JP2594265Y2

JP2594265Y2 - 触媒コンバータ

Info

Publication number: JP2594265Y2
Application number: JP1993021924U
Authority: JP
Inventors: 勉今村
Original assignee: カルソニック株式会社
Priority date: 1993-04-26
Filing date: 1993-04-26
Publication date: 1999-04-26
Anticipated expiration: 2008-04-26
Also published as: JPH0680815U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、車両排気系に装着され
る触媒コンバータに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両排気系には、排気ガス中のＣ
Ｏ等の有害成分を浄化する触媒コンバータが車両の床下
に装着されているが、昨今では、斯かる触媒コンバータ
に代えて、例えば実開平３−８３３１５号公報に開示さ
れるように触媒コンバータを排気マニホールドの排気ガ
ス排出口に直接連結する、所謂マニホールドコンバータ
が多くの車両に装着されている。

【０００３】図２はこの種のマニホールドコンバータを
示し、当該マニホールドコンバータ１は排気マニホール
ド３の排気ガス排出口に略垂直に装着されており、マニ
ホールドコンバータ１には、断面楕円形状のセラミック
ス製触媒担体５がシェル７内にキャップ９を介して収容
されている。

【０００４】そして、シェル７の上部開口部の内周に
は、排気マニホールド３の４本のパイプ３ａ，３ｂ，３
ｃ，３ｄの各排出端が集合，連結した偏平な碗状の上流
側ディフューザ１１が溶接され、又、シェル７の下部開
口部には、排気ガス流出口１３が形成された下流側ディ
フューザ１５が溶接されている。そして、排気マニホー
ルド３からシェル７内に流入した排気ガスは、触媒担体
５で浄化された後、排気ガス流出口１３から流出して下
流側の消音器に導かれることとなる。

【０００５】尚、図中、１７はキャップ９に装着された
金属メッシュ状の緩衝部材、１９，２１は触媒担体５の
外周に巻回されたサポータとインタラムマットで、イン
タラムマット２１によって排気ガスのバイパスが防止さ
れている。

【０００６】而して、従来、上記マニホールドコンバー
タ１の製造は、図３に示すように先ず、触媒担体５の両
端部に夫々緩衝部材１７を介してキャップ９をセット
し、そして、シェル７を構成する一対の半割れシェル７
ａ，７ｂで触媒担体５を上下から覆ってこれを締め付
け、半割れシェル７ａ，７ｂの接合部を溶接する。

【０００７】次に、触媒担体５の両端部にセットした一
対のキャップ９を加圧治具（図示せず）で押圧した後、
各キャップ９をシェル７に栓溶接して、一対のキャップ
９間に緩衝材１７を介して触媒担体５を保持する。そし
て、このように形成された触媒コンバータ本体に排気マ
ニホールド３とディフューザ１１，１５を夫々溶接し
て、マニホールドコンバータ１を製造していた。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
触媒担体５とシェル７との組付けの際に、図４に示すよ
うに触媒担体５の両端部に嵌合したキャップ９とシェル
７のアールが一致して組み付けば何ら問題はない。

【０００９】然し、触媒担体５の組付けの際に、例えば
図５の如く基準線Ｌに対し触媒担体５が周方向へ傾いて
半割れシェル７ａ，７ｂ内に配置されてしまうと、半割
れシェル７ａ，７ｂで触媒担体５を締め付けても、板金
製のキャップ９は半割れシェル７ａ，７ｂとの摩擦等に
よって所定の位置まで移動せず、却ってキャップ９が邪
魔となって半割れシェル７ａ，７ｂで触媒担体５を確実
に締め付けることができず、その結果、触媒担体５とシ
ェル７との間に隙間２３が生じてしまう虞があった。

【００１０】而して、斯様に触媒担体５がずれてシェル
７内に収容されてしまうと、触媒担体５の保持力が設計
要求値に満たないため車両走行時の振動で触媒担体５に
がたつきが生じ、長期に亘る使用で触媒担体５が割れて
しまう虞があった。

【００１１】又、斯様に触媒担体５とシェル７との間に
隙間２３が生じてしまうと、排気ガスが隙間２３をバイ
パスしてインタラムマット２１が飛散してしまうといっ
た不具合も指摘されていた。更に又、上述したように触
媒担体５は、一対のキャップ９間に緩衝材１７を介して
保持されているが、緩衝材１７の圧縮度管理が適正に行
われることが好ましい。

