JPS6029624Y2 - 触媒容器の接合部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用内燃機関の排気マニフオールドと触
媒容器との接合部構造に関する。

従来この種の接合部構造としては、例えば第１図（実開
昭５４−８１０１６号公報参照）に示すように、図示し
ない機関の排気マニフオールド１の出口フランジ部２に
ガスケット３を介してその下方位置の触媒容器４をボル
ト５で締付固定して触媒の収容スペースを形成していた
。

そして、筒状の金網６を介して前記触媒容器４内に挿入
したノ＼ニカム触媒７の軸方向両端面外周部を、細かい
ステンレス製金網で構成されたリング状のサポート８．
８と、該サポート８，８の表面一部を被覆するスペーサ
９，９とを介して排気マニフオールド１の出口フランジ
部２と触媒容器４の底面との間に挾持することにより触
媒容器４内におけるハニカム触媒７の移動を阻止させて
いた。

ところが、かかる接合部構造では、リング状スペーサ９
の断面形状がＬ字状となっていて、排気マニフオールド
１に面する側のサポート８端面又は触媒容器４の底面に
面する側のサポート８端面と、サポート８内周面と、の
夫々２面を被覆する構成となっており、このうちサポー
ト８内周面を被覆する部分は、サポート８の弾性変形を
考慮してサポート８の内周面幅よりも幅狭い寸法となっ
ている。

従って高温の排気かスペーサ９とハニカム触媒７端面と
の隙間９′を通ってサポート８を吹き抜け、ガスケット
３の内周部に当たるために、高温の排気でガスケット３
が熱劣化し、或いは触媒容器４のフランジ部が熱変形を
生じて排気マニフオールド１と触媒容器４との間にガス
漏れを起こす可能性があった。

またサポート８は前記排気熱に、よる熱劣化と機関変動
に基づく繰り返し熱膨張収縮又は振動等のために金属端
末が発生し、該金属端末がガスケット３部に噛み込んで
上記と同様にガスケット３の内周端を損傷し、上記ガス
漏れの一助となるものであった。

また第２図（実願昭５４−１５０８０（）ｌ−・・実開
昭５６−６７３１５号参照）に示すものは、ハニカム触
媒７の軸端面外周部との接頭部近辺の部分（接面部分と
これに連続する内外周面部分）を除いてリング状のスペ
ーサ９によりサポート８を被覆し、該スペーサ９の半径
方向外方に突出する突出部１０を、ガスケット３の内周
との間に若干の間隙を置いて、触媒容器４と排気マニフ
オールド１との相互対向面の間に遊嵌させる構成として
いる。

従って高熱の排気は、スペーサ９によって被覆されない
部分即ちハニカム触媒７との接顔部近辺の部分を通過し
た後、スペーサ９の前記突出部１０が遊嵌する触媒容器
４と排気マニフオールド１との相互対向面間を通って容
易にガスケット３内周面を加熱し熱損を与えると共に触
媒容器４の入口フランジ部を加熱変形させ、またサポー
ト８のハニカム触媒７との摩耗又は繰り返し熱応力変動
の影響で生じる金属端末がガスケット３に噛み込んでガ
スケット３が損傷し、排気マニフオールド１への触媒容
器４取付部からのガス漏れを発生し易くなるという不都
合があった。

本考案は上記のような高熱排気がサポートを経由して排
気マニフオールドと触媒容器との間に介装されるガスケ
ット取付部付近に到達することなく、またサポートから
出される金属端末がガスケットに噛み込むことのないよ
うにして、ガスケットの耐久性を向上しかつ取付フラン
ジ部の熱変形を可及的に防いでガス漏れを防止すること
を目的とする。

そのために本考案では、ハニカム触媒への当接面を除く
サポートの周面即ち内・外周面及び排気マニフオールド
に対向する面をスペーサによって被覆し、このうちサポ
ート外周面を被覆するスペーサ外周部の先端周縁を触媒
容器に当接させることにより、スペーサ外周部の内外両
側の連通を遮断し、高熱排気及びサポートの金属端末が
ガスケット付近に到達しないようにしてガスケットの焼
損又は損傷を防止しかつガスケット付近の過熱変形を防
止してガス漏れを防止する。

