JP2589798Y2 - メタル触媒担体 - Google Patents

メタル触媒担体

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JP2589798Y2
JP2589798Y2 JP1992035362U JP3536292U JP2589798Y2 JP 2589798 Y2 JP2589798 Y2 JP 2589798Y2 JP 1992035362 U JP1992035362 U JP 1992035362U JP 3536292 U JP3536292 U JP 3536292U JP 2589798 Y2 JP2589798 Y2 JP 2589798Y2
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博 田辺
康夫 深江
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カルソニック株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば、マニホールド
触媒コンバータに内蔵されたメタル触媒担体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排気系には、排気ガスを浄化す
るため、例えば実開平3−43527号公報に開示され
るマニホールド触媒コンバータが配置されている。
【0003】図7ないし図9はこの種のマニホールド触
媒コンバータのメタル触媒担体を示す。このメタル触媒
担体は、帯状の金属製の波板101と平板102を重
ね、長手方向に沿ってこれ等を多重に巻き回し、セル1
03を複数を集合させたコア部104を形成してなる。
【0004】波板101と平板102は、板厚50μm
程度の帯板状の箔材で、その断面形状は図8に示すよう
に、線状体に構成されている。そして、コア部104の
前端面104Aが排気ガスの流れ方向に向けた状態で配
置されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところが、従来のマニ
ホールド触媒コンバータのメタル触媒担体は、特に、排
気系においてエンジンのマニホールドの近くに位置して
いることから、コア部104の前端面104Aに高温の
排気ガスが当たり温度条件が厳しい上に、排気ガスの圧
力波が強いので、コア部104の、前端面104Aにお
ける波板101,平板102の各前端部101A,10
2Aで、図10に示すようにセル倒れ(矢印X)が発生
する虞がある。
【0006】また、排気ガス温度の変化に伴なうコア部
104の例えば周方向における熱応力が発生し、図9な
いし図11に示すように前端面104A及び後端面10
4Bにおける波板101,平板102の各前端部101
A,102A及び各後端部101B,102Bでセル切
れCが発生するという問題がある。
【0007】本考案は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、コア部の端面における触
媒用薄板の前端部のセル倒れやセル切れを防止すること
ができるメタル触媒担体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の考案は、
帯状の金属製の複数の触媒用薄板を重ねて長手方向に沿
ってこれ等を多重に巻き回すことによりまたは多段に折
り畳むことによりコア部を形成し、コア部の前端面を排
気ガスの流れ方向に向けた状態で配置されるメタル触媒
担体において、前記コア部の、少なくともその前端面に
おける触媒用薄板の前端部を、その強度が触媒用薄板の
中間部より大きくなるような形状に構成したことを特徴
とする。
【0009】請求項2記載の考案は、帯状の金属製の複
数の触媒用薄板を重ねて長手方向に沿ってこれ等を多重
に巻き回すことによりまたは多段に折り畳むことにより
コア部を形成し、コア部の前端面を排気ガスの流れ方向
に向けた状態で配置されるメタル触媒担体において、前
記コア部の、少なくともその前端面における触媒用薄板
の前端部の断面形状を、該触媒用薄板の板厚よりも直径
が大きい膨出形状に構成したことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の考案は、帯状の金属製の複
数の触媒用薄板を重ねて長手方向に沿ってこれ等を多重
に巻き回すことによりまたは多段に折り畳むことにより
コア部を形成し、コア部の前端面を排気ガスの流れ方向
に向けた状態で配置されるメタル触媒担体において、前
記コア部の、少なくともその前端面における触媒用薄板
の前端部の断面形状を、略U字型形状に構成したことを
特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載の考案によれば、コア部の、少な
くともその前端面における触媒用薄板の前端部を、その
強度が触媒用薄板の中間部より大きくなるような形状に
構成したので、触媒用薄板の前端部の熱変形に対する抵
