JP2593212Y2 - 手差し給紙装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、複写機，プリンター
等の画像記録装置に装着される手差し給紙装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記画像記録装置においは、給紙
カセット等の多数枚シート状記録紙を収納した給紙装置
から該記録紙を１枚ずつ給送して、画像形成手段により
露光・現像・転写工程を経て記録紙上に記録画像を形成
するもの、また、手差し給紙装置を併設して、手差しで
記録紙を１枚ずつ給送して画像記録装置の画像形成手段
に給送するものが知られている。

【０００３】上記手差し給紙装置では、一般に画像記録
装置本体の操作者側から見て、側方または後方に手差し
給紙トレイが水平または傾斜して配置されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上述の画像記録装置の
背面または側面に装着された手差し給紙装置では、手差
し給紙トレイが画像記録装置本体の背面または側面に、
ほぼ水平突出しているから、装置本体後方または側方に
給紙トレイの設置空間を要する。

【０００５】上記設置空間を縮少するため、給紙トレイ
を傾斜または直立状態に画像記録装置本体に装着したも
のであっては、手差し給紙開口部からクリップや虫ピン
やステイプル用針等の異物が通紙経路内に落下した場
合、通紙経路に沿ってこれら異物が手差し給紙装置内や
画像記録装置の給紙部内の給紙ローラに挟まれて故障を
発生したり、通紙経路内に残って記録紙給送不良（ジャ
ム）の原因となったりする問題があった。また、手差し
給紙装置や画像記録装置の給紙部内に進入した上記異物
を取り除くことが困難であった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案は上述の問題点
を解決し、比較的簡易な構造で設置空間の小さい手差し
給紙装置における異物の進入による不具合を解消し、記
録紙の安定給送と装置の故障防止を図るとともに、給紙
通路内での記録紙給送不良等の処理を容易に行えるよう
にすることを目的とするものである。

【０００７】上記目的を達成するこの考案の手差し給紙
装置は、記録紙を手差し挿入して画像記録装置に給送す
る手差し給紙装置において、上部から記録紙をほぼ垂直
に挿入落下させるための開口部と、前記画像記録装置に
おける記録紙案内経路中に、該記録紙案内経路での記録
紙の給送方向と同一方向に記録紙を送り込むための給紙
通路と、前記給紙通路を開閉するために回動可能に軸支
された開閉蓋と、前記給紙通路を遮蔽するように付勢さ
れた移動可能なゲート部材とを有し、前記給紙通路に混
入した異物は前記ゲート部材によりその進行が妨げられ
て前記給紙通路外に排出される一方、記録紙通過時には
前記ゲート部材が記録紙の先端により弾性変位されて退
避することによって前記給紙通路を開放して記録紙の通
過を可能としたことを特徴とするものである。

【０００８】また、この考案の手差し給紙装置は、前記
ゲート部材に異物落下面を設けるとともに、前記手差し
給紙装置の枠体のゲート部材近傍に異物排出口を設けた
ことを特徴とする。

【０００９】

【実施例】以下、本考案を添付図面に基づいて説明す
る。

【００１０】図１はこの考案に係る手差し給紙装置を備
えた画像記録装置（カラープリンター）の側断面図であ
る。

【００１１】図において１Ａは画像記録装置の下部枠体
で、該下部枠体１Ａ内には記録紙Ｐを給紙する半月状の
給紙ローラ２を設け、前記記録紙Ｐを複数枚内蔵した給
紙カセット３を前記下部枠体１Ａに着脱自在に設けられ
ている。給紙カセット３内には押上げられる押上板４が
設けられている。前記記録紙Ｐは給紙カセット３内より
給紙ローラ２と分離爪５により１枚づつ給紙される。６
は下部枠体１Ａに設けられた記録紙Ｐの中間給紙ローラ
で、給紙ローラ２で給紙された記録紙Ｐを上方に給送す
る。該中間給紙ローラ６は反転案内板７Ｂの間に設けら
れている。

