JP2592047B2 - 都市ゴミ溶融スラグの処理方法及びその処理物を利用した焼結体の製造方法 - Google Patents

都市ゴミ溶融スラグの処理方法及びその処理物を利用した焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、近時、環境破壊問題に
おいて最も注目されている産業廃棄物類中、都市ゴミを
焼却溶融して減溶化かつ無害化して出る溶融スラグの処
理方法及びその処理物である溶融スラグを主原料として
利用する建設材料としてのセラミックス焼結体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物をセラミックス等の焼結体の
原料として使用する技術の中で、特に都市ゴミの焼却灰
及びこれらの溶融したスラグを主原料とするものは、未
だ殆ど知られていない。そこで、本発明者は、特願平4
−319185号公報において、一般の都市ゴミ溶融ス
ラグを主原料として、陶磁器質焼結体を製造する新技術
を提案したが、更に研究を進める過程で、都市ゴミ焼却
灰を溶融する炉の加熱によって生成されたスラグの性質
や成分に差異があることが分かった。特に、表面溶融加
熱方式による生成スラグは、都市ゴミの中に混入されて
いる金属アルミニウムが溶融されずに、粒状となって混
在する状態で排出されたものであり、粉砕過程において
大粒の金属アルミニウムは、篩によって分別除去される
が、スラグ粉砕物中には、3乃至5[%]の金属アルミ
ニウムの微粒子が残り、成分として混入されている。セ
ラミックス原料として、このような原料は、従来、全く
存在しなかった新しい原料であり、従って、この新しい
原料を利用したセラミックス焼結体を製造する技術はこ
れまでに全く知られていない。金属アルミニウム粉は、
アルカリ水溶液に接すると多量の水素を発生するが、こ
の化学反応は、ALC発泡技術として知られている。し
かしながら、この技術は、セラミックス焼結体の製造に
おいて、特に湿式押出し成形方法を適用すると、発泡現
象のために成形体の形状が不安定になり、押出し成形に
必須である可塑性を著しく低下させてしまうため、安定
したセラミックス焼結体を製造することは極めて困難と
なるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のほか次
の問題点もある。従来までのところ、都市ゴミ溶融スラ
グなどの廃棄物を主原料とし、価値ある建設材料として
のセラミックスを製造する新技術は、前記のように既に
本発明者等によって提案されているが、特にそのうちス
ラグ中に金属アルミニウムを混在含有する状態で、溶
融,排出されるものは、表面溶融加熱方式により限られ
たものであって、更に、その処理には困難があり、各地
において未だ解決されておらず、この点に関して、充分
な従来技術は、殆ど知られていない。即ち、これらのス
ラグを用いてセラミックス焼結体を製造する際に、乾式
粉末成形方法による場合は、殆ど支障は起こらないが、
一方、水分15[%]の練土状態から真空土練機を用い
て湿式成形する場合には、原料中あるいは、使用水中の
わずかな可溶性アルカリ成分とアルミニウムが反応して
多量の気泡を発生するので、成形作業は、極めて不安定
となる問題がある。本発明は、要するに、真空土練機を
用いて所望の成形を行う製造工程において前記残留金属
アルミニウムによる成形上の障害を除去し、問題点を解
決することを本発明の目的の1つとするものである。
【0004】この点、不完全ながら、従来技術として
は、金属アルミニウムによる発泡障害を防止する試みと
して、ALCの製造技術として知られるように、消石灰
水溶液を加え、次の化学式による反応を起こさせる。 2A1+2Ca(OH)2=2Ca(A1O2)+2H2 而して、予めアルミニウムを含むスラグを石灰乳で処理
して水素を発生させた後、原料として使用する方法も少
々の効果はある。しかしながら、これ等の反応を完全に
行わせるためには、スラグ中のアルミニウムの重量に対
し、約3倍以上のCa(OH)2を加える必要があるの
で、生産性,経済性の面で不利であるという問題点があ
り、これを解決することが、やはり本発明の目的であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は、次の特
