JP2589541Y2 - 鋼材加熱炉 - Google Patents

鋼材加熱炉

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JP2589541Y2
JP2589541Y2 JP1993053126U JP5312693U JP2589541Y2 JP 2589541 Y2 JP2589541 Y2 JP 2589541Y2 JP 1993053126 U JP1993053126 U JP 1993053126U JP 5312693 U JP5312693 U JP 5312693U JP 2589541 Y2 JP2589541 Y2 JP 2589541Y2
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勝彦 野俣
和美 森
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、鋼材加熱炉に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図2は鋼材を圧延可能な温度まで均一に
加熱する為の鋼材加熱炉の一例を示すもので、この種の
鋼材加熱炉1は換熱帯2、予熱帯3、加熱帯4、均熱帯
5を連設することにより構成されており、鋼材6は図中
左側の換熱帯2側から右側の均熱帯5側に向け図示しな
い搬送装置により移動されるようになっている。
【0003】前記予熱帯3、加熱帯4、均熱帯5内には
鋼材6を連続的に加熱する為の複数のバーナ7が配設さ
れており、予熱帯3で約1150℃、加熱帯4で約12
50℃、均熱帯5で約1280℃の炉内温度となるよう
にしてある。
【0004】更に、各バーナ7を燃焼することにより生
じた高温の燃焼ガス8は、前記鋼材6の流れ方向とは逆
に図中右側の均熱帯5側から左側の換熱帯2側に向けて
流れ、バーナ配置の無い換熱帯2において鋼材6を予熱
した後に炉入口部9上方に設けた排ガス出口10から排
ガスダクト11を介してレキュペレータ12に導かれ、
該レキュペレータ12において送風機13から送られた
燃焼用空気14と熱交換チューブ15を介して熱交換さ
れた後に煙突16より排気されるようになっており、一
方、前記レキュペレータ12にて燃焼ガス8との熱交換
により予熱された燃焼用空気14は前記各バーナ7へと
導かれるようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
鋼材加熱炉1においては、通常、換熱帯2での燃焼ガス
8による鋼材6の予熱を前記燃焼ガス8の流れにまかせ
て行っていた為、鋼材6と燃焼ガス8との相対速度が5
m/秒以下と遅く、鋼材6への伝熱効率が悪かった。
【0006】この為、鋼材6を十分に予熱させようとし
た場合には、換熱帯2のライン方向の長さ寸法を大きく
することが考えられるが、敷地面積の制約や設備コスト
の上昇等を勘案すると、換熱帯2のライン方向の長さ寸
法を大きくするのにも自ずから限界があり、鋼材6への
伝熱が不十分なまま燃焼ガス8を排気せざるを得ないケ
ースが多かった。
【0007】ところが、鋼材6への伝熱が不十分なまま
燃焼ガス8を排気した場合には、該燃焼ガス8が約95
0〜1100℃でレキュペレータ12へと排気されるこ
とになるが、該レキュペレータ12の耐熱温度は850
℃が上限であり、これ以上の温度では熱交換チューブ1
5の寿命が著しく低下してしまう為、前記レキュペレー
タ12の入側にダイリューションライン17を介して予
熱前の冷えた燃焼用空気14の一部を導入し、レキュペ
レータ12に入る燃焼ガス8の温度を850℃以下に下
げるようにしており、熱効率が悪くなるという不具合が
あった。
【0008】更に、換熱帯2での燃焼ガス8による鋼材
6の予熱を前記燃焼ガス8の流れにまかせて行うと、鋼
材6の上側を流れる燃焼ガス8の流速の方が鋼材6の下
側を流れる燃焼ガス8の流速より早くなる為、鋼材6の
上面が下面より早く予熱され、鋼材6の上下面で50〜
200℃の大きな温度差が生じてしまい、この影響が炉
出口まで続いてしまうという不具合があり、また、燃焼
ガス8の流れは炉寸法や炉形状、鋼材6の寸法等により
偏流を起こし易く、該偏流により予熱温度にむらが生じ
るという不具合もあった。
【0009】また、以上に述べた如く、換熱帯2での燃