【００１２】７Ｃは記録紙Ｐを反転給紙した後、レジス
トローラ９に案内するための案内板で、前記レジストロ
ーラ９に記録紙Ｐを案内する。該レジストローラ９の給
紙上流側には用紙先端検出センサ８が、給紙下流側には
用紙先端可動ストッパ９がそれぞれ設けてある。10はレ
ジストローラ９を通過した記録紙Ｐを転写ベルト11方向
に給紙案内する案内板である。前記転写ベルト11は圧接
ローラ12と駆動ローラ13Ａおよびローラ群13Ｂ，13Ｃに
懸架されている。14は転写電極である。15は記録紙Ｐ上
に転写された像を定着する定着装置で、定着用加熱ロー
ラと圧着ローラ等よりなる。16は定着装置15より記録紙
Ｐを排出する排紙ローラで、排紙された記録紙Ｐは記録
紙案内部材17と、案内搬送ローラ18とにより上方に搬送
される。19は記録面上向きに記録紙Ｐを構外に排出する
排紙ローラである。上記搬送ローラ18により上方に搬送
された記録紙Ｐは、上部枠体１Ｂに形成された案内通路
20及び排紙ローラ21により上部枠体１Ｂ上部のほぼ全面
に設けられた排紙トレー24上に記録紙Ｐが記録面下向き
に排紙される。

【００１３】次に、上部枠体１Ｂのほぼ中央部には、画
像形成用の感光体ドラム30が駆動回転可能に設けられ、
該感光体ドラム30の周面に沿って、回転上流側より、帯
電電極31、レーザ露光走査装置32、各色カラー現像剤を
収容する４組の現像装置33Ｙ33Ｍ，，33Ｃ，33Ｋ、前記
転写ベルト11および転写電極14等より成る転写手段、記
録紙Ｐに画像を転写したのち感光体ドラム30面に付着し
ている残留トナーを除去するクリーニング装置34が順次
配置されている。

【００１４】35は前記現像装置33Ｙ，33Ｍ，33Ｃ，33Ｋ
にそれぞれカラートナー及び黒色トナーを供給すると共
に上部枠体１Ｂの一部に固定されたトナー補給装置で、
図示されたトナー補給装置35は一組のみであるが４組並
設け、前記現像装置33Ｙ，33Ｍ，33Ｃ，33Ｋ例えばシア
ン、マゼンタ、イエロー、黒色のトナーを供給し、カラ
ー現像及び黒色現像を行なうように構成している。36は
前記トナー補給装置35に、外部よりそれぞれの新規カラ
ートナーを補給するとき、上部枠体１Ｂの一部を開放し
得るようにした開閉蓋である。

【００１５】前記は、支軸１Ｃを中心に記録紙Ｐの搬送
経路を開放できるように構成されており、記録紙Ｐが給
紙搬送中、不良搬送状態となり、記録紙Ｐが少なくとも
定着装置15まで達しない場合には上部枠体１Ｂを支軸１
Ｃを中心開放し、記録紙Ｐを取り出すことができる。

【００１６】図１は手差し給紙装置付画像記録装置の側
断面図を示し、図示左端は操作者と対向する装置本体前
面側であり、上部枠体１Ｂは支軸１Ｃを中心にして揺動
し、本体前面側が大きく開放可能になる。また、この画
像記録装置、操作・表示パネル部23を設けた本体前面側
から前記給紙カセット３を挿脱可能にするフロントロー
ディング給紙形成である。図２は上記画像記録装置の前
面側斜視図、図３は背面側斜視図を示す。

【００１７】上記画像記録装置の背面側には、本考案に
よる手差し給紙装置40が装着されている。該手差し給紙
装置40の記録紙排出部は、前記下部枠体１Ａと上部枠体
１Ｂの境界面に形成された記録紙給送路の案内板７Ｃの
上流側に接続している。

【００１８】図４は手差し給紙装置40の側断面図であ
る。

【００１９】手差し給紙装置40の固定枠体41の上部に
は、手差し記録紙を挿入する開口部42が設けてあり、該
開口部42から記録紙をほぼ垂直に挿入落下可能である。

【００２０】上部開口部42の近傍には、用紙幅規制板43
が用紙幅方向に移動可能に設けてあり、該用紙幅規制板
43を手動操作させることにより、ラックピニオン機構44
が相対移動して用紙サイズに応じて用紙幅を適宜規制す
ることができる。

