JP2591445B2 - 光変調素子 - Google Patents

光変調素子

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JP2591445B2 JP5257404A JP25740493A JP2591445B2 JP 2591445 B2 JP2591445 B2 JP 2591445B2 JP 5257404 A JP5257404 A JP 5257404A JP 25740493 A JP25740493 A JP 25740493A JP 2591445 B2 JP2591445 B2 JP 2591445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光変調素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光の非干渉性を生かした高密度な情報処
理や情報伝達の実現のためには、二次元的に高密度に集
積できる光変調器あるいは光スイッチが求められる。
【0003】図5は、半導体量子井戸構造に電界を印加
したときの光吸収量の変化を利用した光変調器の一例で
ある。この光変調器については、1985年7月15日
発行の雑誌フィジカルレビューB「Physical
Review B」の1043−1060頁に掲載され
ている論文「Electric field depe
ndence of optical absorpt
ion near the band gap of
quantum−well structure」に詳
しく述べられている。具体的な構造としては、量子井戸
にガリウム・ヒ素(GaAs)、障壁層にアルミニウム
・ガリウム・ヒ素(AlGaAs)を用い、これを多数
集積した多重量子井戸構造とし、これをp形、及びn形
のAlGaAsではさみ、電圧を加えることによって量
子井戸に電界を印加できる構造である。同様に、量子井
戸にインジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs)、障
壁層にインジウム・リン(InP)あるいはインジウム
・アルミニウム・ヒ素(InAlAs)を用いることに
よって、光通信で用いられる1.55μmの波長で動作
する光変調素子が得られる。量子井戸構造の吸収スペク
トルが電界によって長波長側に移動する現象は量子閉じ
込めシュタルク効果として知られており、図6のような
関係を示す。図では量子井戸に形成される量子準位のう
ち量子の第1準位と重い正孔の第1の準位間の遷移に伴
う光吸収(以降、重い正孔の吸収と略す)及び、電子の
第1準位と軽い正孔の第一準位の遷移に伴った吸収(以
降、軽い正孔の吸収と略す)について示してある。電界
を印加しない時の吸収ピーク波長よりも少し長波長側に
入射光の波長を設定すると、電界印加しない時は吸収が
少なく、光は変調素子を透過するが、電界を印加すると
吸収ピークが入射光波長と一致し、大きな光吸収が起こ
り、光は透過しにくくなるため、光の変調動作が可能と
なる。
【0004】ところが、電界を印加して吸収ピークを長
波長側に移動させる際に、電子と正孔が空間的に分離す
ることによる吸収関数の低下も同時に起こってしまう。
図6の例では重い正孔の吸収が、軽い正孔のそれよりも
常に長波長側にあるため、光変調動作には重い正孔によ
る吸収のみが関与しており、吸収関数は電界によって一
様に減少する。そこで、図7に示す例では量子井戸層に
障壁層と異なる格子定数の半導体を用い、量子井戸層に
引っ張り歪みを加えることによって予め軽い正孔の吸収
端を重い正孔よりも長波長側に置き、電界を加えた状態
で軽い正孔と重い正孔の吸収を同じ波長で起こるように
してある。これにより、電界印加によて一様に減少して
いた吸収関数を重い正孔と軽い正孔両方の吸収を用いる
ことによって大きくしようとするものである。この光変
調素子の動作原理については、1992年6月発行の雑
誌アイイーイーイー ジャーナル オブ カンタム エ
レクトロニクス「IEEE Journal of Q
uantumElectronics」の1496−1
507頁に掲載の論文「Electroabsorpt
ion Enhancement in Tensil
e Strained Quantum Wells
via AbsorptionEdge Mergin
g」に詳しく述べられている。具体的な構造として量子
井戸層にインジウム組成0.49、ガリウム組成0.5
1のInGaAs層、障壁層にInPを用い、量子井戸
の幅を12.1nmとしたとき、52kV/cmの電界
を印加した状態で重い正孔と軽い正孔の吸収ピークが一
致する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一様に
引っ張り歪みを加えた場合には、重い正孔と軽い正孔の
遷移波長が重なる点は一点しか無く、重くなった状態で
は吸収関数は大きくなるが、動作波長と印加電界の両方
に対して厳密な設定が必要で、動作させられる条件の範
囲が狭い。
【0006】この発明の目的は、上記の欠点を無くし、
吸収係数が大きく、かつ動作範囲の広い光変調素子を提
供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光変調素子は、
アンドープの半導体薄膜を該半導体薄膜よりエネルギー
ギャップの大きなアンドープ層の半導体で挟んだ量子井
戸構造と該量子井戸構造に電界を印加するためのp型半
導体層及びn型半導体層によるpn接合構造が半導体基
板上に積層され、該pn接合構造には電圧印加のための
電極を有し、該量子井戸構造の量子井戸となる前記半導
体薄膜の格子定数を基板となる半導体の格子定数に対し
て小さいものから同等あるいは大きくなるように徐々に
変化させ、その変化の方向を前記p型半導体層側が最も
格子定数が小さく、前記n型半導体層に向かって大きく
なる方向とし、歪の変化量と前記量子井戸層厚を選択す
ることにより電界印加時の重い正孔バンドと軽い正孔の
