JP2591921B2 - 燐酸アルカリ金属塩の製造方法 - Google Patents

燐酸アルカリ金属塩の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水の生物処理の際に
大量に発生する活性汚泥より燐を抽出し、有用な工業原
料である燐酸アルカリ金属塩を安価に製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来下水処理に際して大量に発生する脱
水汚泥は、主として焼却され、有用物の回収や資源の利
用は未だ実用段階に至っていない。
【0003】下水処理工程から燐を回収する方法として
は、高度処理設備で発生する汚泥の脱水分離液中の燐酸
を燐酸マグネシウムアンモニウムの結晶として分離回収
を行う方法など、数々の方法が提案されているが、これ
らの試みはまだ確立されたと言えない状況である。
【0004】一方燐酸及び燐酸塩の原料は燐鉱石で、そ
の全量が輸入である。燐鉱石は燐鉱床から採掘され、水
洗、粉砕、ふるい分け、浮選、などの選鉱過程、有機不
純物除去のための焼成過程を経て市販されるが、高品位
燐鉱石の枯渇化により低品位化が徐々に進行している。
【0005】燐鉱石の主成分はフッ素アパタイトであ
り、国内で使用される標準的な燐鉱石の組成は、燐酸カ
ルシウムCa3 (P04 2 として70〜85重量部
(五酸化燐P2 5 として32〜39重量部)、酸化カ
ルシウムCa0として48〜53重量部、フッ素2〜4
重量部、珪酸SiO2 0.2〜5重量部、その他の成分
として、鉄、アルミニウム、マグネシウム等の酸化物と
して最大2重量部程度の無機質を含んでいる。
【0006】ところで、燐鉱石を精製する方法として
は、乾式方、湿式法の2法に大別できる。
【0007】乾式法は、「燐鉱石に珪酸または珪砂及び
コークスを加え、電気炉中で1400〜1500℃まで
加熱し、珪酸を燐鉱石中の石灰と反応させ、珪酸カルシ
ウムとしてスラグを生成し、遊離した五酸化燐P2 5
をコークスで還元して燐蒸気とし、除じん後、冷却凝縮
して黄燐とし、空気または加熱蒸気で酸化して五酸化燐
2 5 とした後、水に溶解して燐酸とする方法」であ
るが、多量の電力を必要とするため、製造コストが高
い。
【0008】湿式法の燐酸の製造法は主に燐鉱石の硫酸
分解によるもので、鉱石の約1.7倍、精製燐酸の約3
倍のセッコウを副生するので、このセッコウの有効利用
が湿式法の経済性を左右する。そのため燐酸分の少な
い、濾過洗浄の容易な品質の良いセッコウを得るため
に、燐鉱石に燐酸を加えた後に硫酸を加え、また副生セ
ッコウのスラリーを循環するなど良質な結晶に成長させ
る方法がとられている。
【0009】また燐鉱石中のフッ化カルシウムは硫酸分
解によりフッ化水素を生成し燐鉱石中の珪素と反応して
珪フッ化水素となるが、反応槽の気相中にフッ化珪素等
を含み、その排ガスはアルカリ溶液に吸収させる必要が
あり、また湿式燐酸は溶解性、不溶解性の多くの不純物
を含むため、公知の溶媒抽出法により精製燐酸を製造し
ている。
【0010】次に、燐酸アルカリ金属塩の製造方法とし
ては、精製燐酸と湿式燐酸を用いる方法がある。
【0011】精製燐酸を用いる方法は、精製燐酸にアル
カリ金属の炭酸塩を加えて中和、濾過、濃縮して第一
塩、第二塩を製造し、濾過液にアルカリ金属水酸化物を
加え、濃縮して燐酸アルカリ金属の第三塩を製造する方
法である。
【0012】湿式燐酸を用いる方法は、不純物を除去す
るためアルカリ金属の炭酸塩を加えてpH2まで中和
