JP2589535B2 - 抗菌性フィルムの製造法 - Google Patents

抗菌性フィルムの製造法

Info

Publication number
JP2589535B2
JP2589535B2 JP8618088A JP8618088A JP2589535B2 JP 2589535 B2 JP2589535 B2 JP 2589535B2 JP 8618088 A JP8618088 A JP 8618088A JP 8618088 A JP8618088 A JP 8618088A JP 2589535 B2 JP2589535 B2 JP 2589535B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
ion
ions
zeolite
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8618088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01256963A (ja
Inventor
達雄 山本
靖夫 栗原
晃治 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinagawa Fuel Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Fuel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinagawa Fuel Co Ltd filed Critical Shinagawa Fuel Co Ltd
Priority to JP8618088A priority Critical patent/JP2589535B2/ja
Publication of JPH01256963A publication Critical patent/JPH01256963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2589535B2 publication Critical patent/JP2589535B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗菌性フィルムの製造法に関し、より詳しく
は比較的少量の抗菌性ゼオライトにより十分な抗菌性を
示す抗菌性フィルムの製造法に関する。
〔従来の技術〕
ゼオライトに銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属を担持した
所謂抗菌性ゼオライトが知られている〔特公昭61−2297
7号、特開昭60−181002号〕。該ゼオライトを混合する
ことにより、樹脂等に抗菌力を付与できることも知られ
ている〔特開昭59−133235号公報〕。
ところが抗菌性ゼオライトは必ずしも安価でないこと
から、実用的にはより少量の抗菌性ゼオライトでもっ
て、十分な抗菌力を樹脂に付与する必要がある。しかる
に前記特開昭59−133235に記載の方法は、樹脂成型体の
全体に抗菌性ゼオライトを分散させるものであった。
又、抗菌性ゼオライトを一定量以上樹脂等に混入させ
ると、樹脂等の透明度が低下する傾向がある。従って、
抗菌性ゼオライトを混合した樹脂を単にフィルム化する
ことにより得られた比較的厚いフィルムは、透明性が低
く、透明フィルムとしての商品価値は低いものであっ
た。
そこで本発明者らは、比較的少量の抗菌性ゼオライト
によって十分な抗菌力を発揮し、かつ透明度も従来品と
ほぼ同等の抗菌性フィルム及び抗菌性積層フィルムを提
供することを目的として、先に抗菌性ゼオライトを含有
する有機高分子フィルムであって、該抗菌性ゼオライト
の含有量が該有機高分子フィルム1m2当たり10〜100mgで
あり、かつ膜厚が15μm以下である抗菌性フィルム及び
該フィルムを支持体の両面又は片面に積層してなる抗菌
性積層フィルムを発明し、特許出願した〔特願昭62−16
2710号〕。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、比較的少量の抗菌性ゼオライト等の
