JP2589842B2 - ダクト用換気扇 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、おもに事務所等の天井裏に設置され、屋外
と連通しているダクトと接続することで、室内の空気を
排出するダクト用換気扇に関するものである。

従来の技術 一般にダクト用換気扇は、天井裏に配設されたダクト
と接続して使用するため、換気扇本体のメンテナンス作
業が容易な構造が望まれていた。また、近年、天井裏の
高さは年々減少する傾向にあり、メンテナンス作業はき
わめて困難になりつつある。

このようなことから従来のダクト用換気扇は、一般に
第３図に示すような構成であった。すなわち図におい
て、101は換気扇の本体で、内部に送風用のファン102
と、これを回転させる電動機103、そして風を誘導する
ファンケーシング104を備え、対向する二側面には吸気
口105と排気口106を備えている。

ダクト用換気扇の取付け工事は、天井裏の梁などに固
定されたアンカーボルト107などを用いて、本体101に取
付けられた吊り金具108を使用して吊ったのち、本体101
に吸気ダクト109と排気ダクト110を接続して行なわれ
る。

メンテナンス作業においては、本体101の真下の天井
に設けられた点検口111を開き、本体101の底部にネジ11
2などにより固定された底板113をはずしたのち、電動機
103、ファンケーシング104、ファン102などを順に取り
外して行なわれていた。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、メンテナンス作業を、本
体101を吊ったまま行なうためには、本体101の真下にか
ならず点検口111の設置が必要であり、本体101の真下に
点検口111を設けることができず、しかも本体101底部と
天井板との空間が、工具などにより底板113を固定して
いるネジ112を外したり、本体101内の電動機103、ファ
ンケーシング104などを引き出すのに十分でない場合、
アンカーボルト107から本体101を外すととに、本体101
に固定された吸気口105と排気口106を外し、本体101ご
と近くの天井に設けられた点検口から室内へ移動する必
要があった。また本体101底部と天井板との間に十分な
空間があっても点検口が真下に設けられていない場合
は、本体101内の電動機103、ファンケーシング104、フ
ァン102などの部品を手探り状態で外したり、装着した
りしなくてはならず、その作業はきわめて困難なもので
あった。

本発明は上記課題を解決するもので、複数台を近傍に
設置する場合や、壁，柱に近づけて設置する場合など、
本体の取付け位置に制約を受けることが少なく、だれで
も容易に短時間でメンテナンス作業が行なえる安価なダ
クト用換気扇を提供することを目的としてる。

課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、天井壁に吊り金
具によって吊り下げられた箱状の本体と、この本体の側
面に設けられたダクト接合部と、前記本体内に収納され
たファン、ファンケーシング、電動機からなるファンモ
ータユニットとを有し、前記ダクト接続部を設けた側面
以外の対向する二側面をそれぞれ着脱自在な側板から構
成するとともに、前記ファンモータユニットを前記吊り
金具と一体形成されたレールに沿いスライドして前記二
側面から着脱自在としたダクト用換気扇の構成としたも
のである。

作 用 本発明は上記した構成により、本体の対向する二側面
をなす二側面のうち、水平方向に天井裏スペースの広い
側のいずれか一方をはずすことで、ファンモータユニッ
トごとスライドして取りはずすことができ、また、ファ
ンモータユニットがスライドする本体に固定してあるレ
ールは、本体を吊り下げるための吊り金具を兼用して一
体形成されており、吊り金具を本体に固定する手間を省
けるほかに、材料費も低減でき、安価なダクト用換気扇
を提供できることとなる。

実施例 以下、本発明の一実施例について、第１図および第２
図を参照しながら説明する。

図に示すように、換気扇の本体１は箱状をなし、対向
する二側面に吸気口２と排気口３を有し、それぞれには
ダクト接合部４が固定されている。本体１のもう一方の
対向する二側面は、それぞれネジ５などにより着脱自在
に固定された側板６から構成されており、また本体１の
天面はファン７、ファンケーシング８、電動機９からな
るファンモータユニット10が着接固定された天板11で構
成されている。この天板11は、本体１のダクト接合部が
固定されている外側面の上部に固定された吊り金具12と
一体形成され、本体１内に突出した２本のレール13上に
置かれて構成されている。

上記のように構成されたダクト用換気扇の取付け工事
は、天井裏の梁14などに固定されたアンカーボルト15に
吊り金具12をナット16などにより固定して本体１を吊り
下げたのち、ダクト接合部４に吸気ダクト17、排気ダク
ト18を接続して行われる。このとき、本体１の真下の天
井板19の点検口20を設けることができない場合、いずれ
か一方の側板６側に寄せて点検口20を設けることができ
れば、本体１の取付け位置に制約を受けることがない。

また、複数台を近傍に設置する場合、隣接する側板６
それぞれに届く点検口20を設け、それらの側板６をはず
しメンテナンス作業を行えば、場所を移動する口数が減
って、作業時間を短縮させることができる。

本体１を壁、柱に近づけて設置した場所のメンテナン
ス作業は、天井板19に設けられた点検口20を開き、着脱
自在に固定された対向する二側面６のうち、側方の天井
裏スペースの広い側のいずれか一方の側板６をはずし、
ファンモータユニット10が直接固定されている天板11ご
と、レール13上を手前にスライドさせてはずすことがで
きる。ファン７、ファンケーシング８、電動機９などの
部品を交換したり清掃したのち、ファンモータユニット
10ごとレール13上をスライドさせて本体１に納め、側板
６をネジ５などにより固定することにより、容易に短時
間でメンテナンス作業が行なえることとなる。

また、吊り金具12がレール13と一体形成されており、
吊り金具12を本体１に固定する手間が省ける上に、材料
費も低減でき安価なダクト用換気扇が提供できることと
なる。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれば、本
体の取付け位置に制約を受けることが少なく、また、本
体を壁、柱に近づけて設置しても、本体の対向する二側
面に着脱自在に固定してある側板のうちの、側方の天井
裏スペースの広い側のいずれか一方の側板をはずすこと
により、ファンモータユニットごとスライドしてはずす
ことができ、だれでも容易に短時間でメンテナンス作業
が行えるとともに、換気扇を複数台設置した場合、メン
テナンス作業の時間短縮を図ることができ、さらに、レ
ールを吊り金具に一体形成することにより、レールを本
体に固定する工数が不要となり、製造原価を低減した安
価なダクト用換気扇を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のダクト用換気扇の取付け断
面図、第２図は同ダクト用換気扇のファンモータユニッ
ト引き出し時の斜視図、第３図は従来のダクト用換気扇
の取付け断面図である。 １……本体、４……ダクト接合部、６……側板、７……
ファン、８……ファンケーシング、９……電動機、10…
…ファンモータユニット、12……吊り金具、13……レー
ル。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】天井壁に吊り金具によって吊り下げられた
   箱状の本体と、この本体の側面に設けられたダクト接合
   部と、前記本体内に収納されたファン、ファンケーシン
   グ、電動機からなるファンモータユニットとを有し、前
   記ダクト接続部を設けた側面以外の対向する二側面をそ
   れぞれ着脱自在な側板から構成するとともに、前記ファ
   ンモータユニットを前記吊り金具と一体形成されたレー
   ルに沿いスライドして前記二側面から着脱自在としたダ
   クト用換気扇。