し、珪フッ化アルカリ金属、燐酸鉄、燐酸アルミニウム
の沈澱を生成させる。さらに炭酸カルシウム、硫化アル
カリ金属を加えて、硫酸カルシウム、重金属の硫化物の
沈澱を生成させる。これらの沈澱を濾過した濾液をさら
にpH5まで中和して生じた水晶石Na3 A1F6 、燐
酸鉄および燐酸アルミニウムの沈澱を濾過し、以後精製
燐酸と同じ方法で燐酸アルカリ金属塩を製造する方法で
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の燐酸アルカリ金属塩の製造方法は複雑多岐にわた
っており、多くの製造工程を要し、製造コストが高くつ
いている。一方、上記したように、燐鉱石は全量輸入に
依存していることならびに高品位燐鉱石が枯渇化傾向に
あるという背景もある。本発明は従来の技術の有するこ
のような問題点に鑑みてなされたものであってその目的
は、下水汚泥から燐資源を低コストで回収することがで
きる方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、下水汚泥炭化物中の燐をアルカリ金属水酸化
物を用いて抽出したのち濾過し、次いでこの抽出液から
晶出工程を経て燐酸アルカリ金属塩を製造する方法を第
一の発明とし、下水汚泥炭化物中の燐を酸を用いて抽出
したのち濾過し、この抽出液をアルカリ金属の水酸化物
または炭酸塩で中和し、次いでこの中和液を濾過し、さ
らにアルカリ金属水酸化物を用いて抽出した液を濾過
し、その後この抽出液から晶出工程を経て燐酸アルカリ
金属塩を製造する方法を第二の発明とする。
【0015】下水汚泥を乾燥した後に熱処理すると炭化
物を得る。この炭化物中には、その地域の土壌成分や処
理方法により異なるが、無機質総重量を100重量%と
すると、五酸化燐として20重量%以上の燐を含み、他
に珪素、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム
などの無機物の塩類を多く含んでいる。
【0016】これら塩類は水に可溶なアルカリ金属塩、
アルカリ土類塩を含み、汚泥炭化物を水洗、好ましくは
煮沸、濾過、水洗するとその一部、塩化物では6割以上
が水に溶出し除去される。
【0017】燐酸アルカリ金属塩を得るには汚泥炭化物
を上記のようにして煮沸等の処理を施した後、アルカリ
金属水酸化物溶液中で撹拌または浸漬あるいはアルカリ
金属水酸化物と共に溶融した後溶解すれば、燐酸アルカ
リ塩と共にアルミニウムおよび珪酸の一部も抽出され
る。アルカリ金属水酸化物が濃厚かつ多量であれば燐の
抽出率は増加するが、アルミニウム及び珪酸等の不純物
の抽出量も増え、また時には鉄も一部溶出する。例えば
過剰のアルカリ金属水酸化物で高温かつ長時間溶融した
後に溶解した場合は、アルミニウムのほぼ全量が溶出
し、精製が困難となる。効率よく燐酸アルカリ金属塩を
得るには、汚泥炭化物中の燐を燐酸アルカリ金属塩の第
3塩とする当量の0.8〜1.2倍と汚泥炭化物中のア
ルミニウムをアルミン酸アルカリ塩とする当量を合わせ
た量の2〜25重量%過剰になるようにアルカリ金属水
酸化物またはその水溶液を加え、撹拌又は浸漬あるいは
溶融した後溶解し、燐酸アルミニウムを析出しないpH
12以上の領域で抽出し、濾過等により燐酸アルカリ金
属塩溶液を分離する。
【0018】上述の燐酸アルカリ金属塩溶液を精製する
方法としては、図1に示すようなフローの操作を行うと
純度の高い燐酸アルカリ金属塩結晶を得ることができ
る。図1の「濃縮→濾過→結晶化→分離」は一
般的な結晶化による精製方法で、「濃縮→濾過→結晶化
