
ーブル10の位置14cにおいて、第1段目の誘導加熱を誘
導加熱コイル8aによって施され、時間t0で第1段目の加
熱が開始されて、時間t1において電源が断となる。時間
t1と時間t2の間に外輪2は位置14dに移送され、位置14d
において時間t2で第2段目の加熱が開始されて、時間t3
で電源が断となり、時間t3と時間t4の間に位置14eに設
けられている組付装置に移送されて、ローラ3の焼嵌が
実施される。
この場合、外輪2の外周表面温度θo(℃)と内周表
面温度θi(℃)の温度変化は、第5図に示すよう時間
t0と時間t1の間の第1段加熱により生じていた温度差
が、時間t1と時間t2の間の移送時間で外周面から内周面
に熱の伝導により、均熱化が生じる。続いて時間t2と時
間t3の間の第2段加熱により生じた温度差は、位置14e
へ移送される時間t3とt4の間に均熱化が生じ、外周表面
温度θoと内周表面温度θiの温度差が小さくなり、ロ
ーラ3を外輪2に焼嵌可能とする温度θaに近付いた状
態で位置14eに至り、ローラ3の嵌装が好適な温度条件
のもとで実施される。
上記の作用により第8図に示した従来の1段加熱の場
合と比較して、外輪2の外周表面の最高温度θo(ma
x)と焼嵌温度θaとの温度差Δθ(℃)が著しく小さ
くなり、従って外周表面の最高温度θo(max)を低い
温度に制御することが可能となり、外輪2の限界温度θ
(℃)以下とすることができる。しかもベアリング焼
嵌の生産タクトタイムを延長することなく、従来の加熱
コイルを1コイルで構成していた場合と比較して、各コ
イル内での加熱時間の短縮によりタクトタイムを向上さ
せることができる。
また、従来加熱コイルを2連に備えて同時に2個づつ
加熱していた場合と比較してタクトタイムは若干長くな
るが、この場合にもインデックステーブル10の構成を外
輪着座台14の数を増加すると共に2連の加熱コイルを複
数設けて、外輪2の加熱を複数づつ2段加熱する方法に
よれば、むしろタクトタイムを短縮することができる。
なお、本実施例では誘導加熱コイルを2段で構成した
2段加熱としたが、誘導加熱コイルを3段以上設けて3
段以上の加熱としてもよい。この場合第7図に示すよう
に外輪2における外周表面の最高温度θo(max)と焼
嵌温度θaの温度差Δθは、加熱段数を1段→2段→3
段とする程小さくなり、外周表面の最高温度θo(ma
x)を低い温度に制御することができる。第7図は横軸
に焼嵌温度θa(℃)をとり、縦軸に温度差Δθ(℃)
をとって示した図である。
また本実施例における誘導加熱コイル8a,8bは第2図
(b)に示すように一電源に直列接続する構成とした
が、第6図(a)に示すように並列接続としてもよく、
あるいは第6図(b)に示すように複数の加熱コイルを
夫々別電源に接続して個々に加熱制御を行ってもよい。
この場合には少なくとも最終段のコイルのみを消磁のた
めの共振回路構成とすることでよい。外輪2にローラ3
を嵌装する組付装置は、本実施例ではインデックステー
ブル10の位置14eの上部に設けているが、2段目の加熱
コイル8bの上部に組付装置の組付機構部を配設してイン
デックステーブル10の位置14dにおいて嵌装してもよ
い。この場合には第5図における時間軸の時間t3と時間
t4の間で嵌装を行うことになる。
本実施例で説明した加熱やローラの嵌装の実施には、
イッデンクステーブル10上の外輪着座台14に載置した外
輪2を、外輪着座台ごと昇降手段のシリンダ15で上昇,
下降しているが、昇降手段をインデックステーブル10の
下方に設けることなく、外輪2は外輪着座台14に載置し
て、加熱コイルや組付機構を別の昇降手段により上,下
方向に昇降させるようにしてもよい。
G.発明の効果 以上説明したように本発明は、複数段の誘導加熱コイ
ルを設け、少なくともその最終段に誘導加熱コイルとコ
ンデンサとの並列接続により共振回路を構成する誘導加
熱回路を備え、誘導加熱回路の負荷状態における誘導加
熱コイルの抵抗値をR、インダクタンス値をL、コンデ
ンサの容量をCとしたとき、R2<4L/Cからなる負荷整合
