JP2592404B2 - レジスト乾燥装置 - Google Patents

レジスト乾燥装置

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JP2592404B2
JP2592404B2 JP10611394A JP10611394A JP2592404B2 JP 2592404 B2 JP2592404 B2 JP 2592404B2 JP 10611394 A JP10611394 A JP 10611394A JP 10611394 A JP10611394 A JP 10611394A JP 2592404 B2 JP2592404 B2 JP 2592404B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレジスト乾燥装置に関す
る。すなわち、プリント配線基板の製造工程で用いら
れ、プリント配線基板の外表面に塗布された液状の感光
性レジストを、乾燥,硬化させるレジスト乾燥装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、技術的背景について述べる。プリ
ント配線基板は、最近ますます極薄化や高密度化が進み
つつある。例えば、その肉厚は1.0mmから0.8mm更
には0.4mm程度と、紙と同程度まで極薄化しつつあ
り、又、回路の高密度化の進展も著しい。勿論、このよ
うなプリント配線基板の極薄化や高密度化は、安価で経
済性にも優れて実現されることを要し、コスト面への配
慮も重要である。
【0003】さてプリント配線基板は、例えば、材料切
断,穴あけ加工,研磨,スルホールメッキ,研磨,エッ
チングレジストの塗布や乾燥,又ははり付け,露光,現
像,エッチング,回路部分のレジスト剥離,等々の工程
を辿って製造される。そして更に、このような製造工程
の一環をなす後処理工程として、形成された回路部分の
保護被膜を形成すべく、ソルダーレジストの塗布や乾
燥,又ははり付け,露光,現像,部品装着部分のレジス
ト除去,等々の各工程が施される。さて、このようなプ
リント配線基板の製造工程において、回路形成用のエッ
チングレジストや回路形成後のソルダーレジストの塗布
や乾燥,又ははり付け工程は、従来次のように行われて
いた。すなわち、まず第1に、いわゆる印刷法・ウェッ
ト方式では、プリント配線基板の外表面に、液状の感光
性レジストをスクリーン印刷にて塗布した後、その乾燥
が実施されており、第2に、いわゆるドライ方式では、
プリント配線基板の外表面にドライフィルム状の感光性
レジストを、ロールにて加圧しつつはり付けていた。
【0004】しかしながら、このような従来例では、前
述したプリント配線基板の極薄化,高密度化,コスト面
等の時代的要請に十分に対応できない、という難点が指
摘されつつある。すなわち、上述した第1の印刷法・ウ
ェット方式では、塗布された感光性レジストについて、
周知のごとく膜厚が厚いと共にその均一性にも難点があ
り、例えば、事後に行われる露光の際の露光解像力に悪
影響を及ぼすと共に、ピンホールの発生も指摘される
等、プリント配線基板の回路の高密度化という時代的要
請に対応困難となりつつある。又、上述した第2のドラ
イ方式では、ドライフィルム状の感光性レジストを使用
する為、非常に割高となり、コスト面からプリント配線
基板の時代的要請に対応困難とされていた。
【0005】そこで最近、第3の方式として、いわゆる
ロールコーター法が開発されるに至っている。すなわ
ち、この第3のロールコーター法は、プリント配線基板
の回路形成用のエッチングレジストや回路形成後のソル
ダーレジストの塗布工程において、プリント配線基板を
上下のロールコーター間に通すことにより、その外表面
に液状の感光性レジストを転写,塗布した後、これを乾
燥する方式よりなる。このロールコーター法によると、
前述した第1の印刷法・ウェット方式に比し、膜厚をよ
り薄くすることができると共に膜厚の均一性にも優れ、
前述した第2のドライ方式と同程度の露光解像力が得ら
れ、ピンホール発生も解消される等、プリント配線基板
の回路の高密度化に十分対応可能となる。これと共にこ
のロールコーター法は、前述した第2のドライ方式に比
し、ドライフィルム状の感光性レジストを使用せず液状
の感光性レジストを使用するので、前述した第1の印刷
法・ウェット方式と同程度の経済性で済み、割高とはな
らず、プリント配線基板のコスト面の要請にも十分対応
可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このロール
コーター法にあっては、次の問題が指摘されていた。ま
ず第1に、ロールコーターにてプリント配線基板の外表
面に転写,塗布した液状の感光性レジストは、事後直ち
に、レジスト乾燥装置にて乾燥される。その際、プリン
ト配線基板の肉厚が厚い場合には、従来よりの水平搬送
タイプのレジスト乾燥装置を用い、水平コンベヤ上に
て、プリント配線基板を水平状態で搬送しつつ乾燥炉中
を通過させることにより、液状の感光性レジストを問題
なく乾燥させることができる。しかしながら、前述した
ごとく昨今のプリント配線基板は非常に極薄化が進んで
いるので、従来よりの水平搬送タイプのレジスト乾燥装
置を用い、水平コンベヤ上で水平状態で搬送しようとす
ると、プリント配線基板がわん曲,カール,腰折れ状態
となってしまう、という問題があった。
【0007】すなわち、感光性レジストが転写,塗布さ
れてロールコーター間から水平状態で搬出されるプリン
ト配線基板は、極薄化が進み極めてフレキシブルである
と共に、ロールコーター間における圧接により上方や下
方への方向性が付与されやすい。もって、ロールコータ
ー間から搬出されると、順次直ちにわん曲,カール,腰
折れ状態となりやすく、水平コンベヤ上でそのまま水平
状態を維持することは困難となっていた。そして結局、
十分な乾燥が実施できず、事後の露光,現像工程等にも
支障を生じることが多く、製造されたプリント配線基板