抗菌性粉体により十分な(実用的なレベルの)抗菌性を
示す、特願昭62−162710号に開示した抗菌性フィルムに
代り得る抗菌性フィルムを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、抗菌性無機粉体、樹脂、沸点が100℃以上
である高沸点溶剤及び沸点が100℃以下である低沸点溶
剤を含有する樹脂組成物、ただし、上記高沸点溶剤の沸
点及び低沸点溶剤の沸点の差は5℃以上である、からフ
ィルムを形成する抗菌性フィルムの製造法に関する。
以下本発明について説明する。
本発明において「抗菌性無機粉体」としては、抗菌性
を有する物質の粉体及び抗菌性を有する物質を無機担体
に担持した粉体等を例示することができる。上記無機担
体としてはゼオライト、無定形アルミノケイ酸塩、シリ
カゲル、アルミナ、けいそう土等を用いることが好まし
い。
本発明においては、抗菌性無機粉体としては例えば抗
菌性ゼオライト又は無定形アルミノケイ酸塩を用いるこ
とができる。本発明においては、抗菌性ゼオライトとし
て、例えば特開昭59−133235号、同60−1810023号、同5
9−37956号及び特願昭62−307355号等に記載の、ゼオラ
イト中のイオン交換可能なイオンを抗菌性金属イオン及
び/又はアンモニウムイオンで置換したゼオライトをい
ずれも制限なく使用できる。又、抗菌性無定形アルミノ
ケイ酸塩としては、例えば特開昭61−174111号等に記載
の無定形アルミノケイ酸塩中のイオン交換可能なイオン
を抗菌性金属イオン及び/又はアンモニウムイオンで置
換した無定形アルミノケイ酸塩を用いることができる。
本発明においては、例えばゼオライト中のイオン交換
可能なイオン、例えばナトリウムイオン、カルシウムイ
オン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン
等のその一部又は全部をアンモニウムイオン及び抗菌性
金属イオンで置換した抗菌性ゼオライトを抗菌性無機粉
体として用いることができる。
ここでゼオライトとしては、天然ゼオライト及び合成
ゼオライトのいずれも用いることができる。ゼオライト
は、一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケート
であり、一般式としてXM2/nO・Al2O3・YSiO2・ZH2Oで
表示される。ここでMはイオン交換可能なイオンを表わ
し通常は1又は2価の金属のイオンである。nは(金
属)イオンの原子価である。XおよびYはそれぞれの金
属酸化物、シリカ係数、Zは結晶水の数を表示してい
る。ゼオライトの具体例としては例えばA−型ゼオライ
ト、X−型ゼオライト、Y−型ゼオライト、T−型ゼオ
ライト、高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデナ
イト、アナルサイム、クリノプチロライト、チャバサイ
ト、エリオナイト等を挙げることができる。ただしこれ
らに限定されるものではない。これら例示ゼオライトの
イオン交換容量は、A−型ゼオライト7meq/g、X−型ゼ
オライト6.4meq/g、Y−型ゼオライト5meq/g、T−型ゼ
オライト3.4meq/g、ソーダライト11.5meq/g、モルデナ
イト2.6meq/g、アナルサイム5meq/g、クリノプチロライ
ト2.6meq/g、チャバサイト5meq/g、エリオナイト3.8meq
/gであり、いずれもアンモニウムイオン及び銀イオンで
イオン交換するに充分の容量を有している。抗菌性金属
イオンの例としては、銀、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビ
スマス、カドミウム、クロム又はタリウムのイオン、好
ましくは銀、銅、又は亜鉛のイオンが挙げることができ
る。
抗菌性の点から、上記抗菌性金属イオンは、ゼオライ
ト中に0.1〜15%含有されていることが適当である。銀
イオン0.1〜15%及び銅イオン又は亜鉛イオン0.1〜8%
含有する抗菌性ゼオライトがより好ましい。一方アンモ
ニウムイオンは、ゼオライト中に20%まで含有させるこ
とができるが、ゼオライト中のアンモニウムイオンの含
