JP2590532B2 - 高密着性熱線反射ガラス - Google Patents

高密着性熱線反射ガラス

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    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車用又は建築用に適する高密着性熱線反
射ガラスに関する。
[従来の技術] 従来、CrやTiなどの遷移金属の金属層が形成されたガ
ラスは、可視スペクトル帯域で低い透過率を有すると同
時に、太陽光スペクトルもその大部分を遮断するのでソ
ーラーコントロールパネルと称され、熱線反射の目的
で、建築物の窓ガラスや自動車のサンルーフに使用され
てきた。しかし、これらの金属膜は耐久性、特に耐擦傷
性が十分でなく、又、色調の変化も乏しかった。
かかる金属膜の代替材料として、窒化チタン、窒化ジ
ルコニム、窒化タンタル、窒化クロムなどの窒化物が知
られている。かかる窒化物膜は、電気抵抗が比較的低
く、通常の金属膜並の赤外線反射特性を有するととも
に、高い硬度を有し、さらに、化学的耐久性にも優れて
いる。又、光沢のある独特の色を呈しているため、ステ
ンレス等に金属表面に被覆され、超硬材料、装飾物等に
も利用されている。
又、これらの窒化物に硼素を添加した硼窒化物も、電
気抵抗は多少高いが、純粋な窒化物とは異なった色調を
有するので、やはり装飾物等に利用されている。
[発明が解決しようとする課題] 一般に、窒化物膜は内部応力が高いことが知られてい
るが、上述の窒化物や硼窒化物は、チタン、ジルコニウ
ム、タンタル、クロムなどの金属原子がつくるマトリッ
クス中に窒素や硼素が侵入した侵入型化合物であるの
で、かかる窒化物膜又は硼窒化物膜を金属上に形成した
場合の、窒化物膜又は硼窒化物膜と金属との間の密着性
は比較的良好である。
しかしながら、かかる窒化物膜又は硼窒化物膜をガラ
ス基板上に形成した場合、金属上に形成する場合と比べ
て、かかる膜とガラス基板との密着性が悪く、熱線反射
ガラスとして実際に使用する際には耐擦傷性が十分でな
く、膜はがれを起こしやすいという問題点があった。
又、ガラス基板と窒化物膜又は硼窒化物膜との間に酸
化物膜などのバインダー層を挿入して、かかる膜のガラ
ス基板への付着力の向上を図る方法も研究されている
が、ガラス基板に直接窒化物膜又は硼窒化物膜を高密着
力をもって形成する方法は見出されていなかった。
このため、これらの窒化物膜又は硼窒化物膜は、熱線
反射膜としては比較的優れた特性を有しているのに、金
属基材に対してしか利用できず、ガラス上に直接形成し
にくいため、実際に熱線反射ガラスとして実用化される
範囲を狭めていた。
[課題を解決するための手段] 本発明は前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、ガラス基板上に、下地膜と、窒化物膜又は硼窒化物
膜とがこの順に形成された熱線反射ガラスにおいて、高
エネルギーのイオン注入により下地膜とガラス基板の境
界付近に混合層が設けられてなる高密着性熱線反射ガラ
スを提供するものである。
第1図は、本発明の高密着性熱線反射ガラスの製造方
法の手順を示したものであり、(a)はガラス基板1に
下地膜2を形成する第1段階、(b)は下地膜2面に高
エネルギーのイオン3を注入する第2段階、(c)はイ
オン注入された膜表面に窒化物膜又は硼窒化物膜4を形
成する第3段階を示す。
本発明において下地膜2を形成するガラス基板1は特
に限定されるものではなく、使用目的に応じてソーダラ
イムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、硼
珪酸塩ガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、石