の品質に重大な欠陥が生じることにもなる。このよう
に、従来のレジスト乾燥装置では、ロールコーター法や
プリント配線基板の極薄化に対応できない、という問題
が指摘されていた。
【0008】第2に、ロールコーターにて感光性レジス
トが転写,塗布されたプリント配線基板は、端部のつか
み代部分を除き、無接触の状態を維持しつつ乾燥するこ
とを要し、少しでも回路部分が他の部材や自体間で接触
して、傷等を生じてしまうと、回路のショート,断線,
その他不良の原因となり、前述したプリント配線基板の
回路の高密度化に対応できなくなる。しかしながら、従
来の水平搬送タイプのレジスト乾燥装置にあっては、プ
リント配線基板を水平コンベヤ上に載せて水平状態で搬
送することや、上述した第1のプリント配線基板のわん
曲,カール,腰折れ状態等に起因して、このような接
触,傷等の発生が指摘され、回路の高密度化に十分対応
できないという問題が指摘されていた。特に、プリント
配線基板の外表面の一面だけではなく表裏両面に対し、
感光性レジストが転写,塗布されることが多い昨今の状
況に鑑み、このような接触,傷等が多発し問題となって
いた。
【0009】第3に、このような第1のわん曲,カー
ル,腰折れ状態や、第2の接触,傷等の発生を防止すべ
く、従来のレジスト乾燥装置にあっても各種の試みがな
されていたが、マニュアル的作業に頼ったり、工程が中
断されたり、ロールコーターとの連けいが不十分であっ
たり、構造が複雑化したり、プリント配線基板のコスト
面にも問題が生じる、等々の難点が指摘されていた。
【0010】本発明は、このような実情に鑑み上記従来
例の問題点を解決すべく、発明者の鋭意研究努力の結果
なされたものであって、コンベヤに対し水平の軸で回動
可能に取付けられ、所定の横姿勢,回動変位姿勢,縦姿
勢等に姿勢を順次変化可能なチャッキング手段を採用し
たことにより、第1に、プリント配線基板のわん曲,カ
ール,腰折れ状態が防止されると共に、第2に、プリン
ト配線基板の接触による傷等も防止され、第3に、しか
もこれらが簡単な構成により容易かつ自動的・連続的に
実現される、レジスト乾燥装置を提案することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1
については次のとおり。すなわち、この請求項1のレジ
スト乾燥装置は、プリント配線基板の製造工程で用いら
れ、ロールコーターにて該プリント配線基板の外表面に
転写,塗布された液状の感光性レジストを、乾燥,硬化
させるものである。そして、熱風が吹き出されて循環さ
れる乾燥炉と、該乾燥炉内等で該プリント配線基板をチ
ャッキング手段にて保持しつつ順次搬送するコンベヤ
と、該コンベヤに少なくとも該乾燥炉への搬入段階では
水平の軸で回動可能に取付けられ、開閉可能な構造の該
チャッキング手段と、を有してなる。そして該チャッキ
ング手段は、前記ロールコーター間から水平状態で搬出
される該プリント配線基板の端部に対向位置し、開閉に
よりこれを保持可能な横姿勢と、前記ロールコーター間
から完全に搬出された該プリント配線基板の端部を保持
しつつ徐々に下に変位し、これを下へ90度回動させる
縦の回動変位姿勢と、そのまま該プリント配線基板の上
端部を保持し、これを該コンベヤの搬送方向に対し直角
かつ縦に吊り下げた状態で該乾燥炉内を搬送せしめる縦
姿勢とに、姿勢を順次変化可能となっている。
【0012】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、この請求項2のレジスト乾燥装置は、プリント
配線基板の製造工程で用いられ、ロールコーターにて該
プリント配線基板の外表面に転写,塗布された液状の感
光性レジストを、乾燥,硬化させるものである。そし
て、内部に多数の照射ランプ群が並んで配設された乾燥
炉と、該乾燥炉内等で該プリント配線基板をチャッキン
グ手段にて保持しつつ該照射ランプ群に沿って順次搬送
するコンベヤと、該コンベヤに少なくとも該乾燥炉への
搬入段階では水平の軸で回動可能に取付けられ、開閉可
能な構造の該チャッキング手段と、を有してなる。そし
て該チャッキング手段は、前記ロールコーター間から水
平状態で搬出される該プリント配線基板の端部に対向位
置し、開閉によりこれを保持可能な横姿勢と、前記ロー
ルコーター間から完全に搬出された該プリント配線基板
の端部を保持しつつ徐々に下に変位し、これを下へ90
度回動させる縦の回動変位姿勢と、該プリント配線基板
の上端部を保持し縦に吊り下げた状態のまま徐々に左右
に変位し、これを該コンベヤの搬送方向に対し直角から
平行状態へと垂直の軸で90度回動させる横の回動変位
姿勢と、そのまま該プリント配線基板の上端部を保持
し、これを該コンベヤの搬送方向に対し平行かつ縦に吊
り下げた状態で該乾燥炉内を搬送せしめる縦姿勢とに、
姿勢を順次変化可能となっている。
【0013】又、請求項3については次のとおり。すな
わち、この請求項3のレジスト乾燥装置は、請求項1又
は請求項2記載のレジスト乾燥装置において、該プリン
ト配線基板は外表面の両面に、前記ロールコーターにて
前記感光性レジストが転写,塗布されている。
【0014】請求項4については次のとおり。すなわ
ち、この請求項4のレジスト乾燥装置は、請求項1又は
請求項2記載のレジスト乾燥装置において、該チャッキ
ング手段は磁力により開閉可能な構造よりなり、もって
該プリント配線基板の端部を保持可能となっている。
【0015】又、請求項5については次のとおり。すな
わち、この請求項5のレジスト乾燥装置は、請求項1又
は請求項2記載のレジスト乾燥装置において、該コンベ
ヤは、該乾燥炉内への搬入用で下位に位置する第1コン
ベヤと、該乾燥炉内専用で上位に位置する第2コンベヤ
とを備えてなる。そして、該プリント配線基板を保持す
る該チャッキング手段は、該第1コンベヤに対し水平の
軸で回動可能に取付けられると共に、該第2コンベヤに
対し磁力にて取付けられるようになっている。
