JP2590185Y2 - ライター形クラッカー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、各種パーティや催会
における演出効果の１つとして用いられるもので、引紐
の引張り操作により火薬体を爆発させて、その爆発力に
より収納されている小巻きテープや連鎖国旗等の噴出物
を爆音とともに空中に発射させるようになされたクラッ
カーに関するもので、特に、引紐を直接に引張り操作す
るのでなく、この引紐に連結した操作体に押圧力を加え
ることで爆発させるようになしたライター形クラッカー
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のクラッカーとして、従来から一
般的に知られているものに、掌で把持できる程度の大き
さの円錐形等で、その前端部が開口した筒体内に、該筒
体から導出された引紐の引張り操作により爆発される火
薬体と、この火薬体の爆発力にともない上記前端開口部
を閉塞する蓋体を離脱させて、前方に発射される小巻き
テープや連鎖国旗等の噴出物とを収納してなる小形のク
ラッカーがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記した従来のクラッ
カーの場合は、片手で筒体を握持した上、もう一方の手
指で引紐を握りしめて、該引紐を強く引張り操作すると
いったように、爆発操作に両手を使わなければならない
という不便さがある。また、多くのクラッカーをビニー
ル袋に包装して店頭に陳列等している際に、ビニール袋
の外面からの悪戯によって爆発する場合があり、このよ
うな流通過程における悪戯あるいは引紐が他物に引っ掛
かるなどして不測に爆発しないようにするために、引紐
の端部分を筒体の外周面にテープなどで止着するなどの
安全対策が施されているが、安全性の面で未だ十分なも
のでなかった。

【０００４】この考案は上記のような実情に鑑みてなさ
れたもので、片手操作により便利に爆発させることがで
きるのはもとより、陳列時および片手操作による爆発時
の安全性を十分に確保することができるライター形クラ
ッカーを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案に係るライター形クラッカーは、筒状体内
に該筒状体の軸線方向の一端部から外方へ向けて導出さ
れた引紐の引張り操作により爆発される火薬体およびこ
の火薬体の爆発力にともない上記筒状体の前端開口部か
ら前方に向けて発射される噴出物を収納してなるクラッ
カー本体と、このクラッカー本体における上記引紐の端
部が連結されて上記筒状体に外周面に沿った姿勢に配置
された爆発用押圧操作体と、掌で把持可能な大きさに形
成され上記クラッカー本体を固定保持し、かつ上記爆発
用押圧操作体を引紐の引張り方向へ相対的に移動可能に
保持して被包する簡易組立式の外装体とを備え、上記ク
ラッカー本体における筒状体と上記爆発用押圧操作体と
の間には、上記筒状体の前端開口部よりも外方に突出す
る安全用仕切板がクラッカー本体側に固定して設けられ
ているとともに、上記爆発用押圧操作体と外装体との間
には、両者の相対移動による爆発を規制する爆発規制具
が規制解除可能に設けられているものである。

【０００６】上記安全用仕切板がクラッカー本体におけ
る筒状体に固定され、この安全用仕切板に形成した突片
を外装体に形成した孔に係合させることで、該安全用仕
切板をクラッカー本体の外装体に対する固定用板に兼用
させる構成とすることが好ましい。

【０００７】また、上記爆発規制具としては、上記爆発
用押圧操作体および外装体を爆発用押圧操作体の押圧移
動方向に対して直交する方向に貫通するピン状体から構
成されていることが望ましい。

【０００８】

【作用】この考案によれば、通常は爆発規制具によって
爆発用押圧操作体と外装体との相対移動が規制されてお
り、包装状態での店頭陳列時や流通過程などで不測に爆
発することがなく、安全性が確保されている。そして、
実際の使用時には、上記爆発規制具による規制を解除し
た上で、外装体を片手の掌で把持し、その把持した手の
親指を爆発用押圧操作体に当てて該親指に押圧力を加え
るといった通常のライターにおける点火操作と同様な簡
単な操作により、爆発用押圧操作体が外装体およびクラ
ッカー本体に対して相対移動されて引紐が間接的に引張
り操作されることになって、クラッカー本体内の火薬体
が爆発され、その爆発力によってクラッカー本体の筒状
体の前端開口部から前方に向けて噴出物が発射される。
ここで、上記クラッカー本体における筒状体と上記爆発
用押圧操作体との間には、上記筒状体の前端開口部より
も外方に突出する安全用仕切板が存在しているので、親
指が開口部近くに位置するものであっても、爆発にとも
なって前方へ噴出される噴出物や衝撃波が手指に直接作
用することが防止され、爆発時の安全性も確保すること
が可能である。