→分離」の操作を繰り返し、分離した母液を抽出液と共
に濃縮することで回収率を向上することができる。母液
中には、不純物であるアルミニウム、珪素等が濃縮され
るが、加熱による濃縮工程()により珪酸の一部は珪
酸ゲルとして濾過工程()で分離される。また母液中
に濃縮されたアルミニウム等の不純物を除去するため
に、中和工程()、濾過工程()を行う。中和工程
()では、燐酸、燐酸アルカリ金属塩、重炭酸アルカ
リ金属、または炭酸ガスを用いて中和し、沈澱が析出し
なくなるまでそれらを加える。すなわち、PH12〜1
1迄中和すると沈澱が析出しはじめ、沈殿が析出しなく
なるPH10〜8まで中和し、アルミニウムおよび微量
のアルカリに可溶な金属をそれらの水酸化物、または燐
酸塩として、濾過工程()により分離する。分離した
母液は、濃縮工程()にもどすが、濃縮液中のアルカ
リ金属水酸化物が燐酸アルカリ金属塩の第三塩当量より
不足するとアルミニウム等のアルカリ溶解性の不純物が
析出し、燐酸アルカリ金属塩の結晶に混入するため、好
ましくは濃縮液中の燐酸を燐酸アルカリ金属塩の第三塩
とする当量と溶液中のアルミニウムをアルミン酸アルカ
リ塩とする当量を合わせた量の2〜20重量%過剰にな
るようにアルカリ金属水酸化物またはその水溶液を加え
る。
【0019】下水汚泥炭化物中の燐を酸で抽出して燐酸
アルカリ金属塩を得るために用いる酸は有機酸、無機酸
を間わず使用できるが、好ましくは抽出率が高くて安価
な、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、
次亜塩素酸およびこれらの混酸を用いる。
【0020】下水汚泥炭化物は多くの無機質を含むが、
中和に際して燐酸とpH2の酸性溶液から沈澱を生じ始
めるアルミニウム及び3価の鉄を多く含み、抽出された
燐酸のほとんど全量が中性領域で安定な燐酸アルミニウ
ム、及び燐酸第二鉄を含む沈澱となる。
【0021】酸抽出した溶液をアルカリ金属の水酸化物
または炭酸塩により中和し、燐酸塩および水酸化物とし
て沈澱させ、濾過等により可溶なアルカリ金属塩、アル
カリ土類塩、酸抽出に用いた酸などの成分を分離、水洗
した後、沈澱にアルカリ金属水酸化物またはその溶液を
沈澱中の燐酸を燐酸アルカリ金属の第3塩とする当量よ
りも過剰に加え、燐酸アルカリ塩の結晶を析出しない液
量・温度で燐酸アルミニウム沈澱を析出させないアルカ
リ性領域で撹拌または浸漬して燐酸アルカリ金属の第三
塩溶液として抽出後、濾過等により分離し図1のフロー
と同じ操作方法で燐酸アルカリ金属の第三塩結晶を得る
ことができる。
【0022】下水汚泥炭化物より燐を抽出する方法とし
ては、酸抽出した後、溶媒抽出法を用いて燐酸を得るこ
とができる。
【0023】上述の燐酸を得るには、汚泥炭化物中の燐
を燐酸、燐酸と硫酸または塩酸の混酸で酸抽出し、抽出
液をn−ブタノールまたはi−ブタノールを用いて溶媒
抽出し、汚泥炭化物中の燐と共に酸抽出された鉄、アル
ミニウム等の不純物を除去して燐酸を精製し、その一定
量の燐酸をさらに抽出に用いる循環方式により燐酸を製
造することができる。この方式によれば、抽出に使用す
る酸の総量を従来法(燐酸と硫酸または塩酸の混酸を使
用する方法)に比べて著しく少なくすることができる。
燐酸と硫酸または塩酸の混酸を用いることで酸抽出率は
向上するが、その使用量が極めて多く、また塩酸を用い
た場合は鉄、アルミニウム等の不純物の分離が悪く、抽
出後に硫酸等による溶媒中の不純物の洗浄が必要とな
る。
【0024】
【実施例、作用】以下に本発明の作用をその好ましい実