【0016】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。このレジスト乾燥装置は、開閉可能な
構造よりなりコンベヤに水平の軸で回動可能に取付けら
れた、チャッキング手段を有してなる。そして請求項
1,2では、ロールコーターによりプリント配線基板
の外表面に感光性レジストが転写,塗布された後、プ
リント配線基板がロールコーター間から水平状態で搬出
される。そして、プリント配線基板の先端部が、開で
横姿勢のチャッキング手段に挿入された後、閉とされ
たチャッキング手段にて保持される。それから、プリ
ント配線基板は更に搬出され、対応してチャッキング手
段もコンベヤにて若干搬送され、プリント配線基板が
ロールコーター間から完全に搬出されると、チャッキン
グ手段は、横姿勢から縦姿勢へ向け縦の回動変位姿勢を
取るので、上端部をチャッキング手段にて保持された
プリント配線基板は、水平状態から下へ90度回動さ
れ、コンベヤの搬送方向に対し直角かつ縦に吊り下げら
れた状態となる。
【0017】請求項1では、それから、チャッキング
手段が縦姿勢のままコンベヤにて乾燥炉内を搬送される
ので、プリント配線基板は、熱風が吹き出されて循環
される乾燥炉内を搬送され、その感光性レジストが乾
燥,硬化される。他方、請求項2では、として、更に
チャッキング手段は、垂直の軸で横の回動変位姿勢を取
り、プリント配線基板も、このようなチャッキング手段
にて上端部を保持されつつ、コンベヤの搬送方向に対し
直角から平行状態へと90度回動される。しかる後、チ
ャッキング手段は、そのまま縦姿勢を取ってコンベヤに
て乾燥炉内を搬送される。もってとして、プリント配
線基板は、多数の照射ランプ群が並んで配設された乾燥
炉内を搬送され、その感光性レジストが乾燥,硬化され
る。
【0018】なお請求項3では、プリント配線基板の外
表面の両面に感光性レジストが転写,塗布されて、乾
燥,硬化される。請求項4では、チャッキング手段が磁
力により開閉され、プリント配線基板の端部を保持す
る。請求項5では、コンベヤが第1コンベヤと第2コン
ベヤとからなり、プリント配線基板を保持するチャッキ
ング手段は、第1コンベヤに水平の軸で取付けられて乾
燥炉内に搬入された後、上位の第2コンベヤに磁力にて
取付けられて乾燥炉内を搬送される。
【0019】さてそこで、これらのレジスト乾燥装置に
あっては、第1に、ロールコーター間から水平状態で搬
出されるプリント配線基板は、極薄化が進み極めてフレ
キシブルであり、上方や下方への方向性が付与されやす
い。そこでプリント配線基板の先端部を、ロールコータ
ーからの搬出後、直ちにチャッキング手段にて保持し、
それからプリント配線基板は、水平状態から縦に吊り下
げられた状態となって搬送,乾燥されるので、そのわん
曲,カール,腰折れ状態の発生が防止される。第2に、
同様の理由により、プリント配線基板が他の部材やそれ
自体間で接触して、傷等を生じることも防止される。第
3に、しかもこれらは、簡単な構成により自動的,連続
的,かつ容易に実現される。
【0020】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1は、本発明の実施例の正面
説明図であり、図2は、同実施例の要部の平面説明図で
ある。図3は、本発明の他の実施例の正面説明図であ
り、図4は、同実施例の平面説明図である。図6は、こ
れらの各実施例におけるコンベヤの1例を示す正面説明
図である。図7は、これらの各実施例におけるチャッキ
ング手段の正面説明図であり、(1)図はその1例を、
(2)図は他の例を示す。なお図5は、本発明の実施例
には属さない、単なる参考例の要部の正面説明図であ
る。
【0021】まず、プリント配線基板Pについて述べ
る。プリント配線基板Pは、OA用の両面基板,コンピ
ュータ用の多層基板,計算機用のフレキシブル基板等
々、用途により多種多様であり、その製造工程も多種多
様である。そしてプリント配線基板Pは、近年ますます
小型軽量化,極薄化,多層化,回路部分の高密度化,微
細化、等々が進みつつある。又、このようなプリント配
線基板Pは、例えば次のように製造される。すなわちプ
リント配線基板Pは、材料切断,穴あけ加工,研磨,ス
ルホールメッキ,研磨,エッチングレジストの塗布や乾
燥,又ははり付け,露光,現像,エッチング,回路部分
のレジスト剥離、等々の工程を辿って製造される。
【0022】これらについて詳述すると、まず、材料つ
まり絶縁材の両面に銅箔が張り合わされた両面銅箔張り
積層板が、ワークサイズの短尺に切断され、次に、スル
ホール用の穴あけ加工が施された後、洗浄および両面研
磨処理が行われてから、スルホールメッキが実施され
る。つまり、表面の電気回路と裏面の電気回路を導通す
べく、スルホールの内壁にメッキが施される。しかる
後、再び洗浄,両面研磨処理,洗浄,乾燥等が行われて
から、エッチングレジストたる感光性レジストBを、膜
状に塗布して乾燥したりはり付けたりする処理が行わ
れ、それから、回路部分のネガフィルムである回路写真
をあてて露光し、事後、感光性レジストBは露光され硬
化した回路部分を残し、他の部分は現像液の噴射により
溶解除去される。しかる後、洗浄,乾燥が行われてか
ら、エッチングマシンにて、このように感光性レジスト
Bが硬化した回路部分の銅箔を残し、上述により感光性
レジストBが溶解除去された部分の銅箔が、腐食液の噴
射により溶解除去される。それから、残っていた上述の
硬化した回路部分の感光性レジストBが、剥離液の噴射
により溶解除去された後、洗浄,乾燥され、もって、所
定の回路部分が形成されたプリント配線基板Pが得られ
る。プリント配線基板Pは、例えば、縦横が550mm×
550mmや、500mm×300mm程度の寸法よりなり、
中央の回路部分の周縁端部が、10mm程度の幅でつかみ
代部分となっている。
【0023】そして、このような工程を辿って製造され
たプリント配線基板Pについては、その製造工程の一環
をなす後処理工程として、形成された回路部分の保護被
膜が形成される。すなわち、回路部分が形成されたプリ