徴を有する。第一の特徴は、先ず都市ゴミを加熱し、溶
融物を作り、それを0.5[mm]以下の粒度に粉砕す
るが、殆ど金属アルミニウムを混在含有するので、リン
酸ソーダ液を加えて金属アルミニウムの表面に可溶性錯
体を形成させてアルミニウムイオンを封鎖して、不動体
化することにより、成形に際し金属アルミニウムの水分
による発泡障害を皆無とする都市ゴミ溶融スラグの処理
方法であることである。
【0006】第二の特徴は、前記のリン酸ソーダがオル
トリン酸ソーダ及び/又は縮合リン酸ソーダであること
であり、縮合リン酸ソーダの中にはトリポリリン酸ソー
ダも含まれているということである。
【0007】第三の特徴は、第一又は第二の処理方法に
より得られた都市ゴミ溶融スラグを利用した焼結体の製
造方法についてのものであり、それぞれ、乾燥物換算
で、その配合が溶融スラグの粉末5乃至70重量部と、
可塑性粘土30乃至50重量部と、焼結調整剤45乃至
65重量部とを秤量して合計を100重量部となして混
合し、適量の水を加えて混練し、次いで真空土練機を用
いて、押出し所望の形状に成形し、乾燥後950[℃]
以上、1250[℃]以下の温度で焼成する焼結体の製
造方法であることである。ここに、前記の可塑性粘土
は、木節粘土及び/又は蛙目粘土などを含み、また、焼
結調整剤とはガラスカレット、珪灰石、磁器セルベン、
フライアッシュ、陶石、長石、高炉スラグなどのうちよ
り選ばれた1以上の媒融剤である。更に、また、配合に
ついて合計100重量部のうち溶融スラグを5重量部以
上としたのは、それ未満では、本発明の効果が充分に得
られず不経済であるからであり、また、70重量部以下
としたのは、それを超えると可塑性が不足となり、成形
困難となるからである。
【0008】次に、可塑性粘土を30重量部以上とした
のは、それ未満では、可塑性不足となり、50重量部以
下としたのは、相対的にゴミ処理可能量が過少となり、
不経済となるからである。要するに配合率は、液相の粘
性と変形防止とのバランスで決定される。従って、更
に、焼結調整剤を45重量部以上としたのは、それ以下
では、焼結が不充分となり、65重量部以下としたの
は、廃棄物より高価な材料であるので不経済となるから
である。更にまた、焼成温度を950[℃]以上とした
のは、それ未満では成形体の焼結が困難となるからであ
り、1250[℃]以下としたのは、それを超えると焼
結調整剤の使用が多量となり、更に、珪灰石を使用する
場合においては、その繊維状結晶が破壊されて、製品の
強度増大が期待出来なくなるからである。
【0009】
【作用】先ず、金属アルミニウム粒子を混在含有する溶
融スラグ粉末にリン酸ソーダ水溶液が作用すると、金属
アルミニウム粒子の表面は、不動体化する。従って、そ
の後においては、不動体化したアルミニウム粒子に水が
作用しても、水素による発泡が殆どなくなるので、この
溶融スラグの湿潤材料を所望の成形物の材料として使用
しても水素の発泡による変形の障害は起こらなくなる。
【0010】次に、溶融スラグの粉末の湿潤物と可塑性
粘土と珪灰石などの焼結調整剤と適量の水を加えて、混
練した後、真空土練機にかけてもアルミニウム粒子は、
表面が不動体化されているので、水素による発泡作用は
全く起こらない。更に、前記土練機より出て、所望の形
に成形する場合においても水素による発泡作用はないか
ら変形作用はなく、形状の整った成形品が得られる。而
して、これを焼成した場合においては、アルミニウム
は、酸化することにより体積が、その粒子の部分でそれ
ぞれ膨脹するため、製品は軽量となる。その上、焼結調
整剤として珪灰石を使用すると、焼成温度が1250
[℃]以下であれば、珪灰石の繊維状結晶が、製品組織
中に残留保存される作用となるので、軽量、かつ高強度
のセラミックス製品が得られることになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0012】(実施例1)本実施例は、ゴミ溶融スラグ
をリン酸ソーダ水溶液で処理した場合(本発明)と、無
処理の場合(従来技術)における成形作業適正の効果比
較のための例である。 1)原料:スラグ 粒度0.5[mm]以下、金属アル