第３図に本考案の一実施例を示す。

尚従来例と同一要素にはこれと同一符号を付して説明を
省いである。

図において、スペーサ１９は断面コ字形に形成され、ハ
ニカム触媒７との当接面を除くサポート８の３面略全面
を被覆している。

このうちサポート８の内周面を被覆する内周部１９ａの
先端周縁は、ハニカム触媒７の端面と間隔を有している
が、サポート８の外周面を被覆する外周部１９ｂの先端
周縁は、サポート８の外周面を全域覆った後、更に下方
に突出して、触媒容器４の入口フランジ部１１内周面に
設けた面取り部４′に当接させる。

これによりガスケット３及びガスケット１３を挾持する
排気マニフオールド１の出口フランジ部２と触媒容器４
の入口フランジ部１１との間隙を、スペーサの外周部１
９ｂにより、排気及びサポート８から分離画成すること
ができ、排気かサポート８を通過してガスケット３へ向
ける吹き抜けを確実に予防すると同時にガスケット３を
挾持する両フランジ部２，１１の過熱変形を防止し、ま
たサポート８の金属端末がガスケット３面に万一にも噛
み込まれないようにしている。

このためガスケット３の特に内周部に対し焼損、熱変形
、熱劣化並びにサポート８の金属端末の噛み込みによる
損傷を防止できると共に両フランジ部２．１１の熱変形
を小さくしてガスケット３部を介するガス漏れを防止で
きる。

尚、前記ガスケット３は、例えばカーボングラフオイル
等の耐熱材で構成され、サポート８はステンレスの細か
い金網、サポート１９はステンレスの薄板等で構成され
るが、これらの材質は任意である。

上記のようにしてなる触媒容器４を排気マニフオールド
１に組み付けるには、まず、触媒容器４内に下端側のス
ペーサとサポート（いずれも図示省略）を落し込む。

そして、ハニカム触媒７を金網６とともに触媒容器４内
に圧入する。

又、サポート８を内部にあらかじめ押し込み装着したス
ペーサ１９を触媒容器４のフランジ部１１上に装着する
。

具体的には触媒容器４の面取り部４に挿入する。

次に、触媒容器４の入口フランジ１１上面にガスケット
３を載せてこのフランジ部１１を排気マニフオールド１
の出口フランジ部２に対接させ、前記スペーサ１９が出
ロフランジ部２内面の段付部２１に挿入嵌合すべく触媒
容器４を押し上げて後、その状態で図示しないボルトに
より触媒容器４を排気マニフオールド１に締付固定する
。

上記のような組し付けに際しては、ハニカム触媒７との
当接面を除くサポート８の外周面がスペーサ１９で被覆
されているので、出口フランジ部２にサポート８をスペ
ーサ１９と共に嵌合させることができる。

以上説明したように本考案によれば、サポートの内外周
面をスペーサで被覆すると共にスペーサの外周部先端周
縁を触媒容器に当接せしめたので排気マニフオールドと
触媒容器との接合部がスペーサの外周部により排気或い
はサポートの金属端末から遮断され排気の高温にさらさ
れることを防止できるために、ガスケットの熱劣化及び
接合部の変形を防止できると共にサポートの金属端末に
よるガスケット損傷を防止でき、接合部からのガス漏れ
を予防できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々従来のマニフオールド触媒の断
面図、第３図は本考案の一実施例を示す要部の断面図で
ある。 １・・・・・・排気マニフオールド、２・・・・・・出
口フランジ部、３・・・・・・ガスケット、４・・・・
・・触媒容器、７・・・・・・ハニカム触媒、８・・・
・・・サポート、１１・・・・・・入口フランジ部、１
９・・・・・・スペーサ、１９ａ・曲・内周部、１９ｂ
・・・・・・外周部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排気マニフオールドの出口フランジ部とハニカム触媒を
   内装した触媒容器を入口フランジ部とをガスケットを介
   して締付連結すると共に、前記ガスケットの内方近傍で
   前記ハニカム触媒の軸方向の一端面周辺部と前記排気マ
   ニフオールドの出口フランジ部との間にリング状のサポ
   ートを介装した触媒容器の接合部構造において、ノ＼ニ
   カム触媒と当接する面を除くサポートの周面をスペーサ
   で被覆し、かつ前記サポートとガスケットとを分離画成
   すべく、サポートの外周面を被覆するスペーサの外周部
   先端周縁を触媒容器に当接させたことを特徴とする触媒
   容器の接合部構造。