ント配線基板Pの表面全体に、ソルダーレジストたる感
光性レジストBを、塗布,乾燥したりはり付けたりする
処理が行われた後、ネガフィルムをあてて露光,現像が
実施され、スルホール部分,ラウンド部分等の部品装着
部分つまり事後ハンダが行われる部分の感光性レジスト
Bを、溶解除去して露出させる。このようにして、プリ
ント配線基板Pに感光性レジストBによる保護被膜が形
成され、回路部分が被覆保護され、もって事後、部品装
着部分に対し実施されるハンダの付着等から、プリント
配線基板Pの回路部分が保護される。
【0024】さて、このようなプリント配線基板Pの製
造工程において、回路部分形成のためのエッチングレジ
ストたる感光性レジストBや、回路部分の保護被膜形成
のためのソルダーレジストたる感光性レジストBとして
は、ドライフィルムを用いるドライ方式に代え、液状の
ものを用いるウェット方式が、最近急速に普及しつつあ
る。すなわち、このウェット方式は、感光性レジストB
が液状であることの特性を生かし、プリント配線基板P
の高密度で微細化が進む回路部分に対する密着性,埋込
み度,被覆性,耐酸性等々に優れ、更に、ドライフィル
ムの約1/3程度のコストで済みコスト面・経済性にも
優れており、ドライフィルムを用いるドライ方式に代わ
り、広く採用されつつある。このような液状の感光性レ
ジストBとしては、例えば、希アルカリ現像型のフォト
ソルダーレジスト、エポキシ系液状レジスト、その他の
感光性の樹脂を用いたレジスト、等々が使用される。
【0025】更に、このような液状の感光性レジストB
を用いるウェット方式についても、従来より一般的な印
刷法に代え、最近はロールコーター法が開発され普及し
つつある。すなわち、プリント配線基板Pの外表面に対
し、印刷によって感光性レジストBを塗布する印刷法・
ウェット方式は、塗布された感光性レジストBによる膜
厚が厚いと共に膜厚の均一性にも難があり、事後に行わ
れる露光の際の露光解像力に悪影響を及ぼすと共に、ピ
ンホールの発生も懸念される。そこで、感光性レジスト
Bによる膜厚を薄くできると共に膜厚の均一性にも優
れ、もって露光解像力が高くピンホール発生も解消され
る、ウェット方式の1つであるロールコーター法が、最
近広く普及しつつある。
【0026】さて、図1,図2や図3,図4に示した各
実施例のレジスト乾燥装置Aは、このようなプリント配
線基板Pの製造工程で用いられ、ロールコーター1にて
プリント配線基板Pの外表面に転写,塗布された液状の
感光性レジストBを、乾燥,硬化させるものである。
【0027】そして、この図1,図2や図3,図4に示
した各実施例のレジスト乾燥装置Aは、図1,図2の実
施例では熱風が吹き出されて循環される乾燥炉2と、乾
燥炉2内等でプリント配線基板Pをチャッキング手段3
にて保持しつつ順次搬送するコンベヤ4と、コンベヤ4
に少なくとも乾燥炉2への搬入段階では水平の軸で回動
可能に取付けられ、開閉可能な構造のチャッキング手段
3と、を有してなる。他方、図3,図4の実施例では、
内部に照射ランプ群5が並んで配設された乾燥炉2が用
いられ、コンベヤ4は、このような乾燥炉2内におい
て、照射ランプ群5に沿ってプリント配線基板Pを搬送
する。
【0028】このような図1,図2や図3,図4の各実
施例に示したレジスト乾燥装置Aについて、更に詳述す
る。まず、図示のロールコーター1は、上下に対向設さ
れた塗布ローラー6と、上下にそれぞれ配された感光性
レジストBのトレー7と、塗布ローラー6とトレー7間
に介在する介装ローラー8と、を備えてなる。そして、
上下の塗布ローラー6が回転されることにより、両者間
を圧接されつつプリント配線基板Pが通過し、その際、
トレー7そして介装ローラー8を経由した感光性レジス
トBが、塗布ローラー6からプリント配線基板Pの外表
面に転写,塗布される。なお、プリント配線基板Pは、
予めその外表面を活性化させる前処理が施されており、
転写,塗布される感光性レジストBの膜厚は、塗布ロー
ラー6間の間隔を調整することにより、自在に設定可能
である。又、図示例では、プリント配線基板Pの表裏両
面に対し、感光性レジストBが転写,塗布されるように
なっているが、外表面のいずれか一方のみ、つまり表裏
両面のいずれか一面にのみ、感光性レジストBを転写,
塗布することも可能である。
【0029】レジスト乾燥装置Aは、このようなロール
コーター1の次工程に配されている。そして、まず図
1,図2の実施例において、レジスト乾燥装置Aの乾燥
炉2は、熱風が吹き出されて循環される熱風循環式より
なり、多数の熱風吹出口,熱風吸込口が設けられ、内部
に熱風ゾーンが形成されると共に、ヒーター,ファン等
の熱風発生源や送風ダクトが付設されている。他方、図
3,図4の実施例において、レジスト乾燥装置Aの乾燥
炉2は、内部に照射ランプ群5が並んで配設された照射
式よりなり、図示例では、コンベヤ4を挟みその左右両
側に照射ランプ群5として、遠赤外線ランプがそれぞれ
列設され、コンベヤ4にて搬送されるプリント配線基板
Pの両面を、直接照射するようになっている。
【0030】次に、レジスト乾燥装置Aのコンベヤ4
は、乾燥炉2の内外にわたり、つまり、前述したロール
コーター1の出口付近から、乾燥炉2の入口,内部,出
口にかけて、直線的に配設されている。このコンベヤ4
は、チャッキング手段3にてプリント配線基板Pを保持
しつつ順次搬送するようになっており、搬送ベルト,レ
ール,ローラー,その他公知の各種方式のコンベヤの採
用が考えられる。いずれにしても、例えば図2にも示し
たように、このコンベヤ4は、少なくとも搬入段階つま
りロールコーター1の出口付近から乾燥炉2の入口付近
間においては、プリント配線基板P分の間隔を存しつ
つ、その左右両側に対向しつつ直線的に配設され、走行
される。そして図1,図2の実施例のコンベヤ4は、同
様な構成のまま乾燥炉2内に延伸されているが、図3,
図4の実施例のコンベヤ4にあっては、これとは異な
り、乾燥炉2内では1本で直線的なものが用いられてい