抗力が増す。
【0012】請求項2及び3記載の考案によれば、請求
項1記載の考案と同様の作用が生じる。
【0013】
【実施例】以下、図面により本考案の実施例について説
明する。図1ないし図3は本考案の第1実施例に係わる
メタル触媒担体を示す。
【0014】図において、符号1はメタル触媒担体を示
し、このメタル触媒担体1は図示しないマニホールド触
媒コンバータの筒状容器内に収容されている。このメタ
ル触媒担体1は、帯状の金属製の波板2及び平板3から
なる触媒用薄板を長手方向に沿って交互に重ね、これ等
を多重に巻き回し、セル4を複数を集合させたコア部5
で構成されている。
【0015】波板2と平板3は、板厚50μm程度の帯
板状の箔材6を材料とし、コア部5の前後端面5A,5
Bにおける波板2の前端部2A,後端部2B及び平板3
の前端部3A,後端部3Bの断面形状は、該波板2,平
板3の板厚よりも直径が大きい円形形状6Aからなる膨
出形状に構成されている。円形形状6Aは箔材6の端部
をレーザーで溶かすことにより形成される。
【0016】従って、コア部5の前後端面5A,5Bに
おける波板2の前端部2A,後端部2B及び平板3の前
端部3A,後端部3Bは、その強度が箔材6の中間部6
Bの強度より大きくなるような形状に構成されている。
【0017】以上の如き構成によれば、コア部5の前端
面5Aにおける波板2,平板3の前端部2A,3Aの断
面形状を、波板2,平板3の板厚よりも直径が大きい円
形形状6Aに構成したので、強度が箔材6の中間部6B
より大きくなり、波板2,平板3の前端部2A,3Aの
熱変形に対する抵抗力が増し、コア部5の前端面5Aに
おける波板2,平板3のセル倒れを少なくすることがで
きる。
【0018】また、波板2,平板3の全体の板厚をアッ
プさせることなく、その前端部2A,3Aだけを強度ア
ップしただけで、熱変形に対して波板2,平板3の板厚
を全体的にアップさせたのと同等の強度アップの効果が
あり、重量増加を最小限にすることができる。同時に、
コア部5の、排気ガスにより力を受けた時の慣性力が小
さくなり、フィルムアウトを少なくできる。
【0019】さらに、コア部5の前後端面5A,5B付
近の波板2,平板3の前後端部2A,3A,2B,3B
に、排気ガスの温度変化で熱応力が作用しても、排気ガ
ス流れ方向前後端部2A,3A,2B,3Bが強度アッ
プされているので、セル切れの発生を少なくすることが
できる。
【0020】なお、本実施例においては、コア部5の前
後端面5A,5Bにおける波板2の前端部2A,後端部
2B及び平板3の前端部3A,後端部3Bの断面形状
は、該波板2,平板3の板厚よりも直径が大きい円形形
状6Aに構成されているが、コア部5の前端面5Aにお
ける波板2及び平板3の前端部2A,3Aの断面形状だ
けを、該波板2,平板3の板厚よりも直径が大きい円形
形状6Aに構成することもできる。この場合には、波板
2,平板3の前端部2A,3Aのセル倒れの発生を少な
くできる。
【0021】図4ないし図6は本考案の第2実施例に係
わるメタル触媒担体を示す。図において、符号11はメ
タル触媒担体を示し、このメタル触媒担体11は図示し
ないマニホールド触媒コンバータの筒状容器内に収容さ
れている。
【0022】このメタル触媒担体11は、帯状の金属製
の波板12及び平板13からなる触媒用薄板を長手方向
に沿って交互に重ね、これ等を多重に巻き回し、セル1
4を複数を集合させたコア部15で構成されている。
【0023】波板12と平板13は、板厚50μm程度
の帯板状の箔材16を材料とし、コア部15の前後端面
15A,15Bにおける波板12の排気ガス流れ方向の
前端部12A,後端部12B及び平板13の前端部13
A,後端部13Bの断面形状は、略U字型形状16Aに
構成され、折り返し部分が長手方向に沿って帯状16B
になっている。
【0024】従って、コア部15の前後端面15A,1
5Bにおける波板12の前端部12A,後端部12B及
び平板13の前端部13A,後端部13Bは、その強度
が箔材16の中間部16Cの強度より大きくなるような
形状に構成されている。
【0025】第2実施例によれば、第1実施例と同様な
効果を奏する。なお、本実施例においては、コア部15
の前後端面15A,15Bにおける波板12の前端部1
2A,後端部12B及び平板13の前端部13A,後端
部13Bの断面形状は、略U字型形状16Aに構成され
ているが、コア部15の前端面15Aにおける波板12
及び平板13の前端部12A,13Aの断面形状だけ
を、略U字型形状16Aに構成することもできる。この
場合には、波板12,平板13の前端部12A,13A
のセル倒れの発生を少なくできる。
【0026】また、上記実施例においては、帯状の金属
製の波板2,12及び平板3,13からなる触媒用薄板
を長手方向に沿って交互に重ね、これ等を多重に巻き回
してコア部5が構成されているが、コア部はかかる態様
に限定されることなく、例えば、波板2及び平板3から
なる触媒用薄板を長手方向に沿って多段に折り畳むこと