焼ガス8による鋼材6の予熱を燃焼ガス8の流れにまか
せて行ったのでは不具合が多い為、図2中に二点鎖線で
示す如く、換熱帯2における鋼材ラインの上下位置に複
数の予熱ガスノズル18を有するガスヘッダ19を夫々
配設し、前記換熱帯2内の燃焼ガス8を炉外に排した昇
圧機20により400〜500mmAqに昇圧して前記
ガスヘッダ19に導き、各予熱ガスノズル18から鋼材
6の上下面に燃焼ガス8を高速で吹き付けて鋼材6の予
熱効果を上げることが既に考えられているが、予熱帯3
側から換熱帯2に流れ込む約1150℃もの燃焼ガス8
を長期間扱えるような耐熱温度の高い昇圧機20を製作
することは極めて困難であり、このような機構を採用し
ようとすれば、換熱帯2や予熱帯3における炉内温度を
少なくとも900℃以下に下げる必要がある為、鋼材6
の昇温率が低くなるという新たな問題が生じた。
【0010】本考案は、上述の実情に鑑みてなしたもの
で、昇圧機の熱保護の為に換熱帯等の炉内温度を下げた
りすることなく鋼材に高温の燃焼ガスを吹き付けて効果
的に鋼材を予熱し得る鋼材加熱炉を提供することによっ
て、前述した全ての問題を解決することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案は、炉内に搬入さ
れた鋼材をバーナ燃焼により加熱し、鋼材の入側に設け
た換熱帯に前記バーナの燃焼ガスを導いて鋼材の予熱を
行い、更に前記燃焼ガスを換熱帯に連通する排ガスダク
トを介し炉外のレキュペレータに導いてバーナの燃焼用
空気の予熱に利用した後に排気するよう構成した鋼材加
熱炉において、搬入された鋼材に均等に燃焼ガスを吹き
付け得るよう複数の予熱ガスノズルを備えて前記換熱帯
内に設けられたガスヘッダと、炉外の所要位置に設けら
れた2個以上の蓄熱器と、鋼材ライン方向の換熱帯下流
側から導いた燃焼ガスを前記各蓄熱器に対し交互に切り
換えて導入する高温ガス導入ラインと、前記各蓄熱器か
ら熱回収された燃焼ガスを交互に排気して前記排ガスダ
クトの所要位置に導く低温ガス導出ラインと、前記レキ
ュペレータから排出された燃焼ガスの一部を昇圧機によ
り吸引し前記各蓄熱器に対し交互に切り換えて導入する
低温ガス導入ラインと、前記各蓄熱器から加熱された燃
焼ガスを交互に排気して前記ガスヘッダに導く高温ガス
導出ラインとを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】従って本考案では、鋼材ライン方向の換熱帯下
流側から高温の燃焼ガスを高温ガス導入ラインを通して
一方の群の蓄熱器に導入すると、導入された高温の燃焼
ガスは前記一方の群の蓄熱器に熱を回収され、低温の燃
焼ガスとなって低温ガス導出ラインを通過して排ガスダ
クトへと排出される。
【0013】次いで、前記高温ガス導入ラインを切換え
て高温の燃焼ガスが他方の群の蓄熱器を経由するように
流路を変更すると共に、昇圧機によりレキュペレータか
ら排出された低温の燃焼ガスの一部を吸引して低温ガス
導入ラインを通し前記一方の群の蓄熱器に導入すると、
該蓄熱器は先に述べた熱回収により既に加熱されている
ので、前記低温ガス導入ラインにより導かれた低温の燃
焼ガスは前記一方の群の蓄熱器内を通過することにより
加熱され、高温の燃焼ガスとなって高温ガス導出ライン
を通して換熱帯のガスヘッダへと導かれ、該ガスヘッダ
の予熱ガスノズルから鋼材に均等に吹き付けられ、鋼材
を十分に予熱した後に排ガスダクトへと排出される。
【0014】このとき、他方の群の蓄熱器において、高
温の燃焼ガスの熱回収が同時進行で行われることになる
ので、両群の蓄熱器の何れか一方による蓄熱と他方によ
る放熱を所定時間毎に交互に繰り返し切換えて行うよう
にすれば、換熱帯内のガスヘッダに対し高温の燃焼ガス
が継続して連続供給される。
【0015】
【実施例】以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明
する。
【0016】図1は本考案の一実施例を示すもので、図
中図2と同一の符号を付した部分は同一物を表わしてい
る。
【0017】前述した図2の鋼材加熱炉1と略同様に構
成した鋼材加熱炉21において、予熱帯3の天井部及び
底部に燃焼ガス吸出口22を夫々設けると共に、炉外の
所要位置に一対の蓄熱器23,23を設け、前記各燃焼
ガス吸出口22,22から導いた燃焼ガス8を合流し前