る。
【0031】次に、レジスト乾燥装置Aのチャッキング
手段3について、詳述する。チャッキング手段3はコン
ベヤ4に対し、少なくとも乾燥炉2への搬入段階では、
水平の軸で回動可能に取付けられている。図2に示した
例では、チャッキング手段3の基端軸棒9が、左右のコ
ンベヤ4にそれぞれ形成され上面が開放された取付溝1
0間に掛け渡されており、基端軸棒9の両端部が、左右
の取付溝10に保持されている。もって、チャッキング
手段3全体が、その基端軸棒9やコンベヤ4側の取付溝
10を介し、コンベヤ4に対し左右に水平の軸で回動可
能に、略ハンガー状に取付けられている。左右のコンベ
ヤ4上には、このような左右1対の取付溝10が、搬送
方向に適宜間隔を存しつつ多数形成されている。
【0032】又、チャッキング手段3は、例えば磁力に
て開閉可能な構造よりなり、もってプリント配線基板P
の端部を保持可能となっている。まず、例えば図7の
(1)図に示したチャッキング手段3は、上グリップ1
1と、下グリップ12と、上グリップ11上に付設され
た磁石13と、磁石13の上方に昇降動可能に配された
磁石14と、上グリップ11を下グリップ12に向け付
勢するスプリング15と、上グリップ11の昇降の際の
ガイドシャフト16と、を備えてなり、スプリング15
は、上グリップ11上と不動部との間でガイドシャフト
16に外装されている。磁石13としては例えば永久磁
石、磁石14としては例えば電磁石が用いられるが、そ
れぞれ電磁石や永久磁石を用いることも可能である。そ
して、このチャッキング手段3は、常時は図示のよう
に、スプリング15の付勢力により上グリップ11と下
グリップ12間は閉で、プリント配線基板Pの強力なグ
リップとして機能する。これに対し、磁石14を若干下
降させると共に通電により磁石13とは逆の磁性を生じ
させることにより、磁石13そして上グリップ11をス
プリング15の付勢力に抗し磁力にて引き上げ、上グリ
ップ11と下グリップ12間を開とすることができる。
勿論、磁石14の通電を解きその磁性そして磁力を解除
すると共に上昇させることにより、磁石13そして上グ
リップ11は、再びスプリング15の付勢力により下降
し、上グリップ11と下グリップ12間は図示のように
閉となる。
【0033】又、図7の(2)図に示したチャッキング
手段3は、上グリップ11と、下グリップ12と、上グ
リップ11に付設された磁石13と、下グリップ12に
付設された磁石14と、上グリップ11の昇降の際のガ
イドシャフト16と、を備えてなる。磁石13としては
例えば永久磁石、磁石14としては例えば電磁石が用い
られるが、逆に、磁石13として電磁石、磁石14とし
て永久磁石を用いることも可能である。そして、このチ
ャッキング手段3は、常時は図示のように、磁石13と
磁石14の磁性方向を逆に設定することにより、上グリ
ップ11と下グリップ12間は磁石13と磁石14間の
磁力により閉となり、このようなマグネット結合により
プリント配線基板Pの強力なグリップとして機能する。
これに対し、例えば磁石14の磁性方向を逆に設定さ
せ、磁石13の磁性方向と一致させることにより、磁石
13と磁石14間に反発力が生じ、上グリップ11と下
グリップ12間が開となる。勿論、磁石14の磁性方向
を元に戻すことにより、磁石13と磁石14間の磁力に
よって、上グリップ11と下グリップ12間は、再び図
示のように閉となる。このような磁石14の磁性方向の
設定変更は、通電の有無により行われる。
【0034】そして、この図7の(1)図や図7の
(2)図に示した開閉可能なチャッキング手段3は、前
述したように、コンベヤ4に対し少なくとも乾燥炉2へ
の搬入段階では、水平の軸で回動可能に取付けられもっ
て、次の各姿勢に順次変化可能となっている。なおチャ
ッキング手段3は、勿論この図7の(1)図や図7の
(2)図に示したように、磁力にて開閉可能とした構造
のものに限定されず、その他公知の各種開閉構造の採用
が考えられ、例えば、上グリップ11と下グリップ12
間にスプリングを介裝しその付勢力にて開閉可能な構造
とし、もってプリント配線基板Pの端部を保持可能とし
てもよい。いずれにしてもチャッキング手段3は、次の
各姿勢に順次変化可能となっている。
【0035】まず、図1,図2の実施例のチャッキング
手段3は、次の横姿勢Wと,縦の回動変位姿勢X
と,縦姿勢Zとに、姿勢を変化可能となっている。す
なわち、このチャッキング手段3は、ロールコーター
1の塗布ローラー6間から水平状態で搬出されるプリン
ト配線基板Pの先端部に、その出口付近で対向位置し、
開閉によりこれを保持可能な横姿勢Wと、ロールコー
ター1の塗布ローラー6間から完全に搬出されたプリン
ト配線基板Pの先端部つまり上端部を保持しつつ徐々に
下に変位し、これを下へ90度回動させる縦の回動変位
姿勢Xと、そのままプリント配線基板Pの上端部を保
持し、これをコンベヤ4の搬送方向に対し直角かつ縦に
吊り下げた状態で、乾燥炉2内を搬送せしめる縦姿勢Z
とに、姿勢を順次変化可能となっている。
【0036】又、図3,図4の実施例のチャッキング手
段3は、次の横姿勢Wと,縦の回動変位姿勢Xと,
横の回動変位姿勢Yと,縦姿勢Zとに、変化可能と
なっている。すなわち、このチャッキング手段3は、
ロールコーター1の塗布ローラー6間から水平状態で搬
出されるプリント配線基板Pの先端部に対向位置し、開
閉によりこれを保持可能な横姿勢Wと、ロールコータ
ー1の塗布ローラー6間から完全に搬出されたプリント
配線基板Pの先端部つまり上端部を保持しつつ徐々に下
に変位し、これを下へ90度回動させる縦の回動変位姿
勢Xと、プリント配線基板Pの上端部を保持し縦に吊
り下げた状態のまま徐々に左右に変位し、これをコンベ
ヤ4の搬送方向に対し、直角から平行状態へと垂直の軸
で90度回動させる横の回動変位姿勢Yと、そのまま
プリント配線基板Pの上端部を保持し、これをコンベヤ
4の搬送方向に対し平行かつ縦に吊り下げた状態で、乾
燥炉2内を搬送せしめる縦姿勢Zとに、姿勢を順次変化
