JPS5851368Y2 - 触媒コンバ−タの担体支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車エンジンからの排気ガスを浄化処理す
る触媒コンバータにおいて、その触媒担体をシェルの内
部に収納支持する装置に関するものである。

従来、上記の触媒コンバータとして、例えば巷開昭４８
−７７２１２号公報、実開昭４９−３０７１４号公報に
記載のように閣形のシェルの内部に、セラミック単一構
造体からなるハニカム形の触媒担体を収納したものが知
られている。

そしてこの種の触媒コンバータにおいて、触媒担体の収
納を容易化しその生産性を高めるために、シェルを上下
割り形に構成することが提案されている。

このような上下割り形のシェルに、ハニカム形触媒担体
を収納してコンバータを構成する場合、その割り面にお
ける排気ガスのシール性に難点があり、排気ガスが、触
媒担体の外周メツシュ部を通って合せ部より漏出する不
都合があるので、かかる排気ガスの漏出を防止する必要
がある。

またシェルの内部に収容される触媒担体は、エンジン運
転中の高温時にはガス流方向へ熱膨張し、常温で元の位
置に収縮するため、その熱変形によって破損を生じない
よう、熱膨張を吸収し得るように触媒担体を支持する必
要がある。

本考案は、上述の割り形シェルに、ハニカム形触媒担体
を収納してコンバータを構成するものにおいて、上述し
た要望を満足すべく、排気ガスのシール性を高め、かつ
同時に触媒担体の熱変形による破損も防止し得るように
考慮された、触媒担体の支持装置を提供することを目的
とするものである。

この目的のため本考案は、触媒担体の両端部に位置して
シェル内部に嵌装される一対の担体支持リングを設け、
該担体支持リングにはシェル内周面に密接されるシール
片と、筒方向に延出する筒部とを形成すると共に、上記
担体支持リングの少なくとも一方の筒部外側面とシェル
内周との間にバネ体を介装し、該バネ体の弾性復元力に
より担体支持リングを介して触媒担体を軸方向に弾性支
持したことを特徴とするものである。

なお、前記特開昭４８−７７２１２号公報または実開昭
４９−３０７１４号公報に記載の担体支持装置は、筒形
のシェルを前提に構成されているためシェルを上下割り
形に構成した場合にその割り面におけるシール性に難点
があるが、これに対し本考案は、担体支持リングに、シ
ェル内周面に密接する形状のシール片を形成した点に特
徴を有し、これにより排気ガスが触媒担体の外周にリー
クするのを確実に防止してシール性を高めることができ
るものである。

以下、図面に示す実施例を参照して本考案を具体的に説
明する。

第１図および第２図において、１は触媒コンバータのシ
ェルであり、このシェル１は、筒方向に沿って上下に２
分割された一対の半割部材１１゜１２からなり、これら
半割部材１１，１２を、その対向縁に形成したフランジ
１°ｌ’ａ、１２ａで互いに衝き合せ接合することによ
り筒形に構成されたものであって、その一端には排気ガ
スの入口ポート１３が開口され、またその反対側の他端
には出口ポート１４が開口されている。

上記のシェル１の内部には、セラミック単一構造体から
なるハニカム形の触媒担体２が収納される。

この触媒担体２は、前記半割部材ｌＬ１２の接合に際し
、その前段の半割状態のときに、一方の半割部材１１あ
るいは１２の内部に組み込まれるもので、この組み付け
にあたり、触媒担体２の外周面にはワイヤメツシュ３が
巻装されて、このワイヤメツシュ３により触媒担体２が
半径方向に対しシェル１に弾性支持されると共に、さら
に触媒担体２の排気ガス入口側および出口側に位置して
後述する一対の担体支持リング４，５がシェル１内に摺
動可能に嵌装されて、これら二対の担体支持リング４，
５により触媒担体２が筒方向に対し変位しないようシェ
ル１に支持されている。