記各蓄熱器23,23の何れか一方に切り換えて交互に
導入し得るよう導入切換弁24を備えた高温ガス導入ラ
イン25により前記各燃焼ガス吸出口22,22と各蓄
熱器23,23とを接続する。
【0018】ここで、前記蓄熱器23,23の内部に
は、比重及び比熱が小さく且つ耐熱温度の高いセラミッ
ク等の蓄熱体が、その表面積が大きくなるよう多数のチ
ューブや薄板、或いはハニカム構造として収容されてお
り、内部に導入される燃焼ガス8に対し熱交換がなされ
るようになっている。
【0019】更に、前記高温ガス導入ライン25の導入
切換弁24により燃焼ガス8を導入された側の蓄熱器2
3から熱交換後の燃焼ガス8を排ガスダクト11に排気
し得るよう吸込ブロワ26と導出切換弁27を備えた低
温ガス導出ライン28により前記各蓄熱器23,23と
排ガスダクト11の所要位置とを接続する。
【0020】また、レキュペレータ12から煙突16に
向け排出された燃焼ガス8の一部を分流し前記各蓄熱器
23,23の何れか一方に交互に切り換えて導入し得る
よう昇圧機34と導入切換弁35を備えた低温ガス導入
ライン29により前記レキュペレータ12下流側と各蓄
熱器23,23とを接続する。
【0021】更に、前記換熱帯2における鋼材ラインの
上下位置に複数の予熱ガスノズル30を有するガスヘッ
ダ31を夫々配設し、前記低温ガス導入ライン29の導
入切換弁35により低温の燃焼ガス8を導入された側の
蓄熱器23から熱交換後の高温の燃焼ガス8を前記各ガ
スヘッダ31,31に供給し得るよう導出切換弁32を
備えた高温ガス導出ライン33により前記各蓄熱器2
3,23と各ガスヘッダ31,31とを接続する。
【0022】而して、高温ガス導入ライン25の導入切
換弁24と低温ガス導出ライン28の導出切換弁27の
切換操作によって、各燃焼ガス吸出口22,22から導
入切換弁24、一方の蓄熱器23、導出切換弁27、吸
込ブロワ26を経由して排ガスダクト11へと到る流路
を形成し、前記吸込ブロワ26の駆動により予熱帯3内
の約1150℃の高温の燃焼ガス8を各燃焼ガス吸出口
22,22から高温ガス導入ライン25を通して一方の
蓄熱器23に導入すると、導入された高温の燃焼ガス8
は、前記一方の蓄熱器23内の蓄熱体との熱交換により
熱を回収され、約200℃以下の低温の燃焼ガス8とな
って低温ガス導出ライン28を通過して排ガスダクト1
1へと排出される。
【0023】次いで、前記高温ガス導入ライン25の導
入切換弁24と低温ガス導出ライン28の導出切換弁2
7を切換えて各燃焼ガス吸出口22,22からの高温の
燃焼ガス8が他方の蓄熱器23を経由するように流路を
変更すると共に、低温ガス導入ライン29の導入切換弁
35と高温ガス導出ライン33の導出切換弁32の切換
操作によって、レキュペレータ12下流側から昇圧機3
4、導入切換弁35、一方の蓄熱器23、導出切換弁3
2を経由して換熱帯2のガスヘッダ31,31へと到る
流路を形成し、前記昇圧機34の駆動によりレキュペレ
ータ12から煙突16に向け排出された約200℃以下
の低温の燃焼ガス8の一部を分流し約400〜800m
mAqに昇圧して低温ガス導入ライン29により前記一
方の蓄熱器23に導入すると、該蓄熱器23は先に述べ
た高温の燃焼ガス8との熱交換により既に約1100℃
以上の熱を保有しているので、前記レキュペレータ12
下流側から導かれた低温の燃焼ガス8は蓄熱器23内の
蓄熱体との熱交換により加熱され、約950℃以上の高
温の燃焼ガス8となって高温ガス導出ライン33を通過
して換熱帯の各ガスヘッダ31,31へと排出され、該
各ガスヘッダ31,31の予熱ガスノズル30から鋼材
6の上下面に対し流速35〜150m/秒程度で吹き付
けられ、鋼材6を十分に予熱した後に約600℃以下の
燃焼ガス8となって炉入口部9へと排出される。
【0024】このとき、他方の蓄熱器23において、各
燃焼ガス吸出口22,22から導いた高温の燃焼ガス8
の熱回収が同時進行で行われることになるので、前記低
温ガス導入ライン29の導入切換弁35と高温ガス導出
ライン33の導出切換弁32を切換えてレキュペレータ
12下流側からの低温の燃焼ガス8が前記他方の蓄熱器
23を経由するように流路を変更すれば、換熱帯2内の
ガスヘッダ31に対する高温の燃焼ガス8の供給が継続
される。
【0025】即ち、各導入切換弁24,35及び各導出