英ガラスなどが使用できる。
又、下地膜2としては、使用目的に応じて、Ti,Zr,T
a,Cr,Hf,Nb,Al,Mo,Ni,Fe,Coなどの金属単体、もしくは
これらの少なくとも一種の金属元素を含む合金、又は窒
化物、硼化物、炭化物、酸化物などの化合物、又は、窒
素、硼素、炭素、酸素の少なくとも2種を含む多元化合
物、例えば、炭化硼化物、窒化硼化物など、あるいは上
記各種物質の複合膜などが使用可能である。本発明にお
いて、高エネルギーのイオンを注入された下地膜上に熱
線反射膜として形成される窒化物膜又は硼窒化物膜4と
の関連を考慮すると、下地膜2は、窒化物膜又は硼窒化
物膜4と共通の成分を少なくとも1つ以上含有している
ことが望ましい。なぜならば、下地膜2と窒化物膜又は
硼窒化物膜4とが共通の成分を有していれば、実質的に
同種の膜が2層形成されている状態に近くなり、膜相互
の密着性が上がる為と考えられる。特に、窒化物膜又は
硼窒化物膜4としてチタン、ジルコニウム、タンタル、
クロム又はこれらの混合物の窒化物膜又は硼窒化物膜を
採用する場合には、下地膜2は、それぞれ、チタン、ジ
ルコニウム、タンタル、クロムの金属膜、又はこれらの
合金の金属膜が好ましい。
下地膜2の膜厚は、30〜200Å、好ましくは30〜100
Å、特に、30〜50Åであることが好ましい。薄すぎる
と、下地膜としての役割を果たさなくなるし、厚すぎる
と、下地膜表面からガラス基板との界面までの距離が長
くなり、注入するイオンが、ガラス基板との界面に達し
て混合層を形成できるようにする為には非常に高エネル
ギーのイオンを注入しなければならず、その為には大が
かりなイオン注入装置が必要となってしまうからであ
る。
本発明において、下地膜の作成方法は特に限定される
ものではないが、膜厚制御の容易さを考慮すると、スパ
ッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法な
どの物理蒸着法が望ましい。
第2段階として下地膜2の上から注入される高エネル
ギーイオン3としては、アルゴン、窒素、酸素などの気
体のイオンや、金属を蒸発させて得られる金属原子イオ
ンなどが使用可能であるが、アルゴンイオン、窒素イオ
ン、酸素イオンが、イオン作成が容易なため、好まし
い。中でも、本発明の第3段階において熱線反射膜とし
て窒化物膜又は硼窒化物膜が下地膜2の上に形成される
ことを考慮すると、特に窒素イオンが好ましい。又、窒
素イオンには、大きく分けて単原子イオン(N+)と分子
イオン(N2 +)の2種類が存在するが、どちらを使用し
ても良い。
本発明において、ガラス基板1上に形成された下地膜
2に注入するイオンのエネルギーは下地膜2の膜厚によ
って変える必要がある。イオンのもぐりこみ深さは、イ
オンのエネルギーに依存するので、イオンが下地膜とガ
ラス基板の境界近傍に到達するように、下地膜の膜厚に
応じて打込むイオンのエネルギーを選択しなければなら
ない。本発明においては、打込むイオンのエネルギーは
30KeV以下、好ましくは5〜20KeV、特に10〜15KeVが望
ましい。これ未満のエネルギーではイオンのもぐりこみ
が小さくなり、下地膜のスパッタ効果が大きくなる為で
あり、又、これを超えるエネルギーのイオンを注入しよ
うとするとイオンガンのコストも高くなるためである。
注入するイオンの量の上限としては、1.0×1017ions/
cm2、好ましくは5.0×1016ions/cm2以下、特に好ましく
は3.0×1016ions/cm2以下であることが望ましい。これ
より多くしようとすると、不純物が混入する割合が多く
なり、イオン打込み処理時間も長くなるとともに、下地
膜そのものの変質が著しくなり好ましくない。又、注入
するイオンの量の下限としては1.0×1015ions/cm2以上
であることが好ましい。これより少ないと、充分なミキ