可能となっている。なお、上述したのチャッキング手
段3の横の回動変位姿勢Yは、コンベヤ4間上に配され
た回動機構(図示せず)にて、チャッキング手段3そし
てプリント配線基板Pを、垂直の軸で左右に揺動させる
ことにより実現される。レジスト乾燥装置Aのチャッキ
ング手段3は、このようになっている。
【0037】なお図5は、本発明の実施例には属さない
単なる参考例を示す。そして、この図5のレジスト乾燥
装置Aは、前述した図1,図2や図3,図4のレジスト
乾燥装置Aがロールコーター1と組み合わせて用いられ
ていたのに対し、印刷機17と組み合わせて用いられて
いる。すなわち、ロールコーター1に代え印刷機17に
て、プリント配線基板Pの外表面の一面に、液状の感光
性レジストBが、印刷,塗布されている。もって、この
レジスト乾燥装置Aのチャッキング手段3は、印刷機
17から水平状態で搬出されるプリント配線基板Pの先
端部に、介装コンベヤ18を介し対向位置する横姿勢W
と、印刷機17から完全に搬出されたプリント配線基
板Pの先端部つまり上端部を保持しつつ回動させる縦の
回動変位姿勢Xと、必要に応じ前述した横の回動変位
姿勢Yと、前述した縦姿勢Zとに、姿勢を順次変化可
能となっている。
【0038】なお、図6は前述した各実施例におけるコ
ンベヤ4の1例を示す。そして、この図6のレジスト乾
燥装置Aのコンベヤ4は、ロールコーター1から乾燥炉
2内への搬入用で下位に位置する第1コンベヤ4Mと、
乾燥炉2内専用で上位に位置する第2コンベヤ4Nとを
備えてなる。そして、プリント配線基板Pを保持するチ
ャッキング手段3は、まず第1コンベヤ4Mに対して
は、図1,図2や図3,図4等において既に説明したよ
うに、例えば基端軸棒9や取付溝10を介し水平の軸で
回動可能に取付けられている。次にチャッキング手段3
は、第2コンベヤ4Nに対しては、磁力にて取付けられ
るようになっており、例えば、チャッキング手段3の基
端軸棒9に磁性を帯びさせると共に、無端状の第2コン
ベヤ4N側に、長手方向に適宜間隔を置いて多数の磁性
を帯びたマグネット部材19が、左右方向に横設されて
いる。そこで、このマグネット部材19下に、第1コン
ベヤ4Mにて搬入され上位に押し上げられたチャッキン
グ手段3の基端軸棒9が、磁力により脱着つまりマグネ
ット結合可能とされ、もって、第2コンベヤ4N下にチ
ャッキング手段3そしてプリント配線基板Pが取付けら
れて、搬送,乾燥されるようになっている。なお乾燥
後、マグネット部材19と基端軸棒9とのマグネット結
合は解除され、チャッキング手段3やプリント配線基板
Pは、下位に戻される。
【0039】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。このレジスト乾燥装置
Aは、開閉可能な構造よりなると共にコンベヤ4に水平
の軸で回動可能に取付けられた、チャッキング手段3を
採用してなる。そして図1,図2や図3,図4の実施例
では、まず、ロールコーター1の回転する上下の塗布
ローラー6により、プリント配線基板Pの外表面に対
し、液状の感光性レジストBが転写,塗布される。それ
から、このように感光性レジストBが転写,塗布され
たプリント配線基板Pが、ロールコーター1の塗布ロー
ラー6間から、先端部側より順次押し出され、水平状態
で搬出される。そして、このように水平状態で搬出さ
れるプリント配線基板Pの先端部が、出口付近にて開の
横姿勢Wで対向位置していたチャッキング手段3内に挿
入され、次に、チャッキング手段3が横姿勢Wのまま
開から閉とされることにより、プリント配線基板Pの先
端部がチャッキング手段3にて保持される。
【0040】それから、プリント配線基板Pは、ロー
ルコーター1間から更に搬出され続け、これに対応して
チャッキング手段3は、このように水平状態で搬出され
るプリント配線基板Pの先端部を保持したまま、コンベ
ヤ4にて反ロールコーター1方向に若干搬送される。も
って、プリント配線基板Pがロールコーター1間から
完全に搬出され離脱すると、チャッキング手段3は、コ
ンベヤ4上を水平の軸としてそれまでの横姿勢Wから縦
姿勢Zへ向け、縦の回動変位姿勢Xを取って下へ徐々に
変位して90度回動する。そこで、先端部つまり上端
部をこのようなチャッキング手段3にて保持されたプリ
ント配線基板Pは、それまでの水平状態から後端部を自
由端としつつ下へ90度回動され、コンベヤ4の搬送方
向に対し直角状態で、縦に吊り下げられた状態となる。
【0041】図1,図2の実施例のレジスト乾燥装置A
では、それから、チャッキング手段3は縦姿勢Zのま
ま、コンベヤ4にて乾燥炉2内を搬送され、もって、
プリント配線基板Pは、このようなチャッキング手段3
にて上端部を保持されつつ、コンベヤ4の搬送方向に対
し直角かつ縦に吊り下げられた状態で、熱風が吹き出さ
れて循環される乾燥炉2内を搬送される。そして、プリ
ント配線基板Pの外表面に転写,塗布されていた感光性
レジストBが、熱風により乾燥,硬化されるに至る。
【0042】他方、図3,図4の実施例のレジスト乾燥
装置Aでは、前述したからのステップを辿った後、
図1,図2の実施例の場合の前述したに代え、とし
て、チャッキング手段3は、プリント配線基板Pの上端
部を保持し縦に吊り下げた状態のまま、垂直の軸で横の
回動変位姿勢Yを取って、左右方向に徐々に変位して9
0度回動する。もってプリント配線基板Pも、このよう
なチャッキング手段3にて上端部を保持されつつ、コン
ベヤ4の搬送方向に対し直角から平行状態へと、90度
回動される。しかる後、チャッキング手段3は、そのま
まの縦姿勢Zを取って、コンベヤ4にて乾燥炉2内を搬
送される。もって、この図3,図4の実施例では図1,
図2の実施例の場合の前述したに代え、として、プ
リント配線基板Pは、このようなチャッキング手段3に
て上端部を保持されつつ、コンベヤ4の搬送方向に対し
平行かつ縦に吊り下げられた状態で、多数の照射ランプ
群5が並んで配設された乾燥炉2内を搬送される。そし