切換弁27,32の切換操作により、各蓄熱器23,2
3の何れか一方による蓄熱と他方による放熱を0.5分
〜5分毎に交互に繰り返し切換えて行うようにすれば、
換熱帯2内のガスヘッダ31,31に対し高温の燃焼ガ
ス8を継続して連続供給することが可能となる。
【0026】また、予熱帯3から直接導かれた高温の燃
焼ガス8を含んで換熱帯2から排ガスダクト11に排出
された燃焼ガス8は、低温ガス導出ライン28から排ガ
スダクト11に排出された約200℃以下の低温の燃焼
ガス8と合流することにより約600〜700℃の燃焼
ガス8となってレキュペレータ12に導かれ、該レキュ
ペレータ12において送風機13から送られた燃焼用空
気14と熱交換チューブ15を介して熱交換された後に
煙突16より排気される。
【0027】従って上記実施例によれば、レキュペレー
タ12から排出された約200℃以下の燃焼ガス8の一
部を昇圧機34を経た後に蓄熱器23に導入して加熱す
るようにしているので、従来の如く昇圧機34が約11
50℃の高温の燃焼ガス8に晒されることがなくなり、
昇圧機34の耐熱温度を大幅に低減することができ、こ
れによって、換熱帯2や予熱帯3の炉内温度を下げるこ
となく鋼材6に高温の燃焼ガス8を吹き付けて高い熱伝
達率で効果的に鋼材6を予熱することができる。
【0028】例えば、本実施例の如く約950℃以上の
高温の燃焼ガス8を各ガスヘッダ31,31の予熱ガス
ノズル30から鋼材6の上下面に対し流速35〜150
m/秒程度で吹き付けた場合には約100Kcal/m
2・h以上の高い熱伝達率が得られ、従来の如く燃焼ガ
ス8の流れにまかせて鋼材6の予熱を行っていた場合に
おける約5Kcal/m2・hの熱伝達率と比較して約
20倍もの熱伝達率の向上を図ることができる。
【0029】また、前記した如く鋼材6に高温の燃焼ガ
ス8を吹き付けて高い熱伝達率で効果的に鋼材6を予熱
することができるので、換熱帯2において鋼材6を高速
予熱することができ、従来の如く燃焼ガス8の流れにま
かせて鋼材6の予熱を行っていた場合と比較して換熱帯
2のライン方向の長さ寸法を約二分の一以下に短縮する
ことができる。
【0030】更に、前記した如く鋼材6に高温の燃焼ガ
ス8を吹き付けて高い熱伝達率で効果的に鋼材6を予熱
することができるので、レキュペレータ12に導入され
る燃焼ガス8の温度をレキュペレータ12の耐熱温度8
50℃より低い約600〜700℃以下に抑制すること
ができ、耐熱性の低い安価なレキュペレータ12で燃焼
用空気14を予熱することが可能となり、しかも前記レ
キュペレータ12の入側にダイリューションラインを介
して予熱前の冷えた燃焼用空気14の一部を導入する必
要がなくなるので、前記ダイリューションラインを不要
とすることができると共に、炉全体の熱効率を大幅に向
上することができる。
【0031】また、前記した如く鋼材6に高温の燃焼ガ
ス8を吹き付けて高い熱伝達率で効果的に鋼材6を予熱
することができるので、燃焼ガス8の流れにまかせて鋼
材6の予熱を行うようにしていた従来の鋼材加熱炉と比
較して10〜15%の燃料消費量の削減を図ることがで
きる。
【0032】更に、ガスヘッダ31の配置や予熱ガスノ
ズル30の形状は、鋼材6の形状、寸法、熱特性等に応
じて適宜に選定することができるので、鋼材6をむらな
く均一に予熱することができる。
【0033】尚、本考案の鋼材加熱炉は、上述の実施例
にのみ限定されるものではなく、炉入口部における吸引
力が強ければ必ずしも低温ガス排出ラインに吸込ブロワ
を設けなくても良いこと、蓄熱器を複数対設けても良い
こと、その他、本考案の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変更を加え得ることは勿論である。
【0034】
【考案の効果】上記した本考案の鋼材加熱炉によれば、
下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0035】(I) レキュペレータから排出された低
温の燃焼ガスの一部を昇圧機を経た後に蓄熱器に導入し
て加熱するようにしているので、従来の如く昇圧機が高
温の燃焼ガスに晒されることがなくなり、昇圧機の耐熱
温度を大幅に低減することができ、これによって、換熱
帯等の炉内温度を下げることなく鋼材に高温の燃焼ガス
を吹き付けて高い熱伝達率で効果的に鋼材を予熱するこ