有量は0.5〜5%と、好ましくは0.5〜2%とすること
が、該ゼオライトの変色を有効に防止するという観点か
ら適当である。尚、本明細書において、%とは110℃乾
燥基準の重量%をいう。
以下抗菌性ゼオライトの製造方法について説明する。
本発明に用いる抗菌性ゼオライトは、予め調製したア
ンモニウムイオン及び銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン
等の抗菌性金属イオンを含有する混合水溶液にゼオライ
トを接触させて、ゼオライト中のイオン交換可能なイオ
ンと上記イオンとを置換させる。接触は、10〜70℃、好
ましくは40〜60℃で3〜24時間、好ましくは10〜24時間
バッチ式又は連続式(例えばカラム法)によって行うこ
とができる。尚上記混合水溶液のpHは3〜10、好ましく
は5〜7に調整することが適当である。該調整により、
銀の酸化物等のゼオライト表面又は細孔内への析出を防
止できるので好ましい。又、混合水溶液中の各イオン
は、通常いずれも塩として供給される。例えばアンモニ
ウムイオンは、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、
酢酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、チオ硫酸ア
ンモニウム、リン酸アンモニウム等、銀イオンは、硝酸
銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝酸
塩、ジアンミン銀硫酸塩等、銅イオンは硝酸銅(II)、
過塩素酸銅、酢酸銅、テトラシアノ銅酸カリウム、硫酸
銅等、亜鉛イオンは硝酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛、過塩素
酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等、水銀イオン
は、過塩素酸水銀、硝酸水銀、酢酸水銀等、錫イオン
は、硫酸錫等、鉛イオンは、硫酸鉛、硝酸鉛等、ビスマ
スイオンは、塩化ビスマス、ヨウ化ビスマス等、カドミ
ウムイオンは、過塩素酸カドミウム、硫酸カドミウム、
硝酸カドミウム、酢酸カドミウム等、クロムイオンは、
過塩素酸クロム、硫酸クロム、硫酸アンモニウムクロ
ム、硝酸クロム等、タリウムイオンは、過塩素酸タリウ
ム、硫酸タリウム、硝酸タリウム、酢酸タリウム等を用
いることができる。
ゼオライト中のアンモニウムイオン等の含有量は前記
混合水溶液中の各イオン(塩)濃度を調節することによ
って、適宜制御することができる。例えば抗菌性ゼオラ
イトがアンモニウムイオン及び銀イオンを含有する場
合、前記混合水溶液中のアンモニウムイオン濃度を0.2M
/〜2.5M/銀イオン濃度を0.002M/〜0.15M/とす
ることによって、適宜、アンモニウムイオン含有量0.5
〜5%、銀イオン含有量0.1〜5%の抗菌性ゼオライト
を得ることができる。又、抗菌性ゼオライトがさらに銅
イオン、亜鉛イオンを含有する場合、前記混合水溶液中
の銅イオン濃度は0.1M/〜0.85M/、亜鉛イオン濃度
は0.15M/〜1.2M/とすることによって、適宜銅イオ
ン含有量0.1〜8%、亜鉛イオン含有量0.1〜8%の抗菌
性ゼオライトを得ることができる。
前記の如き混合水溶液以外に各イオンを単独で含有す
る水溶液を用い、各水溶液とゼオライトとを逐次接触さ
せることによって、イオン交換することもできる。各水
溶液中の各イオンの濃度は、前記混合水溶液中の各イオ
ン濃度に準じて定めることができる。
イオン交換が終了したゼオライトは、充分に水洗した
後、乾燥する。乾燥は、常圧で105℃〜115℃、又は減圧
(1〜30Torr)下70℃〜90℃で行うことが好ましい。
尚、錫、ビスマスなど適当な水溶液塩類のないイオン
や有機イオンのイオン交換は、アルコールやアセトンな
どの有機溶媒溶液を用いて難溶性の塩基性塩が析出しな
いように反応させることができる。
本発明においては、無定形アルミノケイ酸塩中のイオ
ン交換可能なイオンの一部または全部を抗菌性金属イオ
ンで置換した抗菌性無定形アルミノケイ酸塩(以下AAS
という)を抗菌性無機粉体として用いることができる。