【００１２】本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、触媒担体の組付けの際に、シェルとキャップとの位
置ずれをなくして触媒担体をシェル内に隙間なく確実に
収容することができると共に、触媒担体端部に於ける緩
衝材の適正な圧縮度管理を可能とした触媒コンバータを
提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本考案は、一対の半割れシェルからなる断面楕円形
状の筒状のシェルと、当該シェル内に収納される断面楕
円形状の触媒担体と、触媒担体の両端部に嵌合され、シ
ェルの内周形状に沿って成形された筒状部と断面Ｌ字状
のフランジ部とからなる一対のキャップと、当該キャッ
プと触媒担体の端面との間に介装される緩衝材とを備
え、シェルに溶接された一対のキャップ間に、緩衝材を
介して触媒担体を一定の圧力で保持した触媒コンバータ
に於て、上記半割れシェルのキャップ取付位置に、内方
へ突出する略角柱形状の係合突起からなる位置決め用の
係合部を形成し、当該係合部に対応してキャップの筒状
部に、筒状部端部が開口し、この開口した筒状部端部か
らフランジ部側に向かって延伸すると共に、当該フラン
ジ部側に上記係合部が当接可能なストッパ部が設けられ
た係合溝からなるガイド兼ストッパ用の係合部を、触媒
担体の軸方向に係合部と同一の断面形状を以って形成し
たものである。

【００１４】

【作用】本考案によれば、触媒担体の組付けの際に、キ
ャップと半割れシェルの係合部が互いに係合して触媒担
体の位置ずれを防止することとなる。又、触媒担体の両
端部にセットした一対のキャップを加圧治具で押圧した
とき、キャップは、キャップ自身に設けた係合部に沿っ
て押し込まれるため触媒担体とキャップの位置ずれが防
止される。そして、キャップの押圧に伴い、キャップに
設けた係合部のストッパ部に半割れシェルの係合部が当
接することで、緩衝材の過圧縮状態が防止され、触媒担
体を所望の圧力で保持することが可能となる。

【００１５】

【実施例】以下、本考案をマニホールドコンバータに適
用した実施例を図面に基づき詳細に説明する。尚、図２
以下に示す従来例と同一のものは同一符号を以って表示
する。

【００１６】図１は本考案の一実施例に係るマニホール
ドコンバータを構成する触媒コンバータ本体の分解斜視
図を示し、図中、２５は触媒担体５の両端部にセットす
る金属製のキャップ、２７ａ，２７ｂは断面楕円形状の
シェルを構成する一対の半割れシェルで、キャップ２５
は図３に示すキャップ９と同様、シェルの内周形状に沿
って略Ｃ字状に成形されている。そして、キャップ２５
の筒状部２５ａと断面Ｌ字状のフランジ部２５ｂとの間
に環状の緩衝部材１７が装着されている。

【００１７】そして、上記半割れシェル２７ａ，２７ｂ
の周壁には、内方へ突出する略角柱形状の係合突起から
なる位置決め用の係合部３１が、エンボス加工によって
その長手方向の前後２か所のキャップ取付位置に設けら
れている。一方、キャップ２５の筒状部２５ａには、上
記係合部３１に対応して、当該係合部３１と同一の断面
形状からなる２本のガイド兼ストッパ用の係合部２９
が、１８０°の間隔を開けて触媒担体５の軸方向へエン
ボス加工されている。而して、上記係合部２９は、筒状
部端部２５ａ-1が開口し、この開口した筒状部端部２５
ａ-1からフランジ部２５ｂ側に向かって延伸した係合溝
で形成されている。そして、係合部２９のフランジ部２
５ｂ側端部には、上記係合部３１が当接可能なストッパ
部２９ａが形成されており、両係合部２９，３１は、触
媒担体５の組付けの際に互いに係合してキャップ２５の
位置決めを図ると共に、加圧治具によるキャップ２５の
押圧時に係合部３１がストッパ部２９ａに当接すること
で、緩衝材１７の過圧縮状態となることが防止されて、
一対のキャップ２５間に緩衝材１７を介して触媒担体５
が所望の圧力で保持されるようになっている。

【００１８】本実施例に於けるキャップ２５と半割れシ
ェル２７ａ，２７ｂはこのように構成されているから、
本実施例に係るマニホールドコンバータを製造するに
は、図３に示す従来例と同様、先ず、サポート１９やイ
ンタラムマット２１を巻回した触媒担体５の両端部にキ
ャップ２５を嵌め込み、そして、半割れシェル２７ａ，
２７ｂで触媒担体５を上下から覆ってこれを締め付けれ
ばよいが、半割れシェル２７ａ，２７ｂで触媒担体５を
覆う際に、半割れシェル２７ａ，２７ｂの係合部３１を
キャップ２５の係合部２９に係合させることで、触媒担
体５が位置ずれを起こすことなくシェル内の正規の位置
に収容されることとなる。