施例とともに以下に説明する。
【0025】「実施例1」下水汚泥として分流式都市下
水処理場の余剰汚泥を塩化第二鉄を凝集剤としてベルト
プレスで脱水した脱水ケーキを乾燥後、炭化炉で650
℃以下に温度を保って炭化し、強熱減量39.2重量
%、五酸化燐P2 5 として13.60重量%(燐酸P
4 として18.19重量%)の燐を含有する炭化物を
得た。以下の表1に汚泥炭化物100g中の燐、鉄、ア
ルミニウム、カルシウムの含有量(g)を示す。
【0026】
【表1】
【0027】この炭化物100gを直径1mm以下に粉砕
し、純水200mlに加え10分間煮沸した後水洗しな
がら吸引濾過した。水洗した汚泥炭化物を水酸化ナトリ
ウム15重量%溶液200mlに浸漬して10分間加熱
沸騰させたのち、ただちに吸引濾過し、さらに吸引しな
がら熱水で汚泥炭化物に付着した抽出液を洗浄しながら
吸引濾過し、300mlの抽出液を得た。この溶液を図
1のフローに従って150mlまで加熱濃縮し(工程
)、次いでただちに濾過し(工程)、濾液を撹拌し
ながら常温まで放冷し、結晶を析出させた(工程)。
この結晶の析出した溶液を吸引濾過して結晶と母液11
0mlに分離し(工程)、結晶を風乾(自然乾燥)し
て燐酸三ナトリウムの12水塩の結晶を46.2g得
た。この結晶の純度は98.9%であった。
【0028】上記母液110mlを上記と同じ方法で得
た抽出液300mlに加え、図1のフローと同様の操作
を行い、母液110mlと、結晶を風乾して燐酸三ナト
リウム12水塩の結晶53.9gを得た。この結晶の純
度は98.2%であった。
【0029】さらに、上述の母液110mlを撹拌しな
がら85%燐酸を3.2g加え、pH10.0まで中和
して不純物を沈澱させ、沈澱物を濾過して燐酸5.0g
含む母液110mlを得た。この母液110mlを上記
と同じ方法で得た抽出液300mlに加え、図1のフロ
ーと同様の操作を行い、母液100mlと、結晶を風乾
して燐酸三ナトリウム12水塩の結晶65.9gを得
た。この結晶の純度は98.1%であった。
【0030】上記実施例1の各工程の概略フローを図2
に示す。
【0031】「実施例2」実施例1と同じ汚泥炭化物1
00gを直径1mm以下に粉砕し、17.5重量%塩酸溶
液400mlに加え、30分間撹拌して燐を抽出した後
吸引濾過し、さらに100mlの純水で汚泥炭化物に付
着した抽出液を洗浄しながら吸引濾過して塩酸抽出液を
えた。
【0032】上記の塩酸抽出液に50重量%水酸化ナト
リウム158.3gを撹拌しながら加えて中和(pH
7.8)し、燐酸塩を含む沈澱物を得た。
【0033】この沈澱物を吸引濾過した後さらに500
mlの純水で可溶な不純物を洗浄しながら吸引濾過し、
沈澱物のケーキを得た。
【0034】このケーキを9.0重量%水酸化ナトリウ
ム溶液300m1に加えて撹拌し、ケーキを均一のスラ
リーにして10分間撹拌して燐を水酸化ナトリウム溶液
に抽出し、吸引濾過した後100mlの純水でケーキに
付着した抽出液を洗浄しながら吸引濾過し、400ml
の水酸化ナトリウムの抽出液を得た。上記の抽出液を図
1のフローに従って140mlまで加熱濃縮し(工程
)、次いでただちに濾過し(工程)、濾液を撹拌し
ながら常温まで放冷し、結晶を析出させた(工程)。
この結晶の析出した溶液を吸引濾過して結晶と母液90
mlに分離し(工程)、結晶を風乾して燐酸三ナトリ
ウムの12水塩の結晶を48.1g得た。
【0035】この結晶の純度は99.1%であった。
【0036】上記実施例2の各工程の概略フローを図3
に示す。