シング効果が得られないので好ましくない。
高エネルギーのイオンを注入する方法としては、原子
をイオン化し、上述のエネルギーのイオンを提供できる
ものであれば、特に限定されるものではないが、イオン
ガンを使用するのが一般的である。高エネルギーイオン
注入時の真空度は、該注入イオンの散乱を防止する為
に、10-5torr台以下が好ましい。
高エネルギーを注入した下地膜2の上に、熱線反射膜
として形成される窒化物膜又は硼窒化物膜4としては、
熱線反射性能や耐久性を考慮すると、特に、チタン、ジ
ルコニウム、タンタル、クロムのうち少なくとも1種の
金属元素を含む窒化物膜又は硼窒化物膜が望ましい。
かかる窒化物膜又は硼窒化物膜4の膜厚は、必要な熱
線反射性能や、内部応力等を考慮すると、50Å〜1000Å
が好ましい。
かかる窒化物膜や硼窒化物膜4を形成する方法として
は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法、アーク蒸着法などの物理蒸着法が好ましいが、
特に限定されるものではなく、化学的手法であるCVD法
等を用いてもよい。
下地膜2にイオン注入した後で窒化物膜又は硼窒化物
膜4を形成するが、下地膜2と窒化物膜又は硼窒化物膜
4の付着力を十分強くする為には、下地膜形成工程、イ
オン注入工程、窒化物膜又は硼窒化物膜形成工程の3つ
の工程を、真空を破ることなく、同一真空装置内、即
ち、オンライン型の真空装置内で連続処理すると、より
高品質の高密着性熱線反射ガラスが製造できるので好ま
しい。下地膜を形成した後、あるいはイオン注入を施し
た後で基体を大気にさらすと、空気中の水分や油脂分が
付着し、付着力を低下させる原因となるからである。
さらに、窒化物膜又は硼窒化物膜4の上に、酸化物膜
等の保護層又はその他色調調整膜など各種機能層を設け
ても良い。かかる保護層又は機能層としては、窒化物膜
又は硼窒化物膜と少なくとも1つ以上の共通の成分を含
有することが特に好ましい。
[作用] 本発明は、イオンビームミキシングを利用している。
ある運動エネルギーを持ったイオンが固体に照射された
場合、そのエネルギーが低い場合は主にスパッタリング
現象が起こる。しかしながら、そのエネルギーが本発明
で提案した程度であるとイオンは固体中に侵入し、固体
中でイオンは原子と繰り返し衝突をし、最後には、イオ
ンはそのエネルギーのすべてを失い、固体中で静止す
る。この現象はLSS理論(K.Dan.Videsk.Selsk.Mat−Fy
s.Medd.33(1963))によって説明できる。またイオン
が固体中の原子と衝突する際その原子も散乱され、これ
が繰り返されていわゆるカスケード衝突が起こる。そし
てこのカスケード衝突が、下地膜とガラス基板の界面付
近で生ずる様に注入するエネルギーを調整すれば、そこ
で原子のミキシングが起こり、混合層が形成される。そ
の結果、下地膜とガラス基板の境界が、乱れたはっきり
しない状態となり、付着力の低下を大幅に防止できると
考えられる。
高密着性熱線反射ガラスとして、下地膜を設けない
で、ガラス基板上に熱線反射膜として窒化物膜又は硼窒
化物膜を作成した後、イオン注入を行なって、熱線反射
膜とガラス基板との付着力を向上させた高密着性熱線反
射ガラスも考えられる。しかしながら、この場合、注入
されたイオンが熱線反射膜中を通過することとなる為、
熱線反射膜に損傷を与える恐れがある。
そこで本発明においては、窒化物膜又は硼窒化物膜上
にイオン注入するのではなく、かかる熱線反射膜を作成
する前に下地膜を形成し、該下地膜の上からイオン注入
することによって下地膜を強固にガラス基板と密着さ
せ、その上から、上記熱線反射膜を形成することによっ
て、高耐久性熱線反射ガラスを提供するものである。か
かる熱線反射膜と下地膜との密着性は、かかる熱線反射