回路常数とした誘導加熱装置により、外輪を誘導加熱コ
イル中に順次移送して複数段の加熱を施し、最終段の誘
導加熱コイルにて所定の温度に昇温せしめた後に、電源
を断として外輪の磁化力を漸減すると共に組付装置によ
って外輪内周面への転動体の焼嵌を行う方法なので、第
1には誘導加熱する外輪の最高温度と好適な焼嵌温度と
の差を小さくできるので、加熱する外輪の外周昇温温度
を昇温上限温度以下の低い温度に制御することができ
る。従って外輪の硬度や金属組織,機械的強度並びに応
力分布等を低下させることなく焼嵌を実施できる。第2
には複数段の加熱によりベアリングとしての特性や耐久
性を低下させることなく早い生産タクトタイムで自動化
生産ライン内に焼嵌工程を組み込んで、高品質で安定し
た生産性の高い製造ラインを実施することができる。第
3にはベアリング外輪に付与されていた残留磁気の消磁
を焼嵌工程の中で実施するので、残留磁気が除去されて
製品の寿命,耐久性を向上すると共に消磁工程を別に設
ける必要がなく、作業の合理化が実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明の実施例に用いられたキ
ーストンベアリングの外観図および断面図、第2図
(a),(b)は本実施例に用いた組付装置要部の配設
位置関係を示す図で、第3図(a),(b)は本実施例
に用いた共振回路の回路図、第4図は共振回路の減衰振
動波形を示す図、第5図は本実施例における外輪2の温
度上昇分布を示す図で、第6図(a),(b)は誘導加
熱コイルの電源接続例を示し、第7図は誘導加熱コイル
の複数段の構成における焼嵌温度と外輪の外周最高温度
との差をグラフに表わした図で、第8図は従来技術によ
る温度上昇分布を示した図であり、第9図は外輪と誘導
加熱コイルとの位置関係を示した図である。 1……キーストンベアリング、2……ベアリング外輪、
3……ローラ(転動体)、4……誘導加熱部(誘導加熱
装置)、5……インバータ、6……トランス、7……整
合部、8……誘導コイル、10……インデックステーブ
ル、14……外輪着座台、θo……外輪の外周表面温度、
θi……外輪の内周表面温度、θa……焼嵌温度、θ
……外輪の昇温上限温度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 信行 愛知県春日井市気噴町1番地 中部精機 株式会社内 (72)発明者 石坂 雄二 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式 会社明電舎内 (72)発明者 増田 修 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式 会社明電舎内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外輪の内周に連設する転動体の嵌装に、外
    輪を加熱して焼嵌するベアリングの嵌装方法において、
    複数段の誘導加熱コイルを設け、少なくともその最終段
    に誘導加熱コイルとコンデンサとの並列接続により共振
    回路を構成する誘導加熱回路を備え、誘導加熱回路の負
    荷状態における誘導加熱コイルの抵抗値をR、インダク
    タンス値をL、コンデンサの容量をCとしたとき、R2
    4L/Cからなる負荷整合回路常数とした誘導加熱装置によ
    り、外輪を誘導加熱コイル中に順次移送して複数段の加
    熱を施し、最終段の誘導加熱コイルにて所定の温度に昇
    温せしめた後に、電源を断として外輪の磁化力を漸減せ
    しめると共に、組付装置によって外輪内周面への転動体
    の焼嵌を行うことを特徴としたベアリングの嵌装方法。
JP5799688A 1988-03-11 1988-03-11 ベアリングの嵌装方法 Expired - Lifetime JP2594603B2 (ja)

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