【０００９】特に、安全用仕切板をクラッカー本体の外
装体に対する固定用板に兼用させる構成とすれば、構成
部材数をできるだけ少なくして、安価に構成しやすい。

【００１０】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図面にもとづい
て説明する。図１はこの考案の一実施例によるライター
形クラッカー全体の外観斜視図、図２はその側面図、図
３はその平面図であり、このライター形クラッカーは、
大別して、クラッカー本体１と、爆発用押圧操作体２
と、これらクラッカー本体１および爆発用押圧操作体２
とを被包する紙製の簡易組立式外装体３とからなり、全
体がライター形に組付けられている。

【００１１】上記クラッカー本体１は、図４に示すよう
に、前端部が開口し、その開口部を閉塞する蓋部４が設
けられた截頭円錐形状の樹脂製筒状体５内に受圧板６が
設けられ、この受圧板６と上記蓋部４との間の筒状体５
内に、この筒状体５の軸線方向の一端部から外方へ向け
て導出された引紐７の引張り操作により爆発される火薬
体８と、この火薬体８の爆発力にともない上記蓋部４を
離脱開放させて、上記受圧板６とともに前方に向けて発
射される小巻きテープなどの噴出物９とを収納してな
る。また、上記爆発用押圧操作体２は、同じく図４に示
すように、厚板紙を折曲して略角筒状に加工された操作
体本体１０と、この操作体本体１０の上端部に一体に折
曲連設された押圧用指当部１１とからなり、上記操作体
本体１０の下端部に上記クラッカー本体１における引紐
７の端部を結節などして連結することにより、該爆発用
押圧操作体２が上記クラッカー本体１における筒状体５
の外周面に沿った姿勢に配置されている。

【００１２】上記簡易組立式の外装体３は、図５に示す
ように、上記クラッカー本体１および爆発用押圧操作体
２の外周を取り巻くように扁平筒状に巻回して、その両
端縁部１２ａ，１２ａが接着される厚板紙製の巻着部１
２と、この巻着部１２の底部近くに形成したスリット孔
１３に差込み可能な差込舌片１４を有するフラップ部１
５とが一枚の厚板紙から打抜き形成され、上記巻着部１
２を扁平筒状に巻回するとともに、差込舌片１４をスリ
ット孔１３に差込んだ上、巻着部１２の両端縁部１２
ａ，１２ａを接着することにより、上記クラッカー本体
１および爆発用押圧操作体２を被包するように簡易組立
可能に構成されており、その組立状態において、掌で把
持可能な大きさに形成されている。

【００１３】上記クラッカー本体１における筒状体５の
外周面で、上記爆発用押圧操作体２が配置される側の外
周面部分には、上記筒状体５の前端開口部よりも外方に
突出する大きさの長方形状の安全用仕切板１６が固着さ
れている。この安全用仕切板１６の左右両側辺の略中央
部には突片１７，１７が形成されており、上記外装体３
を組立てて上記クラッカー本体１および爆発用押圧操作
体２を被包する時に、該外装体３の上記巻着部１２に形
成している孔１８，１８に上記突片１７，１７を係合さ
せることにより、安全用仕切板１６がクラッカー本体１
を外装体３に固定保持するための固定用板に兼用される
一方、上記爆発用押圧操作体２は外装体３に対して引紐
７の引張り方向に相対的に移動可能に保持されている。

【００１４】そして、上記外装体３の巻着部１２および
上記爆発用押圧操作体２の操作体本体１０それぞれに
は、その押圧移動方向に対して直交する方向に貫通する
ピン孔１８，１９が設けられており、これらピン孔１
８，１９に側方から挿通されたピン状体２０をもって、
上記爆発用押圧操作体２と外装体３との相対移動による
爆発を規制する爆発規制具が規制解除可能に構成されて
いる。

【００１５】上記のように構成されたライター形クラッ
カーにおいては、通常は爆発規制具であるピン状体２０
がピン孔１８，１９に貫通されているので、爆発用押圧
操作体２と外装体３との相対移動が規制されており、ビ
ニール袋に包装して店頭に陳列している時に袋の外面か
らの悪戯やその他の流通過程などで爆発用押圧操作体２
に不用意に押圧力が作用しても、不測に爆発することが
なく、安全性が確保されている。

【００１６】そして、実際に使用する時には、上記ピン
状体２０を側方へ抜き出して爆発規制を解除した上で、
外装体３を片手の掌で把持し、その把持した手の親指を
爆発用押圧操作体２の押圧用指当部１１に当てて該親指
に押圧力を加えるといった通常のライターにおける点火
操作と同様に操作することにより、爆発用押圧操作体２
が外装体３およびクラッカー本体１に対して相対移動さ
れて引紐７が間接的に引張り操作されることになって、
クラッカー本体１内の火薬体８が爆発され、その爆発力
によってクラッカー本体１における筒状体５の蓋部４が
離脱開放され、その開口部から受圧板６とともに小巻き
テープなどの噴出物９が前方に向けて発射される。