ここで原料として用いるAAS(無定形アルミノケイ酸
塩)は、特に制限なく、従来から知られているものをそ
のまま用いることができる。AASは一般に組成式xM2O.Al
2O3・ySiO2・zH2Oで表示され、ここでMは一般にアルカ
リ金属元素(例えばナトリウム、カリウム等)である。
またx、y、zはそれぞれ金属酸化物、シリカ、結晶水
のモル比率を示している。AASはゼオライトと称されて
いる結晶性アルミノ珪酸塩と異なり、X線回折分析でも
回折パターンが現れない非晶質の物質であり、その合成
工程にて数10Aの極く微細なゼオライト結晶が生成し、
その表面にSiO2・Al2O3・M2Oなどが複雑に組合された非
晶質物質が付着した構造と考えられている。AASの製造
は一般にはアルミニウム塩溶液、ケイ素化合物溶液およ
びアルカリ金属塩溶液を所定の濃度で60℃以下の低温度
域で反応させ、結晶化が進行する前に水洗して製造され
る。製造法としては例えば特公昭52−58099号、特開昭5
5−162418号などに記載された方法がある。
上記方法により得られるAASはアルカリ金属酸化物が1
0%以上含まれている。該AASは、抗菌性AASの製造用に
そのまま用いることもできるがM2O含有率を10%以下、
好ましくは8%以下とすることが、樹脂等に添加した際
の樹脂等の経時的変色を有効に防止するという観点から
特に好ましい。ただし、この範囲に限定されるものでは
ない。
さらに上記AASは、抗菌性金属イオンでイオン交換さ
れている。抗菌性金属イオンの例としては、銀、銅、亜
鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム又は
タリウムのイオン、好ましくは銀、銅、又は亜鉛のイオ
ンが挙げることができる。
抗菌性金属のうち銀の添加量は0.1〜50%、好ましく
は0.5〜5%とすることが優れた抗菌力を示すという観
点から適当である。またさらに銅、亜鉛、水銀、錫、
鉛、ビスマス、カドミウム、クロム及びタリウムのいず
れか1つあるいは2つ以上の金属を0.1〜10%含有する
ことが好ましい。
さらに抗菌性AASは、上記抗菌性金属に加えてアンモ
ニウムイオンをイオン交換により含有させることもでき
る。アンモニウムイオンは、AAS中に15%まで含有させ
ることができるが、AAS中のアンモニウムイオンの含有
量は0.5〜5%と、好ましくは0.5〜2%とすることが、
該AASの変色を有効に防止するという観点から適当であ
る。
上記抗菌性AASは例えば以下の(1)及び(2)の方
法により製造することができる。
(1) M2O(Mはアルカリ金属である)含有率が好ま
しくは10%以下の無定形アルミノケイ酸塩と抗菌性金属
イオンとを接触させて、無定形アルミノケイ酸塩中のイ
オン交換可能なイオンと抗菌性金属イオンとを交換する
ことにより抗菌性AASを製造することができる。
(2) 無定形アルミノケイ酸塩スラリーのpHを好まし
くは6以下に調整し、次いで該スラリー中の無定形アル
ミノケイ酸塩と抗菌性金属イオンとを接触させて、無定
形アルミノケイ酸塩中のイオン交換可能なイオンと抗菌
性イオンとを交換することにより抗菌性AASを製造する
ことができる。
(1)の方法において無定形アルミノケイ酸塩(AA
S)としてM2O含有率が好ましくは、10%以下のものを用
いる。通常の方法で得られるAASは10%を超えるM2Oを含
有する。そこで前記方法により得られたAASを例えば水
に懸濁させ、次いで得られたスラリーを攪拌しながら酸
水溶液を滴下することによりAAS中のアルカリ金属及び
/又はアルカリ土類金属を中和することによりM2O含有
率を10%以下に調整することができる。酸水溶液として
0.1N以下の濃度の希酸水溶液を用い、攪拌条件及び反応
規模によっても異なるが滴下速度100ml/30分以下で行う
ことが好ましい。さらに中和は、スラリーのpHが3〜
6、好ましくは4〜5の範囲にすることが好ましい。
又、中和に使用できる酸としては硝酸、硫酸、過塩素
酸、リン酸、塩酸などの無機酸及びギ酸、酢酸、シュウ
酸、クエン酸などの有機酸等を挙げることができる。
中和して得られたM2O含有率10%以下のAASは濾過し、
水洗し、スラリーとしてそのまま(1)の方法に用いる