【0037】下水汚泥炭化物より燐を抽出する方法とし
て、汚泥炭化物中の燐を燐酸、燐酸と硫酸または塩酸の
混酸で酸抽出し、抽出液を溶媒抽出し、汚泥炭化物中の
燐と共に酸抽出された不純物を除去して燐酸を精製し、
その一定量の燐酸をさらに抽出に用いる循環方式により
燐酸を製造すれば、抽出に使用する酸の総量を従来法に
比べて著しく少なくすることができることを述べたが、
その具体的な方法としては、例えば以下の方法を採用す
ることができる。
【0038】実施例1の汚泥炭化物100gを直径1mm
以下に粉砕し、燐酸、燐酸と硫酸または塩酸の混酸を2
00g加え、常温で30分撹拌した後吸引濾過し、さら
に純水で汚泥炭化物に付着した酸抽出液を洗浄しながら
吸引濾過し、200mlの酸抽出溶液を得た。各酸濃度
において、汚泥炭化物100gから抽出した、燐、鉄、
アルミニウム、カルシウムの量(g)を以下の表2に示
す。
【0039】
【表2】
【0040】また、燐酸40重量%と硫酸10重量%の
混酸200gを用いて得た抽出液200ml(PO4
して95.16gを含む)から20mlを分液ロートに
分取し、溶媒としてn−ブタノール40ml及び抽出率
を向上させるため50重量%硫酸2mlを加え、30分
間激しく振とうして燐酸を抽出し、水相を別の分液ロー
トに移し、水相に残った燐酸をさらにn−ブタノール2
0mlを加えて30分間激しく振とうして抽出し、この
操作を8回繰り返してn−ブタノール約200mlを得
た。このn−ブタノールに純水50mlを加えて分液ロ
ートを30分間激しく振とうして水相(純水)に逆抽出
し、水相を分離した後さらに50mlの純水を加えて1
0分間激しく振とうし、溶媒相に残った燐酸を水相に逆
抽出し、この操作を5回繰り返して300mlの燐酸溶
液を得た。同様の溶媒抽出を10回繰り返して3000
mlの燐酸溶液を得、さらに180mlまで加熱濃縮し
て40重量%燐酸225gを得た。
【0041】またこの燐酸中の鉄、アルミニウムの含有
率は0.5重量%以下であった。
【0042】上述の操作により100gの汚泥炭化物の
燐から40重量%燐酸25gが得られた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、下水汚泥を利用して燐
資源を回収するという、全く新規な発想により、極めて
低コストで、しかも多くの工程を経ずに、高品位の燐酸
アルカリ金属塩を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燐酸アルカリ金属塩を精製する方法の概略フロ
ーを示す図である。
【図2】汚泥炭化物中の燐をアルカリ金属水酸化物を用
いて抽出する方法の概略フローを示す図である。
【図3】汚泥炭化物中の燐を酸を用いて抽出する方法の
概略フローを示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下水汚泥炭化物中の燐をアルカリ金属水
    酸化物を用いて抽出したのち濾過し、次いでこの抽出液
    から晶出工程を経て燐酸アルカリ金属塩を製造する方
    法。
  2. 【請求項2】 下水汚泥炭化物中の燐を酸を用いて抽出
    したのち濾過し、この抽出液をアルカリ金属の水酸化物
    または炭酸塩で中和し、次いでこの中和液を濾過し、さ
    らにアルカリ金属水酸化物を用いて抽出した液を濾過
    し、その後この抽出液から晶出工程を経て燐酸アルカリ
    金属塩を製造する方法。
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