て、プリント配線基板Pの外表面に転写,塗布されてい
た感光性レジストBが、照射ランプ群5の照射により乾
燥,硬化されるに至る。
【0043】なお、このように感光性レジストBが乾
燥,硬化されたプリント配線基板Pは、その後、露光装
置にて、感光性レジストBにネガフィルムをあてて露光
され、現像装置にて、現像液が噴射され現像処理が行わ
れる。それから、感光性レジストBがエッチングレジス
トとして用いられた場合にはエッチングが実施され、
又、感光性レジストBがソルダーレジストとして用いら
れた場合には、部品装着部分への部品装着等がハンダに
て行われる。ところで、上述した図1,図2や図3,図
4の実施例では、プリント配線基板Pの外表面の両面
に、感光性レジストBが転写,塗布されており、レジス
ト乾燥装置Aを用い前述した,,,,,,
,,の各ステップを辿ることにより、この両面の
感光性レジストBが乾燥,硬化される。又、このような
レジスト乾燥装置Aにて用いられるチャッキング手段3
は、例えば図7に示したように磁力により開閉される構
造よりなり、もってプリント配線基板Pの端部を保持す
るようになっている。
【0044】なお、図5の参考例では、前述した図1,
図2や図3,図4の実施例におけるロールコーター1に
代え印刷機17にて、感光性レジストBがプリント配線
基板Pの外表面に印刷,塗布される。そして、この図5
の参考例のレジスト乾燥装置Aは、前述した図1,図2
や図3,図4の実施例のものに準じるが、チャッキング
手段3は、まず横姿勢Wにおいて、印刷機17から搬出
されるプリント配線基板Pの端部に対向位置し、次に縦
の回動変位姿勢Xにおいて、印刷機17から完全に搬出
されたプリント配線基板Pの端部を保持しつつ回動され
る。又、図6は、前述した図1,図2や図3,図4等の
レジスト乾燥装置Aにおける、コンベヤ4の1例を示
し、この図6のコンベヤ4は、第1コンベヤ4Mと第2
コンベヤ4Nとからなっている。そして、プリント配線
基板Pを保持するチャッキング手段3は、第1コンベヤ
4Mに水平の軸で取付けられて、乾燥炉2内に搬入され
た後、上位の第2コンベヤ4Nに磁力にて取付けられ
て、乾燥炉2内を搬送される。
【0045】さてそこで、これらのレジスト乾燥装置
A、つまり図1,図2や図3,図4等に示した各実施例
のレジスト乾燥装置Aは、いずれも次の第1,第2,第
3のようになる。
【0046】まず第1に、ロールコーター1間から水平
状態で搬出されるプリント配線基板Pは、昨今極薄化が
進み極めてフレキシブルであり、更に、ロールコーター
1間から搬出されるプリント配線基板Pは、ロールコー
ター1の塗布ローラー6間における圧接により、特に上
方や下方への方向性が付与されやすい。そこで、このレ
ジスト乾燥装置Aでは、プリント配線基板Pの先端部
を、ロールコーター1からの搬出後直ちに、横姿勢Wの
チャッキング手段3にて保持するようになっている。そ
して更に、その後チャッキング手段3が、縦や横の回動
変位姿勢X,Yを経て縦姿勢Zを取ることにより、この
ようなチャッキング手段3にて上端部を保持されたプリ
ント配線基板Pは、水平状態から縦に吊り下げられた状
態となって、搬送,乾燥される。このようにプリント配
線基板Pは、自重にて直ちに縦に吊り下げられた状態で
搬送されるので、そのわん曲,カール,腰折れ状態の発
生は、確実に防止される。
【0047】第2に、同様にプリント配線基板Pは、ロ
ールコーター1から完全に搬出された後、直ちに、水平
状態から縦に吊り下げられた状態となって、搬送,乾燥
される。従って、チャッキング手段3にて保持される端
部のつかみ代部分を除き、プリント配線基板Pの回路部
分が、コンベヤ4等の他の部材に接触して、傷等を生じ
ることは確実に防止される。更に、前述した第1のよう
に、そのわん曲,カール,腰折れ状態の発生が回避され
るので、プリント配線基板P自体間、つまりその回路部
分相互間が接触して、傷等を生じることも確実に防止さ
れる。
【0048】第3に、しかもこれらは、開閉可能な構造
のチャッキング手段3を、水平の軸で回動可能にコンベ
ヤ4に取付け、横姿勢Wや,縦や横の回動変位姿勢X,
Yや,縦姿勢Z等に、姿勢を可変としたことにより実現
される。つまり、上述した第1,第2の点は、簡単な構
成により、マニュアル的でなく工程も中断されず自動的
に、ロールコーター1等に連続して用いられることによ
り、容易に実現される。
【0049】
【発明の効果】本発明に係るレジスト乾燥装置は、以上
説明したように、開閉可能な構造よりなると共にコンベ
ヤに水平の軸で回動可能に取付けられたチャッキング手
段を採用し、所定の横姿勢,回動変位姿勢,縦姿勢等に
姿勢を順次変化可能としたことにより、次の効果を発揮
する。
【0050】第1に、プリント配線基板のわん曲,カー
ル,腰折れ状態は防止される。すなわち、極薄のプリン
ト配線基板であっても、わん曲,カール,腰折れ状態が
発生することなく搬送されるので、塗布された感光性レ
ジストが確実かつ十分に乾燥され、もって、事後の露
光,現像工程等に悪影響を及ぼすことがなく、製造され
たプリント配線基板の品質が向上する。このように、こ
のレジスト乾燥装置は、ロールコーターによる感光性レ
ジストの転写,塗布に確実に対応できると共に、昨今の
プリント配線基板の極薄化にも十分に対応可能である。
【0051】第2に、プリント配線基板の接触による傷
等も防止される。すなわち、プリント配線基板は他と接
触したり自体間で接触することがなく、傷等の発生が防
止されるので、回路のショート,断線,その他の不良の
原因が解消される等、このレジスト乾燥装置は、昨今の
プリント配線基板の高密度化にも十分に対応可能であ
る。
【0052】第3に、しかもこれらは簡単な構成によ
り、容易かつ自動的・連続的に実現される。すなわち、
このレジスト乾燥装置によると、上述した第1,第2の
点が、簡単な構成により、マニュアル的でなく工程も中
断されず自動的に、しかもロールコーターに連続して用
いられて実現され、経済性にも優れ、昨今のプリント配