膜とガラス基板との密着性に比べて十分良好であり、特
に、下地膜が熱線反射膜と共通の成分を有している場合
には、下地膜と熱線反射膜との組成の連続性も得られ、
大変良好な密着性が得られる。特に、注入イオンとして
窒素イオンを用いる場合には、下地膜とガラス基板との
間でミキシングが起こると同時に、下地膜自体もある程
度窒化される為、その上に形成される窒化物膜又は硼窒
化物膜との密着性はより強固になると考えられる。
さらに、単に下地膜とガラス基板との間でミキシング
を起こすだけであればアルゴンなどの不活性ガスのイオ
ンを注入すれば十分であるが、窒素イオンを注入する場
合には、ミキシングが起こり混合層が形成されるだけで
なく、該混合層内で窒素が化学的な結合を作り、窒化物
が形成される為ガラス基板と下地膜との密着性もさらに
向上すると考えられる。
又、本発明の熱線反射ガラスにおいては、上述のよう
に、下地膜の上からイオンを注入して下地膜とガラス基
板との間に混合層を形成することで熱線反射膜のガラス
基板への付着力を向上させているため、熱線反射ガラス
製造時にガラス基板を特に加熱することなく、十分強い
付着力で窒化物膜又は硼窒化物膜を形成することができ
る。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 バケット型のイオン注入装置を備え付けたマグネトロ
ンD.C.スパッタ装置の陰極上に金属Tiターゲットをセッ
トした。次に2mm厚のソーダライムガラス基板を、炭酸
カルシウム粉末研磨、流水すすぎ、エタノールすすぎ、
N2乾燥の手順で洗浄した後、上記スパッタ装置の真空槽
内に入れ、油拡散ポンプで4.0×10-6Torr以下まで排気
した。2.2×10-3TorrのAr雰囲気中で金属Tiターゲット
に2.6W/cm2のパワーを印加し、金属チタン膜(50Å)を
形成した。次に、該金属チタン膜上に、エネルギー10Ke
V、イオン注入量8.6×1015ions/cm2の条件で窒素イオン
を注入した。この時の真空度は3.2×10-5Torrであっ
た。イオン注入量はイオン電流密度をファラデーカップ
で測定して調整した。最後に全圧が2.2×10-3TorrのAr:
N2=9.1の混合ガス雰囲気中でTiターゲットに2.6W/cm2
のパワーを印加し、窒化チタン膜(400Å)を製膜し
た。
このようにして作製した熱線反射ガラスを大気中に取
り出し、2mm角の部分にハンダをつけて引張強度試験を
行なったところ、1.3kgで破壊した。破断面はガラス基
板に生じており、ガラス基板から破壊されていることが
確認できた。熱線反射膜は剥離していなかった。
実施例2 実施例1と同様のマグネトロンD.C.スパッタ装置の陰
極上にZr:B=7:3の組成を有する硼化ジルコニウムター
ゲットをセットした。実施例1と同様の手順で2mm厚の
ソーダライムガラス基板を洗浄した後、上記スパッタ装
置の真空槽内に入れ、2.1×10-3TorrのAr雰囲気中で硼
化ジルコニウムターゲットに1.6W/cm2のパワーを印加
し、ジルコニウム硼素膜(70Å)を形成した。次に該ジ
ルコニウム硼素膜上に、エネルギー15KeV、イオン注入
量1.0×1016ions/cm2の条件で窒素イオンを注入した。
この時の真空度は3.0×10-5Torrであった。イオン注入
量はイオン電流密度をファラデーカップで測定して調整
した。最後に全圧が1.8×10-3TorrのAr:N2=88:12の混
合ガス雰囲気中で硼化ジルコニムターゲットに2.6W/cm2
のパワーを印加し、ジルコニウム硼窒化物膜(600Å)
を製膜した。
このようにして作製した熱線反射ガラスを大気中に取
り出し、実施例1と同様の引張強度試験を行なったとこ
ろ、1.69kgで破壊した。破断面はガラス基板に生じてお
り、熱線反射膜は剥離していなかった。
実施例3 バケット型のイオン注入装置を備え付けたマグネトロ