【００１７】このような爆発時において、上記クラッカ
ー本体１における筒状体５と上記爆発用押圧操作体２の
押圧用指当部１１との間には、上記筒状体５の前端開口
部よりも外方に突出する安全用仕切板１６が存在してい
るので、親指が開口部近くに位置するものであっても、
爆発にともなって前方へ噴出される噴出物９や衝撃波が
手指に直接作用することが防止され、爆発時の安全性を
確保することが可能である。

【００１８】図６および図７は、この考案に係るライタ
ー形クラッカーの他の実施例を示す要部の外観斜視図お
よび要部の正面図であり、上記実施例と相違する点は、
爆発規制具として、ピン状体２０に代えて、上記爆発用
押圧操作体２の押圧用指当部１１と外装体３における巻
着部１２の上縁部１２ｂとの間に、略Ｕ字形状の規制具
２１を側方から挿抜自在に介在させた点であり、その他
の構成は上記実施例と同一であるため、該当部分に同一
の符号を付して、それらの詳しい説明を省略する。ま
た、この実施例の場合の動作も上記実施例と同一であ
る。

【００１９】なお、上記実施例においては、安全用仕切
板１６がクラッカー本体１を外装体３に固定保持するた
めの固定用板に兼用される構成について説明したが、両
者を別々の構成としてもよい。

【００２０】

【考案の効果】以上のように、この考案によれば、流通
過程などの非使用時には爆発規制具によって爆発用押圧
操作体と外装体との相対移動が規制されているので、流
通過程などでの不測の爆発がなく、また、ビニール袋に
包装して店頭に陳列しているような場合に袋の外面から
では押圧操作できないので、悪戯によって爆発されるこ
ともなく、流通過程や店頭陳列時などの非使用時の安全
性を確保できる。しかも、実際の使用時には、外装体を
片手の掌で把持し、その把持した手の親指を爆発用押圧
操作体に当てて該親指に押圧力を加えるといった通常の
ライターにおける点火操作と同様な簡単な片手操作によ
り、所定通りに爆発させることができるとともに、その
爆発時にクラッカー本体における筒状体と上記爆発用押
圧操作体との間に、上記筒状体の前端開口部よりも外方
に突出する安全用仕切板が存在しているので、親指が開
口部近くに位置する片手操作であっても、爆発にともな
って前方へ噴出される噴出物や衝撃波が手指に直接作用
することを防止して、爆発時の安全性も十分に確保する
ことができるといったように、操作の利便性と安全性と
を両立させることができる。

【００２１】特に、安全用仕切板をクラッカー本体の外
装体に対する固定用板に兼用させる構成とすることによ
り、構成部材数をできるだけ少なくして、安全性に優れ
たライター形クラッカーを安価に構成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるライター形クラッカ
ー全体の外観斜視図である。

【図２】同上側面図である。

【図３】同上平面図である。

【図４】要部の一部切り欠き側面図である。

【図５】外装体の展開図である。

【図６】この考案の他の実施例によるライター形クラッ
カーの要部の斜視図である。

【図７】図６の正面図である。

【符号の説明】

１ クラッカー本体 ２ 爆発用押圧操作体 ３ 外装体 ５ 筒状体 ７ 引紐 ８ 火薬体 ９ 噴出物 １６ 安全用仕切板 １８，１９ ピン孔 ２０ ピン状体（爆発規制具の一例） ２１ Ｕ字状規制具

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状体内に該筒状体の軸線方向の一端部
   から外方へ向けて導出された引紐の引張り操作により爆
   発される火薬体およびこの火薬体の爆発力にともない上
   記筒状体の前端開口部から前方に向けて発射される噴出
   物を収納してなるクラッカー本体と、このクラッカー本
   体における上記引紐の端部が連結されて上記筒状体に外
   周面に沿った姿勢に配置された爆発用押圧操作体と、掌
   で把持可能な大きさに形成され上記クラッカー本体を固
   定保持し、かつ上記爆発用押圧操作体を引紐の引張り方
   向へ相対的に移動可能に保持して被包する簡易組立式の
   外装体とを備え、上記クラッカー本体における筒状体と
   上記爆発用押圧操作体との間には、上記筒状体の前端開
   口部よりも外方に突出する安全用仕切板がクラッカー本
   体側に固定して設けられているとともに、上記爆発用押
   圧操作体と外装体との間には、両者の相対移動による爆
   発を規制する爆発規制具が規制解除可能に設けられてい
   ることを特徴とするライター形クラッカー。
2. 【請求項２】 上記安全用仕切板が、クラッカー本体に
   おける筒状体に固定され、この安全用仕切板に形成した
   突片を外装体に形成した孔に係合させることで、該安全
   用仕切板をクラッカー本体の外装体に対する固定用板に
   兼用させている請求項１のライター形クラッカー。
3. 【請求項３】 上記爆発規制具が、上記爆発用押圧操作
   体および外装体を爆発用押圧操作体の押圧移動方向に対
   して直交する方向に貫通するピン状体から構成されてい
   る請求項１のライター形クラッカー。