により、コア部を構成することもできる。
【0027】また、上記実施例においては、薄板の例と
して波板,平板を挙げて説明したが、これに限定される
ことなく、例えば小波板,大波板に適用することもでき
る。さらに、上記実施例においては、コア部の、前端後
面における触媒用薄板の前後端部の断面形状は、第1実
施例における円形形状,第2実施例における略U字型形
状になっているが、かかる断面形状に限定されることな
く、例えばL字型形状にし、その強度を触媒用薄板の中
間部より大きくすることができる。
【0028】そして、本実施例においては、マニホール
ド触媒コンバータを例に挙げて説明したが、これに限定
されることはない。
【0029】
【考案の効果】以上説明したように、請求項1記載の考
案によれば、コア部の、少なくともその前端面における
触媒用薄板の前端部を、その強度が触媒用薄板の中間部
より大きくなるような形状に構成したので、触媒用薄板
の前端部の熱変形に対する抵抗力が増し、コア部の前端
面における触媒用薄板のセル倒れを少なくすることがで
きる。
【0030】また、触媒用薄板の全体の板厚をアップさ
せることなく、その前端部だけを強度アップしただけで
も、熱変形に対して触媒用薄板の板厚を全体的にアップ
させたのと同等の効果があり、重量増加を最小限にする
ことができる。同時に、コア部の、排気ガスにより力を
受けた時の慣性力が小さくなり、フィルムアウトを少な
くできる。
【0031】さらに、コア部の前後端面付近の触媒用薄
板の前後端部に、排気ガスの温度変化で熱応力が作用し
ても、少なくとも触媒用薄板の前端部が強度アップされ
ているので、少なくとも触媒用薄板の前端部のセル切れ
の発生を少なくすることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係わるメタル触媒担体の
波板と平板の巻き回している製造過程の状態を示す斜視
図である。
【図2】同メタル触媒担体の波板,平板の断面図であ
る。
【図3】同メタル触媒担体の斜視図である。
【図4】本考案の第2実施例に係わるメタル触媒担体の
波板と平板の巻き回している製造過程の状態を示す斜視
図である。
【図5】同メタル触媒担体の波板,平板の断面図であ
る。
【図6】同メタル触媒担体の斜視図である。
【図7】従来におけるメタル触媒担体の波板と平板の巻
き回している製造過程の状態を示す斜視図である。
【図8】同メタル触媒担体の波板,平板の断面図であ
る。
【図9】同メタル触媒担体の斜視図である。
【図10】同メタル触媒担体の不具合の説明図である。
【図11】同メタル触媒担体の不具合の説明図である。
【符号の説明】
2 波板 3 平板 2A 前端部 3A 前端部 5 コア部 5A 前端面 6A 円形形状

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の金属製の複数の触媒用薄板(2,
    3,12,13)を重ねて長手方向に沿ってこれ等を多
    重に巻き回すことによりまたは多段に折り畳むことによ
    りコア部(5,15)を形成し、コア部(5,15)の
    前端面(5A,15A)を排気ガスの流れ方向に向けた
    状態で配置されるメタル触媒担体において、 前記コア部(5,15)の、少なくともその前端面(5
    A,15A)における触媒用薄板(2,3,12,1
    3)の前端部(2A,3A,12A,13A)を、その
    強度が触媒用薄板(2,3,12,13)の中間部(6
    B,16C)より大きくなるような形状(6A,16
    A)に構成したことを特徴とするメタル触媒担体。
  2. 【請求項2】 帯状の金属製の複数の触媒用薄板(2,
    3)を重ねて長手方向に沿ってこれ等を多重に巻き回す
    ことによりまたは多段に折り畳むことによりコア部
    (5)を形成し、コア部(5)の前端面(5A)を排気
    ガスの流れ方向に向けた状態で配置されるメタル触媒担
    体において、 前記コア部(5)の、少なくともその前端面(5A)に
    おける触媒用薄板(2,3)の前端部(2A,3A)の
    断面形状を、該触媒用薄板(2,3)の板厚よりも直径
    が大きい膨出形状(6A)に構成したことを特徴とする
    メタル触媒担体。
  3. 【請求項3】 帯状の金属製の複数の触媒用薄板(1
    2,13)を重ねて長手方向に沿ってこれ等を多重に巻
    き回すことによりまたは多段に折り畳むことによりコア
    部(15)を形成し、コア部(15)の前端面(15
    A)を排気ガスの流れ方向に向けた状態で配置されるメ
    タル触媒担体において、 前記コア部(15)の、少なくともその前端面(15
    A)における触媒用薄板(12,13)の前端部(12
    A,13A)の断面形状を、略U字型形状(16A)に
    構成したことを特徴とするメタル触媒担体。
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