ンD.C.スパッタ装置の陰極上に金属Crターゲットをセッ
トした。次に2mm厚のソーダライムガラス基板を、炭酸
カルシウム粉末研磨、流水すすぎ、エタノールすすぎ、
N2乾燥の手順で洗浄した後、上記スパッタ装置の真空槽
内に入れ、油拡散ポンプで4.0×10-6Torr以下まで排気
した。2.2×10-3TorrのAr雰囲気中で金属Crターゲット
に2.4W/cm2のパワーを印加し、金属クロム膜(50Å)を
形成した。次に、該金属クロム膜上に、エネルギー10Ke
V、イオン注入量7.5×1015ions/cm2の条件で窒素イオン
を注入した。この時の真空度は3.2×10-5Torrであっ
た。イオン注入量はイオン電流密度をファラデーカップ
で測定して調整した。最後に全圧が2.2×10-3TorrのAr:
N2=9:1の混合ガス雰囲気中でCrターゲットに2.6W/cm2
のパワーを印加し、窒化クロム膜(400Å)を製膜し
た。
このようにして作製した熱線反射ガラスを大気中に取
り出し、2mm角の部分にハンダをつけて引張強度試験を
行なったところ、1.1kgで破壊した。破断面はガラス基
板に生じており、ガラス基板から破壊されていることが
確認できた。熱線反射膜は剥離していなかった。
比較例 実施例1と同様のマグネトロンD.C.スパッタ装置の陰
極上に金属Tiターゲットをセットした。実施例1と同様
の手順で2mm厚のソーダライムガラス基板を洗浄した
後、上記スパッタ装置の真空槽内に入れ、4.0×10-6Tor
r以下まで排気した。次に、全圧が2.2×10-3TorrのAr:N
2=9:1の混合ガス雰囲気中でTiターゲットに2.6W/cm2
パワーを印加し、窒化チタン膜(400Å)を製膜した。
このようにして作製した熱線反射ガラスを大気中に取
り出し、実施例1と同様の引張強度試験を行なったとこ
ろ、0.69kgで破壊した。熱線反射膜の剥離が認められ、
破断面はガラス基板には生じていなかった。
[効果] 本発明の熱線反射ガラスは、内部応力の大きな窒化物
膜又は硼窒化物膜の熱線反射膜が十分強い付着力でガラ
ス基板に密着したものであり、かかる熱線反射膜が膜は
がれを起こすことなく、耐擦傷性も大変優れている。従
って、自動車用や建築用などの用途に、合わせガラス化
又は複層ガラス化することなく、単板の熱線反射ガラス
として広く利用することができる。
又、本発明においては、まず下地膜を形成し、この下
地膜にイオン注入を行なうことによりガラス基板への付
着力を高めているので、熱線反射性能を司る窒化物膜又
は硼窒化物膜自体のイオン注入過程による損傷のない高
密着性熱線反射ガラスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高密着性熱線反射ガラスの各製造工程
におけるガラス基板の断面図により本発明の高密着性熱
線反射ガラスの製造方法を示す説明図である。1はガラ
ス基板、2は下地膜、3は高エネルギーイオン、4は窒
化物膜又は硼窒化物膜を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/06 C23C 14/06 P

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に、下地膜と、窒化物膜又は
    硼窒化物膜とがこの順に形成された熱線反射ガラスにお
    いて、高エネルギーのイオン注入により下地膜とガラス
    基板の境界付近に混合層が設けられてなる高密着性熱線
    反射ガラス。
JP63138404A 1988-06-07 1988-06-07 高密着性熱線反射ガラス Expired - Lifetime JP2590532B2 (ja)

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