【００２１】また、上記開口部42の下方には、傾斜角を
有する固定ガイド壁41Ａと、これに対向する固定枠体45
の内側に設けた複数のリブ45Ａとの傾斜間隙により、給
紙案内路46が形成されている。該案内路46の下方には、
駆動源に接続された駆動ローラ47Ａとばね付勢された従
動ローラ47Ｂとから成る給送ローラ対47が圧接してい
る。該給送ローラ対47の近傍には、アクチュエータ48Ａ
とセンサ48Ｂとから成る用紙通過検知手段48が設けてあ
る。

【００２２】上記給送ローラ対47のさらに給送下流側に
は、前記固定枠体41の内側に形成された複数のリブ41Ｂ
と、開閉蓋50の内側に形成された複数のリブ50Ａとの間
隙に給紙通路51が形成されている。

【００２３】上記給紙通路51の下流側には、駆動ローラ
49Ａと従動ローラ49Ｂとから排出ローラ対49が圧接して
回転可能になっている。上記駆動ローラ49Ａは図示しな
いモータにより駆動回転される。また、該モータは図示
しない駆動伝達手段を経て前記駆動ローラ47Ａ駆動回転
させる。

【００２４】上記排出ローラ対49の下流側の排紙ガイド
板52は、前記が画像記録装置の下部枠体１Ａの手差し給
紙用案内板24の入口部に対応している。

【００２５】上記、手差し給紙装置４０の給紙通路５１
で給送不良によるジャムを発生したときには、開閉蓋５
０上部のロック爪部材５３を押し下けてロックを解除さ
せ、開閉蓋５０を支軸５４を中心にして矢示Ａ方向に回
動させ、給紙通路５１を開放させる。

【００２６】図５は前記排紙ガイド板52とゲード部材56
の部分斜視図である。

【００２７】前記排紙ガイド板52の傾斜面52Ａには、可
撓性フィルムから成るゲート部材（ストッパ部材）56の
基部面56Ａが粘着固定されている。該ゲート部材56の先
端面56Ｂは、前記排紙ローラ対49の上流側と給紙通路51
の下方とを遮断するように突出している。

【００２８】前記ゲート部材56は、例えばポリエチレン
テレフタレート（ＰＥＴ）等の可撓性フィルムにより形
成されている。該ゲート部材56の先端面56Ｂには複数の
切り込み部56Ｃが形成されていて、この切り込み部56Ｃ
には、前記固定枠体41の複数のリブ41Ｂが入り込み、先
端面56Ｂは該リブ41Ｂの谷に入り込んで給紙進路51を遮
蔽している。

【００２９】手差し給紙装置40の上部の給送ローラ対47
により給紙され、給紙進路51内を通過して下降給送され
る記録紙Ｐの先端部が、前記ゲート部材56の先端面56Ｂ
に突き当ると、給送される記録紙Ｐの給送力と記録紙Ｐ
のスティッフネス（腰の強さ）により、前記ゲート部材
56の先端面は弾性変形されて下方に湾曲し、給紙通路51
は開放されて、記録紙Ｐはゲート部材56の先端面56Ｂを
押し退けるようにして進行し、排出ローラ対49のニップ
位置に進入する。

【００３０】上記記録紙給送時以外で、開放されている
最上部の開口部42から、クリップや虫ピンやステイプル
用針等の軽量異物が給紙案内路46内に進入落下したとき
には、これら異物は給送ローラ対47のローラ軸間を通過
して、リブ41Ｂ，51Ａ間に形成された給紙通路51を滑落
し、該給紙通路51の下部を遮蔽しているゲート部材56の
先端面56Ｂに突き当り停止し、さらに該ゲート部材56の
基部面56Ａの傾斜面に沿って破線矢示Ｂ方向に滑落す
る。

【００３１】前記開閉蓋50の下部で、給紙通路51の出口
下方には、開口57が形成されている。前記ゲート部材56
により分岐滑落した異物は、上記開口57から手差し給紙
装置40外に落下する。

【００３２】なお、前記ゲート部材56の実施例は、可撓
性フィルムから成るものであるが、本考案はこの実施例
に限定されるものではなく、ばね付勢された揺動可能な
レバー部材を前記固定枠体41の下部に保持するものでも
よい。