【００１９】そして、半割れシェル２７ａ，２７ｂの接
合部を溶接した後、加圧治具でキャップ２５を再度押し
込むが、キャップ２５の係合部２９に半割れシェル２７
ａ，２７ｂの係合部３１が係合しているため、キャップ
２５は係合部２９に沿って押し込まれて触媒担体５とキ
ャップ２５の位置ずれが防止される。そして、キャップ
２５の押圧に伴い、緩衝材１７がキャップ２５，触媒担
体５間に所望の圧入で圧縮されることとなる。この際、
キャップ２５に設けた係合部２９のストッパ部２９ａに
半割れシェル２７ａ，２７ｂの係合部３１が当接する
と、それ以上の押圧が防止されるので、過圧縮により触
媒担体５が破損することがない。而して、この後、キャ
ップ２５をシェルに栓溶接して触媒コンバータ本体を成
形し、この触媒コンバータ本体に排気マニホールド３と
ディフューザ１１，１５を夫々溶接して、マニホールド
コンバータが製造されることとなる。

【００２０】このように、本実施例は、半割れシェル２
７ａ，２７ｂに位置決め用の係合部３１を設けると共
に、キャップ２５にガイド兼ストッパ用の係合部２９を
設けて、触媒担体５の組付けの際にシェルとキャップ２
５との位置ずれを防止し、且つキャップ２５の押圧時に
緩衝材１７の過圧縮を防止したことを特徴とする。従っ
て、本実施例によれば、触媒担体５がシェル７内に隙間
なく確実に保持されるため、車両走行時の振動で触媒担
体５が割れてしまうことがなくなると共に、排気ガスの
バイパス及び排気ガスのバイパスによるインタラムマッ
ト２１の飛散が防止できることとなった。更に、上述し
たように本実施例によれば、簡単な構造で緩衝材１７の
過圧縮を防止できるが、シェルの係合部３１とキャップ
２５の係合部２９とを最適寸法に設計すれば、緩衝材１
７の一定圧力での圧縮が可能となって圧縮不足及び過圧
縮の双方を防止することができ、緩衝材１７のより最適
な圧縮度管理が可能となる。

【００２１】然も、本実施例によれば、触媒担体５の組
付けの際にシェルとキャップ２５との位置ずれがないた
め、シェルの外形寸法が設計通りとなり、ディフューザ
１１，１５の溶接に何ら支障を来すこともない。

【００２２】尚、上記実施例では、キャップ２５及び半
割れシェル２７ａ，２７ｂに夫々２つ宛の係合部２９，
３１を設けたが、係合部２９，３１の数は実施例に何ら
限定されるものではない。

【００２３】又、上記実施例では、係合部２９，３１を
エンボス加工によって成形したが、その加工方法は何ら
実施例に限定されるものではない。

【００２４】

【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、触
媒担体がシェル内に隙間なく確実に保持され、この結
果、車両走行時の振動で触媒担体が割れてしまう虞が解
消されると共に、排気ガスのバイパス及び排気ガスのバ
イパスによるインタラムマットの飛散等が防止できるこ
ととなった。又、本考案によれば、簡単な構成で緩衝材
の圧縮度管理が容易となり、この結果、緩衝材の過圧縮
が防止できることとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に於ける触媒コンバータ本体
の分解斜視図である。

【図２】従来のマニホールドコンバータの一部切欠き正
面図である。

【図３】従来のマニホールドコンバータに於ける触媒コ
ンバータ本体の分解斜視図である。

【図４】マニホールドコンバータの断面図である。

【図５】キャップの位置ずれが生じたマニホールドコン
バータの断面図である。

【符号の説明】

５触媒担体２５キャップ２７ａ，２７ｂ半割れシェル２９，３１係合部

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一対の半割れシェル（２７ａ，２７ｂ）
からなる断面楕円形状の筒状のシェルと、当該シェル内に収納される断面楕円形状の触媒担体
（５）と、触媒担体（５）の両端部に嵌合され、シェルの内周形状
に沿って成形された筒状部（２５ａ）と断面Ｌ字状のフ
ランジ部（２５ｂ）とからなる一対のキャップ（２５）
と、当該キャップ（２５）と触媒担体（５）の端面との間に
介装される緩衝材（１７）とを備え、シェルに溶接された一対のキャップ（２５）間に、緩衝
材（１７）を介して触媒担体（５）を保持した触媒コン
バータに於て、上記半割れシェル（２７ａ，２７ｂ）のキャップ取付位
置に、内方へ突出する略角柱形状の係合突起からなる位
置決め用の係合部（３１）を形成し、当該係合部（３１）に対応してキャップ（２５）の筒状
部（２５ａ）に、筒状部端部（２５ａ-1）が開口し、こ
の開口した筒状部端部（２５ａ-1）からフランジ部（２
５ｂ）側に向かって延伸すると共に、当該フランジ部
（２５ｂ）側に上記係合部（３１）が当接可能なストッ
パ部（２９ａ）が設けられた係合溝からなるガイド兼ス
トッパ用の係合部（２９）を、触媒担体（５）の軸方向
に係合部（３１）と同一の断面形状を以って形成したこ
とを特徴とする触媒コンバータ。