こともできるし、あるいは乾燥してM2O含有率10%以下
のAASとしてもよい。
(1)の方法において好ましくは、M2O含有率10%以
下のAASのスラリーと抗菌性金属イオン含有水溶液とを
混合して銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等の抗菌性金
属イオンを含有する混合水溶液にAASを接触させて、AAS
中のイオン交換可能なイオンと上記イオンとを置換させ
る。接触は、5〜70℃、好ましくは40〜6℃で1〜24時
間、好ましくは10〜24時間バッチ式又は連続式(例えば
カラム法)によって行うことができる。
混合水溶液中の各イオンは、通常いずれも塩として供
給される。用いられる塩は前記抗菌性ゼオライトの製造
の際に用いることができる塩と同様のものを用いること
ができる。
AAS中のアンモニウムイオン等の含有量は前記混合水
溶液中の各イオン(塩)濃度を調節することによって、
適宜制御することができる。例えば抗菌性AASが銀イオ
ンを含有する場合、前記混合水溶液中の銀イオン濃度を
0.01M/〜0.30M/とすることによって、適宜銀イオン
含有量0.5〜6%の抗菌性AASを得ることができる。又、
抗菌性AASがさらに銅イオン、亜鉛イオンを含有する場
合、前記混合水溶液中の銅イオン濃度は0.05M/〜0.4M
/、亜鉛イオン濃度は0.05M/〜0.4M/とすることに
よって、適宜銅イオン含有量1〜8%、亜鉛イオン含有
量1〜8%の抗菌性AASを得ることができる。
前記の如き混合水溶液以外に各イオンを単独で含有す
る水溶液を用い、各水溶液とAASとを逐次接触させるこ
とによって、イオン交換することもできる。各水溶液中
の各イオンの濃度は、前記混合水溶液中の各イオン濃度
に準じて定めることができる。
イオン交換が終了したAASは、充分に水洗した後、乾
燥する。乾燥は、常圧で105℃〜115℃、又は減圧(1〜
30Torr)下70℃〜90℃で行うことが好ましい。
尚、錫、ビスマスなど適当な水溶性塩類のないイオン
や有機イオンのイオン交換は、アルコールやアセトンな
どの有機溶媒溶液を用いて難溶性の塩基性塩が析出しな
いように反応させることができる。
一方(2)の方法は、常法により得られたAASのスラ
リーのpHを6以下、好ましくは3〜6、より好ましくは
4〜5に調整して、AAS中のM2O含有率を10%以下とする
ことができる。該pHの調整は前記(1)の方法において
例示した方法を同様に用いることができる。
次いでpHを調整したスラリーと抗菌性金属イオン含有
溶液とを混合して、該スラリー中のAASをイオン交換す
ることができる。イオン交換法等は(1)の方法と同様
の方法をそのまま使用することができる。
尚、本発明に用いる抗菌性無機粉体は、水分含有量を
0.5〜20%、好ましくは1〜10%とすることが、良好な
分散性を得るという観点から好ましい。更に抗菌性無機
粉体の粒子径には特に制限はないが、より少量の粉体で
分散体に高い抗菌力を付与するという観点からは、粒子
径は比較的小さいことが好ましい。粉体の粒子径は、例
えば0.04〜20μm、好ましくは0.1〜10μmであること
ができる。
本発明に用いられる「樹脂」としては、例えば、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリアクリル樹脂、シリコン樹脂、エ
ポキシ樹脂、アセタール樹脂、ケトン樹脂、アルキルカ
ーバメイト樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン樹脂、天然ゴム、ニト
リルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ク
ロロプレンゴム(CR)等を挙げることができる。
このうち本発明において透湿性や帯電防止性を同時に
もつという点からポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シ
リコン樹脂又はそれらの変性樹脂が特に望ましい。
本発明においては、溶媒として100℃以上の沸点を有
する高沸点溶剤及び100℃以下の沸点を有する低沸点溶
剤を用いる。
上記高沸点溶剤の例としては、水(100℃)トルエン