【００３３】本考案による手差し給紙装置40により記録
紙を手差し給送するときには、以下の操作を行なう。

【００３４】（１）画像記録装置の前面側に位置した操
作者は、該記録装置の背面側の手差し給紙装置40の開口
部42近傍の用紙幅規制板43を操作して、手差しする記録
紙サイズに相当する幅に設定する。

【００３５】（２）挿入する記録紙Ｐを上記用紙幅規制
板43の内側に沿って挿入落下させれば、記録紙Ｐの先端
通過が前記用紙通過検知手段48により検知され、給送ロ
ーラ対47のニップ位置付近で停止し、給紙待機状態にな
る。

【００３６】（３）次に、画像記録装置側から給紙開始
信号により、図示しないモータが駆動回転して、駆動ロ
ーラ47Ａ，49Ａを駆動回転され、前記待機状態の記録紙
Ｐは回転する給送ローラ対47により給送を開始し、記録
紙を下方に送り出す。この記録紙Ｐは給紙通路51を通過
して、湾曲しながらほぼ直角方向に偏向し、回転する排
出ローラ対49にニップされて排紙ガイド板52を経て装置
40から排出され、下部枠体１Ａの案内板24を経て、さら
に案内板７Ｃを通過してレジストローラ９に到達して一
時待機し、画像形成プロセス制御信号により画像形成部
へ給送される。

【００３７】

【考案の効果】以上述べたように、本考案の手差し給紙
装置は、記録紙を挿入するための開口部を上部に設け
て、記録紙を上方からほぼ垂直に挿入落下するように構
成したことにより設置空間を小さくするとともに、手差
しした記録紙を画像記録装置の記録紙案内経路内に送り
込む方向を、該記録紙案内経路内での記録紙の給送方向
と同一方向とし、かつ、該給紙装置内の給紙通路内にク
リップ等の異物が進入落下したときにも、ゲート部材に
よりこれらの異物を給紙通路外に排出するように構成し
たため、比較的簡易な構造で、給紙装置の故障発生や、
記録紙の給送不良が防止される。また手差し給紙装置は
開閉蓋の回動により給紙通路の開閉を可能としたため、
給紙通路内での給送不良処理の他、比較的大きな異物の
進入により適切に給紙通路から排出されなかった時で
も、その処理が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る手差し給紙装置を備えた画像記
録装置の側断面図。

【図２】上記画像記録装置の前面側斜視図。

【図３】上記画像記録装置の背面側斜視図。

【図４】手差し給紙装置の側断面図。

【図５】上記手差し給紙装置の排紙ガイド板とゲート部
材の部分斜視図。

【符号の説明】

１Ａ 下部枠体 １Ｂ 上部枠体 36 開閉蓋 40 手差し給紙装置 41 固定枠体 42 開口部 43 用紙幅規制板 45 固定枠体 46 給紙案内路 47 給送ローラ対 48 用紙通過検知手段 49 排出ローラ対 50 開閉蓋 51 給紙通路 52Ａ 傾斜面 52 排紙ガイド板 53 ロック爪部材 54,55 支軸 56 ゲート部材（ストッパ部材） 56Ａ 基部面 56Ｂ 先端面 56Ｃ 切り込み部 57 開口 Ｐ 記録紙

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】記録紙を手差し挿入して画像記録装置に給
   送する手差し給紙装置において、上部から記録紙をほぼ垂直に挿入落下させるための開口
   部と、 前記画像記録装置における記録紙案内経路中に、該記録
   紙案内経路での記録紙の給送方向と同一方向に記録紙を
   送り込むための給紙通路と、 前記給紙通路を開閉するために回動可能に軸支された開
   閉蓋と、 前記 給紙通路を遮蔽するように付勢された移動可能なゲ
   ート部材とを有し、 前記給紙通路に混入した異物は前記ゲート部材によりそ
   の進行が妨げられて前記給紙通路外に排出される一方、
   記録紙通過時には前記ゲート部材が記録紙の先端により
   弾性変位されて退避することによって前記給紙通路を開
   放して記録紙の通過を可能としたことを特徴とする手差
   し給紙装置。
2. 【請求項２】前記ゲート部材に異物落下面を設けるとと
   もに、前記手差し給紙装置の枠体のゲート部材近傍に異
   物排出口を設けたことを特徴とする請求項１に記載の手
   差し給紙装置。