上記担体支持リング４，５は、同構成のものであり、そ
の一方について述べると、この支持リング４には、外周
面がシェル１の内周面に対し密接されるシール片４１と
、筒方向へ延出した筒部４２とを有しており、筒部４２
の中心側に排気ガス流路４３が形成されたものである。

そして上記シール片４１は、ガス流方向と直角方向にお
いてシェル１の断面形状と一致する外周面形状を有し、
その外周面には第２図の部分拡大図である第３図、から
明らかなように、半割部材１１，１２の接合部内面に形
成される略三角状の凹部１５に嵌まる突突出部４１ａが
形成されていて、シール片４１の外周面のシェル１の内
周面との間のシール性を十分に確保し得るように形成さ
れている。

また、上記支持リング４，５のうちの一方（ガス入口側
のもの）には、その節部４２の外側面とシェル１の内面
との間にバネ体６が介挿され、このバネ体６は、シェル
１の内面に形成された傾斜面１６により圧縮変形されて
いて、そのバネ体６の弾性復元力により触媒担体２が排
気ガス下流方向へ向けて押しつげられ、他方の支持リン
グ５との間で弾性支持されるようにしている。

このように構成されたものでは、シェル１が割り形であ
っても、担体支持リング４，５のシール片４１の外周面
がシェル１の内周面に対し密接されてシール性が確保さ
れることで、排気ガスが、触媒担体２の外周へ導かれる
のを防止することができる。

しかして担体支持リング４，５およびシェル１を構成す
る金属板の材質を適切な熱膨張係数のものに選択するこ
とにより、排気ガスが、前記触媒担体の外周にリークす
るのを確実に防止することができるから、シェル１の合
せ部からの排気ガスの漏出を防止できると共に、排気ガ
スの全体を触媒担体２に通過させることができる。

また、触媒担体２は、バネ体６の弾性復元力により軸方
向に対し弾性支持されているので、熱膨張時はバネ体６
が圧縮されることでその熱変形を吸収でき、熱変形によ
る触媒担体２の破損を防止することができると共に、常
に触媒担体２をガタつくことなくシェル１に支持するこ
とができるので、振動、衝撃による触媒担体２の破損も
防止することができる等の効果がある。

なお、本考案の実施にあたり、前記バネ体６は必らずし
も排気ガス上流側の担体支持リング４に設けることなく
、下流側の担体支持リング５に設け、あるいは両方の支
持リング４，５の筒部外側面に設けてもよい。

また、バネ体６を設けない他方の担体支持リング５は、
例えば溶接などによってシェル１の内周面に固定しても
よく、さらにバネ体６は、図示のものでは環状コイルス
プリングを示したが、これは板バネなどに代えてもよい
ことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による触媒コンバータの縦断
側面図、第２図は第１図の■−■線に沿う断面図、第３
図は第２図の一部を分解して示す拡大図である。 １・・・・・・シェル、１１，１２・・・・・・半割部
材、１３・・・・・・入口ポート、１４・・・・・・出
口ポート、１５・・・・−・凹部、１６・・・・・頓斜
面、２・・・・・融媒担体、３・・・・・・ワイヤメツ
シュ、４，５・・・・・・担体支持リング、４１・・・
・・・シール片、４２・・・・・・筒部、４３・・・・
・・排気ガス流路、６・・・・・・バネ体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒方向に沿って分割された半割部材を互いに接合して構
   成されるシェル内部に、ハニカム形触媒担体を収容した
   触媒コンバータにおいて、上記触媒担体の排気ガス入口
   側および出口側の両端部に位置してシェル内部に嵌装さ
   れる一対の担体支持リングを有し、該担体支持リングは
   、外周面がシェルの断面形状と一致してシェル内周面に
   対し密接されるシール片と、筒方向に延出する筒部とを
   有し、少なくとも一方の支持リングの上記筒部外側面に
   はシェル内面との間にバネ体が介装され、該バネ体をシ
   ェル内面に形成された斜面により圧縮変形させて、その
   バネ体の弾性復元力により担体支持リングを介して触媒
   担体を軸方向に対し弾性支持してなることを特徴とする
   触媒コンバータの担体支持装置。