(110.6℃)、o−キシレン(144.4℃)、m−キシレン
(139.1℃)、p−キシレン(138.4℃)、酢酸ブチル
(126.3℃)、メチルイゾブチルケトン(115.8℃)、メ
チルセロソルブ(124.5℃)、エチルセロソルブ(135.1
℃)、エチルセロソルブアセテート(155℃)、N,N−ジ
メチルホルムアミド(153℃)、テトラクロルエチレン
(121.2℃)、シクロヘキサン(156℃)、ミネラルスピ
リット(130〜200℃)等を挙げることができ、中でもN,
N−ジメチルホルムアミドが好ましい(但し、カッコ内
は沸点を示す)。
又、上記低沸点溶剤の例としては、酢酸エチル(79
℃)、メチルエチルケトン(79.6℃)、イソプロピルア
ルコール(82.3℃)、ジクロルメタン(89.8℃)、トリ
クロルエチレン(86.7℃)、ジクロルエタン(83.5
℃)、トリクロルエタン(74.1℃)、アセトン(56.3
℃)及び水(100℃)等を挙げることができ、中でもト
リクロルエタンが好ましい(但し、カッコ内は沸点を示
す)。
尚、本発明においては、高沸点溶剤として上記溶剤の
1種又は2種以上、低沸点溶剤として上記溶剤の1種又
は2種以上を用いることがきる。
ただし、本発明においては、高沸点溶剤の沸点と低沸
点溶剤の差が5℃以上、好ましくは9℃以上となるよう
な組合せをする。
本発明においては上記のような高沸点溶剤及び低沸点
溶剤を併用することによって、キュアリング工程の初期
に低沸点溶媒が揮散し、塗膜化し、その後高沸点溶媒が
徐々に揮散する際に抗菌性無機粉体の表面が露出するた
め、高い抗菌力が得られる。
本発明においては、前記抗菌性無機粉体、樹脂及び2
種以上の溶剤を混合するか、又は予じめ抗菌性無機粉体
に高沸点溶媒を吸着した後に混合して、樹脂組成物を調
製する。この混合においては抗菌性無機粉体を含む樹脂
組成物の粘度が1000〜200000cP、好ましくは2000〜5000
00cpであることが、ナイフコーターまたはロールコータ
ーによる塗布作業を容易にし、均一な樹脂組成物を比較
的短時間に得られるという観点から好ましい。
本発明に用いる抗菌性無機粉体、樹脂、高沸点溶剤及
び低沸点溶剤を含有する樹脂組成物中の抗菌性無機粉体
の含有量は、樹脂固形分重量に対して0.1〜30%、好ま
しくは1〜20%とすることが高い抗菌力を示すという観
点から適当である。
さらに、樹脂及び溶剤(高沸点溶剤及び低沸点溶剤)
の重量比は、例えば5〜55:95〜45(樹脂:溶剤)であ
ることが樹脂組成物の粘度を前記範囲とし、かつ高い抗
菌力を発揮させるという観点から好ましい。又、高沸点
溶剤及び低沸点溶剤の重量比は5〜80:80〜5(高沸点
溶剤:低沸点溶剤)、好ましくは15〜70:70〜15である
ことが好ましい。高沸点溶剤及び低沸点溶剤の重量比
は、上記範囲にすることにより、より高い抗菌力を得る
ことができる。
本発明に用いる樹脂組成物は、種々の混合機を用いて
製造することができ、例えばずり分散力の高いバンバリ
ミキサー、2本ロールミル、及びニーダーやずり分散力
の弱い3本ロールミル、コロイドミル、ミキサー、ディ
スパー、サンドミル及びボールミル等も使用できる。
また樹脂組成物中には約1〜15重量%の架橋剤、例え
ばポリイミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、およびイソシアネートが含まれていてもよく、また
必要に応じて着色剤、安定剤、セル調整剤(界面活性
剤)等を含んでいてもよい。
本発明の製造法は、前記樹脂組成物からフィルムを形
成する。フィルムの形成は、公知の方法(例えば押出し
法、ロールナイフ法、延伸法等)により行うことがで
き、フィルム形成時の樹脂組成物の硬化法としては、ド
ライ・キュアリング(例えば通風式ドライヤーを使用す
る)及びスチーム・キュアリング(例えば過熱蒸気を使
用する)を挙げることができる。さらに、架橋剤を前記
樹脂組成物に添加しておくこともでき、又前記樹脂とし
て放射線重合性樹脂を用い放射線照射することによって
も行うことができる。具体的には、ドライキュアリング
は、例えば50〜180℃で30秒〜10分間の条件で行うこと
ができる。
得られる抗菌性フィルムは、膜厚が15μm以下、好ま