線基板のコスト面での要請にも十分に対応可能である。
このように、この種従来例に存した問題点が一掃される
等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものが
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレジスト乾燥装置の実施例を示
す、正面説明図である。
【図2】同図1の実施例の要部の平面説明図である。
【図3】本発明に係るレジスト乾燥装置の他の実施例を
示す、正面説明図である。
【図4】同図3の実施例の平面説明図である。
【図5】本発明の実施例には属さない単なる参考例を示
す、要部の正面説明図である。
【図6】前述した各実施例におけるコンベヤの1例を示
す、正面説明図である。
【図7】前述した各実施例におけるチャッキング手段の
正面説明図であり、(1)図はその1例を、(2)図は
他の例を示す。
【符号の説明】
1 ロールコーター 2 乾燥炉 3 チャッキング手段 4 コンベヤ 4M 第1コンベヤ 4N 第2コンベヤ 5 照射ランプ群 6 塗布ローラー 7 トレー 8 介装ローラー 9 基端軸棒 10 取付溝 11 上グリップ 12 下グリップ 13 磁石 14 磁石 15 スプリング 16 ガイドシャフト 17 印刷機 18 介装コンベヤ 19 マグネット部材 A レジスト乾燥装置 B 感光性レジスト P プリント配線基板 W 横姿勢 X 縦の回動変位姿勢 Y 横の回動変位姿勢 Z 縦姿勢
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/06 H05K 3/28 E 3/28 H01L 21/30 566

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント配線基板の製造工程で用いら
    れ、ロールコーターにて該プリント配線基板の外表面に
    転写,塗布された液状の感光性レジストを、乾燥,硬化
    させるレジスト乾燥装置であって、 熱風が吹き出されて循環される乾燥炉と、該乾燥炉内等
    で該プリント配線基板をチャッキング手段にて保持しつ
    つ順次搬送するコンベヤと、該コンベヤに少なくとも該
    乾燥炉への搬入段階では水平の軸で回動可能に取付けら
    れ、開閉可能な構造の該チャッキング手段と、を有して
    なり、 該チャッキング手段は、前記ロールコーター間から水平
    状態で搬出される該プリント配線基板の端部に対向位置
    し、開閉によりこれを保持可能な横姿勢と、前記ロール
    コーター間から完全に搬出された該プリント配線基板の
    端部を保持しつつ徐々に下に変位し、これを下へ90度
    回動させる縦の回動変位姿勢と、そのまま該プリント配
    線基板の上端部を保持し、これを該コンベヤの搬送方向
    に対し直角かつ縦に吊り下げた状態で該乾燥炉内を搬送
    せしめる縦姿勢とに、姿勢を順次変化可能となっている
    こと、を特徴とするレジスト乾燥装置。
  2. 【請求項2】 プリント配線基板の製造工程で用いら
    れ、ロールコーターにて該プリント配線基板の外表面に
    転写,塗布された液状の感光性レジストを、乾燥,硬化
    させるレジスト乾燥装置であって、 内部に多数の照射ランプ群が並んで配設された乾燥炉
    と、該乾燥炉内等で該プリント配線基板をチャッキング
    手段にて保持しつつ該照射ランプ群に沿って順次搬送す
    るコンベヤと、該コンベヤに少なくとも該乾燥炉への搬
    入段階では水平の軸で回動可能に取付けられ、開閉可能
    な構造の該チャッキング手段と、を有してなり、 該チャッキング手段は、前記ロールコーター間から水平
    状態で搬出される該プリント配線基板の端部に対向位置
    し、開閉によりこれを保持可能な横姿勢と、前記ロール
    コーター間から完全に搬出された該プリント配線基板の
    端部を保持しつつ徐々に下に変位し、これを下へ90度
    回動させる縦の回動変位姿勢と、該プリント配線基板の
    上端部を保持し縦に吊り下げた状態のまま徐々に左右に
    変位し、これを該コンベヤの搬送方向に対し直角から平
    行状態へと垂直の軸で90度回動させる横の回動変位姿
    勢と、そのまま該プリント配線基板の上端部を保持し、
    これを該コンベヤの搬送方向に対し平行かつ縦に吊り下
    げた状態で該乾燥炉内を搬送せしめる縦姿勢とに、姿勢
    を順次変化可能となっていること、を特徴とするレジス
    ト乾燥装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のレジスト乾
    燥装置であって、該プリント配線基板は外表面の両面
    に、前記ロールコーターにて前記感光性レジストが転
    写,塗布されていること、を特徴とするレジスト乾燥装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載のレジスト乾
    燥装置であって、該チャッキング手段は磁力により開閉
    可能な構造よりなり、もって該プリント配線基板の端部
    を保持可能となっていること、を特徴とするレジスト乾
    燥装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2記載のレジスト乾
    燥装置であって、該コンベヤは、該乾燥炉内への搬入用
    で下位に位置する第1コンベヤと、該乾燥炉内専用で上
    位に位置する第2コンベヤとを備え、 該プリント配線基板を保持する該チャッキング手段は、
    該第1コンベヤに対し水平の軸で回動可能に取付けられ
    ると共に、該第2コンベヤに対し磁力にて取付けられる
    こと、を特徴とするレジスト乾燥装置。
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