吸収ピーク波長を一致させることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明では量子井戸層の半導体薄膜の格子定数
を積層方向に連続的に変化させ、歪の量を変化させた歪
量子井戸を形成する。価電子帯において軽い正孔と重い
正孔のバンド端のエネルギーは歪の無い状態では一致し
ているが、歪を加える歪の量に応じた分だけ両者は分離
し、引っ張り歪の場合、軽い正孔のバンド端が重い正孔
のそれよりも低エネルギー側、即ち、長波長側になり、
圧縮歪では逆に重い正孔が低エネルギー側になる。これ
により、連続的に歪の量を変化させればバンド端のエネ
ルギーに勾配をつけることができ、このとき、重い正孔
と軽い正孔とではその勾配が逆になる。
【0009】この歪量子井戸をpn接合の中に形成し、
逆方向電圧を印加することにより歪量子井戸に電界を印
加する。量子井戸の引っ張り歪みの量をp形半導体の側
から連続的に減らししていく構造にすれば、上に述べた
歪による効果で軽い正孔のバンド端は電界と同じ方向に
傾き、重い正孔のバンド端はそれと逆方向に傾く。量子
閉じ込めシュタルク効果に基づく電界効果による吸収ピ
ークの移動量は重い正孔の方が軽い正孔よりも大きい
が、歪によるバンドの傾きによって、重い正孔は電界の
効果が弱められ、吸収ピークの移動量は小さく、逆に軽
い正孔は電界効果が増強され、吸収ピークの移動量が大
きくなる。よって、歪の変化量と量子井戸層厚を選ぶこ
とによって電界印加時の重い正孔と軽い正孔の吸収ピー
ク波長を一致させ、かつ、電界の広い範囲で、両者の吸
収ピークの移動量をほぼ等しく保ことが可能になる。
【0010】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0011】実際の光吸収においては電子と正孔の準位
間のエネルギーより数meV程度低いエネルギーで励起
子を介した光吸収が起こるが、本実施例ではその効果を
除いて、準位間の吸収として説明する。
【0012】図1は本発明の光変調素子の一実施例であ
る。
【0013】n形半導体基板10の上にn形半導体層1
1、アンドープの歪量子井戸構造12、p形半導体層1
3、及び、電極とのオーミックコンタクトのためのp形
半導体層14を積層し、基板裏面にカソード電極21、
p形半導体層14の上にアノード電極22を形成してい
る。アノード及びカソード電極には、光を通すための窓
が開けてある。本実施例で各層に用いる半導体として
は、基板10はInP、n形半導体層11及びp形半導
体層13は、歪量子井戸構造の動作波長、即ち、量子井
戸の材料よりもエネルギーギャップの大きなInGaA
lAs系あるいはInGaAsP系の半導体とする。
【0014】図2は図1の歪量子井戸構造部分12の構
造を示す一実施例で、電界が印加されていない状態のエ
ネルギーバンド図で示している。障壁層はInP30
で、量子井戸層31はInGaAsのIn組成を0.5
3から0.40に連続的に変化させ、歪の量を連続的に
変えている。井戸幅は8.4nmである。図3は図2の
歪量子井戸構造のエネルギーバンド図を80kV/cm
の電界が印加された状態について示している。図4は量
子井戸に電界を印加した時の重い正孔と軽い正孔による
吸収ピーク波長の変化を示しているが、両者は電界の範
囲が60kV/cmから100kV/cm程度の広い範
囲でほぼ一致して同じ電界依存性を示す。
【0015】尚、図1に示した実施例において歪量子井
戸構造の障壁層の材料はInPの他に、InGaAsよ
りもエネルギーギャップの大きな材料、例えばInAl
GaAsやInGaAsPとすることも可能である。ま
た、歪量子井戸構造の部分を同様な格子定数の変化をも
たせたInGaAspあるはInGaAlAsとするこ
とにより、1.3μmの波長で動作さることもできる。
【0016】
【発明の効果】本発明の光変調素子によって、吸収量が
大きく、動作範囲の広い光変調素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光変調素子の一実施例を説明するため
の図。
【図2】本発明の図1の実施例の歪量子井戸構造のエネ
ルギーバンド図。
【図3】歪量子井戸構造に電界を印加した場合のエネル
ギーバンド図。
【図4】図1の光変調素子の光吸収を示す図。
【図5】光変調素子の従来例を説明するための図。
【図6】光変調素子の従来例を説明するための図。
【図7】光変調素子の従来例を説明するための図。
【符号の説明】
10 半導体基板 11 n形半導体層 12 歪量子井戸構造 13 p形半導体層 14 p形半導体コンタクト層 21 カソード電極 22 アノード電極 30 InP障壁層 31 InGaAs歪量子井戸層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンドープの半導体薄膜を該半導体薄膜
    よりエネルギーギャップの大きなアンドープ層の半導体
    で挟んだ量子井戸構造と該量子井戸構造に電界を印加す
    るためのp型半導体層及びn型半導体層によるpn接合
    構造が半導体基板上に積層され、該pn接合構造には電
    圧印加のための電極を有し、該量子井戸構造の量子井戸
    となる前記半導体薄膜の格子定数を基板となる半導体の
    格子定数に対して小さいものから同等あるいは大きくな
    るように徐々に変化させ、その変化の方向を前記p型半
    導体層側が最も格子定数が小さく、前記n型半導体層に
    向かって大きくなる方向とし、歪の変化量と前記量子井
    戸層厚を選択することにより電界印加時の重い正孔バン
    ドと軽い正孔の吸収ピーク波長を一致させることを特徴
    とする光変調素子。
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JPH0682852A (ja) * 1992-08-31 1994-03-25 Fujitsu Ltd 半導体装置
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