しくは2〜12μm、より好ましくは3〜6μmであるこ
とが適当である。又、該抗菌性フィルム中の抗菌性ゼオ
ライトの含有量は、有機高分子フィルム1m2当たり10〜1
00mg、好ましくは25〜75mgであることが得られた抗菌性
フィルムの透明性を保持するという観点から適当であ
る。
上記のようにして得られた抗菌性フィルムは支持体の
両面又は片面に積層して抗菌性積層フィルムを提供する
こともできる。
支持体としては、例えば樹脂フィルムを挙げることが
できる。該樹脂フィルムとしては、前記抗菌性フィルム
作成に用いる有高分子化合物からなるフィルムを挙げる
ことができる。支持体の厚さは、用途及び支持体の強度
等により変動するが例えば5〜100μm、好ましくは10
〜50μmであることが好ましい。
前記抗菌性フィルムを支持体の両面又は片面の積層す
る方法としては、例えば共押出し法、ラミネート法等を
挙げることができる。
前記のようにして得られる本発明の抗菌性フィルム及
び該抗菌性フィルムと支持体とを積層して得た抗菌性積
層フィルムは、優れた抗菌力及び透明度を有するもので
ある。
抗菌性フィルムは15μm以下の膜厚を有し、そのまま
例えば、食品包装材、医療用包材等として用いることが
でき、又適宜他の物品にコーティングして、該物品に抗
菌性を付与することもできる。
又抗菌性積層フィルムは、通常15〜50μmの膜厚を有
し、抗菌性フィルムに比較して強度に優れ、例えば食品
用包材、食品用容器、衣料用包材、医療用包材等に用い
ることができる。
尚、本発明の抗菌性積層フィルムは、さらに樹脂、金
属、紙等の層を積層し、シート、あるいは成型品とする
こともできる。
以下本発明を実施例により更に詳しく説明する。
参考例(抗菌性ゼオライトの調製) 110℃で加熱乾燥したA−型ゼオライト粉末(Na2O・A
l2O3・1.9SiO2・xH2O:平均粒径1.5μm)1kgに水を加え
て、1.3のスラリーとし、その後攪拌して脱気し、さ
らに適量の0.5N硝酸溶液と水とを加えてpHを5〜7に調
整し、全容を1.8のスラリーとした。次にイオン交換
の為、0.015Nの硝酸銀溶液3を加えて全容を4.8と
し、このスラリー液を40〜60℃に保持し24時間攪拌しつ
つ平衡状態に到達させた状態に保持した。イオン交換終
了後ゼオライト相を濾過し温水でゼオライト相中の過剰
の銀イオンがなくなるまで水洗した。次にサンプルを11
0℃で加熱乾燥し、抗菌性ゼオライト粉体サンプルを得
た。得られたサンプルは銀を2.5%含有したものであっ
た。
実施例1 下記の樹脂組成物1を調製し、これを離型紙上に厚さ
50μmにコーティングし、ドライヤーにて120〜135℃で
2分間乾燥させて抗菌性フィルムとした。
(樹脂組成物1) ポリウレタン樹脂 100部 (大日精化工業製) メチルエチルケトン 10部 (bp79.6℃) トルエン(bp110.6℃) 30部 抗菌製無機粉体 3部 (参考例で得た抗菌性ゼオライト) 実施例2 下記の樹脂組成物2を調製し、これをドラム式キャス
ティング機(平野金属製)にて離型紙上に厚さ60μmに
コーティングし、その後120〜135℃で2〜3分間乾燥さ
せて抗菌性フィルムとした。
(樹脂組成物2) アセテートフレーク 100部 (ダイセル化学製) フタル酸ジメチル 10部 リン酸トリフェニル 5部 アセトン(bp.56.3℃) 30部 アセタール(bp.103℃) 30部 抗菌製無機粉体 3部 (参考例で得た抗菌性ゼオライト) 実施例3 実施例1のメチルエチルケトン及びトルエンに代えて
表1の溶媒を用いた他は実施例1と同様にして抗菌性フ
ィルムとした。但し、溶媒の使用量は、単独の溶媒を用
いた場合には40部とし、併用の場合には低沸点の溶媒を
20部、高沸点の溶媒を20部とした。
得られたフィルムについて、抗菌力の試験を行った。
各フィルムに大腸菌(105個/ml)15ml降り掛け、37℃
で18時間培養した。菌液を生理食塩水にて洗い流し、こ
の液について存在する大腸菌数を測定した。結果を表1
に示す。
〔発明の効果〕 本発明によれば、比較的容易に高い抗菌力を有する抗
菌性フィルムを提供することができる。又、本発明の方
法により得られる抗菌性フィルムは透明度も高いもので