ミニウム含有率6.5[%] 珪灰石 粒度60メッシュ、中国産珪灰石 粘土 本山木節 処理剤 第2リン酸ソーダ10[%]水溶液 2)配合率:スラグ40[%]、珪灰石20[%]、本
山木節40[%](重量比) 3)スラグの処理:スラグ重量に対し処理剤15[%]
を加えて湿潤させ、1. 5時間反
応養生 4)練土坏土の調整:配合率に応じて乾燥重量換算で秤
量しミキサーで10分間混合した後、水10[%]を加
えて更に5分間混合して坏土とする 5)成形:真空土練機を用い押出し口金サイズ100
[mm]×10[mm]の断面で押出し圧力15[kg
/cm2]で板状体を成形 6)成形作業性の比較は、表1の通りである。
【0013】
【表1】
【0014】無処理の成形体は、乾燥加熱の際にも発泡
して多数の亀裂を発生したが、処理した成形体は、異常
がなかった。
【0015】(実施例2)実施例1でリン酸ソーダ処理
された本発明の中間配合物を長さ300[mm]幅10
0[mm]、厚さ10[mm]の板状体として成形し、
200[℃]の熱風ドライヤーで含水率1[%]まで乾
燥したが、発泡現象は認められず4[%]の乾燥収縮を
示した。更に、この乾燥品を1100[℃]のローラー
ハースキルンで焼成した。焼成体は、焼成過程におい
て、アルミニウムの酸化膨脹による影響で、7[%]膨
脹したが、軽量で高強度のものになった。焼結体の物性
は、表2の通りである。
【0016】
【表2】
【0017】以上により、焼結体の品質は、多孔質体と
なり、曲げ強度は、通常一般の磁器質タイル以上の高強
度を有し、また、多孔質のため、通常の約2/3の軽量
である上、製品の切断加工が極めて容易となり、建築材
料用セラミックタイルとしても最新型高品質で特徴ある
ものが創出された。
【0018】
【発明の効果】
1)本発明においては、従来セラミックの製造に全く使
用されていなかった。金属アルミニウムを混在含有する
原料を使用して、建築用セラミックタイルの製造を画期
的に可能にした。 2)本発明によれば、前記特別の原料は、金属アルミニ
ウムを含むために、焼成過程で、成形体中で独特の発泡
現象を示して多孔質の製品となる。また、多孔質である
にもかかわらず、強度性が高く、しかも、切断加工容易
という従来に見られない組織のセラミックス焼結体を製
造することが可能となった。 3)前記の金属アルミニウムを含む原料は、廃棄物焼却
過程で出てくる溶融スラグが主たるものであるから、各
地において困っている廃棄物のリサイクルという社会的
テーマに合致し、かつ低コストで従来にない高付加価値
の特徴をもつ製品の製造を可能としたという顕著な効果
が得られた。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱によって溶融され、金属アルミニウ
    ムを混在含有し、かつ0.5[mm]以下の粒度に粉砕
    された都市ゴミ溶融スラグ粉末100重量部に対し、2
    乃至20[%]濃度のリン酸ソーダ水溶液を10乃至2
    0重量部を加えて湿潤状態の均一混合物となした後、1
    時間以上養生反応させることにより、焼結体用組成物を
    調整することを特徴とする都市ゴミ溶融スラグの処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記リン酸ソーダがオルトリン酸ソーダ
    及び/又は縮合リン酸ソーダである請求項1の都市ゴミ
    溶融スラグの処理方法。
  3. 【請求項3】 各乾燥物換算で、前記請求項1又は2の
    溶融スラグの粉末の湿潤物5乃至70重量部と、可塑性
    粘土30乃至50重量部と、焼結調整剤45乃至65重
    量部とを秤量して合計を100重量部となして混合し、
    該混合物の適切なワーカビリティを得るための適量の水
    を加えて混練し、次いで真空土練機を用いて所望の形状
    となるように押出し成形し、乾燥した後950[℃]以
    上1250[℃]以下の範囲の温度で焼成することを特
    徴とする都市ゴミ溶融スラグを利用した焼結体の製造方
    法。
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