とが可能となる。
【0036】(II) 鋼材に高温の燃焼ガスを吹き付
けて高い熱伝達率で効果的に鋼材を予熱することができ
るので、換熱帯において鋼材を高速予熱することがで
き、従来の如く燃焼ガスの流れにまかせて鋼材の予熱を
行っていた場合と比較して換熱帯のライン方向の長さ寸
法を約二分の一以下に短縮することができる。
【0037】(III) 鋼材に高温の燃焼ガスを吹き
付けて高い熱伝達率で効果的に鋼材を予熱することがで
きるので、レキュペレータに導入される燃焼ガスの温度
をレキュペレータの耐熱温度より低い温度に容易に抑制
することができ、耐熱性の低い安価なレキュペレータで
燃焼用空気を予熱することが可能となり、しかも前記レ
キュペレータの入側にダイリューションラインを介して
予熱前の冷えた燃焼用空気の一部を導入する必要がなく
なるので、前記ダイリューションラインを不要とするこ
とができ且つ炉全体の熱効率を大幅に向上することがで
きる。
【0038】(IV) 鋼材に高温の燃焼ガスを吹き付
けて高い熱伝達率で効果的に鋼材を予熱することができ
るので、燃焼ガスの流れにまかせて鋼材の予熱を行うよ
うにしていた従来の鋼材加熱炉と比較して大幅に燃料消
費量の削減を図ることができる。
【0039】(V) ガスヘッダの配置や予熱ガスノズ
ルの形状は、鋼材の形状、寸法、熱特性等に応じて適宜
に選定することができるので、鋼材をむらなく均一に予
熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す概略図である。
【図2】従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
2 換熱帯 6 鋼材 7 バーナ 8 燃焼ガス 11 排ガスダクト 12 レキュペレータ 14 燃焼用空気 21 鋼材加熱炉 23 蓄熱器 25 高温ガス導入ライン 28 低温ガス導出ライン 29 低温ガス導入ライン 30 予熱ガスノズル 31 ガスヘッダ 33 高温ガス導出ライン 34 昇圧機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 野俣 勝彦 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (72)考案者 森 和美 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (56)参考文献 特開 昭50−5951(JP,A) 特開 昭52−50912(JP,A) 特開 平6−228632(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 1/00,1/34,1/52,9/00 F27B 9/36 F27D 13/00 F23D 11/44,14/66 F23L 15/02

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内に搬入された鋼材をバーナ燃焼によ
    り加熱し、鋼材の入側に設けた換熱帯に前記バーナの燃
    焼ガスを導いて鋼材の予熱を行い、更に前記燃焼ガスを
    換熱帯に連通する排ガスダクトを介し炉外のレキュペレ
    ータに導いてバーナの燃焼用空気の予熱に利用した後に
    排気するよう構成した鋼材加熱炉において、搬入された
    鋼材に均等に燃焼ガスを吹き付け得るよう複数の予熱ガ
    スノズルを備えて前記換熱帯内に設けられたガスヘッダ
    と、炉外の所要位置に設けられた2個以上の蓄熱器と、
    鋼材ライン方向の換熱帯下流側から導いた燃焼ガスを前
    記各蓄熱器に対し交互に切り換えて導入する高温ガス導
    入ラインと、前記各蓄熱器から熱回収された燃焼ガスを
    交互に排気して前記排ガスダクトの所要位置に導く低温
    ガス導出ラインと、前記レキュペレータから排出された
    燃焼ガスの一部を昇圧機により吸引し前記各蓄熱器に対
    し交互に切り換えて導入する低温ガス導入ラインと、前
    記各蓄熱器から加熱された燃焼ガスを交互に排気して前
    記ガスヘッダに導く高温ガス導出ラインとを備えたこと
    を特徴とする鋼材加熱炉。
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