あった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗菌性無機粉体、樹脂、沸点が100℃以上
    である高沸点溶剤及び沸点が100℃以下である低沸点溶
    剤を含有する樹脂組成物、ただし、上記高沸点溶剤の沸
    点及び低沸点溶剤の沸点の差は5℃以上である、からフ
    ィルムを形成する抗菌性フィルムの製造法。
JP8618088A 1988-04-07 1988-04-07 抗菌性フィルムの製造法 Expired - Lifetime JP2589535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8618088A JP2589535B2 (ja) 1988-04-07 1988-04-07 抗菌性フィルムの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8618088A JP2589535B2 (ja) 1988-04-07 1988-04-07 抗菌性フィルムの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01256963A JPH01256963A (ja) 1989-10-13
JP2589535B2 true JP2589535B2 (ja) 1997-03-12

Family

ID=13879566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8618088A Expired - Lifetime JP2589535B2 (ja) 1988-04-07 1988-04-07 抗菌性フィルムの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2589535B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01256963A (ja) 1989-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR910007311B1 (ko) 항균성 분체를 함유한 분산체의 제조방법
KR101000069B1 (ko) 항균성 제올라이트 및 항균성 수지 조성물
US4929431A (en) Process for producing amorphous aluminosilicates
US9801385B2 (en) Antimicrobial chemical compositions
KR20070121536A (ko) 항균 제올라이트 입자 및 항균 수지 조성물
JP2589535B2 (ja) 抗菌性フィルムの製造法
DK2838364T3 (en) ANTIMICROBIAL CHEMICAL COMPOSITIONS
JPH08133918A (ja) 無機系抗菌剤
JP2519973B2 (ja) 抗菌性アルミノケイ酸塩
JPH0348230B2 (ja)
JP2598957B2 (ja) 抗菌性材料の製造法
JP2762282B2 (ja) サブミクロンy型ゼオライト及びその製造法
JPH0586983B2 (ja)
JPH0761927B2 (ja) 抗菌剤
JPH0742101B2 (ja) サブミクロンa型ゼオライト及びその製造法
JP2598956B2 (ja) 抗菌性アルミノケイ酸塩
JP2559125B2 (ja) 抗菌性ゼオライトの製造方法
JP2598961B2 (ja) 抗菌性アルミノケイ酸塩
JP2855371B2 (ja) 結晶性層状珪酸の金属置換体及びその製造方法
JP3177039B2 (ja) リン酸塩系抗菌剤およびその製造法
JP3467447B2 (ja) ケイ酸カルシウム類を用いた無機系抗菌材
JP3158188B2 (ja) 結晶質ケイ酸リン酸ジルコニウム及びその製造方法
JP2691349B2 (ja) 食品用保存剤
JPH01287172A (ja) 抗菌性樹脂組成物
JPH0545628B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205